その後、温泉から出た皆は元の世界に帰ってきていた。
竜胆とももは十傑の仕事をする為に部屋に戻り、リョウとアリスは武昭の家に宿泊した。
「悪いな武昭、急に押し掛けたりして」
「別に気にするなよ、俺も研究所に間借りしてた事があるんだから」
「それよりも武昭……久し振りに相手してくれるかしら?」
アリスはいつものふざけた雰囲気がなくなっていた。
「あぁ、俺は構わないぜ、ならリョウに審査を頼む」
「俺も良いぜ、お嬢の次は俺とやってもらうぜ」
「良いだろう、なら始めるか」
武昭はアリスと勝負を開始した。
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勝負の結果……
「今回も武昭の勝ちっすね」
「ムキー!また負けたわー!!」
「そろそろ休もうぜ、時間も時間だし」
武昭がアリスとリョウに全勝していた。
「もーう、いつになったら武昭に勝てるのかしらー」
「俺もお嬢と同じ気持ちっすよ、けど何となく腕前が上がってるのは感じてきてるっす」
「まぁ、その内グルメ世界に行った時、本当の食義の修行を受けさせてやるよ、俺も完全じゃないからな」
3人はそれぞれの部屋に行くと眠りについた。
その夜、武昭は夢を見ていた。
その中では武昭は今よりも若く、年齢は6〜7歳程だった。
そして武昭の背中には転倒して膝から血を流していた女の子がいた。
「ごめんな武昭……私の方が年上なのに……」
「ううん、気にしなくても良いよーー姉ちゃん……」
女の子は武昭と遊んでいた時に転倒してケガをしていたので武昭がおんぶをして帰っている途中だった。
「ん……今のは?……そうだ……少し思い出した……あれは俺がグルメ世界に来る前にあった事か……」
武昭は目を覚ますと夢の内容を思い出していた。
「喉でも乾いたから台所でも行ってくるか」
「あっ武昭……どうしたの?」
武昭が部屋を出ると起きていたアリスに会った。
「あっ、アリス起きてたのか」
「うん、何か眠れなくてね……」
「そうか、じゃあリビングで待ってろ。何か落ち着く物を作るから」
武昭に言われたアリスが座って待ってるとタンブラーに何かを淹れた武昭が戻ってきた。
「コレって何?」
「リラック
コレを飲むとホッとして落ち着くんだ」
「そうなんだ。いただきます……うん、美味しい……」
「口にあって良かった。コレは俺がグルメ世界に行った時に寝れなくて小松師匠が作ってくれた奴なんだ」
武昭はミルクセーキを飲みながら師匠の事を思い出していた。
「そっかぁ……ねぇ、武昭は何を考えてたの?」
その後、少しの間静かな空間だったがアリスは何かに気付いたように口を開いた。
「それなんだけど……実は少し昔の事を思い出してな……それもあって起きたんだ」
「そうだったんだ……それで何を思い出したの?」
「あぁ、俺がグルメ世界に行く前の事位なんだけど……転んで膝を擦りむいた俺よりも少し年上の女の子をおんぶして家まで帰った事があったんだ。
今、思えば……その子は俺が引き取られた所の子供なんじゃないかって……」
「ん?引き取られたって……武昭のご両親はどうしたの?」
アリスは気になった事を尋ねた。
「それなんだけど……俺が学園に来る前に兵衛さんに調べてもらったんだけど、俺の親は小さい頃に亡くなってるらしいんだ」
「っ!そうだったの……ごめんなさい、言いたくない事を聞いたりして……」
「気にするな……俺も覚えていないし、それに……2人なら、『そんな事を思うなら前へ進め!』って言うと思うんだ……」
「そう……武昭は強いのね……」
「強くないよ……俺は弱い……だからこそ強くなれたんだ……さてと遅いからそろそろ寝た方が良いぞ」
「うん、わかったわ……おやすみなさい……」
ミルクセーキを飲み終えた2人はコップを片付けると寝室に戻った。
武昭が昔の事を思い出していた頃と前後して……
(ーーお姉ちゃん。大丈夫?)
「……ん……今のは……《アイツ》の夢か……なんで今頃……」
ある部屋で1人の女性が昔の事を思い出していた。
その女性は武昭が思い出した少女の面影があった。
リラック牛 哺乳類
捕獲レベル1
見た目はアルパカみたいな毛が生えており飼育する時は広い土地で行う。
ストレスが無いほど肉が柔らかくなり牛乳の味も美味くなる。
生まれて初めて刈った毛は最高級品で、それで出来た衣服類は最低で10万円から売られている。
紅白雀 鳥獣類
捕獲レベル1
オスが白い羽でメスが紅い羽の孔雀だが、たまに両方の羽を持つものが居る。
卵の殻は紅白の縞模様で親鳥によって模様が違っており同じ模様は無い。
白身は透明だが黄身はピンク色で色が濃いほど栄養が高い。