『それでは治療を終了します。』
外から声が聞こえた。
学園島の武偵校にはIS学園学園よりもグレードが下がるがそれなりの医療室を
保持しており再生カプセルも配備されている。
キンジはその中で火傷と内蔵の治療をしていた。
そしてカプセルが開かれてキンジが出てきた。
『矢常所先生から≪今回のアドシアードのコンバット戦は欠席するように、
それと明日もまた来るように。お腹の方は再生スキンを使う≫と
言ってました。』
アンビキュラムの生徒が操作室越しでそう伝えた。
キンジはそれを無言で聞いた後制服に着替えなおして部屋の外に出た。
そして部屋から出ると・・・。
「よう、キンジ。」
武藤がそこにいた。
何故飛鳥達がいないのかと言うと・・・キンジの精神状態を鑑みたことである。
「あのバイクはロジが責任もってお前の家に運んどいたぜ。それと、
明日でも良いからちゃんと登録しとけよ。あれ一応軍用だからな。」
「・・・・分かった。」
キンジはそれだけ言うとそのままそそくさと去って行った。
「・・・大丈夫か、あいつ?」
武藤はキンジの表情に心配していた。
キンジはあの後バスに乗って家路についた。
やることがなくなってしまったからだ。
そしてキンジは自分の家に着いた。
「・・・只今。」
キンジはそう言って扉を開けた。
そしてダイビングを見ると・・・。
「・・・誰もいねえか。」
いつもの家なのに・・・何だか広く感じた。
キンジはそう言ってソファに座ろうとすると・・・ある部屋を見た。
「・・・レスティア。」
キンジはそう言って自身(レスティアもいた)の部屋を見た。
キンジはそう言えばと思った。
「そういや俺、あいつの事何も知らなかったなア。」
キンジはそう言って部屋に入った。
「・・・以外に荷物少ないな。」
キンジはそう言いながらレスティアの荷物を整理していた。(無論下着は除外)
そして暫くすると小さな本が見付かった。
それは・・・。
「日記か?」
それはオレンジ色の日記帳であった。
『○月×日
今日はキンジさんと動物園に行きました。
可愛らしい動物と結構触れ合いました。
・・・何故かキンジさんの周りにだけ動物は来ませんでした。
何ででしょう?』
「・・・俺が聞きてえよ。」
『◇月▽日
飛鳥さん達が一緒に海に行こうと誘ってくれました。
キンジさんは嫌々ながら着いてきました。
海でいっぱい泳いで遊びました。
最後は皆さんとバーベキューしました。
・・・何でキンジさんは皆さんから視線合わせようとしなかったのでしょう。』
「・・・見れるか。」
とまあこのように日常の事を纏めていた。
「それにしても豆だなア。その日のご飯の内容や、飛鳥達とのやり取りとかを
記録するとは。」
記憶喪失だった彼女からすれば日々の思い出を書くことはまあ珍しいことでは
ないだろう。
そしてページを進める中・・・あの事件についてが記されていた。
『今日、キンジさんのお兄様が亡くなったという通知が来ました。
外には色々と酷いことを言う人達がいました。
・・・助けたことは悪い事なのですか?』
『今日は飛鳥さんのお爺様たちが来られました。
最初は黒影さんがキンジさんを殴り飛ばした後船の中で半蔵さんに言われた後
飛鳥さんが慰めてくれました。
・・・私は無力だと思いました。』
「・・・レスティア。」
『今日から飛鳥さんのお店でお世話になります。偶に魚市場を見せて
もらっていますがとても大きくて色んな人たちが笑っていました。
その後キンジさんはお寿司の握り方を教わってました。
私は店の接客でした。
何故か皆さん私を見て≪キンジ君はどっち選ぶんだろうねぇ≫と言ってました。』
「いや待て、なぜそうなる。」
『今日で今年もお終い。店が終わったのは23時ごろで皆さんで残った魚で吸い物や
蕎麦を食べました。年を越した後皆さんで行った初詣で着物を着させてくれて
よかったです。』
『家に帰りました。少し遅い(だいぶ)ですが大掃除をしました。終わった後は
久し振りにと言う意味で二人っきりで夕食を食べに行きました。
レストランですがそれでも幸せです。』
そしてアリア達にへと向かった。
『今日は電話でキンジさんが巻き込まれたという報告を受けました。帰ってきた時は嬉しかったです。何事も起らないように願ってます。』
『今日は飛行機に何かが起きるといってキンジさんは空港へ向かいました。
無事だと知った時はうれし泣きしちゃいました。早く帰ってこないかなあ。』
『今日から新しくザビ―というロボットが家に着ました。ちょっと顔は怖いですけど
意外に可愛いところがあります。』
『今日から神崎さんと一緒に白雪さんも住むことになりました。これから皆さんと
暮らしていけるように頑張らないと。』
「・・・ここで終わってる。」
恐らくキンジと部屋が同じになる為か日記帳にはここ迄しか書いていなかった
ようだ。
そして更に続きが無いのかパラパラと開いていく中最後のページにある一文が
書かれていた。
それは・・・。
『私、遠山カナメはキンジさんに・・・恋をしています。』
それを見たキンジは今までの記憶がどんどんと蘇ってきた。
その中では全てレスティアの・・・笑った顔が浮かんできた。
「・・・・・レスティア。」
キンジは日記帳を閉じると・・・そのまま泣き始めた。
「ウアア・・・ウアアアアア!!」
嘗て兄を失った時も泣いたが今は違う。
「アアアアアアア!!」
もう誰もいない部屋でキンジは声を上げて・・・彼女の名を叫んだ。
「レスティアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
その声を聞くのは・・・無言の表情のザビ―だけであった。
もう一度・・・君に逢いたい。