こころ「みんな待たせたわね!それじゃあ行きましょう!」
美咲「文実の集まり、意外と終わるの早かったね」
八幡「まぁ、今日は挨拶とか委員長とか、簡単なものしか決めなかったからな。
また、集まりがちょくちょくあるらしいが。」
文化祭実行委員の集まりがあるにも関わらず、松原さん達は待っててくれたらしい。
………てか、瀬田先輩もいるし。
八幡「んで?今日はどっちでやるんだ?」
今日は集まるとしか聞いてないからな。
ちなみにどっちとは、弦巻の家か、CiRCLE。
CiRCLEの場合は当然バンド練習なのだが、弦巻の家でも出来るんだよなぁ、、、、
弦巻の家にある部屋は全て防音らしいし、この前黒服の人がバンド練習のためのスタジオ………というか、部屋を作ったらしいのだ。
いや別にいいんですよ?自分の家だし、誰にも迷惑かけてないし。
でもさ…………いや、もういいや。
美咲「もうライブは来週だからCiRCLEでいいんじゃない?」
花音「そ、そっか……もう、来週の土曜日………っ」
美咲「それにしても文化祭の前日にライブなんてミスったよね。」
八幡「全くだ。
文化祭なんて興味無さすぎて忘れてた。」
そう。俺たちは文化祭の前日にライブをする。
文化祭は日曜日と月曜日の計2日。
俺たちは土曜日にライブをする。
普通、土日の2日じゃないのか?と思うが、月曜日は祝日のため休みで、仕事休みの人が多い休日2つで行われることになった。
はぐみ「楽しみだね!」
八幡「楽しめるほどの余裕がないんだが。」
こころ「あたしたちは笑顔を届けるのよ!
全力で楽しむに決まってるわ!」
美咲「程々にしてよね。」
こころ「放課後も頑張るわよっ!」
×××
こころ「いいっ!ものすごくいいわ!!」
はぐみ「うん!!みんなの息ピッタリだったよ!!」
薫「あぁ!なんて儚いんだ。」
花音「うん…………
はぐみちゃんの言う通りみんな揃ってたね………っ!」
ミッシェル「ライブもこの調子で行こー」
美咲 (割とマジでビックリなんだけど。
みんなしっかり練習してるじゃん。)
八幡「まぁ、確かにほとんど出来てたな。
でも何個か目立つミスがあったぞ。今の一応撮ってあるから観るぞ」
学校が終わり、俺たちはCiRCLEにいる。
最後にみんなで合わせたのが1週間以上前だったので少し新鮮だ。
まぁ、主に俺のせいで揃わないのだが。
俺以外の5人は割と集まってるらしい。
こころ「はちまん!笑顔じゃないわよ!
もっと笑って!」
八幡「ぐっ…………
あ、おい。お前ココ走りがちだ。もう少し周りの音を聞け。」
花音「あ…………私、ここの出だし遅れてるなぁ。」
はぐみ「かのちゃん先輩だけじゃないよ!
はぐみも何回か間違えてるし!」
ミッシェル「か、薫さん………少しポーズ決めすぎじゃない?
………あ、今のところは弾かなきゃ行けないのに、格好で誤魔化してるじゃないですか」
薫「こ、これはあれさ。
険しい丘に登るためには、最初にゆっくり歩くことが必要である。」
ミッシェル「はいはいシェイクスピアね。
でも、使うところ間違ってると思いますよ。
………にしても、私もここ走り気味だ………」
八幡「まぁ、見ての通り改善する場所はまだある。
確かに上手くは行ったが満足はすんなよ。」
まぁ、でも想像よりは全然出来てる。
ほとんど素人の集りだからな。
こころ「あ!そうだわ!!」
八幡「却下」
花音「ま、まだ、こころちゃん何も言ってないよ?」
美咲「こころは言わせたら終わりですから。」
はぐみ「こころん、どーしたの?」
いや、聞くなよ。
こころ「せっかくだからバンド衣装で練習しましょう!
本番気分を味わえるでしょ?」
薫「さすがはこころだ。あの儚い衣装を来たら私たちがより儚くなってしまうね」
はぐみ「わーい!さんせーい!!
………あれ?はちくんは?」
美咲「まさか…………」
花音「あはは…………そのまさか、かも………?」
こころ「はちまん?どこ行くのー?」
八幡「着ない、帰る。」
美咲「………え、いやいやいや!まだ言ってたの!?
もう諦めなって!男の子でしょ!!」
嫌だ!無理だ!
俺は絶対に着ない!!
性別なんて関係ないし、男だから着ないんだよ!!
そう。逃げ出すのには理由があった。
×××
〜遡ること数日前〜
こころ「衣装も決まったことだし、早速着るわよ!」
八幡「俺たちに新曲作りさせて、なに勝手に………っ!?」
美咲「ちょっ!!ちょっと待ってこころ!!
比企谷くんがいるから!!」
こころ「??
はちまんがいると何か問題でもあるのかしら?」
美咲「あるの!!そこから教えなきゃダメ!?
あーもう!!少し待って!!」
八幡「そ、外に出てるわ。」
花音「う、うん。ご、ごめんね?」
八幡「いやいや、謝ることじゃないですって。
それじゃあ。」
あー、びっくりした。
弦巻の常識度が恐ろしく低いことを知った。
体育の授業の時は着替える時に、特にこれといった問題になってはいなかったんだけどな……?
まぁ、さすがに周りの女子が止めてくれると思うが。
黒服「八幡様。こちらでお着替えください。」
八幡「!?
………あ、ありがとうございます。」
急に出てくるのやめてください。忍者かよ。
黒服「いえ、黒服です。」
八幡「脳内と会話するのやめてもらってもいいですか?」
忍者じゃなかった。エスパーだった。
こ、これは…………
いや、ファッションに興味無い系男子代表の俺にもわかる。
八幡「似合って無さすぎじゃね?」
まぁ、色的に似合ってないのもあると思うが、
この腰あたりのヒラヒラいる?
女子ならまだしも、俺は男なんだけど?
肩も地味に出てるのは何故?
俺がファッションを知らなすぎてるだけ?
女子っぽいのは気の所為?
てか、なんかすごく恥ずかしくなってきたんだが。
衣装選びの時は不覚にもワクワクしたし、愛着も湧いたよ?
でもこれは…………いや、考えすぎか?
考えても見ろ比企谷八幡。
流行のファッションって見ても何がいいのか全くわからない俺だぞ?
俺の意見一つで考えるのはナンセンスすぎる。
アイツらの意見も聞いた上で判断するべきだな。
美咲「比企谷くーん?
もう私たちは着替えたから大丈夫ですよー。
まぁ、私は着替えてないですけど。」
お、ちょうどいい所に奥沢が来た。
俺たちの中では1番ファッションを知ってそうだし。
こいつの意見を聞けば変かどうか…………
美咲「!?
ひ、比企谷くん………ソレ………………ぷふっ」
おーけー。
意見聞くまでもなかった。
目の前で腹抱えて笑いを堪えてる奴を見たら流石にわかる。
まぁ、わかってた。うん。わかってたから。
八幡「もう絶対着ない。」バタン
美咲「ふふっ………え、いや、ちょっと?
比企谷くん!?ご、ごめんって!!
笑ったことは謝るからー!!」
×××
美咲「ってことがあったから比企谷くんが逃げました。」
花音「うん………
あの時も大変だったもんね。
比企谷君、頑なに部屋から出なかったし………」
美咲「…………あ、戻ってきた。
流石、こころとはぐみ。」
八幡「は、な、せ!!
俺はファッションなんて興味無かったし、着れればいいやってタイプの人間だが、ステージに上がるのなら話が変わる!
しかも、奥沢のあの笑い。めちゃくちゃガチだったし……」
美咲、花音 (あの時の事、すごい根に持ってた!!)
美咲「いや、本当にごめんって。
正直あれは比企谷くんは悪くないんだよね。
衣装が良くなかった………というか、
………正確に言えば良くなかったっていうか、意地悪されたって言うか……」
薫「どういうことだい?」
八幡「……………」
美咲「いや、もう正直に言いますけど………
比企谷くんは着てみて何か違和感無かった?」
八幡「………腰あたりのヒラヒラとか、肩が露出されてる所とか」
美咲「うん。それですね。
他にも何個かあるみたいでしたけど………」
花音「え、それって…………でも、なんのために……?」
美咲「それで黒服の人に聞いてみたんですよ。
そしたら、『つい出来心、遊び心が働いてしまい……』だってさ。」
八幡「…………え?は?
…………はぁ………マジか。」
つい、じゃねーよ。
黒服さんは俺に対して遠慮無さすぎじゃない?
何が出来心、遊び心だよ。
人にトラウマ作を作った罪は大きいぞ?
美咲「それで……………あ、あった。
はい。コレが本来の衣装だって。
ちゃんと男性用に作られてあるけど、おかしな点がありましたら御要望くださいだってさ。」
八幡「…………はぁ。おい、弦巻。
衣装作った奴に、『お前はクビだ』って言っといてくれ。」
こころ「??
よく分からないけどわかったわ!」
八幡「いや、待って。嘘だよ嘘。
冗談だから、絶対に言うなよ?」
わかれ、伝われ。
冗談が通じないんだったコイツ。
意味がわかってない弦巻なら笑顔で言いそうだし。
あんな笑顔で『お前クビ』って言われたら、弦巻大好き黒服は昇天すると思う。
美咲「ってことでまぁ、ソレに着替えてみてよ。
多分大丈夫………だと思う」ボソ
八幡「おい、今聞こえてたからね?
不安でしかないんだけど?」
こころ「あたしも着替えるわ!!」
美咲「だーーかーーらーー!!
比企谷くんいるんだからダメだってば!
比企谷くんもちょっとどっかで着替えて来て!」
八幡「お、おう。」
どっかってどこだよ……
扱い雑すぎだろ。
まりな「あれ?比企谷君また出てきたけどどうしたの?
さっきはこころちゃんとはぐみちゃんに捕まってたけど……」
八幡「いや、ちょっとトラウマがありまして………」
ちょっと所ではないくらいのトラウマになりかけたが……。
八幡「もう大丈夫だと思うんで気にしないでください。
衣装に着替えるので更衣室に行ってきます」
まりな「衣装!!
八幡くんのハロハピの衣装すっごく楽しみだよ!!」
俺はすっごく怖いです。
今は衣装が新品のまま畳んであるから分からないけど、この前みたいにふざけてたらどうしてくれようか。
×××
こころ「すっごく動きやすいわ!」
はぐみ「うん!!それにみんなお揃いなのがすごくいい!」
花音「そうだね。
でも、なんか緊張してきた…………」
ミッシェル「花音さん早いです。
確かにライブまで近いですけど、まだですよ。」
薫「あぁ!なんて儚いんだ!!
見たまえ!私を!!」
美咲「もう衣装関係ないですよねそれ。
すごく似合ってますけど。」
こころ「今すぐにでもライブを始めたいわ!
はちまんはまだかしらっ!!」
ミッシェル「いやいやいや、比企谷くんが来ても出来ないよー。
そ・れ・に!
まだ出来てないところもあるんだから練習しないとだよー。」
花音「ま、また、比企谷君の衣装がアレだったら………」
ミッシェル「い、いや、さすがにそれは無いと思います。
黒服さんも後で謝りますって反省?してたと思うので」
こころ「あ、足音がしたわ!」
ミッシェル、花音「「え?」」
こころ「もうみんな待ってるわよ!!」ガチャ
八幡「………!?
な、なんで俺がいることわかったんだよ。」
はぐみ「ほんとだー!はちくんだー!」
花音「ほ、ほんとに足音が聞こえたの………?
ここ、防音室だから外の音もあまり聞こえないのに……………」
薫「八幡!君も見たまえ!
私を!!
………おや?八幡も衣装を着てるじゃないか!」
八幡「はいはい、すごく似合ってますよ。
………自分ではファッションなんて全く分からないんですが、大丈夫かコレ?」
一応鏡では見たが、変では無いと思う。
似合ってるかは別なのだが。
あと、サイズがピッタリなのがほんとに怖い。
花音「うん………っ!
どこも変じゃないよ。
だから………自信もって!」
八幡「それはよかったんですけど、励ましてもらってる感すごい。」
美咲「うん。やっぱり比企谷くんだね。
漫画やアニメとかなら、こういう時『めちゃくちゃ似合っててカッコイイ!!』ってなりそうな展開だけど、さすが比企谷くん。」
八幡「現実味があると言え。
てかお前それ褒めてるつもりなの?
下手すぎだからね?」
ミッシェル着てるけどミッシェル感ゼロ。
あのミッシェル口調はどうした。
まぁ、ほとんど語尾を伸ばしてて妙なトーンで喋るだけだが。
はぐみ「はぐみは、はちくんの衣装すっごい似合ってると思うよ!!」
八幡「お、おう。サンキュー。
な、なんだ、その、お前もいい感じだ。」
はぐみ「えっへへ!ほんと?
やったー!褒められたー!」
奥沢に遠回しにいじめられた俺を元気づけてくれたんだろうな。
お世辞でも嬉しくないことはないな。
………いや、でもコイツ嘘が下手そうだしお世辞を言いそうなタイプじゃないか。
こころ「はちまん!!私はどうかしら!!」
八幡「いや、どうって言われてもな………
似合ってるとしか………」
在り来り過ぎたか?
いや、でも他に言葉が見つからないというか。
一番最初に思ったことが口から零れた。
こころ「とっても嬉しいわ!
そんなこと言って貰えると大好きな衣装がもっともっと大好きになっちゃうわ!」
おお、良かった、失敗じゃなかった。
てか、衣装大好きになるの早いな。
美咲「よく見ると、比企谷くんのだけ作りが違うね。
まぁ、私たちってのが女子用なんだろうけど。」
俺と話す時だけ、ミッシェル感全くないのな。
………そもそもミッシェルって女?いや、メス?
美咲「結構黒色が使われてるね。
コッチは赤色がベースだけど、そっちは赤黒って感じだね」
確かに色合いが違うな。
まぁ、変じゃなければなんでもいいが。
八幡「まぁ、衣装感想もここら辺にしてやるか。」
こころ「ええ、そうね!!
それじゃあ、まだまだ練習やっていくわよ!!」
「「「「「ありがとうございましたー」」」」」
まりな「はーい!
それじゃあまた次の予約日でねー!
八幡くんもバイトよろしくねー」
八幡「うっす。」ペコリ
こころ「それにしても楽しかったわ!!
衣装に着替えるだけでこんなにも変わるのね!!」
はぐみ「うんっ!!
はぐみなんて、気合いすっごく入ったもん!」
花音「確かに緊張だけじゃなくて、元気も貰えた気がする……かな?」
薫「ふふっ。それは気のせいなんかじゃないよ。
衣装1つで人も世界も変わるものさ。」
お、これは多分シェイクスピアじゃないな。
八幡「あ、そうだ。
コレ、お前らにもやる。」
美咲「………?
えーと、なになに………
あ、ライブのチケット」
八幡「さっき月島さんに渡されてな。
『先にチケット渡しとくからライブに来て欲しい人に渡して』だとよ。」
はぐみ「なんかそういう特別感あるのいいね!
誰を呼ぼうか迷っちゃうね!」
薫「そうだね。
私の可愛い子猫ちゃん達はチケットを買って見ると言っていたから、誰に渡そうか悩ましいものだ。」
花音「2枚だから、2人。
お母さんは行きたいって言ってたから…………」
八幡「まぁ、別に渡す相手がいなかったら使わなくてもいいからそこまで気にしなくて大丈夫だ。」
小町に1枚として、もう1枚は余るな。
なんなら小町の友達に使ってもらってもいいから問題ないな。
×××
初衣装練習から数日が経ち、時間も放課後へ突入。
今日は金曜日なので、もう土日の休みが待ってる。
今日もバイトはないのだが、アイツらは各自用事があるため今日は自主練という形になった。
正直今日の予定は決まってない。
まぁ、家帰って決めるか。
香澄「あー!!はっちー見つけた!!」
八幡「げっ………戸山。」
なんかやばい。もうやばい。
たえ「さすが私。やっぱりここだと思った。」
有咲「何がさすがだ!!
帰りのホームルーム終わって急いで教室に来ただけだろーが!
ハァハァ………私の事引っ張って走るし………ハァ」
お前も被害者なのか。
すっごい息切れしてるし。
香澄「あのね!
私たちクライブやるんだけど、はっちーも来て!!」
八幡「はい??」