ジャンヌダルク
15世紀、イギリスとフランスによる100年戦争の際、フランス勢として戦線に参加。
ジルと言う軍師を率いてその旗のもとに同志たちを勝利に導いた聖女。
だがそのブルゴーニュ公国軍の捕虜になった後イギリスに人質としてイギリスに
引き渡され、その後異端審問に掛けられて最後は・・・。
「若干19歳で火刑にされた・・・でもおい!・・・それって・・・
どう考えても!!」
年齢に異常が出るぞとキンジはそう思っていた。
19歳で死んだジャンヌダルクに子供がいたのなら捕虜になる前・・・つまり1年前には既に子供がいたという事になっていなければならない。
さらに子供がある一定までに大きくなっていて且つ国外から逃げていなければ
ならない。
そう考えるならジャンヌダルク派の人間の手を借りたとしても彼女が歴史の表舞台に立つ前から子供がいたという事となる。
詰まるところを言えば日本で言えば元服になったばかり、つまり15歳以前に
出産していたこととなる。
それを考えていたキンジであったがレティシアから笑い声が聞こえた。
「まあ普通ならそう思うだろうけど一つ訂正があるとすれば・・・あれは
影武者よ。」
「・・・影武者・・・なら納得がいくな。」
ジャンヌダルク程の大物ならば万が一に備えて影武者を用意することも考えられる。
それもキリスト教でジャンヌダルクと同じくらいの年齢ならなんとか見繕える
からだ。
するとカナメ・・・いや30代目ジャンヌダルクはこう続けた。
「我々一族は聖女であると同時に魔女としての側面を併せ持ち、歴史の中でその力と知略を持って今迄存在し、それは『イ・ウー』に入っても変わらずでした。」
その言葉にキンジはあることを考えた。
「なら、超偵を狙うのはその力を」
「そ、使いこなすためヨ。まあ№2の命令でもあるけどね。」
キンジの言葉にレティシアがそう答えた後30代目ジャンヌダルクはこう言った。
「ですが事件が起こりました。ある超偵を船の上で捕まえる際に私はその超偵の力により、海に投げ出され・・・記憶を失いました。」
「それがあの時か・・・。」
はいと30代目ジャンヌダルクがそう答えるとキンジはそう言えばと思った。
デュランダルを調べていた際、その前日に超偵の一人が行方不明になったという
情報がある事に。
すると30代目ジャンヌダルクはキンジにこう言った。
「あれから私は記憶がない間・・・楽しかったです。」
「・・・カナメ・・・」
「皆さんと食事し、笑って、泣いて、怒って、それでも皆さんが・・・
貴方が笑っていた。」
その時30代目ジャンヌダルクがキンジに見せた笑顔は・・・カナメと同じ笑顔で
あった。
「だけどそれも今日で終わり。」
30代目ジャンヌダルクはそう言いながら槍を振りかざしてこう言った。
「貴方を倒して・・・星伽 白雪を貰い受けます!!」
「カナメ・・・・!!」
キンジは30代目ジャンヌダルクを見て悔しそうな顔で脇差を持ってこう言った。
「俺がお前を・・・止める!!」
嘗て心から繋がっていた二人。
その果ては決別か?・・・それとも。