ジャンクションの輸送車専用道路から一台の小型トラックが出てきた。
それは白雪がカナメを連れ去った時に使っていたトラックであったのだが運転席に乗っているのは違う人間であった。
「ええそう。デュランダルと+αを連れてそっちに行くわ。綴先生も呼んどいて。」
助手席に乗っているのはアリア、電話の向こうにいるコネクトの生徒に伝えていた。
「それにしても白雪、何勝手な事してんのよ!!自分勝手に犯人の要求を飲む武偵があいつ以外に何処にいるのよ!!」
「すいませんアリアさん。彼女には私が厳しく言っておきます。」
そのお隣で運転席で運転しているのは雪泉である。
今回白雪が自分勝手に起こした騒動に+してIS学園のトーナメント試合において
暴走していたという事が輪を書いて忙しくしているそうだ。
「まあ、あいつはあんたに任せるけど本当にあいつにあれ付けなくていいの?」
アリアは雪泉に敬語もなしでタメで喋っていた。
「アリアさん、年上に対しては敬語を使わないといけませんよ。それに・・・彼女は大丈夫です。」
「何で?」
雪泉はアリアの言動に注意した後にこう続けた。
「彼女は・・・カナメさんは私達の仲間だからです。」
「痛みますか?キンジさん。」
カナメはトラックの中でキンジの腹の火傷に氷嚢を当てながらそう聞いた。
氷嚢はレティシアがカナメに頼まれて渋々作った物である。
「ああ、大丈夫だカナメ。迷惑かけたな。」
キンジはカナメにそう聞くとカナメはこう返した。
「いえ!私こそキンジさんを危ない目に合わせてしまいました!!」
「私の方が・・・謝らなきゃいけないんですから。」
カナメは少し落ち込みながらそう言うとキンジはそれを見て・・・。
頭を撫でていた。
「き、キンジさん!何をしてるんです!!」
「いや・・・こうしたほうが良いなと思ってな。」
駄目だったかと聞くとカナメは頭を少し押し付けるような感覚でこう言った。
「いえ・・・もう少しこのままで・・・。」
「・・・そうか。」
それを聞いたキンジはもう少しだけと思い、カナメの頭を撫でていた。
「・・・良いなア。」
「諦めよ、飛鳥。今回はカナメに譲るのじゃ。」
「そうっすよ!あたしらにはこの人達の監視っつう任務があるんすから。」
その光景を見て羨ましそうに見ていた飛鳥に夜桜と華毘が間にいる二人を見てそう言った。
その二人はと言うと・・・。
「あの男、姉さんの頭をよくも~~。」
「ふにゅ~~~~!あの泥棒猫~~~!!」
レティシアと白雪であった。
二人には如何やら警護任務を引き受けた際にアリアが私的に手に入れた超偵用の
手錠が掛けられていた。
本来ならカナメも同じであるはずなのだが二つしか手に入らず、超偵三人に対して
二つしか使えないということからキンジが・・。
「カナメは俺が監視する。」
そう言ったことと飛鳥達の弁護からアリアは渋々了解したのだ。
そしてキンジとカナメのやり取りを見て嫉妬していたのだ。
車は武偵校にへと向かう。
・・・時間はあまり残されてはいない。
始まりがあれば終わりもまたある。