今回は番外編で季節外れのお花見です、ありがとうございます。
高校生最初のイベント、文化祭も無事に終わり学校もまたいつもの景色に戻ってきた。
いつもの景色と言ってもまだ高校生になって数ヶ月。
言うほどいつも感はないな、うん。
学校が終わり放課後、ルンルン気分で校門を出る。
今日はバイトもなく、早く家に帰って勉強とかプライベートな時間を取りたいのだが、自転車を押しながら歩いてる時点で早く帰るのは無理そうだ。
隣には奥沢、少し前を歩いている弦巻と北沢。
松原さんはお友達と一緒に帰ってるらしく、瀬田先輩は演劇部をやっているだろう。
最近一緒に帰ることが多くなってきたので、もう自転車辞めようかなと思ってきた。
家から歩いて行ける距離だしね!
そんなことを考えながら歩くが、ふと学校の周りを見渡すと、まだ綺麗な桜が咲いており『学校×桜×制服』ってだけで青春をイメージしてしまうのはきっと俺だけじゃないはずだ。
それとは別に、思った事がある…………
この学校、入学して1ヶ月ほどで文化祭やるって結構やばくない?
どこの学校もそんなもんなの?
いやでも、近くの羽丘も同日にやってたな…………
文化祭って割とクラスとしても色々な人と話して知り、仲良い友達とかと回ったりするもんじゃないの?
いや、もしかしてアレか?
日が浅いからこそ、文化祭というイベントをきっかけに話しをして、クラスとのコミュニティを増やして協力したりで、早く仲良くしてもらおう的な方針?
考えても答えは出ないが、納得出来そうな答えは出たな。
しかし、陽キャやコミュ力高い人達がいる前提なのが少し否めないが綺麗に咲いている桜を見ると気持ちも和らぐ気はする。
でもうちのクラスは弦巻がいたのもあるかもしれないが、結構団結してやってたな。
強いて言えば俺が実行委員だからという理由で出来るだけクラスの仕事を減らし、楽しようと思ってたくらいか。
協調性についてはテストにも出ないし勉強してないな。
てか、今思うと中学校よりも桜の木多いな。
やはり高校生が一番の青春ってイメージはあるし、奮発してるのか?
そんな俺は高校生になって、バイトしたりバンドしたりと日は浅いはずなのに結構内容の濃い毎日を過ごしている気がする…………
美咲「比企谷くん何考えてんの?
なんか顔が、疲れた人の顔してるけど。」
隣りを歩く奥沢に、心配なのかそうではないのか………いや、心配じゃねーなコレ。
八幡「いやまあ、なんつーか、そんなにない過去を頭の中で振り返ったりしてたんだけど、どうにもちょくちょく頭に突っかかるというかさ。
………5月も中盤じゃん?」
美咲「はぁ?まあ、そう……だね?
それになんの繋がりが?」
八幡「いやさ。」
八幡「なんでまだ桜咲いてんの?」
美咲「…………」
そう。さっきから脳内にちょくちょく桜の感想が頭を巡らせていたが、これって少しおかしい話だった。
5月なのに、まだ桜が綺麗なんだよなぁ。
いや、いい事だけどね?
でも桜って長くても4月後半には既に散ってたりするって聞くけど?
美咲「え、確かに……!
なんか高校生になってからやること増えたりして忙しくなってたから、そんな事にも気づかなかった………」
わかる。忙しくなったよな。
共通点は弦巻だよな。
美咲「………ていうか、さっきからずっと前の方で桜の花びら投げ合ってる2人組がいるんだけど、比企谷くんずっと無視してない?」
八幡「いやいや何?なんか見えんの??怖いわー。
俺には何も見えないから無視するにも出来ないな」
霊媒師とかに祓って貰った方がいいなそれは。
笑顔と元気の霊が見えてるのかも。
美咲「比企谷くん、保護者でしょ?
もうそろそろ見てて恥ずかしいし、知り合いだと思われるから早く止めて来て」
いや保護者じゃないけど?
てかそれを言うならオカン属性アリの奥沢だろ……
八幡「お前言ってる事えげつないぞ。」
それとさっきから弦巻達の先に、桜の前で木刀振り回してる女の子が見える気がするんだけど気のせいだよね?
あれも霊かもしれないから祓って貰わないと。
……どちらにせよマジで近づいてはいけない人かもしれない。
こころ「はぐみ!お花見って本当に楽しいわね!」
はぐみ「こころんには絶対に負けないからね〜!」
そう言いながら、地面に積もった桜の花びらをお互いに投げ合っている。
春だと、ああいうヤバいやつが現れるんだよな。
冬眠終わったのかな〜、関わらない方が身のためだろ。
こころ「ふぅ、本当にいい汗かいたわ!
お花見ってこんなにエキサイティングなものだったなんて、あたし全然知らなかったわ!」
はぐみ「こころん!まだお花見は終わってないよ!
こころんのリードはまだ1点!はぐみ、絶対に逆転するから!」
八幡「おい、お前ら。
花見に、勝ち負けも逆転ってワードも無いから。
そもそも落ちてる花びらを相手の身体に当てて、花びらがついたら1点……って競技じゃないから。」
いつからそんなシュールな競技にランクダウンしてたんだよ。
ボケのレベルが高すぎて無意識に近づいてしまった、俺の負けか。
こころ「そうなの!?
それじゃあ、どうやって勝敗を分けてるの!?」
八幡「だから勝ち負けがそもそも無いって言ってるだろーが。」
まだ学校の近くなんだから他に知ってる生徒とか来たらどうするんだよ。
はぐみ「あ!かーくんじゃん!
かーくん達も、ひょっとしてお花見してたの?」
かーくん?うちの猫のかまくらのこと??
小町しかかーくんって呼んでないけど正真正銘かーくんだぞ。
北沢が向いてる方向を見てみるとそこには見知った顔が……
香澄「はぐー!それに、こころんや美咲ちゃん!
はっちーも!!
今みんなで一緒に帰ってたら、たまたまイヴちゃんと会ったんだー」
イヴ「私は、ここでブシの特訓をしてました!」
戸山さんである。相変わらず元気ですね……
後ろには他のポピパメンバーもいる。
…………てか、隣にいるのってさっき桜の花びら切ってた白髪の子だよな?
ブシの特訓?え、マジ??
沙綾「あれ?
もしかして、CiRCLEじゃないところで花咲の1年生メンバーが揃うの、はじめてじゃない?」
りみ「うんっ!
みんなつい最近1年生で結成されたバンドメンバーだね」
へー、そうなのか。
ってことはこの白髪のヤバい子もどこかのバンドメンバーだったのか。
イヴ「本当ですね!
改めて、よろしくお願いします!」
こころ「そうね、よろしく!」
こうやって見ると花咲1年メンバーヤバいやつ多いな。
なんなら俺と牛込さん以外ヤバく見える。
美咲「何か今失礼なこと考えなかった?」
八幡「い、いや、認識の再確認をだな………。」
やっぱりこいつもちゃんとおかしい。
女性の勘は当たるとか聞いた事あるけど、奥沢の正確さは以上だ。
有咲「な、なぁ香澄…………そろそろ帰ろうって。
いつまでもこんな変わったやつらと一緒にいたら、私まで変な目で見られるだろ……」
聞こえてる、聞こえてるから。
そういうのはもっと静かに言えよ。
喧嘩売ってる?やんの?日和ってるやついるぅ?
たえ「ねぇねぇ、見てコレ」
八幡「っ!?!?」
たえ「え、そんな驚く?もしかして私のこと嫌い?」
首を傾げながら言う花園。
いやね?そんなヌルッと現れたら誰だって怖いでしょ。
あとね、前もそうだったけど顔近いんだ。
日和ってるよ俺いま。
沙綾「今のはおたえが悪いでしょ……。
比企谷君は女の子慣れしてないんだから。
……………いっつも誰かしらの女の子といるのにね」
八幡「……」
何か分からないけどすごい怖い。
香澄「………あ!そうだ!」
なんだ?戸山のこのひらめきトーン……
超絶嫌な予感がするんだけど…………
おい保護者!市ヶ谷さん!!
戸山を早く止め………………何か市ヶ谷も『ヤバい何言うんだコイツ』って顔してる………
香澄「ねぇねぇ、みんな!
せっかくここで会えたのも何かの縁だし、みんなでお花見しようよ!」
有咲 (うわ、出たーーー!)
八幡 (うわ、出たーーー!)
香澄「次の日曜日って、みんな予定空いてる?」
はぐみ「わわ!さすがかーくん!!ナイスアイディア!!!
はぐみはその日大丈夫だよ!
こころんもみーくんも平気だよね?」
こころ「あたしと美咲はもちろん参加よ!」
美咲「勝手に決めてるし………まあ、大丈夫だけど」
結局来てくれる奥沢さん、これがツンデレか……
イヴ「私もみなさんと一緒にお花見やってみたいです!
日本に来る前から、お花見ってずっと憧れてましたから!」
日本に来る前から?
ってことは日本人ではない??
あー、それで日本の武士に憧れたタイプの女の子か。
納得した、純粋でちょっとどこかぬけてるだけか。
香澄「りみりん達もオーケー?」
りみ「うん!こんな機会中々ないもんね!」
沙綾「だね。おたえも行くでしょ?」
たえ「私、たけのこご飯持ってくね。楽しみ。」
え、料理できるの?意外!
香澄「それじゃあ全員参加ってことで………ハイ、決まりっ!
じゃあ、集合場所とか決めなきゃねだよねー!」
全員参加?
あー、今聞いてたやつらね。
俺には関係ない話だった、誘われてないし。
こころ「その前にチーム分けしましょう!
事前にチームを決めておけば、作戦だって練れるわ!
はちまんっ!一緒のチームになりましょ!!」
八幡「………だからお花見にチームとかそういう競技性は無いんだっつーの。
個人戦でも無いし、まず戦わないから。」
すぐ戦いたがるじゃん。
これだから、ハッピーサイヤ人は…………
りみ「お花見は、満開に咲き誇る桜の木の下で、桜を見ながらみんなでご飯を食べたり、おしゃべりしたりするんだよ。」
沙綾「あははは、こころはお花見やったことないんだね。
勝ち負けは無いけど凄く楽しいよ。」
こころ「桜を見ておしゃべりするだけ?
あたしには、あまりイメージが湧かないわ。
はちまんはイメージ浮かぶのかしら?」
八幡「いや、逆にそれ以外のイメージが湧かないんだよ。」
そもそも弦巻が花見をしてこなかったのが意外だ。
この世のイベント事全て楽しめるスペックはあるのにな。
有咲 (やっぱりダメだ………こんな奇想天外なやつらとお花見なんて……
絶対に出来ない………つーか、したくないっ!)
有咲「あ、あの、香澄。
さっき私、まだ返事してなかったんだけど………
参加するか、しないか」
お、市ヶ谷は行かないのか。
まあ多分こいつらの話を聴いたうえでの判断だろうな。
香澄「え、有咲はお花見来られないの?」
有咲「つ、つーかさ、ちょっとこっち来いって」
市ヶ谷が戸山の方に寄せて、2人で秘密の会話。
ちょっとー、そういうのは誰もいない時とかにしなよー。
有咲「…………」
八幡「…………」
美咲「……なんでいま比企谷くん、市ヶ谷さんに睨まれてるの?」
八幡「さあな……。
アイツ、俺の事嫌いなんだよ。」
なに、どこで判断してんの?
表情?視線?
お前らのその能力、勘って1文字で片付けるにはちょっと無理があるって。
有咲「香澄。
本当にあんなわけわかんないメンバーで、お花見する気か?」
香澄「うん、楽しそうだよね!」
有咲「いやいやいやっ。
アイツら言ってる事メチャクチャだぞ?
桜の花びらを切ろうとしている奴もいれば、お花見をなんかの競技と間違ってるやつもいて………
何よりあそこに危険そうな男もいる。」
おい、なんか今失礼なこと言われた気がするぞ。
コレか?奥沢たちが感じていた勘の上の領域に辿り着いたか?
有咲「あんな奇妙なやつらと仲よくできる気がしねー……」
香澄「だからこそのお花見じゃん!
花を見ながらみんなでおしゃべりしてれば、自然と仲よくなれるって!」
有咲「め、めんどくせーなー。
あ、ああ!そういえばお花見は、日曜日って言ったっけ?
ああー、そうかー、日曜日かー。日曜日なー」
急に声が聞こえると思ったらとんでもない棒読みで回避しようとしてるな。
ガンバレー。
こころ「はちまん、あたしお花見のイメージは出来なかったけどみんなとご飯食べたり喋ったりするのはとーっても楽しそうだわ!」
八幡「そうかい、良かったな。
楽しんで来いよ、あまり迷惑かけないようにな」
さりげなく俺は行かないぞと伝えることで相手は誘いづらくなるし、これ以上は何も言ってこないだろう。
美咲「何言ってるの?
比企谷くんも来るんだよ?」
八幡「何言ってるの??
比企谷くんは行かないよ??」
沙綾「何言ってるの???
比企谷君は強制だよ???」
強制なの!?
俺だけ予定聞かれなかったのはそういうこと?
ていうか、この2人凄い息ぴったりというか俺をいじめるのひょっとして好き?
いや、俺は諦めないぞ。
こんな奴らに日和るなんて…………日和ってるやついるぅ??
美咲「こころも絶対来させると思うよ」
(私だけでこころ達を捌けるわけがない!
比企谷くんも道連れに……っ!)
八幡「だ、だからなんだよ……
俺、日曜日は用事が『黒服』
…と思ったけど予定なんて無かったわー!
ついうっかりしててたわ!日曜日楽しみだな!!
てるてる坊主沢山作って全部逆さまに吊るすわ!!」
沙綾「雨降らそうとしてるじゃん………」
くそっ!
黒服召喚はルール違反だ!!
禁止カードだぞ、公式ルールで戦えよ!!
香澄「有咲は日曜日予定でもあった?」
有咲「いや、予定と言うか?何というか?」
くそっ!
あいつ1人でこの状況から逃げる気か!
そんなこと許されると思ってんの??
とはいえ俺が市ヶ谷個人を止めると色々不味い事になる気がする…………
何かいい方法は……………お花見だろ……?
あっ!!
八幡「おい、こころっ!」
こころ「!!!
何かしらっ、はちまん!」
美咲「!!!?」
沙綾「!!!?」
((………いま、下の名前で呼んでた?))
八幡「あ、いや、ちょっとな……」
何でそんなに笑顔なの?
ニコパーしちゃってるけど………?
八幡「花見の話なんだけど、弦巻の家の庭でやるってのはどうだ?」
めちゃくちゃ桜咲いてるし、席だって確実に最前線真下。
これ以上にいい場はないとも思うが、それでも弦巻の家だ。
嫌とか事情があって無理とかなら、その時また考えるか。
こころ「………?」
八幡「…………?」
え、日本語通じてない?
そんなに首を傾げられてポカーンって顔されても困るんだが………
美咲 (いや…………)
沙綾 (コレは………)
こころ「……まあいいわ!それはいい閃きよ!」
はぐみ「ど、どうしたの、こころん!?
こころんが良い閃きと言ったらとてつもなくすごいことだよ!」
北沢の弦巻への信頼がとてつもなくすごいよ。
はぐみ「ハイ!みんな聞いてー!こころんにちゅうもーく!
……はい、どうぞ、こころん!」
こころ「桜の木なら、あたしの家に生えてるわ!
よかったらウチで、お花見したらどうかしら?
招待するわよ!」
はぐみ「す、すごいよ、こころん………
ナイスアイディアすぎるよ〜!!」
すっごい弦巻を持ち上げてるように聞こえるけど、これが北沢なんだよなぁ。
美咲「家に誘ったくらいで大げさすぎると思ったけど、
アンタの家はマジで規格外だからね………」
ポピパや白髪夢見る武士道さんの反応が楽しみではあるな。
沙綾「縁側に座りながら、お庭の1本の桜をみんなで眺める………。
うん、風流でいいかもね♪」
八幡「ふっ……」
沙綾「比企谷君に笑われた!?」
いかんいかん。つい笑ってしまった。
はぐみ「ノンノンノンだよ、さーや。
もう、それは完全にノンノンノンだよ」
それは完全にノンノンノンだよな。
沙綾「………ノンノンノン??ど、どういうこと?」
はぐみ「こころんのおウチって、も〜ひっくり返るほどすごいから!
桜だって沢山咲いてるし」
りみ「桜が、沢山咲いてる、って………??」
はぐみ「それは実際に見てからのお楽しみだよー!」
北沢お前、ひょっとして人煽るの得意?
気にさせる言い回しが多いのも狙ってやってたら結構な策士だけど、北沢だから純粋な気持ちで出た言葉しかないだろう。
香澄「わぁ〜楽しみ!
それじゃあ日曜日は、みんなでこころんのおウチでお花見だね!」
有咲「…………」
まあこれだけ言われたら気になって仕方ないよな?
さっきから私以外おかしい雰囲気出してたけど、お前もそのうちの1人だぞ。
香澄「……あ。有咲は、日曜日どうする?
私たちはみんな、こころんのおウチに行くけど………
お花見したいし、こころんのおウチの事も気になるしね」
沙綾「こころのおウチの何がすごいんだろうね。
有咲は気にならない?」
たえ「楽しみ」
お、おん……にしては真顔っすね。
りみ「け、けど、有咲ちゃんは日曜日予定があるんだよね………」
有咲「……いや、大丈夫。
よく考えたら、日曜日じゃなかった。
だから、私も、その………行くよ。」
勝った。
結局人間は興味というものには抗えないのだ。
香澄「ほんと!?やった〜!
それじゃあ、ここにいる全員参加ってことだね!」
なんで俺まで………
有咲 (き、気にならないわけねーだろ?
家に桜が沢山咲いてる?なんだそれ?どういうこと??
そ、それによく考えたら、
みんな行くってことは、私1人だけ………ってことだし。)
香澄「あはは!
今からとっても楽しみになって来ちゃった!」
こころ「あたしもよ!
日曜日、楽しみにしているわね!」
なんやかんやで花見をすることになった1年メンバー。
場所は桜が沢山咲いてる?と言われてる弦巻こころの家。
日曜日の花見は一体どうなるのか!?
俺は当日バックれるけどお楽しみに!!
美咲「比企谷くん?」
八幡「………すみません」
読んで頂きありがとうございました。
…………お久しぶりでした。