地球にある
とある星の女帝が、そのアプリでアイドル業にハマっていた。
「今日もミア氏の配信に来てくれてありがとう♪ あ、そうだった……あの、ちょっと告知してもいいですか?」
それはとある事件の始まり。
「来月、なんとミア氏……」
それはミア氏の大好きなモノが盗られてしまう大変な事件。
「地球へ観光に行きます!!」
観光旅行中に発生した事件。
そうですね、物語として語るならこう言いましょう。
ミア帝国の軍資金盗難事件。
ん? 私は誰か、ですか? しがない語部、
★
事件当時の所から話させて頂きますね?
ミア氏が地球観光に楽しみ、株に手を出して一瞬でお金が飛び去り意気消沈してホテルへ戻った時、ミア氏が借りてる部屋から二人のコートを着た女性と男性がカートを転がしながら出てきた。
普段は気にすることのないミア氏だが、ホテルの清掃員とは思えない格好に、そしてなにやら聞き覚えのあるジャラ音。
コート姿の男女もミア氏と遭遇するとは思わず、慌てて立ち去ろうとしたのが裏目に出たのだろう。
誰よりもその音が好きで彼らを愛して止まないミア氏は、彼らが奏でる助けを求める音に聞こえた。
「お待ちなさい、そのカートから聞こえてくる。 地球のどの硬貨、メダルと一致せず、ミア氏の記憶に唯一合致するその音色。 それは!!」
「逃げろ!」
ミア氏の言葉を言い終えるやいなや、コート姿の男女はいそいそと逃げ出し、ミア氏は全リミッターを外してまで追いかけた。
リミッターといっても、さほど速くなるというわけではなく、単にカッコいいから脳内設定として実は自分にリミッターがついてるともうそ、失礼。
設定しており、まぁ、お金が掛かってる事から、ミア氏は自分が思った以上に走れていることに自分で自分に驚いていた(気のせい)。
これは行けるのでは?と、ミア氏の考えを余所に、コート姿の男女……もはや泥棒であろう、泥棒との鬼ごっこは熾烈を極めていた。
「まってぇえ! 私の、、、おおおかぁねぇええ!!」
★
「おかぁねぇええ!」
「にゃ? 誰かがかがりの助けを必要としてる!!」
ミア氏の叫びに、とある五百歳の猫だか狐だか種族がコロコロ変わる何かが、反応するが、ぐぎゅぅうううという自らの腹の音が聞こえた瞬間、その者は自らの食欲を満たすことを優先した。
★
「はぁ、はぁ、はぁ、わたしの、お金……あ、そう言えば!!」
とうとう体力の限界で走り疲れたミア氏は距離が開いていく泥棒達を悔しげに見ていたら、ふと、地球へ来る前、ミアミア星のミア帝国軍の六番隊隊長
「ミア氏、このボタンを渡しておこう。 困ったことがあったら押すといいよ」
「…………カトルさん」
ミア氏は迷いなく
カチリと軽い音と共に、ミア氏の後ろにケーキタワーが五本立った。
「……………………?」
タワーが立ったこと以外なんの変化も訪れず、首を傾げた後、ミア氏は
『はいはい、ミア氏?』
「ちょろさん、ケーキタワーが五本立ちました」
『お、あのボタン押したの? どう? すごくない?』
「いえ、凄いんですが……あの、私が求めたのとは違う助け方なので……」
『あー、本気で困ってたなら、俺なんかより炎翼さんの押した方がいいよ』
そう言ってちょろさんは通話を切り、ミア氏は無言でちょろさんから貰ったボタンを踏みつけて、
すると地球衛生上に待機していた二番艦隊に戦闘態勢音が流れ、ミア氏は強制的にブリッジの提督席へ転移させられた。
「ミア氏……戦争ですね?」
「え!?」
しれっと真面目な顔で物騒な事を言うよーくんを宥めたミア氏は、改めて命令を、オーダーを告げる。
「ケーキタワーが五本立ってる付近に、ミア氏の……んんっ、ミア帝国の軍資金を盗難した不届き者をちょっと懲らしめてあげてください。 あと軍資金の回収を最重要項目とします」
「了解! 目標! ケーキタワー五本周辺の不届き者!!
「ち、地球のなんの罪のない人たちに迷惑のならないよう、お願いしますね!?」
「っっっひゃぁあああああ!!! ブラァアアアアアック・ホォオオオオオアアアアアルゥウウウウ!!!」
「よーくん!? よーくん!!??」
と、まぁ、二番隊の活躍により、ミア氏は無事にお金を取り戻し、ミア氏のお金を盗んだ不届き者は警察へ引き渡した。
ちなみにブラック・ホールを放たれた周辺の人々は、ミア帝国の軍事技術による保護結界によって守られ、被害は0です。