予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

56 / 269
 それは人の持っている思いなのだから。


救いたいと願う事の何が悪い。

 「逮捕って・・・キンちゃん何言ってるの?」

 白雪はキンジを見て驚いていた。

 何故ここにいるのか?如何して自分を逮捕するのか?

 もう訳が分からなくなっていたのだ。

 然しただ一つだけ分かるとすれば・・・。

 「まさか!?」

 白雪はデュランダルの方に顔を向けようとした瞬間、首元に冷たいナニカが

当たった。

 「動くな、白雪。」

 キンジが白雪の首筋に脇差を当てていたのだ。

 「俺の質問に全部答えてもらうぞ。」

 「き・・・キンちゃん、これは。」

 「黙れ、俺の質問にだけ答えろ」

 ここからは分からないが今のキンジが白雪に対して見せる視線は仲間ではなく

敵としての目で見ていた。

 キンジは白雪の言葉を一瞬で斬り捨てるとキンジはある質問をした。

 「何時からデュランダルが接触してきた?」

 「・・・・この間の花火の時。」

 「あの時か!!何で言わなかった!?紫に頼んで逆探知も出来たぞ!!」

 「・・・・だって・・・だって言えば殺すってメールで!」

 「ああいう手合いは成功してもしなくても殺すタイプって武偵校でも初期に

教わるぞ!!」

 キンジは大声で荒げながらそう言うと足元にいるカナメを見てこう言った。

 「とにかく、外に戻ったら今回の事を報告させてもらう。それと未成年略取の

現行犯としてもしょっぴくからな。」

 キンジは白雪に警告しながらカナメをおんぶしようとした瞬間に・・・

煙がキンジ達の前を覆った。

 そして何かが来るのをキンジは感じた。

 「ちぃい!!」

 避けて刺さった所を見るととそこにあったのは湾曲した刃物。

 フランスの銃剣「ヤタガン」に装備されるサーベルである。

 そして何処からか声が聞こえて煙がなくなった瞬間・・・カナメがいなかった。

 『遠山キンジ、彼女を助けたければ上に来るがよい』

 何処からか声が聞こえたキンジは辺りを見回していると・・・。

 「あそこか・・・!」

 キンジは天井の扉が一つ空いているのに気づいた。

 このジャンクションは大抵が無人で武器の受け渡しも全自動なのだがメンテ用として幾つかの出入口がありその一つが開いていた。

 キンジはそこに向かおうとすると・・・。

 「ダメ、キンちゃん!行っちゃ!!」

 後ろから白雪がキンジを止めようとするもキンジは走ってそこに向かった。

 「キンちゃんダメ!武偵は超偵には勝てない!!」

 だがキンジはその警告を無視してでも向かった。

 ・・・守りたいと決めているから。

 「ダメ!キンちゃん行かないで!!キンちゃ~~ん~~!!」

 

 

 

 

 

 「(全く俺は武偵失格だな。)」

 キンジは心の中で自分を小ばかにしていた。

 武偵は何があってもクライアントの為に行動し、利益を守るために行動しなければ

いけない。

 まあ例外があるとすれば・・・。

 「やっぱり俺はあんたの弟だよ。兄さん。」

 遠山 金一である。

 貧しい国や人に対して無償かおにぎり一個でどんな仕事も引き受けるという文字通り正義の味方を体現したような存在である。

 そして今のキンジは・・・。

 「無料で仲間を守るために戦うんだからな。」

 金一が全てを守るならキンジはこの手で救えるならそれを全て救うという・・・

やはり正義の味方のような事をしようとしていた。

 「待ってろよ、カナメ!」

 キンジはそう言いながら上に向かうとそこにあったのは・・・。

 「ここは確か学園島情報部のHPCだったな。」

 何十台もあるスーパーコンピューターの冷却室である。

 結構冷えるがそれでも銃が使えるからまだましだなと思いながら銃を出そうと

すると・・・。

 「へえ、一人で来るなんてツイてるわね。」

 「!!」

 女性の声がしたのでキンジは銃は諦めて持っていた脇差を声のある方向に構えた。

 「全く箱入り娘を操るなんてどうとでもなるわね。」

 コツ、コツと足音がした。

 「それに・・・大切な人に出会えた。」

 近づくにつれて姿が露になった。

 「後は。」

 黒いドレス。

 「あんたを」

 銀色の手甲とティアラ

 「コロセバ」

 足元にまで届くほどの銀色の髪

 「すべてが上手くいく。」

 「!!」

 キンジはその女性の全容と顔を見て驚いた。

 「なんで」

 少しきつい目つき

 「何で」

 然しその顔つきはまるで

 「ナンデ」

 鏡写しのように

 「何でそんなに」

 似ていたのだ。

 「カナメに・・・似てるんだ!!」

 救おうとした女性に・・・。

 「初めまして、遠山キンジ!」

 遠山カナメに・・・そっくりだったのだ。




 その頃のザビ―はと言うと・・・。
 「えっと・・・どいてくれる?」
 ブーーーッ!!ブブーーン!!
 白雪を全力で見張っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。