「・・・まさかルパン家とホームズ家が同じテーブルに着いて食事とは
ご先祖様からしたら天国で嘆かれてるわ。」
「そう言うんだったら今すぐ帰れば~~?あんたのお母さんの裁判での
証言しないよ~~。」
「それって司法取引の約束違うじゃない!!だったら今すぐ」
「それやるなら・・・あの姿で手前を倒すぜ。」
くっと言いながらアリアは出し掛けた拳銃を下ろした。
只でさえここは人が多い為、騒ぎが起これば自分達が不利になるのにあのチカラを
使われたら間違いなく今度こそアリアは死ぬとキンジは直感で理解した。
そして理子は勝ち誇った様子で最初はタワーのようにあった巨大パフェを
もう半分まで食べ終わっていた。
・・・鼻にクリームがついていて何か台無しだが。
「それじゃお前ら、喧嘩は後で良いとして、作戦の説明を始めようぜ。・・・
ここって防諜設備ちゃんとしてんのか?」
キンジはあれっと思いながら周りを見まわしてそう言った。
大抵こう言う部屋は何かあった時に備えて音が聞こえやすいようにしているのだ。
それだと如何に物音がしたとしても内容次第では聞かれてはまずいんじゃないかと思っていると理子はそれに対してこう返した。
「ああ大丈夫だよここはね・・・・・元々は風俗営業の個室だったんだ。
だから防諜はしっかりしてるから大丈V!」
「そうか・・・それならって・・・理由がひでえなおい。」
キンジは項垂れながらそう言うとレスティアとレティシアは顔を真っ赤にしていた。
「それじゃあ・・・ここって////」
「男の人と・・・はうううううう////」
二人はそう言っているがアリアは頭を?にしながらももまんを食べていた。
「それじゃあ作戦ターイム!」
理子はそう言いながら紙袋からノートパソコンを出して起動させた。
「横浜校外に建てられてあるお屋敷『紅鳴館』。見た目は洋館だけど中身は
鉄壁の要塞並みにセキュリティーが馬鹿高えんだ。」
その屋敷は地上三階、地下一階の建造物だが地下には幾つもの防犯装置が
配備されていた。
然し驚くところはそれだけではない。
「・・・おいおい何だこの計画案はよ。」
それはあらゆる状況を想定し、予定日や時間、気象なども事細かく記した侵入や
逃走、アリバイ工作などが記されていた。
これほどの計画を考えるとなると本来なら半年近く考えなければ出来ないものだ。
すると隣で見ていたレティシアがそれを見てこう言った。
「あら・・・私が言った事、ちゃんと実行してるじゃない?これなら期間によるけど合格点を出しても良いわよ?何時から考えたの??」
レティシアはそう言いながらパソコンを操作しているとキンジはある事を聞いた。
「何だよ教えたって?お前教師か何かだったのか?」
キンジはそう聞くとレスティアがこう答えた。
「彼女は私達が『イ・ウー』にいた時に教えていたんです。皆で」
レスティアがそう言うとレティシアがこう続けた。
「あたし達は組織で自分の腕と力を鍛え上げて目的の領域に至るまでお互い
切磋琢磨し合う。それが『イ・ウー』。その中でもあたし達は未だ弱い方ヨ。」
「・・・はあ!お前らでもか!?」
「ええそうよ。」
レティシアはそう言いながらダージリンを飲んでいるがキンジはそれを聞いて
マジかよと言いながら机に突っ伏した。
何せ理子の強さはあの飛行機の中で、レティシアは前回に見たばかりなのだ。
そんな連中でも未だ弱いとなるとこれからの戦いが更に激化するのも時間の問題だと思っているのだ。
すると理子はこう続けた。
「それじゃあ期間だけど・・・先週ぐらいかなあ。大体それくらい寝ながら
考えたよ。」
それを聞いてアリアは目を丸くした。
何せここ迄の計画をたった一週間で考えるあたり矢張り天賦の際だなとキンジはそう
思っていた。
「一週間なら卒業ギリギリってところね。後は少し詰めれば完成ね。」
レティシアは理子に対してそう判定した。
「それで理子のお宝がある所がーーこの地下金庫の中だと思うんだけど~~一人じゃもう無理ゲーも良いところなんだけどキー君とレスティン達なら何とかなると
思うんだあ。」
「・・・根拠は何だ?」
キンジは理子にそう聞くと理子はこう答えた。
「先ず、キー君はあの状態になれば間違いなく奪える。レティシーはコネクトだから通信でサポート出来るし、レスティンならあたしの方法通りなら間違いなく相手を
信用させる可能性が高いと思ったんだ。」
「・・・アタシは?」
アリアは理子にそう聞くと理子はふっと笑ってこう言った。
「・・・次いでだよ~~♡」
「(# ゚Д゚)」ガバメントを抜こうとした。
「おいやめろ。話が進まねえぞ。」
理子の言葉にアリアは怒り心頭で攻撃しようとするもキンジがそれを制止させた。
「それで理子。お前のお宝って何なんだ?」
キンジは話題を変えようとそう聞くがそれは・・・悪手であった。
「・・・理子の母様がくれた十字架」
「あんた・・・とことん死にたいようねぇ!!」
理子の言葉を聞いてアリアは遂に堪忍袋の緒が切れた。
それもそのはずだ。
何せ自分の母親を陥れた相手が自分の母親の貰ったものを取り返してほしいと
言ったのだ。
「あたしのママに冤罪着せといて、自分のママからのプレゼントを取り返せって
アンタどう言う神経してんのよ!アタシがどれだけママを取り戻そうと
這いつくばってまで頑張ったのか考えたことあるか!!」
「ちょ、神崎さん!理子さんのご両親は」
レスティアが何かを言おうとすると誰かが肩に触れた。
「キンジさん・・・」
キンジはレスティアを見て首を横に振った。
「アンタのママは電話すれば声が聞けるしいつでも会えるけどねあたしはママとアクリル板の壁ごしでほんの少ししか」
「・・・二人とも死んだよ。」
「・・・え?」
理子の一言にアリアは少し固まった。
「二人ともあたしが8つの時に死んだんだ。・・・『オルコット家』によって」
理子はそう言いながら顔を俯かせていた。
然しアリアはそれを聞いた瞬間に驚いた。
「『オルコット家』って・・・あのイギリスのIS部隊を窮地に陥れて危うく
外交問題になりかけたあの『セシリア・オルコット』の!?」
それを聞いたキンジはある事を思い出した。
それはインターネットのLIVE映像で彼女が行った不正行為や言動、その後の事をニュースで聞いたからだ。
無論これはイギリスの武偵校からすれば関係ないように思われるがこれにより
日本からの要請で財産接収の折彼らが関わってきた組織の調べを徹底的に行うようにと御触れが来たことにより膨大な情報の精査に時間を掛けなければならなくなり
彼らからすれば一発殴り倒したいと思う相手である。
「そう、そのな。アタシは今でも覚えてる。お父様がアタシと遊んでいる時に電話が来てな、それで聞いたんだ。『オルコット家』と『カリバーン』ってな。」
最後はアナグラムか暗号かもなと言ってイチゴオレを飲んだ。
「あれは理子が命の次に大切な物なのに・・・ブラドのやろお!!」
理子は大声を上げながらイチゴオレが入っていたコップを叩いてこう続けた。
「あたしからそれを奪って退学させて挙句の果てに厳重厳戒な金庫に
隠しやがって!!畜生が---!!!」
「・・・これって聞こえてねえよな。」
理子の叫びにキンジは大丈夫なのかと思いながら外を見た。
・・・如何やら聞こえてないのか聞いていても入らないように気を使ってんのかの
どちらかと思うがキンジは内心ハラハラしていた。
「それにしても目的のブツがあったとしてもどうやって入るの?普通に侵入しても
駄目ね。奥深くの情報は大まかで然もターゲットは中途半端。データによれば
トラップは何度も配置や種類を変えてるから先ずは内部情報を確実に
手に入れないとね。」
レティシアはパソコンの情報を見ながらそう言った。
データによれば場所はしっちゃかめっちゃかでおまけに種類も豊富で確実に種類と
場所を把握する必要があるのだが理子はそれを聞くとこう答えた。
「それなら大丈夫だよ!りこりんにグッドなアイディアがあるから!」
「・・・それってどう言うのだ?」
キンジは恐る恐る嫌な予感を滲み出していた。
「ふっふっふっ・・・キー君とレスティン、レティシーとアリアには『紅鳴館』にて三人のメイドと執事になってもらいまあす!!」
「「「「・・・・・へ?」」」」
キンジ達は鳩が豆鉄砲を食ったよう顔をしてそう言った。
アリアは更にまさかと思ってこう聞いた。
「・・・まさかそれって・・・外のあいつらに・・・?」
「うん、そうだよ。」
理子はその問いにズバッと答えるとアリアは顔を真っ赤にして・・・。
「・・・噓でしょ---!!!」
悲鳴交じりの言葉を上げた。
フラグって・・・こういう時に立つよな。