「キンジさん!何で1?ナンデ!??キンジさん!キンジサーン!!」
30代目ジャンヌダルク・・・いや、カナメは何が何だか分からなくなり始めていた。
最初は躱した攻撃を何故躱さなかったのか。
どうしてこんな事をしたのか。
頭の中で何が何だか混乱していたがそれは簡単な事であった。
只キンジは・・・彼女を救いたいという願いがあっただけであった。
その為にキンジは自分がどれだけ傷だらけになろうと構わなかったのだ。
たとえそれで・・・死ぬことになったとしても。
そうとも知らずカナメは如何したらいいのか考えていた。
「(このままじゃキンジさんが!キンジさんが!!)」
最早慌てて考えもしなかった。
そうしている間もキンジの刺された横腹から血が出続けていた。
人間は血液を3/1以上出されると出血死してしまうのだ。
そうしている中後ろから・・・声が聞こえた。
「姉さん。」
「・・レティシア。」
レティシアがカナメのすぐそこ迄やってきた。
するとレティシアが剣を抜くとカナメに対してこう言った。
「どいてくれない姉さん?後は私が始末してあげる。そして・・・」
「一緒に帰りましょ♪」
「レティシア・・・!」
カナメはその時初めて妹であるレティシアの笑顔に・・・恐怖を感じた。
恐らくこの1年の間にさらに何人も手に掛けたと考えた瞬間彼女に恐怖したのだ。
するとカナメはキンジの懐からある物を出した。
それは・・・。
「えい!」
「きゃあ!!」
煙幕玉であった。
「ちょ、・・・姉さん!!」
レティシアはカナメの行動に驚いていると晴れた瞬間彼女は・・・消えていた。
「ちょ、姉さん!何処なの!?・・・何処ヨ姉さーーん!!」
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・。」
カナメは自分のドレスを剣に巻き付かせるために破って血の垂れを防いでいた。
然し所詮それは一時的な物。
満たせてしまえば必然的に垂れてしまうのが必然である。
現に既に垂れ始めていた。
カナメはレティシアから少し離れた所まで歩いた後キンジをHPCの一つに背中を
預けるような感じで置いた。
既に血が巻き付いた布を真っ赤に染め、このままではいけないと思ったカナメは頭を抱えてどうしようと思っていた。
「携帯電話は使えない、救急道具もない!!如何したらいいの!!?」
カナメはそう言いながらキンジを見ると・・・もっとヤバいこととなっっていた。
「ウ・・・ウウ・・・・・・・」
既に目を閉じかけていた。
「ダメですキンジさん!!目を開けて下さい!!閉じないで!!
死なないで・・・!!」
カナメは最後泣き崩れるようにキンジの胸に顔をうずくめて言った。
「どうしたら・・・どうしたら・・」
カナメはどうしようと涙を拭きながらそう言うと自分の腕を見てある事を
思い出した。
然しそれをしたらどうなるか分かっているのだがキンジの状態を見て考える間もなく行動に移した。
カナメは手甲を外しながらキンジにこう言った。
「キンジさん!今から剣を抜きます!!その後少し痛いかもしれませんけど」
カナメがキンジに何か言いかけた瞬間、キンジは・・・呟くようにこう言った。
「イママデ・・・アリガトウ」
キンジは少し笑顔でそう言うとカナメは・・・怒鳴るようにキンジにこう言った。
「嫌です!!」
「私は認めません!!」
カナメはキンジの服の上着を脱がせながらこう言った。
「貴方が死ねば多くの人が悲しみます!!」
「飛鳥さんに雪泉さん、焔さん、紫さん、夜桜さん、華毘さん、武藤さん、
他にも多くの人達が悲しみます!!貴方が金一さんを失ったように!!・・・・
私も悲しみますから・・・だから・・・」
カナメはキンジの上着を着崩した後剣の刺さっている部分に手を伸ばして
こう言った。
「・・・生きて下さい・・・キンジ。」
そう言ってカナメはキンジの唇に・・・自身の唇を押し付けた。
「!!」
キンジはあまりの事に驚きながらもカナメはキンジの刺さった剣を・・・
引き抜いた。
「---!!!」
キンジはそれに痛みを感じるとさらに不思議なことが起きた。
カナメの腕から・・・炎が出てきた。
「!!!!」
それをキンジの腹部に・・・押し付けた。
「----!!-----!!!!」
キンジはあまりの痛さに悶絶していた。
腕は血が出過ぎたことで使うにも力が出なかったのだ。
今キンジに出来る事は・・・只身を委ねることでしかなかった。
「・・・はむっ・・・くちゅ」
カナメは自分がキンジの声を出させないようにしていたのだ。
そしてある感情があった。
それは・・・。
「(キンジさん・・・私は貴方の事が・・・大好き。)」
「(これが最後なら・・・一度だけ・・・私の初めてを貴方に。)」
ようやく気づいた自分の気持ちにカナメはぶつけるかのように続けた。
そして傷が塞がると・・・それも終わった。
「「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」」
キンジとカナメはお互い唇を離すとお互いの口から唾液が伸び、息遣いも荒かった。
まるで事後のような感じであったがキンジの横腹の傷口が塞がるのを確認すると
カナメは頬を赤くしながらもにこりと笑っていた。
「キンジさん・・・。」
「カナメ・・・。」
お互い名前を呼び合い意識があるのかを確認していた。
二人の間には何かの時間が過ぎるように感じた。
そして無論そこにいるのは・・・彼らだけではなかった。
「・・・・・姉さん?」
目を大きくかっ開いてそれを見ていた・・・レティシアがそこにいた。
原作キンジ「・・・何じゃこりゃ嗚呼!!」
普通ならヒスルなこれ。