もう1人のイレギュラーは反逆の覇王   作:伊達 翼

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最終話『ただいま』

 あの神話を思わせるような大戦から一ヵ月が経った。

 

 その間、色々なことが起きたのは言うまでもない。

 

 例えば、愛子の演説で7人の解放者の名が七賢人として表舞台に上がったり、亜人族の名称が『獣人族』と改名されて差別意識を改める動きなんかもあったり、神域にいた魔人族が眠ったまま発見されたり、大戦で使ったハジメ謹製のアーティファクトを処分したりもした。

 

 ハイリヒ王国の王都があった場所では今も喧騒が続いている。だが、それは復興のための喧騒だ。大戦直後の数日は戦後処理に費やされ、散っていった命の弔いなども行われた。それでも、人は前に進むのだ。

 

 あと、ハジメ達異世界転移組はというと…まだ帰還していない。何故ならあの戦いで羅針盤も失ってしまい、新たに作り直す必要があったからだ。だが、ハジメは一回こっきりではなく、こちらの世界…トータスへと行き来するためにも神結晶が必要だったのだが、生憎とそんな都合よくあるはずもない。だったら、とハジメは神結晶を"作る"ことにしたのだ。

 

 そうして人工魔力溜まりのアーティファクトへと毎日魔力を注ぎ込むこと一ヵ月。異世界転移組の協力もあって直径17センチメートル程の神結晶を精製することが出来た。

 

 そして、遂にハジメとユエによる"導越の羅針盤"と"クリスタルキー"の作製作業に入ることとなる。ちなみに場所はフェアベルゲンの噴水広場だ。この一ヵ月のハジメ達の滞在場所でもあった。

 

 概念魔法を改めて創造し、神結晶を中心にした鉱物で錬成する。そうして出来上がった新たな羅針盤とクリスタルキー。その二つは無事に作動し、異世界転移組は無事日本に帰れることになったのだ。

 

………

……

 

 その後、異世界転移組は地球とのゲートを開き、トータスから地球へと帰還を果たす。

 

 帰還した地球の日本は夜だった。

 

「帰って、きたんだな…」

 

 誰かがそう呟けば、月夜の大歓声が上がった。そんな中、ハジメは地球でも魔法やアーティファクトが使えるのか確認した後、それぞれ自宅へと向かうのだった。

 

 その中には当然、忍の姿もあり…

 

「やっと会えるな…」

 

 そう呟いていた。

 

 約1年の歳月を経て、異世界転移組は帰還を果たした。この1年に自身の身に起きた事柄を包み隠さず、全て伝えたら…果たして、家族はどんな目を向けてくるだろう?

 

 だが、その体験してきたことも糧に進むと決めた帰還者達は、自宅の呼び鈴を鳴らすのだった。

 

ピンポーン♪

 

 こんな夜更けに誰だろうと訝しむ家族に紛れ、もう1人の人物がその玄関を開ける。

 

「……………………ぇ…?」

 

 そこにいたのは、再会を渇望してきた…懐かしい緋色の髪をした、幼馴染みの姿があった。

 

「ただいま、明香音」

 

 それだけ言うと、忍は玄関を開けた緋色の髪の女の子『天月 明香音』をそっと抱き締めた。

 

 驚きのあまり固まる明香音を置いて、リビングから足音が聞こえてくる。それは紛れもない…家族の足音だった。そして、忍を見るなり驚きで声が出ない様子の家族に…

 

「ただいま、みんな」

 

 忍はただ一言、伝えたのだった。

無事走り切りましたが、その後の話、つまりアフターストーリーも書いた方がいいでしょうか? もし書くならどんな話がいいでしょうか?

  • 原作のような雰囲気のお話
  • 忍中心の外伝的なお話
  • 特に必要ない
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