消してしまったので再投稿しました!
誕生日 こころ&八幡 『これからもきっと。』
八幡「………………朝か。」
目が覚めると、部屋には日差しが入り込んでいた。
眠い目を擦りながらスマホを見てみる。
【10時45分】
…………ふむ。
いつも通りの日々だったら遅刻だと焦るのだが、今は夏休み。
そう。素敵な夏休み。
学生が好きな学校行事ランキングで修学旅行と引けを取らないほどの強さを誇っている夏休みさん。
八幡「…………なんか、通知が来てるな。」
スマホを持ってたらアイツらに「LINKやろう」などと言われ、気づいたら1つのアプリが入っていた。
…………らいん?ちょっと何を言ってるか分からないが、LINKと言うらしい。
八幡「通知は………………88件!?」
は?こわっ。
一体誰がこんなイタズラを……………
「弦巻」という文字がズラーッと並んでる。
………………まぁ、だよな。
だいたい分かってたけどゲシュタルト崩壊するかと思ったわ。
てか、通知オフになってたのな。
音ゲーやる時通知邪魔だから切ってたの忘れてた。
およそ1時間前から来てるし。
どうしよう………………
八幡「よし。寝るか。」
ケータイの電源を切り、見なかったことにしよう。
この前ライブも終わったばっかりだし、夏休みの宿題も昨日終わらせたし、バイトも無い。
今日くらいは寝てても大丈夫だろう。
まだ、通知の内容を見てないけどまぁ、多分大丈夫だろ。
八幡「それじゃあ…………おや………すみ……zz」
【ピンポーン!】
八幡「……………………」
【ピンポーンピンポーンピンポーン】
八幡「……………………」
【ピンポーン…………】
八幡「………………ふぅ。家に誰も居ないのか?」
【ガチャ!】
八幡「…………………ガチャ?」
ただでさえ夏は暑くて、寝るまでに少し時間かかるのにピンポン連打はふざけてる。
しまいには鍵が開く音が聴こえたんだけど…………小町?
寝室をでて玄関に向かうと…………
こころ「あー!やっと起きたわねー!!」
八幡「………………嘘だろ。」
ナンカイタ。
×××
八幡「色々と言いたいことがあるが、どうやって家に入った?」
こころ「どうって………鍵よ?」
首を傾げる弦巻。
くそっ、なんか上手く言えないがイラッとくるな。
八幡「なんで、俺の家の鍵を持ってるんだ?」
こころ「小町から借りたわ!」
八幡「…………小町から?」
えー、なんでー?
でも、弦巻が嘘をつくとは思わんし…………
八幡「……………ん?コレは?」
''お兄ちゃんへ''
小町とお母さんは、こころさんから有名な所の温泉・エステ・マッサージ無料チケットを貰ったので2人でエンジョイして来ます!
夜には帰って来ると思いますです!
お兄ちゃんも楽しんでねー!
''可愛い小町より''
P.S
念のためにこころさんに家の鍵を渡したから、よろしくっ!
八幡「……………」
お兄ちゃん何を楽しめばいいの?
ていうか、念のためって何?
八幡「…………お前が鍵を持ってる理由は分かった。
てか、なんで小町たちにそんなチケット渡してんの?」
こころ「チケット…………?
アレは、黒服の人たちに「八幡のお母さんに渡してください」と頼まれたから渡しただけよ?
中身とかは知らないわっ!」
おい黒服!!
まぁ、無料だから怒るに怒れないし、あの2人も嬉しそうだから許すけども。
八幡「…………で?なんで、俺の家に来たんだ?」
そう。まだ本題に入っていなかった。
こころ「八幡が電話しても出てくれないからよっ!!
どうして出てくれなかったのかしら!!」
あ……………なるほど。
通知見ればわかる感じだったのか………
八幡「あ、で、電話?
ちょいとまってろ…………
あ、あー、本当だわ。電話来てたわー。
電源切ってたから知らなかったわ!」
コレなら怒るに怒れないはずだ。
こころ「それならしょうがないわ!
じゃあ、早く行きましょう!!
みんなも待ってるらしいわ!!」
そう言って俺の手を掴んでくる。
なんかデジャブ……………!
八幡「おい、ちょっと待てって!
行くってどこへ!?てか、みんなって誰だよ!!」
寝巻きのまま外に出され、弦巻に引っ張られた。
×××
黒服「八幡様、コチラをどうぞ。」
俺は今リムジンの中にいる。
あの後、弦巻に連れてこられたのだ。
そして、黒服の人からは服を渡された。
八幡「コレ…………え、なんで服?
ていうか、この状況を説明してもらってもいいですかね?
この後、何かあるんですか?」
こころ「ハロハピのメンバー全員集合よ!」
八幡「…………今日集まる話してたっけ?」
そんな話、記憶にないんだが…………
こころ「ミッシェルに頼まれたの!
はちまんを連れてきてって!」
八幡「奥沢が………?なんで?」
こころ「…………奥沢?………美咲のこと?
なんで、美咲が出てくるのかしら?ミッシェルに頼まれたのよ?」
八幡「…………お、おう。そ、そうだったな。
間違えたわ」
こんなマジな返しされたらもう何も言えない。
奥沢…………頑張れ。
八幡「…………なるほどな。
じゃあ、この服は?」
黒服「いま、八幡様は寝巻きですので。
そちらの服、八幡様にプレゼントしますよ。」
いや、寝巻きで連れて来るからじゃない?
着替える時間くらいくれよ。
八幡「じゃあ、有難く貰いますけど…………」
私服もそんなに沢山持ってるわけじゃないからな。
貰えるなら貰っておこう。
でも待ってこれ、ちょっと高そうというかオシャレじゃね?
八幡「……………ココで着替えなきゃダメですか?」
黒服「まぁ、そうですね。
車で移動してるうちに着替えた方が…」
こころ「そうよ!早く着替えればいいじゃない!」
八幡「…………………」
黒服「…………………」
こころ「…………………」
えっ!言いづら!!
車の中で着替えるのは別にいいんだけど、めちゃくちゃ見てくるじゃん!
弦巻さんどうにかしろよ。
なんで、男の俺が気にしてんの?
…………かなり恥ずかしいが俺から言わなきゃダメらしいな。
八幡「……………お、おい。
着替えるからあっち向いてろよ。」
こころ「……………??
別にあたしは気にしないわ!」
八幡「俺が気にするんだよ!」
俺を男として見てないことがよーく分かった。
…………そういえばコイツ、ライブの衣装着る時も平気で俺の前で着替えてたわ。
こころ「…………もういいかしらー?」
八幡「……………おう。もういいぞ。」
こころ「あ!今のやり取りかくれんぼ見たいねっ!」
八幡「………………はぁ。
なんかもう色々疲れた。」
×××
黒服「着きました、こころ様。八幡様。」
こころ「どうもありがとっ!
さぁ!はちまんっ!!行くわよー!!」
八幡「着いたって……………ココ?」
こころ「そうよっ!ココにみんなが待ってるらしいわ!!」
八幡「いや、メンバー集合って言ったら大体弦巻の家だったけど今日は違うのな。
看板にカラオケって書いてあるし。」
そう、カラオケ屋だ。
歌でも歌うのか?
あ、俺なんにも持ってきてないんだけど?
ケータイも財布も家だぞ?
こころ「確かにそうね!!
あたし、カラオケなんて初めてだわっ!コッチよ!着いてきて!」
俺も初めてなんだが、弦巻と俺じゃあ、意味が違うな。
俺は行くお金が無いというか、お金払ってまで歌う気にはなれない系だが、弦巻の場合は……………絶対家にあるじゃん。
なくても作れるし。
こころ「ミッシェルって名前で予約されてると思うのっ!!」
店員さん「えっ?……………あ、ミッシェル様。
確認が取れました。それじゃあ、8号室へどうぞ。」
こころ「えぇ!ありがとう!!
行くわよっ!」
八幡「いや、もうわかってるから引っ張るな」
×××
こころ「はちまんを連れてきたわっ!」
はぐみ「あっ!こころん!はちくん!」
薫「ふふっ。待っていたよ。」
花音「あ、おはよう比企谷君。」
美咲「…………あー、やっと来た。」
本当に全員いた。
…………いや、別に疑ってはなかったけど。
てか、何やってんだコイツら?
なんかパーティー会場みたいに、壁に折り紙で作った輪っかとか星とか貼りついてるけど………
八幡「どうも。
…………それで、一体何やってるんすか?」
カラオケって歌を歌う所じゃなかったっけ?
花音「あ、あはは………
小町ちゃんの言ってた通りだね………」
美咲「コレを見たらわかると思ったんですけど…………
自分に興味無さすぎじゃない?」
薫「ふふっ。聞かなくてもこれからわかることさ。」
はぐみ「よーしっ!みんな行くよー!せーのっ!」
【パンッ!!】
4人「「「「お誕生日おめでと〜!!」」」」
室内全体に響き渡るクラッカーの音。
俺と弦巻に向かって放たれたクラッカーのカラーテープが頭にかかる。
あっ!?今日って、まさか!!
はぐみ「こころん!はちくん!誕生日おめでとっ!!」
薫「今日は2人の誕生日。本当におめでとう!
今日はとても儚い日だね。」
花音「こころちゃん、比企谷君……!
お誕生日おめでとうっ!」
美咲「こころ。比企谷くん。誕生日おめでと。」
8月8日。俺の誕生日か…………
こころ「う〜〜んっ!とーっても嬉しいわ!!
ありがとっ!みんな!!」
八幡「…………あ、その………サンキュー………です。
正直言うと、今の今まで忘れてたと言うか…………」
美咲「自分の誕生日忘れるってどういう事なのさ…………」
花音「あたし達は小町ちゃんから聞いたんだ………っ。
多分本人は気づかないと思いますけどって言ってたけど、本当だったんだね…………」
まぁ、毎年小町と母さんが祝ってくれるけど、すっかり忘れてた。
…………でも、やっぱり………祝ってもらえるのは嬉しいもんだな。
薫「どうせ、本人が気づいてないならドッキリでお祝いすることになってね。」
はぐみ「4人で少し前から話し合ってたんだ!!」
こころ「本当にありがとうっ!
でも不思議ね!あたし、みんなに誕生日教えたかしら?」
美咲「あー、それは…………」
花音「黒服の人たちがね……………」
八幡「おい待て。
俺も弦巻の誕生日教えて貰ったが、8月の10日って教えて貰ったぞ。」
薫「あー、それはそうだね。
黒服の人には嘘をついてもらったからね。」
美咲「理由を話すと、2人の誕生日を8月8日と言っちゃうと2人ともお互いの誕生日を知ってしまってサプライズ出来なくなっちゃうからなんです。
だからこころにも、比企谷くんの誕生日は8月12日って嘘をつきましたし」
こころ「嘘をつくなんてひどいわっ!!
でも、そういう嘘なら大歓迎よっ!
楽しくなるものね!」
美咲「…………普通の人なら自分の誕生日の日に、どこか誘われたりすると、『お祝いしてくれるのかな?』とわかると思うんですけどね。」
美咲「こころは毎日が誕生日みたいなものですから、今日が8月8日のことなんて知らなかったのと、比企谷くんは自分の誕生日を覚えてないくらいの悲しい高校生なので、サプライズが出来ましたよ。
それにしても凄いよ。2人とも自分の誕生日を忘れてるって。
…………言っておくけど、こんな作戦はあなた達2人以外にはほとんど通用しないと思うよ?」
なんか、盛大にディスられてる気がする。
誕生した時なんて覚えてないんだから、誕生日も覚えてなくて当たり前だろ……………うん、それは違うな。
てか、悲しい高校生って何?
やっぱり奥沢さん辛辣になってません?
花音「ま、まぁ、2人ともサプライズ出来たから良かったね……っ!
本当におめでとう………っ!」
八幡「松原さん………………」
あー、天使がいる。
穏やかな気持ちになれるぜ。
こころ「はちまんもあたしと同じ誕生日が8月8日なのね!
すっごいわ!!コレは運命よっ!」
八幡「ばっ…………!
…………運命とか気安く言わない方がいいぞ。
大体確率なんて365分の1だろ。
そこまですごい事じゃねーよ」
美咲「うわ…………出た、ひねくれ。
誕生日くらい素直になればいいのに…………」
八幡「……………うっせ。
……………いいんだよコレで。」ボソッ
はぐみ「いま、はちくん何か言った??」
八幡「なんでもないから気にすんな。」
誰かさん達の言葉を借りるなら『いつも通り』。
誕生日だからって態度や何かを変える必要はない。
いつもの自分でいいんだ。
だって………………
こころ「あたしいま、とーっても嬉しいわ!!
今までの誕生日で1番笑顔になれたわ!!」
はぐみ「ほんと!?!
やったー!!!はぐみもすっごく嬉しいよ!!」
薫「こころ、はちまん。
君たちが生まれて来てくれたことに感謝するよ!」
花音「やっぱり賑やかでいいね………っ!」
美咲「いや、賑やかすぎですって!!
こころ、はぐみ!!危ないから走らないで!!
…………ほら!比企谷くんも止めるの手伝ってよ!」
こんなにも笑顔で溢れてるから。
こころ「はちまんっ!」
八幡「……………なんだ?」
こころ「言いたいことがあるわ!」
八幡「…………奇遇だな。
俺もまだ言ってなかったからな。」
こころ、八幡「「誕生日おめでとう」」