「お客様、既にお部屋がご用意されていますのでご案内いたしますね。」
メイドの一人がそう言ってキンジ達を案内させた。
そして少し離れた所に個室に入ったが中はすさまじい物であった。
「・・・これはまた。」
「・・・何と言うか・・・」
「理子の趣味全開ね。」
キンジ達は思い思いの言葉を述べた。
何せ室内はピンクと白を基調とした何処かの一昔前の少女漫画に出てきそうな感じの室内だからだ。
「・・・ここの店長、何考えてんだ?」
そう言いながらキンジ達は席に座ると案内していたメイドがこう言った。
「それではご主人様、お嬢様、ごゆるりとお過ごしください。」
そう言って扉を閉めた。
するとアリアは彼女達を見た感想をこう述べた。
「な、何ヨあのむ・・・じゃなくてあの衣装!幾ら時給が良くてもあれは無いわ!!イギリスでもあんなの着ないわよ!!!あたしだったら絶対着ないわよ、絶対絶対
あんなの着ないわ!!!!」
「・・・何で俺達にそんな事言うんだ?」
アリアは早口でそう言うがキンジは何でこっちに向かって言うのかと訳が
分からなかった。
誰も着ろとは一言も行ってないしましてや着させたいとは思ってないのだ。
「(大体お前最初に胸って言いかけたろ?その時点でお前の僻みが
もろ丸わかりだぞ。)」
キンジはそう思いながらアリアとレスティア達を見比べた。
アリアは全体的に小さい。
最悪小学生、然も中学年だと言われても仕方がないと思えるほど小さいのだ。
まあそこに「小さくて可愛い」と言う連中がいるがキンジからすれば推理は
直感よりで直ぐに手を出して協調性の欠片もない武偵と言う印象である。
そしてレスティアであるが最初のキンジとの同居宣言以降、表立って彼女を口説くという人間はいないが裏では彼女が所属している料理部で作る食事が美味しく、
然も物腰が柔らかく家庭的で妹のレティシアのいるテニス部に顔を出したりキンジと
一緒に登下校する様子から人気が集まっている。
因みに・・・。
キンジに対しては「女たらし」、「フラグメーカー」、「恋愛原子核」に続いて
「巨乳美少女専門のヤリオ」と言う悲しい仇名が増える始末である。
そして暫くすると・・・。
「皆おっ久――!」
「理子様お帰りなさいませ!」
「きゃーー!お久しぶりー!!」
「理子様がコーディネートしてくれた新しい制服、お客様に大好評なんですよ―!」
如何やらやっと理子がやってきたようだ。
「理子・・・ここじゃ人気者なのね。」
レティシアは外の様子からそう言っていると・・・。
「ごめ(;゚Д゚)ーーん!遅刻しちゃった―!急ぐぞブーーーン!!」
首に大きな鈴をつけた理子が飛行機の真似をするかのように両手を広げてる中
レスティアは理子の両手に持っている紙袋を見てこう聞いた。
「あの~~。何ですか理子さん。その袋は?」
そう聞くと理子はニコッとこう答えた。
「ああこれ?いやあ欲しかったフィギュアとかー、限定版のゲームが
発売されてたからさ、ついつい衝動買いしちゃった後に限定ものセールスや服を
選んでて遅れちゃったんだあ~~✨」
理子はそう言って何処かの秘密結社が使うような決めポーズをして言うとキンジは
少し顔をひつかせて片手を握っていたがアリアの場合は・・・。
「・・・・・(# ゚Д゚)」ゴゴゴゴゴゴゴ
アリアは怒り心頭で睨みつけていた。
それも何のそのと言う風に理子は座った瞬間にメイドの一人に注文した。
「んと、理子はいつものパフェとイチゴオレ!キー君とレスティンとレティシーにはマリアージュ・フレールの春摘ダージリン、そこのちびっ子はももまんでも
投げつけといてーー。」
理子はまるで水を得た魚のようにすぱすぱと指示を出した。
自身のホームグラウンドで然も武偵封じの街である利点を最大限に利用して主導権を得ようとしているのだ。
正に今のリコは「武偵殺し」と言われる由縁に相応しい用意周到な人間である。
もう始まってんだよ。
戦いはな。