予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 第一印象はしっかり、はっきり、誤解招くな!!


第三章 蜂蜜とオイルのマシントラップ
転校したら第一印象はしっかりとな。


「皆ー!オッ久しぶりー!!」

 「ブーーーッ!!」

 ある少女の声を聞いた瞬間キンジは口から唾を窓に向かって吹いた。

 (隣にはアリアがいるため当たったら只では済まないからだ。)

 「りこりんが1か月ぶりに帰ってきたぜェ---!!!」

 『『『『『ウオオオオオ!!りこりん!りこりん!!りこりん!!!』』』』』

 キンジのクラスの男子連中はそう言いながらヲタ芸を披露していた。

 ・・・阿保しかいないのか?このクラス。

 「・・・・何でアイツガ・・・?」

 キンジは狼狽しながらそう言った。

 何せ理子の本名は『峰 理子ルパン4世』。

 彼の大泥棒ルパン三世の実子であると同時にキンジにとって怨敵でもある存在

「武偵殺し」の黒幕であり実力の高さはアリアとほぼ互角である。

 然も彼女はある変身能力を持っておりキンジは知らないがロイミュードにも

なれるのだ。

 「・・・・・・('Д')」

 隣にいるアリアはと言うと驚きを通り越して変な顔で見ていた。

 如何やら目の前が現実である事を認識しきれないようだが・・・これは現実なのだ。

 何せキンジさえもそれを認めたくないのだから。

 「理子ちゃんお帰りー!あーこれ何ー?」

 「えへへへへー。シーズン感を取り入れて見ましたー!」

 理子はそう言いながら武偵校の鞄ではなく、ランドセルに向日葵の

ぬいぐるみみたいのを付けていた。

 それも女子には・・・。

 『『『『『カワイー!!』』』』』

 受けていた。

 そう、皆さんも分かったと思うが理子はおバカキャラを演じているためクラスの

マスコット的存在で人気者なのだ。

 こうなると幾らキンジ達が彼女達に本当の事を言っても信じてもらえず、

ボッチルートまっしぐらであろう。

 キンジは何かあった時に備えて鞄の中に潜んでいるザビ―をいつでも使えるように

構えていた。

 すると理子はキンジの方を見ると・・・いつものような感じでこう言った。

 「おー!キー君もオハヨウ!!」

 「・・・おお。」

 キンジは理子の言葉に最低限の返事で返した。

 「おやおや、元気がないけど・・・ああそうか!!とうとうあっすー達と

大人のかいd」

 「やあおはよう理子!いつにも増して上機嫌だなおい!!」

 理子の爆弾発言が出る前にキンジは颯爽と挨拶した。

 ・・・聞かれたら誤報であってもキンジの命が無いからだ。

 「皆さ~ん。席に着いて下さいね。」

 キンジのクラスの担任教師でもある高天原先生がそう言いながら教室に入ると全員が座り始めた。

 理子もそれに習ってくるくると回りながら座った。

 「今日は転校生を紹介するわねぇ。」

 『『『『『オオオ!!』』』』』

 全員がそれを聞いて驚いた。

 何せついこの間アリアが来たばかりだからだ。

 「先生、それって男ですか?女ですか?」

 クラスメイトの男子がそう聞くと高天原先生はこう答えた。

 「今回も女の子。それも二人よ。」

 『『『『『イヨッシャアアアア!!!!!』』』』』

 それを聞いて男子連中は希望を持ったかのように雄叫びを上げた。

 何せ上玉の何人かはキンジの方に行っちゃってることから勝ち組になりたいと

虎視眈々とそのチャンスを待っているからだ。

 「さあ、入ってきて。」

 そう言ってその二人が現われた。

 二人は髪の色以外は・・・まるでそっくりな双子の姉妹なのだ。

 「レスティア・J・ダルクです。フランス武偵校から転入してきました。未だ不慣れではございますが皆さん、よろしくお願いいたします。あ、それと学科は

アンビキュラムです。」

 「レティシア・J・ダルクよ。紹介は姉さんと同じってところかしら?双子だけど

髪の色で分かるから大丈夫だろうけどよろしくね。学科はコネクトよ。」

 レスティアとレティシアであった。

 『『『『『ウオオオオオ』』』』』

 男性陣全員が溜息を拭いていた。

 何せ美少女で二人ともスタイルが良い為見惚れていたのだ。

 そして紹介が住むと高天原先生がこう言った。

 「それじゃあ席だけど・・・アリアさんの隣二つ分空いてるから好きな方を

選んで。」

 「「はい。」」

 そう言ってその席に向かうとレスティアがキンジの方を見るとこう言った。

 「キンジさん、これからもよろしくお願いします。」

 「ああ、こっちこそな。」

 キンジはレスティアの言葉にそう返すがキンジよ、お前は忘れていないだろうか?

 今お前がいるのは家ではなく、学校だ。

 それに転校生とそんなに親密そうに話していると・・・とんでもない事が起きるぞ。

 「え?・・・レスティアさんが遠山と?」

 「どう言う関係??」

 「何か親密そうだね。」

 周りががやがやと音を立ててきた。

 しまったとキンジは気づくがもう遅い。

 疑惑はゆっくりとだが広まる物だ。

 するとある女性徒がレスティアに向けてある事を聞いた。

 「あのー、質問いいでしょうか?遠山キンジとはどう言う関係ですか?」

 それを聞くとレスティアの答えた言葉は・・・。

 「私と遠山さんは・・・一つ屋根の下で一緒に暮らしています。」

 『『『『『・・・・・・へ?』』』』』

 その言葉にキンジは頭を抱え、レティシアはあちゃーと言う顔をしていた。

 そして次に出た言葉は・・・。

 『『『『何ーーーーー!!!!!』』』』

 叫び声であった。

 「転校生と遠山キンジが同棲だと!!」

 「それってもうそういう関係!?」

 「光先輩だけでも飽き足らずまさか外人にまで手を出すとは!さすがSランク!!

規模が違うわ!!」

 「何でキンジ何でキンジナンデキンジ。」壁殴り

 一部恨みが出ているがまあ仕方があるまい。

 キンジは色んなところでは「女たらし」「フラグメーカー」「恋愛原子核」等と

不名誉な称号が幾つもあるのだ。

 するとさっきから黙っていた理子がピキーンと目を光らせてこう言った。

 「おおお!!もしやキー君はそこの転校生と同居していることを良いことに夜遅くに部屋でぱっこんぱっこんベットの上で毎晩エロゲ―みたいなシチュエーションを

やっていたのかーー!!」

 『『『『『何だってーー!!』』』』』

 理子の言葉に周りは更にヒートアップした。

 「それってつまり遠山キンジは非童貞!」

 「さらに服部さん達ともそういうシチュエーションを!?」

 「夜のキンジはベットの上ではRランク級の実力・・・売れるぞこのネタ!!」

 「クソクソクソクソクソクソ」壁に頭突き

 最早教室は大混乱。

 事を収拾することも叶わないと思ったその時・・・キンジは全員にこう説明した。

 「あのな・・・俺が非童貞とかそう言うのは無いからな」

 そしてこう続けた。

 「こいつとは確かにベットの上で一緒に寝たことはあったがそう言う行為は

一回もなかったからな!!!」

 この状況で何言っているのと思ったがキンジは有りの侭を喋っているつもりで

あったが・・・それは逆に火事場にTNT爆弾を1トン分ぶち込むようなものだぞ。

 『『『『『・・・・・一緒に寝たーー!!』』』』』

 「そこかよ!驚くところ!!」

 キンジは全員の反応に反論するがさらにヒートアップした。

 「もう夫婦みたいじゃん!!」

 「まさか既に子供も!?」

 「子持ち武偵『遠山キンジ』・・・ドラマのネタに使えるかな?」

 「飛鳥達も入れるとなると最低でも5人以上はいるって事!?」

 「凄い!!現代の大奥みたいじゃん!!」

 「どこのビッグダ○ィだよ?」

 「qwくぇwrてうりとゆ@」言語崩壊

 「生徒がそこまで・・・先生未だ彼氏もいないのに。(ノД`)・゜・。」

 「ちょっとキンジ!!姉さんと寝たってどう言う意味よ!?説明しなさい!!」

 「お前迄何で絡むんだよレティシア!!」

 教室の中は最早阿鼻叫喚の世界。

 この状況を止めるすべは最早なく二人のスクールライフはドタバタコメディ―

よろしくの如く一時間目潰れる勢いで続いた。




 その後の高天原先生
 「畜生!!生徒が先生よりも先に大人の階段上るなア!!」
 やけ酒であった。

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