予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 キンジが30代目ジャンヌダルクと対峙している頃。


その頃の下の階。

今から数分前。

 「いい加減にどいて!キンちゃんが大変なのよ!!」

 ブブーーン!ブブブブブーーン!!

 白雪は未だザビ―をどかすことが出来なかった。

 恐らくキンジの命令によるものだろうがザビーはそれをちゃんと実行していた。

 一方の白雪も早くキンジの所に行きたいという思いでやきもきしていた。

 そんなことが暫く続く中・・・。

 「白雪!!」

 部屋の外からアリアの声が聞こえた。

 そして・・・。

 「白雪さん!」

 雪泉の声も聞こえた。

 それを聞いて白雪は顔を強張らせた。

 もし自分がカナメを連れ去った事が知れたら只では済まないからだ。

 それだけではなく飛鳥達も来ていた。

 全員が部屋に着くと白雪はたどたどしくこう聞いた。

 「え・・・えっと・・・どうしてここが?」

 それを聞いたアリアはこう返した。

 「あんたがいなくなったって言う報告を聞いてあたしは直ぐに飛んで行こうと

思ったら見慣れないバイクに乗ったキンジを見かけたからコネクトの人間に頼んで

キンジの居場所を特定してもらったのよ。それで分かったから行こうと思ったら

生徒会長も行くことになったから代表以外の面子は全員来たのよ。」

 「へええ・・・そうなんだ。」

 白雪は内心冷や汗がダラダラと出ていた。

 下手したら更に最悪な展開が待っているからだ。

 「(ウウウ・・・どうしよう、どうしよう。雪泉さんだけじゃなくてこの泥棒猫も

一緒だなんて・・・絶対ばれないようにしないと!!)」

 そう思っていると上の階から・・・悲鳴が聞こえた。

 『イヤアアアアアア!キンジサアアアアアアン!!』

 「!今の声!?」

 「カナメさん!?」

 「何でここにいるのじゃ!?」

 飛鳥、雪泉、夜桜がその声を聞いてびっくりする中華毘がこう続けた。

 「それに今のってまさか!?」

 「・・・キンちゃんに何かが・・・キンちゃん!!」

 白雪が走り出そうとするとザビ―が上に通ずる扉にコンコンと当たっていた。

 「あそこから!!」

 飛鳥はそれを見て特定すると白雪がそれを開けようとした。

 すると・・・。

 「ちょっと待ちなさい!」

 アリアが待ったをかけた。

 「如何して!?」

 「そこしか出入り口がないのならトラップを仕掛けているはずよ!デュランダルは

慎重な犯行を繰り返してるからそれをしているはずよ!?」

 「でもキンちゃんが!!」

 アリアの言葉に白雪が反論していると華毘が懐からある物を出した。

 「開けるのが駄目なら・・・あれを使うっす。」

 華毘が指さした方向にあったのは幾つもの重火器であった。

 

 

 

 

 

 暫くすると華毘はある物を作っていた。

 「これで完成っす!!」

 それはISの予備パーツで使った急ごしらえの大砲であった。

 それを扉目掛けてセットすると。

 「離れるっす!」

 華毘は全員にそう言った後全員離れた。

 「・・・発射ーーーー!!!」

 ドン!!という音と共にIS用のバズーカが火を噴いた。

 そして扉に着弾すると扉は・・・粉々になった。

 「これでどうっす!?」

 それを聞いたアリアは呆れながらこう言った。

 「・・・あんた無茶しすぎ。」

 それに対して華毘はへへっと鼻を擦って答えた。

 「皆さん!行きましょう!!」

 雪泉がそう言うと全員おお!!と答えた。

 そして一人ずつ上に上がった。

 彼らが見るのは真実か?それとも・・・。

 

 




 次回はキンジが刺された後。

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