予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 姉妹の戦いに・・・決着がつく。


戦いは終幕へ。

何故レティシアの能力が氷なのか?

 それは初代ジャンヌダルクの影武者が火刑されたことから起因するのである。

 火に対抗するためにそれよりも冷たい氷で対抗しようと考えたことがそもそもの

始まりである。

 然し・・・何世代か経ったジャンヌダルクは姉妹で産まれた後幼い彼女はこう

思い着いた。

 それは・・・。

 火に打ち勝つためにより強い火を作り出す。

 詰まるところ彼女は「バックドラフト」を起こして火を消すという荒業を

思いついたのだ。

 そしてそれは何世代も続き、今に至る。

 

 

 

 

 

 

 「・・・綺麗。」

 誰かが言ったのか分からないがそのような声を出した。

 炎は恐れられ、畏怖される力である。

 人々に暖かさと、豊かさ、そして恐怖と悪意も蔓延させることが出来るからだ。

 そして・・・カナメが動き出した。

 「!!」

 レティシアは防御しようと能力を使って受け止めた。

 キィイン!!という音と共にお互いの剣がぶつかり合った。

 本来なら火花が散るのだがこの時の二人の剣は・・・。

 火と氷がぶつかり合った事により周りに水しぶきが弾かれた。

 「「ハアアア!!」」

 今度は二人同時で攻撃した。

 ぶつかり合う水しぶきが二人に当たりながらも攻撃を続けた。

 まるで雨に打たれながらも戦いあうかのように・・・。

 そしてお互いが何合かの剣が弾かれた瞬間レティシアがHPCを足蹴にして宙を舞った。

 『オルレアンの磔!』

 レティシアが斬撃を叩きつけようとした瞬間・・・カナメも動いた。

 『オルレアンの解炎!』

 剣から炎の斬撃を出してそれを打ち消した。

 『オルレアンの十字架!』

 するとレティシアが剣を突き刺して氷の床にした。

 そしてカナメも同じく剣を突き刺した。

 『オルレアンの導旗!』

 そしてカナメも炎の壁を出してそれを打ち消した。

 バシュ---!!!という音と共に周りは白い煙を上げた。

 まるで霧のように周りが白くなった。

 そしてカナメは周りを警戒していた。

 それは・・・。

 「!」

 カナメが何かに気づくと剣を構えた。

 キィイン!!という音と共に火花が散った。

 その訳は・・・。

 「幾ら姉さんでもこの中じゃああたしが有利ヨ!」

 レティシアがそう言いながら縦横無尽でカナメに襲い掛かった。

 「相変わらずのやり方ですね!」

 そう言いながらカナメはある所を見ていた。

 それは・・・キンジが倒れている方向である。

 

 

 

 

 

 

 「・・・・グウ・・・ウウ。」

 弱弱しくもキンジは目を覚ました。

 然も・・・ヒステリアモードになって・・・。

 キンジは自分の体の確認をした。

 「(・・・腹の刺さっていたところは・・・何とか血が止まっているな。

少し痛いけど・・・。)」

 「あ、遠山君!!雪泉姉、遠山君が気づいたよ!!」

 飛鳥はキンジが目を覚ましたのを見てそう言うと雪泉がキンジに駆け寄った。

 「大丈夫ですか!?痛むところはありませんか!!?」

 雪泉がキンジにそう言うとキンジはこう答えた。

 「ああ・・・二色の花を見て少し元気になったよ。」

 「あ・・・その言葉って・・・。」

 「あれになってますね。」

 飛鳥と雪泉はキンジがヒステリアモードになっていることを感じ取るとキンジは二人こう聞いた。

 「今・・・どうなってる?」

 そう聞くと飛鳥はこう答えた。

 「今、カナメちゃんがそっくりな人と戦ってるよ。」

 それを聞いたキンジは・・・。

 「止めない・・・と。」

 立ち上がろうとしていた。

 「駄目だよ!遠山君!!」

 「今は安静にしないといけません!!」

 飛鳥と雪泉がキンジを止めようとした。

 然しキンジは・・・こう返した。

 「あの二人を・・・このままにしちゃ・・・いけない・・・だから。」

 ハアハアと言いながらキンジはベレッタを懐から出すと飛鳥と雪泉にこう聞いた。

 「二人共・・・手を貸してくれないか?」

 そう聞くと・・・二人はこう返した。

 「勿論だよ!」

 「武偵憲章第1条『仲間を信じ、仲間を助けよ』です!」

 二人が了承するとキンジは・・・近くにいたザビ―を見てこう言った。

 「お前も・・・力を貸してくれるか?」

 そう聞くとザビ―は・・・。

 こくっと首を上下に振って答えた。

 

 

 

 

 「はあ・・・はあ・・・はあ。」

 カナメは少し肩が息をしている状態であった。

 未だ霧は晴れず、精神的に見ても限界であった。

 然しそれはレティシアも同じであった。

 決着が着くことが無く、後もう一押しが上手くいかないのだ。

 お互い体力が無いことを確認すると・・・レティシアはある事を思いついた。

 「(今なら姉さんの体力がもう底に付いている頃合い、剣戟で撤収すると同時に

投擲してあいつの首筋に当てるわ。)」

 居場所も覚えてるしねと考えた後レティシアはいつでも取り出せるように準備した後走り出した。

 「!・・・そこ!!」

 カナメはレティシアを感じ取った瞬間・・・声が聞こえた。

 「カナメ---!!!」

 そして次の瞬間・・・銃声が響いた。

 

 

 

 

 

 「これでいいの?」

 「ああ・・・これでいい。」

 今キンジは飛鳥に支えて貰いながらベレッタを構えているが・・・構えているのは

キンジ本人ではなかった。

 では誰かと言うと・・・。

 「誤差修正・・・いけます。」

 雪泉がキンジの掌を重ねるように構えていた。

 そして霧の中で・・・キンジはある所を構えていた。

 そこは・・・。

 「ですが・・・カナメさんに当たるかもしれません。」

 カナメのすぐ近くである。

 本来なら視界が悪い中での射撃はあまりよろしくないのだがキンジはお構いなしと

構えていた。

 そしてキンジは構える中こう考えていた。

 「(カナメ・・・お前は俺を助けてくれた・・・。)」

 「(今度は俺がお前を助けてやる!!)」

 そう思いながらベレッタを構えた。

 そして・・・影が見えた瞬間・・・大声でこう言った。

 「カナメ---!!!」

 

 

 

 

 カナメはキンジの声を聞いた瞬間銃声が聞こえたのでそこから避けた。

 するとレティシアは銃弾の気配を感じ取ってその銃弾を・・・切裂いた。

 「邪魔したわね!!」

 レティシアはそう言いながら「ヤタガン」の刃を投擲しようとしたその時・・・。

 ブーーーン!!

 ザビ―が猛スピードでレティシア目掛けて突っ込んできた。

 そしてザビ―はそのまま・・・レティシアの刃を持っている方の腕に針を刺した。

 「グウ!」

 レティシアはいきなりのことに回避できずに受け止めてしまった。

 そして・・・。

 びりびりっと電流が流れた。

 「ギガア!!」

 それにより腕がしびれてしまっただけではなく刃を投擲することが出来なくなった。

 そしてレティシアの悲鳴を聞いたカナメはその地点に狙いを絞った。

 「そこお!!」

 カナメはそのままレティシア目掛けて剣を振り上げ、レティシアはそれを

防御しようと刀身を盾代わりにして構えた。

 「ハアアア!!」

 そしてそのままカナメはそのまま・・・レティシアの剣を切裂いた。

 「そ、そんな!!」

 レティシアはあまりの事に驚いていると・・・カナメは更に剣を構えた。

 「ヒィ!」

 レティシアはやられると感じ取って悲鳴を上げて目を瞑った。

 そしてカナメはそのまま・・・剣を捨ててレティシアを抱きしめた。

 「へ?」

 レティシア何でと思って目を開けるとそこに映っていたのは・・・。

 「・・・・姉さん。」

 涙を流しながら抱きしめるカナメがそこにいた。

 「・・・ごめんなさい。」

 「へ?」

 「・・・貴方を・・・一人にして・・・私・・・何も・・・出来なくて・・・

ゴメンナサイ。」

 カナメはレティシアを抱きしめ、・・・泣きながら謝っていた。

 するとレティシアも・・・泣きながらこう言った。

 「わだじ・・しゃびしかった(寂しかった)!!ねえじゃんいなくにゃって

わだじ・・じゅっとじゅっとこわきゅて!!・・・ぢゅらくて・・・

ウワアアアアアン!!(姉さんいなくなって、私、ずっとずっと怖くて、辛くて)」

 レティシアは鼻声を上げながら泣き出すとカナメはそれを無言で頭を撫でていた。

 霧が晴れるとそこにいたのは先程迄戦っていた二人ではなく・・・只の姉妹で

あった。

 キンジはそれを見てほっとしている中白雪を見るとキンジは飛鳥にこう聞いた。

 「なあ・・・飛鳥・・・手錠って・・・あるか?」

 「え・・・あるけど。」

 そう言って飛鳥は手錠を見せると飛鳥に白雪の所までと言って飛鳥は支えながら

連れて行った。

 「あ、キンちゃん!大丈夫!?ってどうしたのこの怪我!!直ぐに病院」

 白雪が慌てている中キンジは手錠を白雪の・・・手首に掛けた。

 「「「「「「・・・・・へ?」」」」」」

 あまりの事に白雪も含めてポカーンとしている中キンジは白雪に向けてこう言った。

 「星伽 白雪、『未成年略取の現行犯及び、傷害の罪』で逮捕する。」

 それを聞いた白雪はあ!っと言う顔で思い出して他の面子はと言うと・・・。

 『『『『『エエエエエエエエエエ(;゚Д゚)』』』』』

 HPCルームに響き渡る位の声が響き渡った。

 




 事件は一応・・・終わりが見えた。

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