今のところ結果は、「名前あり」が多かったです!
なので、名前ありのこのままで行きたいと思いますが、アンケートは消さずに置いておきます。
これでもしも、読んでくうちに「やっぱり名前要らないな」と意見が変わる人が出てくるかもしれないので「名前なし」が投票で上回ったらまた連絡させてもらいます!
アンケートに投票してくれた方、この作品を読んでくださってる方、
本当にありがとうございます!
今日のバンド練習が終わり、本日のやることは全部終わらせたので今は布団で寝っ転がっている。
あと数時間で日曜日。
ライブの日に近づいているのもあるが、明日は1つだるい用事がある。
クライブとかいう洒落たようなものを見に行かなきゃならない。
まぁ、ただのライブなんだけども。
面倒なので本当は断ろうとも考えてたが内容も内容だしな。
まぁ、明日はそこまで早い時間ではなく14時30分に山吹の家の前にいればいい。
場所も今日わかったし、歩いて20分程で着くので14時頃に家を出とけば全然間に合う。
山吹め、今度お店のパンをサービスして貰わないと割に合わんな。
はぁーー。
今日は割と疲れたし、もう寝るか。
×××
沙綾「ふぅー、疲れたー。」
お風呂から上がって、自分の部屋にあるドライヤーで髪を乾かしたあと、布団に倒れ込むようにダイブする。
ご飯なども食べ終わって、もうやることは寝る事くらいだ。
今日は土曜日でお店ではメロンパンがかなり売れた。
春は客層が変わる季節でもある。
引っ越して来た人や、忙しくなった人が朝や昼にパンで済ませる人、等と理由がある。
まぁ今日は天候も晴れていて土曜日なせいか、子供連れの親御さんが多かった。
桜を見にピクニックをする家族が多いのかなーと思う。
他の地域ではもう桜は枯れてたりするらしいのだが、ここらに咲いている桜は全く枯れておらず、すごく綺麗。
別段、桜で有名とかはなかったと思うんだけどな………
今日はもう疲れたので寝ようかなと考える。
明日はお店は休みで特に予定が無いはずだったのだけれど、香澄達がやる………クライブに行く事になっている。
正直ビックリだ。
金曜日の帰宅途中に、比企谷君がクライブに行こうと言ったのが驚きすぎた。
まぁ彼も、見に行きたい!って感じではないんだけど………
私が変な条件を香澄達に提案したのが原因だ。
思うと比企谷君には悪い事しちゃったなと思う。
今度お店のパンをサービスしてあげよう。
パンが好きだといいけど………
でも、正直明日は、出来れば行きたくなかったかな………
香澄達がライブをしてくれたって、あたしは………
×××
〈コンコン〉
小町「お兄ちゃーん?
大変で疲れてるのは分かってるけどそんなに寝てたら生活リズム崩れちゃうよー?」
八幡「……………うん?
………あー、もう起きるー………起きます…………うん。」
小町「まぁ、別に今日何も無いなら小町はいいんだけどね。
念の為で起こしただけだからね。
何もないなら思う存分休んでねー!
それじゃあおやすみー!」
八幡「……………騒がしいな。
ふぁぁー。………ん、とりあえず時間を……………?」
八幡「1時20分……?
あぁ、なんだよ………夜中か……………ってそんなわけなくね?
………え、マジ?」
あ、あぶねー。
今日14時30分には山吹の家に着いてないといけないんだった。
マジで大天使コマチエルだわ。
可愛い上に天使とかマジ天使。
それにしてもこんなに寝たの久しぶりじゃないか?
寝たのが0時頃だからおよそ13時間爆睡。
ヤバいな。
自分が思ってたよりも疲れてるのか。
…………うん、でもなんか起きた時に午前を通り越してるのは凄い勿体ない気がして嫌だな。
約束の時間までもう少しだし。
風呂入って飯食ったらすぐだろうな。
×××
小町「……おろ?お兄ちゃんおはよー。
お兄ちゃんにしては珍しくかなりの爆睡だったね。」
八幡「あ、あぁ。
お兄ちゃんもビックリしてるほど寝てたわ。
………本当にサンキューな小町。」
小町の頭に手を置き、わしゃわしゃと雑に撫でる。
小町「わーー。
………それにしても感謝してるって事はこの後用事でもあるの?」
八幡「嫌だなー、小町ちゃん?
俺はいつだって小町には感謝してるんだぞ」
そりゃあもう本当に。
小町「おーー!
それが本当なら小町的にポイント高い!」
八幡「俺は本当とか疑われてる時点で八幡的にはポイント低いぞ。」
小町「それで今日は何時から用事かあるの?」
八幡「やだこの子、話聞いてない。
まぁ、そうだな。家出るのは大体14時頃だな。」
小町「えっ!?
じゃあ小町が起こしてなかったらヤバかったじゃん!」
八幡「おう。ヤバかったぞ。かなりな。」
山吹には、俺から誘ったみたいになってるからさすがにまずかった。
煽り散らかしてくる山吹まで想像出来た。
小町「いや、そんなボケーッと言われても…………
はぁ…………お兄ちゃん?
女の子との待ち合わせは遅れては行けないんだよ?
勿論相手が男の人でも遅れては行けないけどね。
でもね?女の子は準備とかに時間がかかるの。
少なくともお兄ちゃんは準備なんてほとんどないんだから、待ち合わせ場所で先に待ってるのが小町的にはポイント高いんだよ?」
八幡「お、おう。小町的なのな。
…………てか、何当たり前のように俺が女子と待ち合わせてるって思ってんだよ。」
小町「だってバンドの人たちじゃないの……?
え、まさかお兄ちゃん………バンドメンバーじゃない女の子と!?」
やだ、するどいなこの子。
じゃなくて………いや、まぁ、合ってるんだけど、なんか面倒くさそうだし、言わないでおくか。
八幡「いや、まぁ、バンドメンバーだけど、今日はバンドの用じゃないってだけだよ。」
小町「え!?それってデート!?
大丈夫なの!?ほかのメンバー達と泥沼展開とか!?」
八幡「ライブの準備とかだよ。
第一、俺は構わないけど今度メンバー達に会ってからそういう事言うのはやめろよな。
アイツら一生懸命にやってんだか………………あ、や、やっぱり今のナシで。」
うっわ、いくら小町が相手だからって恥ずかしいこと言った気がする。
い。いやでも、普通………だよな。
一生懸命やってるのは事実だし………いや、でも、正直に言うのはちょっとやっぱり恥ずかしいこと…………だな。
小町「…………………」
八幡「………こ、小町ちゃん?
そこで黙られても困るんだけど。」
小町「………いや、ちょっと意外だなーって。
メンバーさんとは結構上手く行ってるんだね。」
八幡「いや、なんだよそれ………
まぁ、割と上手く行ってるのか…………?
個性豊かな奴がいて中々凄いけどな。」
小町「ますます会うのが楽しみになったよー!
文化祭の日にはちゃんと紹介してよね!」
八幡「わかってるって。
………じゃあ俺はシャワー浴びてくるから。」
小町「あいさー。
じゃあ小町は朝ごはん………いや、昼ごはん?
とりあえず作るねー。あ、もしかしていらない?」
八幡「いや、作ってくれると助かる。」
何時に帰れるかわからないしな。
小町「じゃあお兄ちゃんのために作ってあげようかな。」
八幡「さすが小町、愛してるぞ。」
小町「小町はそうでもないけどありがとう!!
ほら、早く入ってきなよ!」
八幡「ひどい。」
×××
あれからシャワーから上がり、小町の美味しい美味しいご飯を食べたあと、時間も時間なので家を出ていた。
まぁ、正直今から行けば10分ほどは待つことになるのだがな。
商店街の方へ歩いていると、こちらへ向かってくる人物をみかける。
凄い見た事あるやつなんだよな。
まぁ、俺から話すことはまず無い。
向こうから話してきても挨拶交わして終わり。
人違いって可能性もあるのだが、
モカ「あ、はっちーだ。」
八幡「……………ども。」
全然人違いでもないし、俺の知ってる人物で割と面倒くさい部類に入ってる奴なので無意識にも、俺の歩くスピードが徐々に上がっていく。
これは本能が察知してるんだな。マジ無意識。
よし、このペースで目的地へ向かうとしよう。
モカ「いやいやいや〜、
ちょっと待ってよ〜、はっちー」
八幡「俺は急ぎの用事があるんでな。
悪いが話してる時間はない。」
目的に着いたとしても、待ち合わせの時間まではまだあるのだが、コイツと話すのはごめんだ。
コイツは幼馴染5人で組んだAfterglowの内の1人で、
何度かCiRCLEでちょっかいを出された。
AfterglowはCiRCLEの常連客になる為、結構出会う事が多い。
モカ「…………CiRCLEは反対方面だよー?」
八幡「俺の用事=CiRCLEのバイトって決めつけてんの辞めてくれますかね?」
ったく、失礼なヤツだ。
そう言えばコイツは俺がバンドをやってるって事は知らないのか。
いや、まぁ、ほとんどの人が知らないと思うのだが。
モカ「モカちゃんはこれからCiRCLEに向かうけど、はっちーは違うみたいだね〜。」
八幡「まぁな。今日俺はバイト休みだし。
そうか、お前らは今日も練習か。」
モカ「まあね〜。
文化祭でライブすることになったから、蘭が練習しないとーってね〜。」
八幡「なるほどな。
………ん?そう言えばお前ら来る時は毎回一緒じゃなかったか?」
ふと思ったので聞いてみたのだが、かなりどうでもいい事を聞いてしまった。
学校が休みの日も来る時は毎回一緒だったから、少し気になってしまった。
幼馴染で家も近いとか言ってたし。
まぁ、寝坊とかそんな感じか?
コイツは寝坊しても焦らなそうだしな、見るからにマイペースだし。
モカ「さっきまではみんなと一緒にいたんだけどね〜。
でも、モカちゃんは途中でやまぶきベーカリーのパンが食べたくなって
みんなと別れたのだ〜。」
八幡「あぁ、そう………」
そういやコイツ、山吹の家のパン大好きフリスキーなのか。
宇田川曰く、あのパンがないと生きていけないレベルで食べてるらしいし。
……………ん、でも待てよ?
今日って、やまぶきベーカリーって休みだったよな?
山吹本人がそう言ってたし
モカ「そうだったんだけどね〜…………
モカちゃんすっかりやまぶきベーカリーが休みって忘れててさー。
絶大なダメージを負っていたんだよ〜」
八幡「…………そ、それは残念だったな。」
全力で落ち込んでるな…………
どんだけやまぶきの家のパンは美味しいんだよ………
モカ「あー、もうすぐ練習の時間だ〜。急がなきゃ〜。
それじゃあはっちー、悪いけどモカちゃんはもう行くね〜。」
八幡「お、おう…………」
急いでる割には歩くのな………………
あ……………
やばいっ!こんなことしてる場合じゃない!
青葉のせいで本来の目的を忘れてた!
ま、待ち合わせの時間までは…………っ!
いや、走れば間に合うか!?
遅れたら小町との約束を破ることになるし、何よりも…………
アイツ(山吹)は、からかうのが好きだろうから遅れたりすると絶対にめんどくせぇ。
×××
沙綾「…………………」
八幡「……………はぁ、はぁ、はぁ」
沙綾「…………………」
八幡「ふぅ…………大丈夫だ。
待ってないぞ、今来たところだ」
沙綾「本当に今来たところじゃん…………」
×××
急いだ結果、待ち合わせの時間にはギリギリ間に合ったのだが、家の前にはもう山吹がいたのだ。
そうして、今俺たちはステージ会場?である、市ヶ谷家の蔵に向かって歩いているのだが………
沙綾「ふふっ、それにしても何さっきの。
あのセリフって本当は早く来て待ってた人が優しさで言うセリフじゃないの?」
八幡「それじゃあ嘘になるだろうが。
本当に今来たところだったから言っただけだ。」
沙綾「いやいや、わかってないなー。
あのセリフはね?
デートの約束時間に早く来ちゃった彼氏が待ってて、後から来た彼女に『ごめん待った?』って聞かれた時の回答だよ。
まぁ、彼氏彼女逆のパターンもあると思うけど。」
いや、どこで習うんだよそれ。
八幡「それが暗黙の了解なら、『今来たところ』って言った時点で『大分待ってました』って自白してるのと一緒ってことか。」
沙綾「うわぁ…………考え方がひねくれてるなぁ…………」
若干引き気味の山吹。
その「うわぁ」の顔、腹立つから今すぐ辞めて頂きたい。
俺たちは隣同士で歩いているが、2人分程の間がある。
まぁ、ここら辺は住宅街だから車が通らない限りは結構広めに歩けるのだ。
沙綾「あ、そうだ……………」
突然そう言うと、山吹は俺の耳元に近づいてくる。
沙綾「………走ってきてくれたのは結構嬉しかったよ?」
八幡「…………っ!」///
沙綾「なーんて!どう?
…………あはは、比企谷君の顔赤くなってるー!」
八幡「………………」
沙綾「…………比企谷君?」
八幡「……………」
沙綾「ご、ごめんって!
私が悪かったから無視…………いじけないでよー」
………はぁ。
コイツといると色々と疲れる………
弦巻タイプではないにしろ、コイツもコイツでやばいな。
しかも今顔が赤くなったのは、山吹のセリフでなったのではなく、
なんというか、顔が近かったというか、耳は弱いというか………
つまり山吹は面倒くさいわけだな。
からかい大好き山吹さん。
…………うん、コレジャナイ感が凄いな。
八幡「……………はぁ。うぜぇ。」
沙綾「聞こえてるんだけど………」
聞こえるように言ったからな。
沙綾「あそこに見えるのが有咲の家だよ」
八幡「……………マジかよ。」
でかいな。
いや、まぁ、蔵があるって聞いた時点で家や庭は、結構大きいだろうなと思っていたけど…………
沙綾「………アレ?でも、比企谷君って有咲の家知らなかったの?
この前、うちの弟と妹と遊んだ帰り道にみんなを送ったでしょ?」
ありましたねそんなこと。
あの、ドロケイ?ケイドロ?の時ね。
てか、送ることになったのもお前のせいなんだけどな?
沙綾「それで有咲も送ったんでしょ?」
八幡「いや、俺には家を知られたくないらしくて途中で中断された。」
まぁ、俺も送りたくて送ったわけじゃないからいいんだけど。
でも理由が申し訳ないとかじゃなくて、俺だから嫌だってのがな……
俺から送るなんて言ってないのに…………
沙綾「あー………なるほどね。
確かに有咲は、比企谷君を嫌ってたからね。
まぁ、それも全部比企谷君が悪いんだけど………」
うぐっ。
……………嫌われたのはまぁ、俺が悪いな。
入学式の事件と、その後の2位連呼事件。
なんだよ2位連呼事件って。
こんな名前の事件起こしたの世界中探しても俺しかいないだろ。
まぁ、こればっかりは嫌われても仕方の無いことだ。
まぁ正直嫌われるのは一向に構わないのだが、市ヶ谷は悪くなく、俺だけが悪いとなると少し心にくるものがある。
罪悪感というのだろうか………
八幡「蔵に入れて貰えなかったら帰るか。」
山吹がクライブ見れたらミッション完了だしな。
沙綾「いや、さすがにそんなことは言わないと思うけど……」
話してるうちに市ヶ谷家に着いた。
………なんか少し緊張してきたんだが。
八幡「……………え、なに?
どうすんの?」
沙綾「私にそれを聞いちゃうの?
………じゃあケータイに電話掛けてみるね」
メールとかだと気づかないかもしれないから、と言って山吹は電話を掛けた。
俺は待ってる間、市ヶ谷家の庭を見ていた。
蔵でやるって言ってたけど…………
その例の蔵というものをずっと見てるのだが、見た感じ人影も見えないし、音とか聞こえねーし本当にいるのか?
………となると、地下か?
蔵ってのは食べ物や貴重品とかを保管するから、地下にあるなんて珍しくもなんともないしな。
まぁ、単純にまだ来てないって可能性もあるかもだが、もうなんでもいいか。
そう言えば戸山が山吹は1度クライブに来たことあるとか言ってたような………
って事はまぁ、大丈夫か。
なんか俺が考えてる間に山吹は誰かと電話できたみたいだし。
沙綾「香澄達が入ってきてー、だって」
八幡「…………それは俺も含まれてるのか?
入った瞬間通報とか言ったらシャレにならないぞ?」
沙綾「大丈夫だって!
有咲にも一応聞いておいたよ。
今回はコッチが誘ったからOKらしいよ。」
八幡「あぁ、そう。」
………そうだよな。
俺は被害者というか招待されたのだから、よく考えたらもてなされてもおかしくないんだよな。
なんだよ、くるしゅうないじゃん。
沙綾「………………」
八幡「………?おい、山吹?
お前が行かないとわからないんだけど………」
急に下を向いて黙るので声をかけるが、なんか見てて落ち着かねぇな。
沙綾「じゃ、じゃあ行こっか!
クライブのする場所だけど凄いんだよ!
地下にあるんだよ!」
八幡「…………あぁ、そう。
じゃあ早く入るぞ」
沙綾「あれ?あんまり驚かない?」
八幡「ん?あー、すごいと思うぞ?
蔵がある家なんて、かなり珍しいしな。」
いや、お前から聞く前に地下にあるかもって予想してたからあんまり驚く事が出来なくなったんだよ。
俺のリアクションが見せれなくてマジ残念だわ、ほんと。
……………それにしてもあれだな。
1つ思った事がある。
クライブの事は弦巻には言わないでおこう。
朝ごはん作る感覚で、蔵と地下を作りそうだし…………
まぁ、なんだかんだで弦巻の家にはありそうなんだけどな。