月曜日。
それは人類の大半が好きではないと言う。
それは何故か…………?それは様々な理由があるだろう。
だが、おおよそ予想は出来る。
学校の始まり、仕事の始まり、休日明けの早起き、1週間という長い曜日でしかも最初なのにいきなり絶望レベル。
アイドルに恋をし、土日のライブ明けの月曜日に憂鬱する人……
とかだろう。
ちょっと最後のはピンポイント過ぎただろうか?
……………ファンサいいよな。
まぁ、これはあくまで悪いところを考えてしまってるから、悪く思えてしまう。
逆にだ。
月曜日のいい所を考えてみればいい。
……………休日になる時が多い、以外なくね?
まぁ、コレはもう個人次第だな。
月曜日の授業の時間割が好きな人だっているだろうし、The青春してますって奴は学校楽しくてたまらないとか、考えたらキリがない。
と、月曜日の事だけを考えてみたが別の視点から考えよう。
そもそも月曜日が悪いんじゃない。
日曜日が良すぎるんだ。
朝の原理と一緒だ。
「俺、朝に弱いんだよね。」とか言うやついるけど、そうじゃない。
朝が強すぎるだけなんだ。
つまり日曜日がほとんどの人は休みで、心も身体も休まってる時に月曜日を迎えると地獄に感じるって事だ。
月曜日が悪いのではなくて日曜日が良すぎるのがいけないと考えたほうが正しいのではないか?」
日曜日と月曜日について長々と考えていたのは理由があるのだが、その原因となっていたのが………
小町「……………いや、うん。
なんか転入してきた子に軽い質問したら深くて重い地雷を踏み抜いた感覚だよ。」
小町がジト目でやれやれと首を傾げる。
八幡「いやそもそもコレはお前が、『月曜日って本当に面倒くさいよね。お兄ちゃんみたい。学生ならみんな嫌ってそう。』とか言ったのが事の始まりだろうが。」
てか、俺の例えを月曜日にするとか凄すぎない?
あと、めちゃくちゃ悪口言ってたけど気のせいだよね?
みんな嫌ってそうって何?何したらそこまでなれんの?
病気?ウイルス?比企谷菌?
…………今思うと比企谷菌って凄いんだよな。
小町も同じ比企谷なのに、小町にはなかったらしい。
コレは俺のオリジナルフェイバリットだったのか。
…………いや待てよ。
小町が実は比企谷では無い説はどうだろうか………?
そうなると俺たちは実は血が繋がっていなく……………え、それヤバくない?
すごいドキドキしてきたんだけどコレがまさか恋!!?
小町「今通報したら、情状酌量の余地もなくお兄ちゃんを逮捕できそうだよ…………
射殺もやむなしレベルだよ。」
八幡「俺はどんな顔してんだよ……………
自分でも不安になるレベルで心配になってきたんだけど。」
俺がふざけてる間に顔には出てたのか。
…………アレ?それってまんざらでもないってこと?
いくら小町が可愛いからってそれはダメだろ俺。
小町「…………お兄ちゃん大丈夫?なんか体調悪い?
さっきのよく分からない戯言は…………いつも通りだし……
んー、じゃあよく見ると目が腐って…………あれ?コレもいつも通りだ。
お兄ちゃんひょっとして健康?」
八幡「健康の確信の仕方おかしくない?
健康だけど傷ついたよ?健康が害されたよ?」
しかも戯言ってなんだよ、戯言って。
妹が徐々に口が悪くなっている…………
八幡「…………あ、そうだ。
小町にコレやる。」
渡そうと思ってたけど忘れてた。
小町「なにこれー?チケット?」
八幡「ライブのチケットだよ。
見に来るんだろ?だから、それやる。
………あと1枚あるんだが、友達とか一緒に来るのか?」
1人分しかないから、数人いたら取り合いになっちゃいそうだしな。
小町は友達が多いからな。
まぁ、知らないけど絶対多い。可愛いし、コミュ力高いし、可愛いし。
小町「うーん…………
今回は小町1人で行くかなー。
本当はお母さんと一緒に行きたかったけど仕事だもんねー。
誘えば友達は来るかもだけど、今回はいいや!」
小町は友達が多いが、単独行動を好む部分もある次世代型ハイブリッドぼっちなのだ。
もう本当にすげーわ。
1枚チケットは余ったが、まぁいいだろう。
他に渡すような相手もいないしな。
八幡「…………っと、話してたらもうそろそろ家出る時間だな。」
小町「はぁーー、がんばろー。」
俺たちは学校に行くために、家を出るのであった。
×××
美咲「あ、比企谷君おはよ。」
八幡「…………おう。」
教室で奥沢と挨拶を交わす。
…………おうって挨拶だっけ?
美咲「もうライブまで1週間切っちゃったねー。
あ、そうだ…………あった。コレ、ライブのセトリどうする?」
八幡「あー…………セトリか………。」
セットリストなー。
正直適当に決めれないからなアレ。
1曲目に演奏する曲はノリがいい曲にした方がいいとかな。
CiRCLEで色んなバンドの見てきたから知識は割とあるから俺がやるか。
八幡「あー、じゃあ俺が書いとくわ。
月島さんにも相談しながらやっとく。」
月島さんに聞いて書けば少しは安心だろう。
美咲「それは助かるかな。
正直私はサイトとかで調べようかなーとか考えてたから。
こころ達に話すと無茶苦茶にされそうだし…………」
苦笑いしながらまだ来てない弦巻のテーブルを見る。
まぁ、共感しか出来ないわな。
美咲「あ、そういえば今日は文実の集まりがあるんだっけ?」
八幡「あぁ、放課後にな。
うちのクラスは今まで前例になかった内容だから期待されてるらしいぞ…………」
俺らのクラスは、弦巻の案が………………あれ通ったって言うか?
通らしたというか、無理やり感強かったからな。
美咲「あー、アレね………
こころだからしょうがないで納得するしかないよ。」
まぁ、自由元気我儘少女だからな…………。
そして、アレとは数日前の話である…………。
×××
先生「じゃあ今日は、文化祭のクラスの出し物について話し合うぞ。
それじゃあ文化祭実行委員の2人、前に出てきて進行してくれ。
先生は…………ちょっと机に伏せてる。」
え、まじで?
別に先生が進めればよくない?
おい。寝るな。先生寝るな。
こころ「わかったわ!
ほら!八幡行くわよ!」
弦巻は俺の席にわざわざ来て、俺の腕を引っ張り上げる。
八幡「わかったから引っ張んなって!」
恥ずい恥ずい恥ずい!
美咲 (相変わらずだなー、2人とも。
まぁ、比企谷君は被害者なんだけど…………)
こころ「それじゃあ始めるわっ!
じゃあ意見をちょーだい!」
八幡「……………」
手を上げる奴はいない。
まぁ、悩んでるのか。話し合ってるやつも沢山いるし。
弦巻が話を進めてるので、俺は黒板に記録する役だ。
相方が陽キャラだと、こういうふうにハッキリと仕事が別れるから楽なものだ。
こころ「はい!じゃあそこの貴方!」
生徒1「え、俺っ!?
手挙げてないんだけど!?」
は?挙げてないからなんだお前。
俺だってな、文実やるなんて言ってないのに強制的だったんだぞ?
こころ「誰も手を挙げてくれないんだもの…………
じゃあ私が意見を出すわね!」
八幡「いいのかそれで。」
…………なんだろう。
嫌な予感がする。
こころ「じゃあまず色んな動物を学校『あ、あれです!!まだこれは意見の段階なので提案したものが実際にやるとは限らないので、適当でもいいので意見を出した方が色々考えれると思います。』
危ねぇー!
何?コイツは今何言おうとしてたの!?
途中でさえぎってマジで良かった。
色んな動物?コイツ動物園でも開くの?文化祭で?
美咲 (ナイス比企谷君!
比企谷君には悪いけど、文実になってくれてよかったよ。)
こころ「それじゃあ私が案を出すわっ!
まず校庭に観覧『観覧出来る物………展覧会的なのもありますよね!絵だったり、粘土、などなどの色んな作品を創るのもありですかね!ほ、ほかの意見は………』
もうお前黙れ…………喋るんじゃない。
何なの?楽しいのか?人が焦る所を見て楽しんでるのか?
そして何?何て言おうとしたの?
まさかとは思うけど、校庭に観覧車建てるじゃないよな?
もうわかったから。お前の家が凄いことわかってるから。
頼むからこれ以上は自重してくれ………
美咲 (……………比企谷君焦りすぎて、口調が変なの気づいてなさそう。後半声裏返ってたし。
いやまー、こころが原因なんだけど。)
こころ「それじゃあみんなで映画を『お、奥沢っ…………さんは!な、何か意見とかないですか……?』………むぅ。聞いてるかしら?はちまん?」
聞いてない、聞きたくない、聞かなくてもわかる自分が怖い!
どうせ映画観ようじゃなくて創ろうでしょ?怖い!怖い!
むくれてもダメ!奥沢、助けろ、マジで!!
美咲「え、わ、私っ!?
そ、そうだなー…………食べ物系とかもいいんじゃないかなー、なんて……」
美咲 (ちょっ、急に言わないでよ!
辛いのは分かるけど、指名しなくても!)
生徒2「……………うん、それいいよね!
あたしクレープとかやりたい!」
生徒3「お化け屋敷もいいんじゃね!?」
生徒4「それ食べ物じゃないじゃん!笑
でも、そういうのもいいよね!」
ガヤガヤワイワイとクラスが騒ぎ出した。
いや、最初っからこうしろよ。
ともかく奥沢ナイス。褒めて遣わ…………いや、すいません。
悪かったからコッチ睨まないで!
×××
話し合いも進み、色々な意見が挙がっていた。
クレープ、フランクフルト、チュロス、うどん、ドーナッツ、パンケーキ等。
いや、食べ物多いな。
まあ他にも在りきたりなお化け屋敷、演劇、カフェ等もあった。
一応弦巻のマジック?手品?の意見も入れた。
……………なんかちょっと弦巻の様子がおかしかったが、冷静に考えなくても常に普通ではない為あまり気にしなかった。
さぁ、ここから1つに絞る訳だが………無難に多数決か?
食べ物系も火を通すものならいいらしいし、この中には特に出来ないものはない。
先生「ふぁーあー。ん?おー、結構意見あるな。
よし。それじゃあこの中から決めようか。
多数決で決めるからみんな机にふせて手を挙げるシステムで行こう。」
あ、起きた。
生徒5「お前らマジで顔上げんなよ!!」
生徒6「いやいや、お前が1番上げそうじゃん」
…………俺はどうするか。
特にやりたいものないしな。
それよりも1番楽なものを選ばなくてはならない。
バンド練習があるからな。演劇とかお化け屋敷は却下だな。
用意や覚える物などで時間かかる。
無難に食べ物系が楽そうか?
まあ多数決なんだけどな…………
先生「それじゃあ始めるぞー。」
×××
【手品】【パンケーキ】【カフェ】
先生「すごい事になったな。
まさかの3つ共同票だ。」
まさかの多数決で3つが同票とは……………
…………手品は最初は、ん?と思ったが、手を挙げていた奴らが男子ばっかりで、その後も「手品出来たら女子にモテそう」等の声が挙がっていた。
俺は挙げていた手をカウントしていたのだ。
なので、机には伏せてないが、弦巻は「楽しそうだからあたしも伏せるわ!」とか言って伏せてた。何が楽しいの?
………ちなみにコイツは全部に手を挙げていたので、一番最初の手品にカウントした。
…………全部に手を挙げるんじゃありません。
全ての意見に1票以上はあるのが驚きだ。
まぁ、これも机にふせたから出来たことなのかもしれないが。
周りの意見に流されずやりたい事に票を入れるのは当然なんだがな。
先生「どーするか………
比企谷。今日の放課後までにはやる内容を紙に書いて提出だろ?」
八幡「はい、そうですね。
なので、絞らないと『選ぶ必要なんてないわっ!』…………はい?」
弦巻は突然俺に被せてそう言った。
…………さっきのこと根に持った?
俺は正直、日頃の仕返し気分で楽しんでたぜ。
先生「どういう事だ?弦巻。」
こころ「多数決したけど必要なかったのよ!!
やれる物ぜーんぶやればいいだけの話じゃない?」
先生「………ん?」
生徒「「「「………………え?」」」」
八幡、美咲「「……………まさか」」
こころ「出来るもの全部組み合わせればいいわっ!
カフェしながら手品もして、食べ物も売るのよ!!」
×××
八幡「そしてなんやかんやあって、うちのクラスは『食べ物色々手品演劇カフェ』となったんだよな…………」
美咲「適当だね。」
八幡「いやもう、思い出したら疲れた。
その後もクラスの奴ら弦巻の案に大賛成だし、先生は面白いからOKとか言ってるし………」
もう本当に何なの?
女子はともかく男子って文化祭面倒くさがる物じゃないの?
パリピ陽キャしかいないの?
全員それぞれの役割できっちり仕事割り振られたし。
放課後大変なんだけど?
美咲「クラスの皆はともかく、よくそれが校長先生とかの許可がすんなり出たね。」
八幡「………………ねぇよ。」ボソッ
美咲「………………え?ごめん、なんて?
聞こえなかったんだけど…………」
八幡「…………すんなりじゃねぇよ。」
美咲「え?…………どういうこと?」
勘が鋭い方はもうお気づきかもしれないがわからないのなら教えてやる。
八幡「…………俺たちがクラスの案を先生に提出したら、次の日に呼ばれてな。
『ちょっとこれはキツイんじゃないかい?』………と。
そんなの俺も思ってたし、まあ無理だよなとか思ってた。
その時だったんだ…………急に背後から黒服を纏った謎『あーーー!もういい!わかった!その謎解けちゃったから!!』」
八幡「……………まだ続きあるけど。」
美咲「いや……………もう本当に大丈夫だから。
何これ………本当にあった怖い話でも聞かされてる気分だよ。」
八幡「いや、本当にあった怖い話だからコレ。
実体験してっから。」
奥沢も謎が解けたか。
名探偵になれるかもな。
てかなんで学校内にいんの?
セキュリティ管理大丈夫ですかー!
あ、無理だ。あの人たち脳内に入れるくらいだし。
美咲「大変だろうけど、もうやるしかないよね………」
そう言いつつも、表情は暗くガッカリしている。
八幡「そういえばお前、弦巻と一緒の手品が主な担当だったな。」
美咲「うん。
……………はぁ。先が思いやられるよ……」
奥沢ドンマイ。健闘を祈る。
手品は既に投票した男子数名が担当になってる為、俺は手品担当になることはなかった。
手品担当だけ増えても人数オーバーになり、他が疎かになるからな。
逆に女子は、弦巻以外いなかったので奥沢が弦巻の面倒を見るべく立候補していた。
かくいう俺は、弦巻の代わりの分まで実行委員の仕事をやらなくてはならないので、クラスの方ではあまり重要な役割はなく、看板や折り紙などの物作り担当だ。
そして、文化祭当日も実行委員としての仕事があるため、クラスの方の仕事はない。
正直これは嬉しいというか、実行委員で良かったとも思える。
劇とか手品、店員、キッチンとか出来ればやりたくなかったからな。
こころ「あら!!2人ともおはようっ!!
とーってもいいてんきね!!何を話してたのかしら!
何か楽しいこと!?あたしも一緒に考えるわよっ!」
朝っぱらから目をキラキラと輝かせ楽しそうに喋りかけてくる。
俺と奥沢は苦笑いしながら、『お前(こころ)の事だよ。』とも言えず、他愛のない会話を弾ませていた。
×××
先生「それじゃあ今日はここまで。
弦巻と比企谷はこの後、文実の集まりがあるからなー。
それと教室はこのまま空けとくから、文化祭の準備をするなり話し合ってくれー。
じゃあ、一応さようなら。」
通常の授業は終わり、放課後になった。
だが、帰る人はそこまで居ないだろう。
文化祭まで1週間を切っているため、放課後を使って準備を万端に進めるのだ。
特にうちのクラスはやる事多いからな………………
こころ「それじゃあレッツゴー!」
×××
香澄「あー、来たよ!さーや!
はっちーとこころん!」
沙綾「香澄慌てすぎだって…………
今日も一緒に頑張ろーね!」
こころ「あら!!
かすみ!それにさあやじゃない!
今日も楽しみましょうっ!」
文実が集まる教室には既に戸山と山吹がいた。
相変わらずお元気な事で……………
それにしても戸山達と山吹の関係って凄いな。
なんつーか…………気まずくならないのかと考えてしまう。
バンドの誘いを何度も断り続ける山吹も、不思議と思ってるかもしれないが。
まあ戸山みたいな奴が気にする事はないのか?
コイツ山吹大好きだからな。
気まずいよりも先に、一緒にいたい気持ちが強いのだろうか。
………そんなこと考えたって意味などないのだが。
八幡「ぎゅむ!?」
香澄「あ、やっと気づいたー!」
突然左頬に衝撃が来た。
戸山に人差し指で押されたようだ。
…………ぎゅむってなんだよ、可愛いかよ、ふざけんなよ。
沙綾「………ふふっ………ぎゅむって………」
顔を背けて小刻みに震えながら笑ってやがる。
もう無視しよう。コイツは無視だ。
香澄「えへへー、ごめんごめんっ!
声をかけても反応しなかったからビックリしたんだよ!」
いや、俺もめちゃくちゃビックリしたから。
沙綾「C組は文化祭で何やるのかなーって。
弦巻さんには聞いたんだけどね…………」
こころ「…………??
さっき言った通りよ?
マジックしたり、カフェしたり色々するのよっ!」
沙綾「………と、まぁ、こんなふうに……」
………なるほどな。
え、何コレ、めちゃくちゃ面白いじゃん。
コイツらは俺たちのクラスで何をやりたいのか知りたい訳ね。
そして、弦巻が一生懸命伝えるも、通じてないと…………
………弦巻が初めて可哀想だと感じてしまった。
ドンマイとしか言えねぇよ。
八幡「いやいや弦巻。もっと具体的に言ってやらねぇと。
手品、カフェ、小芝居劇、パンケーキ、フランクフルトの4つだろ?」
そう。食べ物はスイーツ系1種類だった。
まぁ、多数決の結果パンケーキになっていたのだが。
…………フランクフルトは正直、カフェで食べるか?と感じたが、食べ歩きが出来る食べ物枠で採用されていた。
劇もそこまで大きい事は出来ない。
時間がないのもあるが、カフェ自体を教室でやるため、そこまで場所を取らない物に変更された。
…………だったらやらんでよくない?
まあクラスの奴らは、今まで誰もやった事ないような事をしてるって知ってるからな。
無理にでも種目増やしたいんだろうな。
食べ物系も減らすってなった時ブーイング酷かったし。
それでクオリティ下がったら本末転倒だと思うのだがまぁいいや。
香澄「えっ!?本当なの!!
こころんごめーん!!脅かそうとしてるのかと思ってたよぉー」
沙綾「…………私の友達もそんなこと言ってた気がする。
本当だったんだ…………」
八幡「………………」
思ってた反応と違う……………。ここはアレだろ?
『またまたー!』とか、『ハイハイ嘘乙』とかじゃないの?
信じちゃうの?それだとコイツらは少しだが俺の事を信………いや、違うな。勘違いだ。勘違いするな。
コレは人の性格の違いだ。
チャラチャラな巫山戯た陽キャが言ったら嘘っぽく聞こえちゃうし、クソ真面目ガリ勉くんが言ったら本当っぽく聞こえるのと一緒の原理だ。
弦巻はほら………………コイツって何??
今まで会ってきた奴の中にも、似た奴がいなかった人種なんだけど?
人との関わりは多い方ではないと自覚はしてるが、こんな奴いないな。
チャラチャラって感じでもないし、パリピ………とも少し違う気がする。
コミュ力は化け物。
言動、共に行動も化け物。
黒服とかいう化け……………淑女もいますし!!
あ、アレですよ?弦巻の化け物ってのは、人間じゃ到底勝てない化け物クラスってことです。クラスです。はい。
沙綾「…………なんか汗凄いけど大丈夫?」
八幡「………大丈夫じゃないな。
精神と戦ってたというか、ウイルス…………じゃなくて、自分自身と戦ってたわ。」
沙綾「え、あぁ、そうなんだ………」
引き気味ですねー。
まぁそうですよね。当然の反応だと思う。
だけどな?脳内に入れる黒服を纏った淑女が来るんだよ。
しかも3人以上はいる。怖い。
先生「全員集まったな。
今日は文化祭の主なルールを話すぞ。
一応プリントにもして出してあるが、読んでないやつもいそうだからな。
それじゃあまず………」
×××
先生「じゃあ今日はここまで。
画用紙欲しい人は先生に着いてこい。
それじゃあ解散!」
文実の会議も終わり、俺たちは自分たちの教室へ向かっていた。
こころ「それじゃあ香澄のクラスは沙綾の家のパンを出すのね!」
香澄「うん!!
もうね!さーやの家のパンはとびきり美味しいんだよ〜!
笑顔になれちゃう!」
沙綾「あははー。
やまぶきベーカリーをよろしくね!」
アイツらのクラスは山吹の家のパンが出るのか。
あ、それってアリなのか。
俺らのクラスは色々とやるものがあり、準備など大変だが、弦巻家が手を貸してくれる。
完成したものを貰うのもいいが、作る過程も文化祭の一環らしく、主に素材だけを用意してもらっている。
これも弦巻が同じクラスにいるからであり、ほかのクラスの人達には申し訳ないと思わなくもなかったが、山吹達の話を聞いて罪悪感が消えた。
弦巻が違うクラスだったら、批判を集中砲火のように浴びせていたが許してやろう。
批判も何も文化祭あんまり興味ないんだけどな。
香澄「それじゃあお互い頑張ろうね!
………みんな〜!あたしが来たよ〜!!」
沙綾「あっははは!
香澄ったらめちゃくちゃ元気。
それじゃあ私もここで。
色々大変だろうけど頑張ろうね!!」
戸山は自分のクラスまで走っていった。
それを追いかけるように山吹も走っていった。
こころ「ええ、もちろんよ!
はちまん!あたし達も行くわよ〜!」
八幡「待て待て落ち着け。
走るような距離じゃなうおっ!!」
【バァァン!】
痛ったぁぁ!
背中打った!背中剥がれた!これ血でてるって!!
もう帰らなきゃダメだこれ!帰ります!
???「わ、だ、大丈夫!?」
こころ「……あら?
はちまん?人にぶつかったのなら謝らなきゃダメよ?
そこのあなた!大丈夫だったかしら!」
どうしよう。コイツ殴ってもいいかな。
お前のせいだよ?お前のせいだからな?
A組からC組の教室まで走る距離でもないのに手を引っ張って走るし、挙句の果てにその間にあるB組の教室から出てきた人に当たりそうになって、俺は咄嗟に避けようとしたら勢いを殺せず背中から壁にぶつかって今に至るんだけど?
???「い、いや、あたしは大丈夫だよ!
ぶつかりそうになったけど、彼が避けてくれたみたいだし。
壁に思いっきり当たってたけど大丈夫??」
八幡「あ、あぁ。
悪かったな驚かして。
でもアレだ。俺は悪くない。
全部このバカが悪いから、怒るならこいつに怒ってくれ。」
こころ「バカじゃないわ!!
あたしは弦巻こころよ!」
八幡「そうじゃねぇよ…………
いや、もういい。疲れた、痛い、はぁ。」
もうヘトヘトだ。
???「あははは…………………アレ?
君……確か……沙綾と………」
八幡「……………?
あ、あの?す、すいませんでした………。」
え、何!?
急にじーっと見られてるんだけど?!
アレか?コイツだったら慰謝料請求出来るとか思ってる!?
落ち着けって。まず俺が弦巻から慰謝料ふんだくるから、その後ならな?
???「君、名前は?」
八幡「………え?
あ、ええと、な、名乗るものでもないので………」
なんだよその映画みたいなセリフ…………じゃないな。
確信したよコレ。俺から慰謝料ふんだくる気だ。
じゃなきゃぶつかりそうになった相手の名前聞かねぇよな………
………お、落ちちゅけ。
俺はぶつかりそうになっただけで、ぶつかってはいない。
つまり大丈夫、俺は無罪だ。ここは一旦引いて相手の状況を………
こころ「はちまん?名前聞かれてるわよ?
名前は比企谷八幡よ!」
八幡「お、おい……だ、誰だよそれ。お、俺の名前は材木座義輝。
夢は…………あ、アレだ。
海賊王になることだわ。」
誰だよ材木座義輝って。
太ってて眼鏡かけてて、厨二病だけど憎めないような名前しやがって。
???「ええ………と?
ざ、材木座………八幡君??
と、とりあえずこの後話があるからー!
じゃあまた後でー!」
八幡「………………はい?」
こころ「行っちゃったわね!」
俺に名前を聞いてきた奴はそのまま走っていった。
…………どうなってんだってばよ。
それと材木座八幡って誰だよ、混ざっちゃってるよ。
…………とてつもなく気分が悪いんだけど。
こころ「はっ!!
あたし達もこうしちゃいられないわ!
早く手伝いに行くわよ〜!」
弦巻はクラスへと駆け込んで行った。
お前が原因作ってるって事を自覚して頂きたいな。
八幡「……………ん?なんだこれ。
…………チラシ?」
あぁ。俺が壁にぶつかった時に、剥がれたのか。
剥がれたのは背中じゃなくて、チラシだったのか。
………………ふむ。小町がいたらきっと笑ってくれたに違いないな。
八幡「………………コレって。」
×××
先生「お前らー。今日はこの辺で終わりだ。
17時30分には完全下校だからなー。」
美咲「あ、本当だ。
もうこんな時間なんだ…………」
先生が教室に声をかけてくるまでに結構仕事が進んでたと思う。
明日辺りで制作物とかの準備は終わるだろうな。
そこからはそれぞれ担当の内容を覚えて、前日辺りに食材や活動場所に準備をする流れになる。
つまり俺の文化祭は明日と前日で大体終わりだな。
当日は委員会の仕事があるが、たいしたことしないしな。
美咲「こころー。
今日はこの後どうするの?練習するの?」
こころ「当然よっ!
文化祭もそうだけど、ライブもあるんだものっ!
みんなを笑顔にするためにも練習するわよ!!」
美咲「あ、そう。りょーかい。
じゃああたしはこの後、はぐみと花音さん、薫さんにも連絡しとくよ。
比企谷君は今日バイト?」
八幡「いや、今日はないな。
てか、今週全然ない。月島さんが気を使って休みにしてくれたからな。」
俺たちは歩きながら話を進める。
学校はもうすぐ完全下校時刻になるため、結構な人集りが出来ていた。
はぐみ「こころーん!おーい!
………………はぁはぁ、、、人すごいね!
みーくんから話は聞いたよ!
はぐみは全然OKだよ!」
手を振りながら全速力で走ってくる北沢。
危ないから走るなよな。
美咲「あ、花音さんが見えた。
おー………い……うん。
人の波があってコッチまで来れそうにないから少し待とうか。」
八幡「てか、わざわざ学校で待ち合わせる必要あったか?
現地でも………………いや、なんだよその目。」
美咲「いや、同じ学校なのにわざわざバラバラで行くのもでしょ。」
バカなの?という目で見てくる奥沢。
なんだろう、少しイラッと来た。
花音「お、お待たせ〜………っ。
私も練習大丈夫だよっ。
文化祭もそうだけど、ライブもあと少しだもんね………!」
こころ「良い気合いだわ!花音っ!
それじゃあ薫と合流してからCiRCLEに行くわよ!」
はぐみ「オー!」
よくもまぁ、文化祭の準備してこんな時間なのに元気でいられるよな。
元気じゃないコイツらを想像したら怖くなるけどさ。
八幡「あー、俺は自転車取りに行くから先に行っててくれ。
どうせ追いつくし。」
美咲「うん…………ほら、じゃあ行くよ。」
奥沢達は校門の方へと向かっていった。
…………遠目からアイツらを見てると、弦巻と北沢が小さい子で奥沢がお姉ちゃん。松原さんはお母さんって感じがするな。
まぁ、それはさておきと自分の自転車に鍵を刺し、ロックを外す。
アイツらの所へ向かおうと、校門を出ようとしたら…………
???「………あ!
おーい!こっちこっちー!!」
八幡「……………は?」
目の前に慰謝料ふんだくりそうな野生の女子が飛び出してきた。