彼ら彼女らは青春を謳歌する……?   作:えーく。

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幕開け

 

 

『ありがとうございました〜!』

 

 

 

 

店内の涼しい空間から急に外に出ると、例え春と言えど暑く感じてしまう。

今日は久しぶりに、母上様と一緒に買い物をしていた。

買い物自体は別に久しぶりという訳では無い。

なんなら小町とよく行ってるまである。

まあ大体はショッピング!ってよりは、晩御飯とかの食材系だからスーパーなんだけど。

 

 

 

 

 

 

小町「本当に小町も買ってよかったの?」

 

 

 

八幡「いや、当たり前だろ。

むしろなんで俺のまで買ってんの?」

 

 

 

比企谷母「俺のまでって言うけど、高校生はみんな持ってるものじゃないの?」

 

 

 

八幡「ふっ、俺を舐めるなよ。

みんなという枠の中に入れてない俺にとって恐れるものは、権力と金と集団と人間」

 

 

 

 

小町「結構あるじゃん…………

しかも似たようなのあったし、最後は酷い。」

 

 

 

 

2人からは引いたような目で見られる。うん、しっかりと通常運転だ。

………なにそれ悲しい。

 

 

 

 

比企谷母「それでもバンドの友達がいるじゃない。

今まで不便だったでしょ?」

 

 

 

うーん、弦巻大好き集団さんがいたからな………………

正直無くても困らないレベルで過ごせてました。

 

 

 

八幡「まぁ俺よりも、小町は必須レベルだ。

むしろ俺が小町の分も買ってあげるレベル。」

 

 

 

比企谷母「小町の分はいいの。

あんたは自分の分だけ払ってくれるだけでも助かるわ。」

 

 

 

小町「小町的には凄くポイント高くて嬉しいけど、お兄ちゃんはいいの?

お兄ちゃんは自分のお金で買ってるのに、小町は…………」

 

 

 

…………はぁ、本当に可愛いやつだ。

小町はいつもは、俺をからかったりたまに辛辣な時があるが、根は凄く優しく、家族のことを凄く大切に想ってくれている。

 

もう本当に出来た妹だ。

小町は末永く俺といつまでも暮らすがよろし。

 

 

 

小町「お兄ちゃん??」

 

 

 

 

八幡「あ、あぁ、すまん、ちょっとトリップしてた。

別に何も気にする事はないぞ?

そもそも小町は年齢的に働けないしな。

それに俺は欲しいとも思ってなかったし、あったところで感が強かったからな。周りの奴らは持ってる奴が多かったけど、対して興味が無かったし。」

 

 

 

小町「いや、少しくらい興味持とうよ。

でも……………その、ありがと。」ボソッ

 

 

 

比企谷母「あら、小町ちゃん可愛い。」

 

 

 

八幡「小町が可愛いのは当たり前」

 

 

 

小町「も、もう!お兄ちゃん達知らない!」///

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「よし……………はい!大体の設定は終わり!

お兄ちゃん落とさないように気をつけてよね?」

 

 

八幡「はいはい。」

 

 

 

映画の予告とかで見たことあるもんな。

個人情報の塊だから、悪人の手に渡ったらとてつもなくやばいってやつ。

 

 

まあなんだかんだありまして、

 

 

 

八幡「スマホを買いました。」

 

 

 

小町「へ?どしたの急に………」

 

 

 

まぁ、そりゃ驚くよな。

俺も驚いてる。

 

 

八幡「いや、なんでもない。

俺もなんで言ったか自分でもわかってないから」

 

 

 

小町「……………??

お兄ちゃん疲れてる?

今日は練習あるんだから休めないけど、帰ってきたらマッサージする?」

 

 

 

え、したい!

…………はっ。危ねぇー。

でもこの小町はマジで心配モード入ってるな。

 

 

八幡「いや、本当に大丈夫だ。

小町が家で温かいご飯を作って待っててくれたら、お兄ちゃんはもうちょー元気になる。」

 

 

あー、コレはポイント高すぎたかな。

小町の照れ顔が頭に浮かぶわ。

 

 

 

小町「いや………うん、その気だけど口に出して言うとなんか新婚さんっぽいというか、なんか凄い嫌。

それとお兄ちゃんちょっと狙いすぎ。恥ずかしくないの?」

 

 

八幡「え、待って待って。

思ってた反応と違うし、だいぶ恥ずかしい。」

 

 

小町「ほら、早く行った行った!

もう時間でしょ?じゃあねー、行ってらっしゃーい!」

 

 

 

八幡「え、あ……………はい。

行ってきます…………」

 

 

 

小町が………小町が…………可愛い小町が…………

 

 

 

これが反抗期って奴なのか?

いや、反抗期に入っても可愛いは変わらないんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

比企谷母「小町?

なんで顔赤くなってんのよ。熱?」

 

 

 

小町「へ!?い、いや、なってないよ?

お母さん変なこと言わないでよ!!」

 

 

 

比企谷母「無理があるでしょ………

まあ八幡は小町にはベタベタで優しいからね。

……………あ、小町も、だっけ?」

 

 

 

小町「ち、違うよっ!!!」///

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は金曜日で、学校はお休み。

正確には今日と明日の土曜日が休みだ。

 

 

日曜日と月曜日が文化祭だから、準備期間で休みって感じだな。

実際そんなにかからないから助かる。

 

 

 

ライブは明日が本番なので今日は、CiRCLEでリハーサルも兼ねた練習日だ。

もう本当に何してんだろ。文化祭の1日前にライブはマジで予定ミスった。

 

 

 

 

花音「あ、比企谷君………っ!」

 

 

 

美咲「…………本当だ。」

 

 

 

 

前の方で手をひらひらと振る松原さんが見える。

あと奥沢も。

 

 

うん、これは悩むなー。

止まって合流するか、挨拶だけ交して先に行くか。

 

コレが知り合いレベルだったら悩む間もなくしっかりと挨拶をして、突っ切るんだけどな。

相手は知り合い以上であり、しかも結局待ち合わせもしてるからなー。

 

でも、止まって交流したら、『は?何で一緒に来んの?社交辞令なんだけど?』みたいなこと思われてたら、死の呪文を唱えることになるし………

 

 

いや、待て待て。相手はあの松原さんだぞ?

天使属性の松原さんだが、そんなこと思わないとは言いきれないけど……………いや思わないわ。だって天使だし。

 

 

奥沢は知らんな。アイツ最近容赦ないし。

 

 

 

美咲「比企谷くんストップ。止まって。」

 

 

 

花音「み、美咲ちゃん………っ?」

 

 

 

美咲「いや、なんか今不快なこと思われた気がするので。

はい比企谷くん、荷物持って?」

 

 

 

八幡「いやお前それ、勘違いだったら被害妄想激しすぎだからね?」

 

 

 

なんでわかるんだよ………口に出してないよな?

てか、そんな酷いことは言ってない。

 

 

美咲「勘違いだったらってことは、当たってるってことだよね?」

 

 

 

八幡「……………………」

 

 

 

花音「……………………」

 

 

 

美咲「……………………」

 

 

 

 

 

八幡「自分のカゴが空いてるので、良かったら荷物を入れてください。」

 

 

 

美咲「わー、ありがとー。

ほら、花音さんも遠慮しないで」

 

 

 

花音「え、わ、私も………っ?

そ、それじゃあ…………ごめんね?比企谷君」

 

 

いや全然いいんですよ。

あー、松原さんマジ天使。

それに比べて奥沢は…………この鬼!いや、クマ!ミッシェル!!

 

 

 

…………ミッシェル!!

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

はぐみ「わぁーい!」

 

 

 

こころ「そぉーれっ!!」

 

 

 

 

薫「この位置が1番目立つ…………いや、こっちもいいね。」

 

 

 

 

まりな「あ、あはは……………」

 

 

 

 

八幡「おい、これリハーサルだから。

テーマパークじゃないから。」

 

 

 

確かに誰もいないステージはちょっとテンション上がる。

俺もバイトで初めて入った時はなんか、こう………ね?

しっかりテンション上がってました。

 

 

美咲「音量調整は………うん、これでいいかな。

次は……………」

 

 

 

奥沢を見習え、奥沢を。めちゃくちゃ真剣だぞ。

真剣すぎて俺がふざけてたら切られるレベルまでには真剣だ。

 

 

 

花音「み、みさきちゃん、私も手伝えることないかな?」

 

 

 

美咲「あー、じゃあここをですね……………」

 

 

 

 

明日も当然、当日リハーサルもするが今日は順リハ、順番でリハーサルをするのがメインになる。

 

ライブ当日は基本、順リハではなく逆リハをする。

その名の通り順番にするのではなく、順番の逆からリハーサルをしていくのだ。

当日に逆リハをするのは大きい理由がある。

 

 

 

そもそも明日ライブをするのは俺たちだけではない。

他のバンドも複数参加するライブだ。

 

まあ今回開催のライブのスタンスは、今年新しく出来たバンドの為のライブらしいしな。

 

 

つまり、俺たち以外のバンドも演奏するにあたって本番のリハーサルはあまり時間がとれないのだ。

 

 

 

そのためにも逆リハは効率がいい。

順リハと逆リハの違いは至ってシンプルだ。

 

 

 

順リハが、1バンド目→2バンド目→3バンド目………と最初からスタートするのなら、逆リハは4→3→2→1と、終わりからリハーサルをしていく。

 

 

 

逆リハをすることによって、最後にはトップバッターのバンドでリハーサルを終わることができるので、セッティングをし直さなくて済むからだ。

 

ただ月島さん曰く逆リハは1バンドの拘束時間が長引くから、順リハを採用してる場所もあるとかないとか。

 

 

 

 

美咲「次のバンドの人も控えてるんだから早くやるよー」

 

 

 

こころ、はぐみ、薫『はーい!!』「了解したよ」

 

 

 

オカンだわ。奥沢さんオカン属性だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

まりな「はい、それじゃあハロハピはOKだね。

お疲れ様ー。それじゃあ、明日はよろしくね!」

 

 

 

「「ありがとうございましたー」」

 

 

 

 

前日リハが無事に終了した。

 

 

音響担当のPAスタッフに失礼な態度を取らないか心配だったが、オカン奥沢が無事に要望を伝えていた。

 

 

まあPAスタッフはCiRCLEの人だから、俺のバイト先輩なんだけど。

なんかあの人弦巻ファンだし。年上の女性は弦巻に堕とされるのか?

黒服の人とか黒服の人とか黒服の人とか。

月島さんは大丈夫みたいだけどな。

 

 

 

こころ「それじゃあこのまま私の家に向かうわよっ!」

 

 

 

はぐみ「うんっ!レッツゴーだね!」

 

 

 

元気のいいことで。

 

 

…………それにしてもだ。

人の家でバンド練習出来るのは凄い助かるな。

いや、人の家だっけあれ?人は人でもお姫様の家か。

だが、明日が本番でCiRCLEも使えない状態なので弦巻の家にはすごい助かっている。

CiRCLEからは、歩いたら大体20分ほどで着く距離だが、いつもの黒服さんが車を…………

 

 

 

八幡「あ」

 

 

 

 

薫「………どうしたんだい?」

 

 

 

美咲「え、なに?どうかした?」

 

 

 

花音「比企谷君?」

 

 

 

こころ、はぐみ「「???」」

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「あ、いや、なんでもない………です」

 

 

 

5人「「???」」

 

 

 

 

 

今思ったけど、コレって俺のせいで今歩いてる…………よな。

いつもは時間がある時なら歩いて向かうけど、急いでる時とかは車だったもんな。

理由は単純明快で、俺が自転車に乗ってるから………か。

俺に気にせず乗れよって言っても無駄だろうし……………

…………そう思ったら少し申し訳ないと感じなくもない。

 

 

 

 

八幡「……………あ、アレです。

荷物良かったらカゴに入れてください。」

 

 

 

 

今度からCiRCLEから弦巻の家に向かうとわかる時は、歩いていこうと決めた瞬間であった。

 

決して車がいいとかそういう訳では無い。

リムジンに乗りたいとかそういう訳じゃ無い。

 

 

 

 

 

……………瀬田先輩、ギターはちょっと自分で持ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒服「当然自転車も運ぶ事が出来ますが…………

本日はこころ様が歩きたいと仰っていましたので。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「…………?」キョロキョロ

 

 

 

 

美咲「……………比企谷くん何やってんの?」

 

 

 

 

八幡「いや、脳内独り言に返事した人がいた気がして。」

 

 

 

 

美咲「…………?」

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《〜〜〜〜〜〜♬》

 

 

 

 

 

 

演奏が終わった直後、俺たちはお互いの顔を見て深く頷きあった。

 

 

 

6人「「………………………」」

 

 

 

 

こころ「ん〜〜〜っ!!

今のす〜っごい、良かったわね!!!」

 

 

 

はぐみ「うんっ!!はぐみ、もう1回今のやりたいよっ!!」

 

 

 

薫「今までで1番良かった事は間違いなさそうだね。」

 

 

 

花音「うん…………っ!!

わ、わたし…………1回もミスが無かった………っ!」

 

 

 

 

ミッシェル「はぁはぁ……………

はぁ…………まあ、今日だけでも結構練習したからね。」

 

 

 

八幡「…………………」

 

 

うわ、達成感すごいなコレ。

正直弦巻がライブをやろうと言うまでが早すぎたため、1回目のライブは微妙な感じで終わりそうだと思っていたけど、何とかなるくね?

 

もちろん他のバンドと比べてしまったらって所はあるかもしれないけど、たった数曲ならそれなりの演奏は出来ることがわかった。

 

 

こころ「はちまん?

どうかしたの?ぼーっとしちゃって!」

 

 

 

あ、え?

いつの間に俺が注目されてんだけど?

にやけてた?さすがにそれは無いよね?

 

 

八幡「いや、ほら、アレだ。

明日のライブで今の出来たら良かったじゃねーかと思ってな。」

 

 

うん、それっぽいこと言えたわ。

まあ実際問題、本番はやはり緊張して今みたいなベストな演奏はキツイのかもしれない。

 

 

 

こころ「今出来たんだもの!!

きっと明日も出来るわ!!」

 

 

 

はぐみ「うんうん!

本番は人が多いかもだけど、根性だよっ!!」

 

 

 

 

薫「本番で成功するために練習があるものだよ。

練習で成功したのなら、本番でも出来るさ。」

 

 

 

美咲「うわ………出たよ。ボジティブ3人。

まあ頼りには………………な、、る、、うん。多分。」

 

 

 

今お前の中で何が起きたんだよ………

急に自信なくす辺り、きっと色々とフラッシュバックしたんだろうな。

コイツら基本ぶっ飛んでるからな。

 

 

 

花音「で、でも、私…………少しだけ、ほ、本当に少し……

自信がつき、、、ました。」

 

 

 

美咲「花音さん……………」

 

 

 

松原さんがめちゃくちゃ精神共に成長している。

いい事だ。

 

 

こころ「それじゃあまだまだやるわよ〜〜!!」

 

 

 

 

ミッシェル「えっ、ちょちょ、えっ!?」

 

 

 

 

八幡「いや流石に休憩挟むぞ。

てか休憩しなきゃキツい、だるい、しんどい。」

 

 

 

結構ガッツリ練習してたからな。

本番が明日だからといって根詰めるのもいいが、それで体調崩したら本末転倒だ。

 

 

 

八幡「てことで、20分くらい休憩。

俺はちょっと御手洗を借りるな。」

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

弦巻の家の御手洗、まあトイレはでかい。

でかいというか、トイレそもそもの部屋が大きい。

てか、全てにおいて規模がでかい。

 

 

なんだろ………

トイレって狭いからこそいいものだと実感出来た。

別に広いのが嫌だとかそういう訳ではないんだけど、違和感というか、落ち着かない。

 

 

それと当然だが、初見だと弦巻の家は絶対と言ってもいいくらい迷子になる。

規模はもう簡単に説明すると学校。

まあ学校より大きいのは確かだけど……………

イメージはそんなもん。

 

 

こんな広い家にトイレの部屋って幾つあるのだろうか。

いや、すごーくどうでもいい疑問なんだけどね。

トイレも今まで入ってきた部屋も綺麗だから、どれくらいの人で1日掃除をしているのかも気になってくる。

…………この家、いや弦巻家?、黒服とか謎が多いから気になってしまうのも仕方ないのかもしれない。

 

 

 

美咲「あ、比企谷くん。」

 

 

 

八幡「………あぁ、奥沢か。」

 

 

 

一瞬ビックリして変な声をあげそうになったのを抑えた俺はよくやった。

 

 

 

美咲「はぁ、、、

さっきの演奏は良かったよね。」

 

 

 

八幡「…………まあそうだな。

今までで1番良かった気はするレベルの演奏だったと思う。」

 

 

 

美咲「正直うちは、初心者が多いからね。

私もそうだし、はぐみと薫さんも。」

 

 

 

八幡「初心者って忘れるくらい上達が早いと思うけどな。」

 

 

 

美咲「そう言って貰えるとありがたいね。

比企谷くんと花音さんは最初から出来てたからあたし達は割と焦ってたからね。」

 

 

 

頑張ってる事など言われなくてもわかるレベルで上達している。

理由が俺と松原さんだったのは今知ったけど。

 

 

 

美咲「こころも何の経験もないだろうに。

それなのにしっかりと歌上手いしね…………」

 

 

 

乾いた笑いで言う奥沢。

確かにな、アイツは歌上手い。

ただ演奏してる時は少し走りがちというか、みんなに合わせるよりかは「私についてきて!」のスタイルの方が向いてるっぽいしな。

 

 

八幡「というか、俺も結構ギリギリだけどな。

経験者って言っても、数年も前の話だったしな。」

 

 

 

小学生の頃だし、ブランクってかもう実質未経験者。

 

 

 

 

美咲「それでもあたし達よりは充分弾けるじゃん。

私なんて生きてく中でDJに触れるなんて思いもしなかったからね…………」

 

 

 

八幡「あぁ、忘れてたわ。

1番すげーのお前だったな。」

 

 

まじで奥沢はヤバい。

ミッシェル……………着ぐるみの中に入って演奏出来るのが凄すぎる。

いやね?プロでもいるかもしれないけど、それはプロだし。

練習とか何年、何十年とかやってて出来るって感じだろう。

 

 

奥沢は高校生。てか、同級生。

そして、バンドどころかDJ初心者。

それを着ぐるみ着てやるとかどんなハンデだよ。

 

 

しかもDJだけじゃなく、ライブの会場をとったりとか、バンドの外側の事もこなすとか、まじやばい。

語彙力飛ぶくらいにはヤバい。

 

 

 

美咲「……………っ。

ま、まあ私もなんでこんなことしてるんだろうってたまに思うけどね。

ミッシェルの中、黒服の人達が改良して凄く快適にしてくれてはいるけど、動いたりするとやっぱり暑いし、色々と不便だし。」

 

 

 

八幡「あー、多分今の聞かれてたな。

姿は見えないけど絶対聞かれてた。」

 

 

 

こうして、ミッシェルはグレードアップを重ねて行くのだろう。

 

…………いつか空でも飛ぶんじゃねーの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

美咲「それじゃあお疲れ〜」

 

 

 

花音「お疲れ様………。

明日、、、みんな、、、頑張ろ…………うね。」

 

 

 

はぐみ「かのちゃん先輩緊張し過ぎだよ!

もっとリラックスリラックス〜!」

 

 

薫「大丈夫、本番は明日さ。

今日はゆっくり寝るといいよ。」

 

 

こころ「明日は世界を笑顔にする第1歩にするわよ!」

 

 

 

「「「おー!!!」」」 「「……お、おー!」」

 

 

 

 

 

と、気合十分な弦巻たち。

 

明日はライブ本番。

やれることはやってきたし、もう待ったなし。

今日はゆっくり寝れるのか、それだけを心配して帰路に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員と別れ自転車に乗り、家に向かう。

辺りはもう真っ暗で、春の涼しい風を身体に受ける。

時刻は21時を過ぎており、結構長く練習していたと今思う。

小町には遅くなるって連絡したし、まあ大丈夫だろう。

 

この時間で急に声をかけられたら、なかなか危ない事件に巻き込まれるか、怖い人の可能性が高いため、お座りモードから立ち漕ぎモードに変更して、ギアを上げ、それいけ「あ、ハッチーだ!!」…………。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

おたえ「何かと会うよねー。」

 

 

 

香澄「うんっ!!

大体ハッチーがこっちに向かって来るよね!」

 

 

八幡「まるで俺が会いに来てるって言い方やめて貰えません?」

 

 

俺が向かってきてるってのは、家に向かってるからだし、声を掛けてくるのはお前らからなんだよなぁ。

 

 

 

 

有咲「…………………」

 

 

 

 

あとコイツ、市ヶ谷………。

俺の事かなり嫌いだろうし、こいつらと話すことないので即撤収しなくては。

 

 

 

有咲「おい、なんで今あたしの顔見て帰ろうとしたぁ!」

 

 

 

うわ、めんど!!

お前のためでもある俺の行動を、お前が止めるんかい。

 

 

 

 

八幡「いや、そういう訳では無い。たまたまです、マジで。

じゃあ俺この後用事あるから……………それでは」

 

 

 

 

はい完璧。

 

「本当はないのに、あるとよく言われるものな〜んだ?」

 

 

 

 

答え【用事】

 

つまり世の人間は、何もなくても用事はあるという事だ。

暇という用事がな。

 

 

 

香澄「あ、そういえばね!

文化祭であたし達バンド演奏するから、はっちーも見てね!」

 

 

 

たえ「Poppin’Party!!」

 

 

 

八幡「暇だったらな」

 

 

 

 

そういや文化祭でライブやるのか。

まあでも俺、文化祭実行委員ですし。

弦巻が自動的に何もしない幽霊委員になるので、仕事増えますし。

 

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

帰宅し、風呂も入りご飯も食べ終えあとは寝るだけという状況を作り出した。

 

明日はライブ本番だし、午前中も練習があるので、早く寝ることに越したことはない。

 

 

のだが………………

 

 

 

 

 

 

小町「とうとう明日ですなぁー。

お兄ちゃん緊張してるー?」

 

 

 

八幡「こまち……………。んー、まあなー。

初ライブだし、流石に緊張はしてる。」

 

 

 

小町「そもそもお兄ちゃんがバンドに入る事になった時点で、小町は驚きだけどねー」

 

 

 

八幡「安心しろ。俺の方が驚いてるから。」

 

 

 

弦巻に無理やり誘われたとはいえ、今は自分の出来ることをやってる時点で、俺は…………

 

 

 

小町「でも、バンドに入って良かったでしょ?」

 

 

 

ニヤニヤと笑いながら聞いてくる小町。

図星でしょ?みたいな顔が可愛くもあり、憎たらしさもある。

 

 

 

八幡「まあ、おかげで毎日が忙しいけどな。」

 

 

 

バンドとバイトは中々大変。

何より勉強もあるからな…………

 

 

 

小町「えっ?お兄ちゃん毎日が充実してるの!?

やったね!お兄ちゃんリア充じゃん!」

 

 

 

 

そうか、俺はリア充だったのか。

彼女、彼氏いる=リア充と勘違いしてる奴が多いらしいので、俺も実質彼女持ちってことだな。

 

 

 

 

小町「…………お兄ちゃん、演奏中とかにもしも上手く行っても、そのドヤ顔はやめてよね」

 

 

 

八幡「…………ご忠告どうも。

意味までは聞かないでおいてやるよ。」

 

 

 

俺が傷つきそうだからな。

 

 

 

 

八幡「明日も早いしもう寝るわ。」

 

 

 

 

小町「うん、そうだね。

…………あ、そういえばお兄ちゃん。

ライブの優先チケットもう1枚ある?」

 

 

 

 

八幡「2枚貰ったから1枚あるけど、一緒に行く人見つけたのか?」

 

 

 

 

小町「…………その聞き方だと、小町に友達居ないみたいになるじゃん。」

 

 

 

 

八幡「いや、そうは思ってない。」

 

 

 

小町に友達が多いことは100も承知だ。

可愛いくてコミュ力も高く、気が利くとなれば友達どころか、異性にも好かれるだろう。

 

 

 

前に話していたが、チケットが2枚しかなくそのうち1枚は小町が使うので、友達1人を連れてくのは何かとアレらしい。

 

 

アレが何かは俺にはわからんが、友達に自分の兄の初演奏は見せられないという理由じゃないことだけを祈るのみ。

 

 

 

小町「ありがと!

友達ではないけど、お知り合いになれたらいいなーと思ってる人を誘うよ」

 

 

 

八幡「おい。まさか……………男なのか?」

 

 

 

ぐうむ………………小町はもう中学生。

気になる人が出来ても…………。

結構ショックだが、小町が好きになったのなら…………

 

 

 

小町「勘違いしてる所悪いんだけど、女の子だよ。

…………多分」

 

 

 

八幡「女か。

それは良………え、多分?」

 

 

 

 

小町「小町も会ったことないからね!

でも、女の子で間違いはないと思うから大丈夫!」

 

 

 

八幡「いや、全然大丈夫じゃないそれ。

会ったこともない人に、知らない人の兄の初ライブ観てもらうとかどんな拷問なんだよ。」

 

 

そんなんで人って仲良くなれんの?

小町ちゃん友達作りのハードル上げてない?大丈夫?

 

 

 

小町「へーきへーき。

お互い知らないけど、お兄ちゃんは知ってる人だから。」

 

 

 

 

八幡「………………は?」

 

 

 

俺が知ってるやつ?

 

 

 

小町「はい、明日早いんでしょ!

おつかれ、おやすみ!!」

 

 

 

 

八幡「………………訳が分からん」

 

 

 

 

え、モヤモヤを残されたまま寝なきゃならんの?

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「みんなー!今日はやっとの本番よ!

私たちの演奏で、世界を笑顔にするわよ!!」

 

 

 

 

はぐみ、薫「「おーーー!」」

 

 

 

 

八幡、美咲、花音「「「お、おーー!」」

 

 

 

 

俺たちが今日やるライブは、18時から始まる。

全10バンドで行われ、1バンド3曲の演奏となる。

 

今回の主催内容が、バンド結成1年未満のバンドとなっており、緊張バリバリとかではなく、思いっきりミスして経験してこい!って内容らしい。

 

 

 

花音「い、いよいよなんだね……………。

わ、わたし、みんなの足を引っ張りそうで………」

 

 

 

美咲「花音さんはもっと自分に自信を持っていいと思うけどね。

たしかに緊張で練習通りに行かないかもしれませんけど、それでも大丈夫ですよ。」

 

 

奥沢は俺たちを一人一人見る。

そして、松原さんも俺たちを見た。

 

 

 

花音「…………うん。そうだよね。

ひ、1人じゃない。みんなと演奏するんだもんね!」

 

 

 

はぐみ「そうだよ!!

かのちゃん先輩のドラムを聴くとはぐみ、バーンってテンション上がるんだよ!」

 

 

 

薫「ふふっ。それはここにいるみんな同じ気持ちだよ。

それに、本番でもし失敗をしても最後まで演奏することが大事なのさ。」

 

 

 

 

瀬田先輩最近カッコイイよな。

ポンコツTheアホモードは演技なんかね?(無意識)

 

 

 

美咲「…………………」

 

 

 

奥沢も瀬田先輩を見て固まってる。

多分俺と似たようなこと考えてるだろうな。

 

 

 

こころ「それじゃあ練習を始めるわよっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ本番前。俺たちはいまCiRCLEにいる。

時刻は17時で、リハーサルも無事に終わり待合室で待機中。

 

 

 

ライブ開始が18時からなのでまだ時間があるのだが、お客さんが会場に入ってきたらしく、ざわざわと大きい音が聞こえてくる。

 

 

 

 

こころ「早くライブがしたいわね!!まだかしら!!」

 

 

 

美咲「あんた緊張って言葉ないの?

私いま、心臓バックバクなんだけど。」

 

 

 

 

花音「ふ、ふぇぇ………。

わ、私もすごい………やばい………」

 

 

 

 

…………おいおい、松原さん限界近くない?やばいって………

目が死にかけてるんだよな。

 

 

 

 

美咲、花音「「帰りたい………」」

 

 

 

 

……………確実に死んだ。

 

 

 

 

はぐみ「はぐみはワクワクドキドキしてるよ!

ソフトボールの試合前と一緒だ!!」

 

 

 

北沢はソフトボールやってるんだった。

………そういや、弦巻よりも足速いって聞いたけどマジですか??

 

 

 

美咲「薫さんはこういう事、慣れてそうですよね。」

 

 

 

薫「何度も劇をやらせて貰っているからね。

それでも多少は私も緊張するものさ。」

 

 

 

 

八幡「そもそも緊張が悪いこととは限らないからな。

良い言い方をすれば慎重になる。冷静とは別かもしれんがな。

そもそもプロの人でも緊張する人はするんだ。

初ライブの俺たちが緊張せずにやるのなんておこがましいだろ。

………………弦巻、お前は別だからな。」

 

 

 

チラッ………………。

 

 

 

弦巻「……………??」キョトン 

 

 

 

首を傾げる弦巻。

さすが弦巻、効果はないようだ。

 

 

 

 

花音「比企谷くん……………。

うん、私頑張る………っ。」

 

 

 

 

美咲「はぁーー。

まあここまで来たらやるしかないしね。

じゃあ私はそろそろ、ミッシェルに着替…………じゃなくて、ミッシェル呼んでくるね。」

 

 

 

いってらー。

あいつほんと大変だな。

 

 

 

 

こころ「さあみんな!

世界を笑顔にさせましょー!!」

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「えーと……………確かこの辺に…………あ、あった!

 

 

 

すみませーん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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