『お花見』
それは、花が見える所で家族や友人とわいわいするってのが多いイメージだと思う。
元は貴族が花を見ながらご飯食べてたとか、
冬が終わり、春に来る田の神様をおもてなしするための行事とか、色々な説がある。
昔、興味があって調べたけど結局何が正解かわからなかったというか、全てが正解だったと言うかで興味の方は消えたのを思い出す。
つい先日の戸山の提案で、俺、弦巻、奥沢、北沢、ポピパ、白髪夢見る武士道さん………イヴさんだっけな?達と花見をすることになった。
男1人、女9人とかいう聞けば天国のように思えるが当然そんなことは無い。
なぜなら大半はヤバい奴らだからである。
牛込さんくらいだな、ちゃんとしてそうなのは。
いや、でもポピパだからなぁ。
俺が知らないだけで実は……………みたいなパターンもある。
こんなの本人たちに知られたら生きていられるか分からないが、知る術もないのでなんの問題もない。
そして本日は日曜日、お花見当日。
バックれようと思ったのだが、奥沢と山吹、弦巻と黒服が怖いので行くことにした。
怖い人ばっかりいるじゃん…………
そもそもお花見はやったことが無い。
どうせ行くなら小町も誘おうと思ってたけど、今日は友達と用事があって行けないらしい。
朝早く家出てたし、割と遠いところに行くとか。
男じゃないよね?それだけがお兄ちゃん心配です。
今日は弦巻の家集合ではなく、駅前に弦巻以外が集まって全員で家に向かうらしい。
理由としては、ポピパと白髪夢見る武士道さんが弦巻の家を知らないから待ち合わせて、一緒に行こうとなった。
それなら奥沢か北沢がいれば良くない?
みんないるなら俺は現地集合でも大丈夫じゃん。
良し、決めた。
待ち合わせ時間近くになったら『ごっめーん!今起きたから、先に行っといてー!』的な感じで連絡すればきっと許されるはず。
花見自体行かないのは流石にリスクが高すぎるが、待ち合わせなら大丈夫だろ。
別に行ってもいいけどさ?
行かなくてもあまり問題ないじゃないですかぁー?
正直面倒なのもあるし、何より女子8人と男子1人で待ち合わせる光景が怖すぎる………。
その点、弦巻の家の庭なら誰かに見られる心配はないからな。
やはりこの作戦は間違っていない。
待ち合わせ時間まではあと45分。
5〜10分前くらいに着く時間を考えると、もうそろ家を出なきゃ行けない時間だが、ここはstayだ。
背徳感が無いと言ったら嘘にはなるが、世界の均衡を保つためにも俺は…………俺は!!
八幡「ほーらかまくらー、お手。」
かまくら「……………」
まあ、猫だし流石にやらないか。
それにしても家でだらだら最高だなー。
花見も行く気失せてきたなぁ。
寝ちゃおっかなぁー。
【ピンポーン】
………インターホン?配達か?
いや、配達来るって話しも聞いてないしな。
あ、小町か!
そういえば昨日の夜に言ってたな。
『昼には帰ってくるから鍵空けといて』って。
朝早く家を出て、昼頃には帰ってくるってどこに行ってるんだ……?
しかも、鍵持ってけば良いんじゃないの?とは思ったがまあもう何でもいいか。
八幡「今開けるからちょっと待って……るぇ?」
美咲「どうも。」
沙綾「こんにちは。」
八幡「………人違いでした」
ドアを開けると、そこには小町ではなく全然知らない人が2人も立っていたので全力でドアを閉める…………が!!
美咲「今出ないと間に合わないよ?」
沙綾「一緒に行こうよ比企谷君」
え?ピクリともドアが動かない。
俺一応男だけど??
女子2人がかりだから動かないだけだよね???
笑顔なんだけど目が笑ってないし、すっごい怖いんだけど気のせいですよね????
八幡「はい。今出ます…………」
人間諦めが肝心とは言うが、こういう時に使うのか。
てか何でこいつら俺の家に来てるの?
………ん?誰かから連絡が。
黒服『お待ちしておりますよ?』
い、いや………弦巻の家には行こうと思いましたよ??
×××
美咲「はぁ、やっぱりね………。
絶対駅の待ち合わせ来ないと思ってたよ」
沙綾「私も思ってた。
だから比企谷君の家に行こうと思ったら、ちょうど家の前で奥沢さんと出会ったんだ」
完全に俺のムーブがバレてる。その通りなんだけどさ?
マジで怖かったよ??
ストーカーとかヤンデレの類いかと思ったわ。
八幡「マジすいません。」
こればっかりは俺が悪いので何にも言えない…………のか!?
いやだってねぇ?
俺が行かなくても、奥沢か北沢がいれば目的地は着くわけだし、問題ないよね?
これで怒られるのは違うんじゃないでしょうか?
美咲「………大体比企谷くんの言いたいことは分かるよ。
私か、はぐみがいれば問題ないとか思ってるんでしょ」
八幡「は、はぁ?
全然そんなこと考えてないけど??」
嘘です、考えてました。
なんで分かるんですか?やっぱり能力者なんですよね??
てかわかってるなら、そのままスルーしてくれよ。
何で邪魔してくれるんだよ。
沙綾「こういうのはみんなで待ち合わせして、行くから楽しいんだよ。
こころには家で待ってもらってるけどさ。」
へー、そこら辺経験が浅すぎて俺にはその気持ちは分からんね。
というか、小町だと思って確認しなかった俺も悪いけど、タイミング最悪だな。
小町ちゃん?兄のことはめたよね?帰ったら説教しなきゃな……
…………ん?にしても奥沢が俺の家を知っているのはまあ分かる。
でも、山吹は??
八幡「おい山吹。」
沙綾「ん?どうしたの?」
八幡「なんでお前は俺の家知ってんだよ」
沙綾「………あー、小町ちゃんから聞いたよ。
それに、今日家行くこと伝えたら『任せてください!小町が絶対にお兄ちゃんを家から出すので!』って。」
こまちぃーーーーー!!!!!!!
美咲「あ、そうだったんだ………。
家行って居留守されたらどうしようとか思ってたけど、山吹さんいてくれて助かったかも」
小町を利用するのは禁止行為だぞ。
この2人、禁止行為を普通にしてくるヤバい奴らだ。
沙綾「まぁ、そういうことだから今後こういうことがあっても」
美咲「居留守とかはできると思わない方がいいかもね」
えー、コレはもう脅しです。警察沙汰です。
裁判でお会いしましょう。
×××
有咲「もしかして、早く着きすぎた?
…………っていっても待ち合わせ時間まで10分切ってるし。
これじゃあまるで、私が1番楽しみにしてたみてーじゃん。
はぁ…………」
りみ「あ、有咲ちゃんおはよー!
あ、あれ!?私、待ち合わせの時間間違えてたっけ?」
有咲「いや、間違ってないよ。
………私達が早すぎただけ。」
りみ「そっか、良かった〜。
おたえちゃんや、香澄ちゃんももうすぐ着くって」
有咲「りょーかい」
イヴ「おはようございます!
いい天気になってよかったですね!
……アリサさん、眉間にシワが寄っています!!
大丈夫ですか?
もしかして、気分が悪いとか………?」
有咲「あ、いえ………別に、そういうわけでは…………
お気遣いありがとうございます……おほほ………」
イヴ「それならよかったです!
それにしても、アリサさんはとてもお淑やかですし、
大和撫子を絵に描いたような方ですよね〜。
桜が似合います!」
りみ「う、うん………そうだね」
沙綾「あれ、3人とも早いね!
私たち少し寄るところあってさ。
はぐみもちょうどそこで一緒になったんだ」
はぐみ「みんな〜、お待たせー!じゃーん!!
みーくんとはっちーも一緒でーす!」
美咲「おはようございます。
私は特に『じゃーん』と出るテンションではないので普通に登場しました」
八幡「斜め右前に同じく」
あと来てないのは………戸山と花園か。
まだ待ち合わせ時間ではないからセーフだな。
沙綾「有咲早いね。
もしかして楽しみで早く来ちゃってたとか?」
有咲「はぁ!?べ、別にそんなんじゃねーし!
待ち合わせの時間よりも早めに着いとくなんかジョーシキだろ!?」
イヴ「……………?
アリサさん?」
そういえば市ヶ谷って猫かぶりだったか。
いいのかそんな口調で。
奥沢たちや白髪夢見る武士道さんにバレるぞ。
いずれバレるだろうに…………
香澄「ご、ごめーーーーーーん!
遅れちゃったーーーーーーーっ!」
声でかいって。ここ駅前だぞ?
有咲「か、香澄!お、おまえっ!」
イヴ「お、おまえ?
アリサ、さん………?」
有咲「!?
………おまっ………おま………おま、んじゅう……
持ってきてくれた………かしら?」
八幡「いや、無理だろそれは」
有咲「………ゴホンゴホン」
八幡「がっ………てめぇ……」
まるで殴られたかのようなリアクションを取る事によって、凄い酷いことをされてる感を出す。
この人、平気で暴力をする人です!
猫も被ってます!!
………本当は足を踏まれただけだけど。
香澄「おまんじゅう!?そ、そんな約束したっけ?
おまんじゅうはないけどお菓子は沢山持ってきたよ!」
戸山お前………やはりバカか。
人を疑うって事を知らなさそう。
有咲「そ、そうでしたか。
ありがとうございます。おほほほ………」
おほほほ?笑
誰目指してんだよお前は………
香澄「有咲、なんか変だね?………ま、いっか。
全員そろったし、こころんのおウチにレッツゴー!」
たえ「周りの桜綺麗だね。」
香澄「うんっ!私、もうここでお花見した〜い!
今すぐにでも始めたいよ〜!」
それ、弦巻は省くって意味で読み取ってもよろしいか?
はぐみ「いやいや、かーくん。
こころんのおウチは、こんなもんじゃないよ」
沙綾「ここよりすごいって………そんなこと、有り得るの?」
はぐみ「まあまあ、楽しみにしててよ!」
美咲「はぐみ、すっごい楽しそうだね」
八幡「まあ、あの規模は自分のじゃなくても自慢したくなるだろ」
美咲「はぐみはそういうの考えてなさそうだけどね」
確かに。
自分の好きとか、面白いみたいな感情を他の人にも共有したいって感じなんだろうな。
はぐみ「それじゃあレッツゴー!!」
×××
香澄「……ねぇ、はぐー?こころんのおウチってまだなの?
さっきからずっとなが〜い塀沿いを歩いてるだけで…………
だんだん私、眠くなって……」
待ち合わせだった駅前から30分ほど歩いた。
俺はこの塀が何なのか分かってるので精神的苦痛は来てないがやっぱりこの塀おかしいくらいに長い。
これを家って言うのがもうね?最初は理解に苦しんだからな。
八幡「もうすぐ着くから頑張れよ。
………もう着いてるようなもんだけど」
沙綾「………比企谷君今何か言った?」
八幡「いや?本当にもう少しだぞって」
たえ「お腹すいた」
頑張れよポピパ族。
もう目の前に玄関見えるぞ。
…………あ、着いた。
はぐみ「はいっ!みなさん、お待ちかね!
やっと到着しましたー!
ここが、こころんのおウチでーす!!」
有咲「ここが?あはは、冗談はやめてくださいよ〜。
ここ、このあたりで1番大きいって有名な豪邸じゃないですか」
沙綾「あれ、ちょっと待って。
そういえば、こころの苗字って、弦巻じゃ…………」
りみ「表札………『弦巻』って書いてある………」
有咲「じゃ、じゃあ、ここが本当に弦巻さんの家…………。」
美咲「まあ、これが普通の反応だよね。
わたし、未だにここ入るの慣れてないから」
八幡「いや、俺だってそうだわ。」
これに慣れるのはもう住んでないと無理だろ。
それか常識、世間知らず。
2つを兼ね備えたお嬢様がちゃんといるからな………
たえ「大きいね」
有咲「………いや、『大きいね』で済むのかコレ……
てか、これが家とか嘘だろ……」
意味がわかると怖い話します。
実はこの家、学校より大きい。~完~
はぐみ「だから〜、さっきからそう言ってるじゃん!
ここが、こころん家だよー」
沙綾「まさか、こころが弦巻家の一員だったなんて………
驚きだよ………」
俺も最初はマジで理解出来なかったからな。
さっきから戸山はずっと黙ってるし、白髪夢見る武士道さんもキョロキョロと首を動かしている。
それぞれの反応を伺っていると、玄関の方から弦巻が来た。
こころ「みんな、よく来てくれたわね!
どうぞ、入ってちょうだい!」
俺、奥沢、北沢以外は、ポカーンとしていた。
…………花園は真顔か?
でも良かった、前の自分の反応は普通じゃないのかと思ってたけどやっぱりこれが普通みたいだ。
目に見える光景が脳内で処理しきれない感覚に陥るからなココは。
それなんて領域展開?
香澄「………こ、これって……夢?
ひょっとして私、眠過ぎて夢、見てるのかな?
目の前が………全部ピンクなんだけど………!」
夢だと勘違いしてる戸山を横目に俺は『ふっ』と笑う。
今の俺はどこから見てもCOOL。
最近は弦巻の家にバンド関連で来ることが多くなった。
何回も見てるからか、そこまで動揺なんてするわけめちゃくちゃ桜綺麗!!
香澄「………おたえ、私のほっぺたを引っ張ってくれない?」
たえ「いいよ。
じゃあ沙綾は私のほっぺお願い。」
沙綾「え、これ続くの……?」
香澄「痛っ!
やっぱり……夢じゃ、ないよね?」
こころ「みんな、どうぞ自由にして!
走り回るもよし、寝転がるもよし、バク転するもよし!
ここでは全て自由よ!
あっちのテニスコートでは、あとでバドミントン大会を開催するわ!
楽しみにしててね!」
それならテニスじゃないのか。と思ったけど、奥沢が無双するかもしれないのか……
でもバドミントンでもあんまり変わらなくない?
やっぱり全然違ったりするんだろうか。
たえ「あ、向こうに噴水がある」
イヴ「すごい………!こんなに大きい家は、
フィンランドでもめったにないですよ………!」
あ、フィンランド人なんですね。
世界と比べても弦巻の家ってヤバいんだな、まあわかってたけど。
有咲「つーか、ここどこだよっ!?
ありえねーだろ!?普通、ありえねーって!」
有咲 (………!?
ま、まずい!あまりにもスケールがデカすぎて、
思いっきりツッコんじゃったよ!もし誰かに聞かれてたら………)
有咲 (………ふぅ。良かった………みんなこのスケールに圧倒されて、
誰にも聞かれてなかったみたいだな……)
美咲 (((ねぇ、比企谷くん………
市ヶ谷さんって大和撫子というか、すごい清楚的な印象だったんだけどさ。
比企谷くんへの態度とか見てて思ったんだけどもしかして……………
コッチ側??)))
コッチ側って言い方すごいな。
耳元で奥沢が若干嬉しそうな声で聞いてくる。
市ヶ谷のことなんて全然知らないけど、俺が言えることは………
八幡「アイツはただの、猫かぶりで短気なポピパのツッコミ担当だぞ。」
あとツンデレって聞いたことがある。
実際俺に対してはツンしかないんですけどね。
いつデレ来んの?いや、来てもちょっと困るけど……
美咲「そうなんだ。
やっぱりそんな気はしてたんだよね…………苦労してそうというか。
同じ匂いがするなーって」
嬉しそうです。奥沢さん嬉しそうです。
良い性格してるな、こいつ。
まぁ、お互い頑張ろうって人がいる事を安心してるんだろうけど………
こころ「それじゃあ、みんな!
用意をお願いするわ!」
弦巻がそう言うと、屋敷から黒服が出てきた。
そして、テキパキと花見の準備をしてくれてる。
最初は本当に怖かったけど、今はマジでやばい人たちってランクアップしたからな。
りみ「な、何?あの人たちは………?」
イヴ「スゴいです!時代劇で見たことあります!
黒い服を着た女性の集団がクナイを持って将軍に仕える…
八幡「いやそれは、くのいちですかね?
でも似たようなもんです。
時代が違うだけで、ほとんど同じです」
武士とかそういうの大好きだなこの人。
間違った文化を教えるわけにはいかないよな。
でもこの人たち、弦巻のためならなんでもやります。
文字通りなんでもやると思う…………
こころ「よくわからないけど、あたしがお願いすると、
大体なんでもやってくれる人たちよ!」
せめて、お前はよくわかってろよ………。
俺の中で黒服はヤバくて、こころさま大好き狂信者だからな。
口に出したらどうなるかわからないし、頭で考えてるだけでもすごく怖い。
こころ「みんなも何かお願いがあったら、
遠慮なく話してみるといいわ!」
有咲「………………?」
はぐみ「はぐみ達もけっこう助けてもらってるんだー!」
まあ、そんなこと言ったって普通は意味がわからない。
その説明でわかるやつは余程の天才かとんでもないバカかの2択。
香澄「へぇ、そうなんだ!
それじゃ私も何かあったら、お願いしてみよーっと!」
OK、とんでもないバカ入りまーす。
りみ「…………こころちゃんって…………なんかすごいね……」
沙綾「う、うん…………」
美咲「あはは、なんかすみませんね。
あの子結構ぶっ飛んでるし、バカなので…………」
保護者じゃん。
マジで弦巻の事任せたぞ。
有咲「お、おい。比企谷、ちょっと来い。」
後ろから肩を叩かれて振り向くと、市ヶ谷が小さい声で手招きしてる。
…………何のつもりだ?
猫かぶりの最終形態は自分がなっちゃうの?
まねきねこに??
有咲「…………やっぱりやめとくか……」
八幡「お前マジで少しくらい遠慮しろよ。俺にも猫かぶれよ。」
目と目があったら残念そうにしやがった。
市ヶ谷の俺への敵対心どうなってんの?
嫌われたのってあの例の事件の時だよね?
他に何かしたっけ!?
有咲「…………あのお嬢様が凄いことはわかった。
いや、理解なんて全く出来ないけど100歩譲って受け入れた。
……あ、あの黒服のやつらは大丈夫なんだよな?」
八幡「……………………………………………………おう。」
有咲「お、おい、なんだよその間は!」
いや、だって……ねぇ?
八幡「弦巻に危害を加えなければ大丈夫だ。それは保証できる。
ただ、もしも……その、な?」
有咲「あ、あぁ…………わかった……。
…………今のを聞いて改めて聞きたいことがある。
これ、夢じゃないよな?」
八幡「行き着く場所、戸山と一緒かよ。」
ほっぺずっとつねってれば?
こころ「準備もできたようだし、それじゃあお花見を開始するわよっ!
みんな掛け声は大丈夫よね!?」
美咲「………は?」
イヴ「掛け声……ですか?」
香澄「掛け声なんて決めてたっけ!?」
弦巻が意味のわからない事を言う。
いつも意味わからないことばっかり言ってるけど、慣れなんてくるはずがない。
こころ「別に決めなくていいのよ!
みんな心に浮かんだ、思い思いの言葉を叫ぶの!
このたくさんの桜の木と、大空に向かって!」
美咲、有咲 ((何言ってるか、全然わからない…………))
はぁ…………何でもいいって、それだも全員バラバラで叫んで何言ってるかわからなくなるだろ。
こころ「それじゃ、いくわよ!
せーのっ!」
こころ、はぐみ 「「レーッツ、お花見スペシャール、イエーイ!」」
有咲 (す、すげー!
あのふたりは打ち合わせしてないのに同じ言葉を…………!?)
やっぱりあいつら狂ってやがる。
1文字も間違わずにセリフが合うわけねーだろ…………
香澄「私も!
レーッツ、お花見スペシャール、イエーイ!」
有咲 (…………か、香澄も加わったか……
たしかに…………波長が合うよ、お前ら3人は……)
こころ「みんな、とてもよかったわよ!」
八幡、美咲「「お前ら(あんたら)しか言ってない!!」」
沙綾「あはは、突然過ぎて声が出なかったよね……」
有咲 (…………ハロハピのツッコミ枠はちゃんといるんだな。
これなら他の人にバレずに今日過ごせるかもしれない……)
こころ「それじゃあ、お花見を開始しましょう!
さあ、料理をたくさん用意してあるわ!
みんなで食べましょう!」
俺たちが弦巻の家や桜を鑑賞してる間に黒服さんたちがシートやら料理やら全部並べてくれてた。
…………この人たち気配もマジでないから、忍者とかの家系かもしれない。
こころ「料理がなくなったら遠慮なく言ってね!
あの人達がいくらでも持ってきてくれるから!」
言葉通りいくらでも、なんだろうな……
香澄「見て!なんかすごいお肉があるよ!
こんなの私、食べたことないかも!」
はぐみ「これは間違いなくA5ランクの和牛だね!
こんないい肉、なかなか出回らないんだよ〜!
すっごいな〜!!」
…………それは弦巻家が原因なのでは……??
いや、これ以上は行けない気がする……
イヴ「これがA5ランクの…………とても美味しそうです!」
たえ「お肉、詳しいんだね」
美咲「はぐみの家はお肉屋さんだもんね。
でも見て分かるのはすごいよ。」
はぐみ「へへーん!まあね〜!」
有咲 (驚くとこはそこじゃねーだろ!
肉に驚け、肉にっ!)
…………市ヶ谷のやつ、口には出してないけどもう顔でツッコミ入れてんのよなぁ。
表情に全部出てるわ。
りみ「な、なんかこんなにすごい料理が並ぶと…………
作って来た手料理が出しにくいね…………」
沙綾「や、やっぱりりみりんも思った?
私も出していいのか悩んじゃって…………」
八幡「…………別に出せばいいんじゃねーの?
出しにくい気持ちは分からんでもないが、庶民の味が好きなやつとかもいるだろ。
何より俺は豪華過ぎて緊張して逆に食いづらいまであるからな。」
美味しいのは分かるんだが、こんなに食べていいのか?とか、普通の生活に戻れなくなりそうとか心配する面が増える。
だからやっぱり小町の手料理が1番好きと言えるし、何よりも落ち着く。
まあ、ここの料理めちゃくちゃ美味しいんだけどね!
1週間に3回は食べたいとか思い始めてきてるからそろそろヤバい。
たえ「じゃあこれ。」
八幡「…………え、俺?」
たえ「たけのこご飯」
八幡「あ、はい。あざます…………」
見たら分かるんだけどね。
花園は余計な言葉というか、主語しかないから分からないって。
せっかく貰ったので頂くとする。
そういえばこの前作る的なこと言ってた気がする。
花園自信が作ったか、はたまた親とか買ってきたとかは分からないが………美味い。
普通に美味い。
…………普通に美味いって結構使う言葉だが、相手からするとあまり褒めてないように聞こえるのだろうか。
だったら『美味しい』だけでいいって小町に言われたことあるから多分余計な言葉なのだろう。
俺が良い意味と思って言っても相手からしたらそうは聞こえないらしい。
日本語って難しいね!
…………と、俺がたけのこご飯を食べながら日本語について考えていると花園や周りからの視線があるのを感じる。
感想を言えってこと?
たえ「………………」
八幡「…………あー、美味い………です。」
たえ「そっか。
良かったね、りみ。美味しいって。」
りみ「あ、ありがとう……///
良かったぁ、上手く出来て」
八幡「………え、あ、はい……?」
お前(花園)が作ったんじゃねーのかよ!!
てか、なんか恥ずいわ!
沙綾「じゃあ、私も……」
こころ「あら……?その袋の中に入ってるのってパンじゃない?
ひとついただくわね!」
勢いよく弦巻が山吹のパンを食べる。
この世は弦巻がルールであり、絶対である。
沙綾「あ、うん。
うちはパン屋やってるから、おみやげに持って来て………
口に合うかどうかわからないけど、よかったら食べてみて」
弦巻はもう頬張ってるけどな。
まあ俺たちも食べてとのことだろう。
それにしても、あんなに自信のある山吹家のパンだが、今回は流石に自信を失ってるな。
こんなに立派な豪邸、豪華な料理などを見せられたら流石にな………
………でもまあ、大丈夫だろ。
弦巻は良い意味でも悪い意味でも正直だ。
当然美味しいパンを食べれば……
こころ「美味しい!!」
沙綾「ほ、ほんと…?」
こころ「ええ!このパン、とても美味しいわ!
普通のパンってなんだか退屈な味でしょ!?
けど、これはとってもいいわ!笑顔になれるパンね!」
なんだよ普通のパンって。
ここで出てくるものに普通なものは無いだろうが。
A5ランクの肉も普通と思って食べてたのか…………はぁ。
こころ「そう!
きっと、これは………笑顔パンだわ!」
沙綾「あ、ありがと………!」
名前は山吹家につける権利があると思うが、お嬢様はお気に召したようですね、めでたしめでたし。
てか、笑顔パンて(笑)
沙綾「はい、比企谷君も。」
八幡「お、おう、どうも。」
そう言って俺にパンを渡してくる。
いや、弦巻が名付けた笑顔パンか。
山吹ベーカリーのパンは以前貰った事がある。
あのイタズラ手紙のせいで食べる気失せたがお店のパンに罪はない。
パンはコンビニのしかあまり食べたことがないので、やっぱりパン屋のパンはレベルが違うのだと知った。
端的に言うと今まで食べたパンの中では1番美味かったとも言える。
沙綾「どう?」
八幡「え?……いや、美味い……ぞ?」
沙綾「ふふ、そっか。」
めちゃくちゃ嬉しそうにするじゃん。
お店のパン大好きかよ、褒められて超ご機嫌。
はぐみ「はぐみもおみやげ持ってきたよー!」
こころ「素晴らしいわね、はぐみ!
目には目を!おみやげにはおみやげを!の精神ね!?」
おみやげってそんな感情で持ってくるものなの?
なんで対抗してんだよ…………
はぐみ「じゃーん!
ほっぺたも転げ落ちる、特性コロッケでーす!」
有咲 (転げ落ちるってなんだ!?
ほっぺたは転げ落ちねーだろ!?)
美咲「………………」
うずうずしてる市ヶ谷を見てる奥沢、を見てる俺ガイル。
有咲 (…………な、何?たしか…………奥沢さん……だったっけ?
私の顔、さっきからじっと見てるけど……)
あ、奥沢のやつ行く気だ。
絶対とぼけると思うけどな、面白そうだから見てるか。
有咲 (…………ん!?なんか近づいてきたぞ!?)
美咲「どうも、奥沢です。
市ヶ谷さんとは話してみたいなと思いまして。
……それで市ヶ谷さん、さっきからめちゃくちゃうずうずしてない?」
有咲「!?」
美咲「あなたには………………あたしと同じものを、感じます」
え、なに?変な宗教の勧誘?
口下手なの?緊張してるの?
なんか思ってたのと違う絡み方してるな。
美咲「あたしはけっこう慣れてきたけど…………
そりゃあ普通ツッコミたくなりますよね、わかります」
有咲「え?な、なんのこと?
ツッコミなんて、全然したくねー…………ないけど?
おほ、おほほほほほ」
………………もう隠す気ないじゃん。
バレてないのは奇跡だよ。
美咲「………………………………なら、いいんですけど」
今ので奥沢も確信出来たと思うんだけど………………なんか近づいてきた。
美咲「………………比企谷君。
市ヶ谷さん、可愛いね。」
八幡「………………良かったな。仲間が増えて」
まあ、俺は仲間どころか真逆の存在なんだけどね。
イヴ「私はジンジャークッキーを持ってきました!
フィンランドのお菓子です!」
沙綾「わ!すっごい美味しそう!」
フィンランドか。
俺のイメージはオーロラが有名な国……………………だな、うん。
あと、サンタクロース村とか?
これはフィンランドに魅力が無いとかではなく、全然知らないだけなんです。
香澄「クッキー美味しい〜!!
……あれ?おたえは?」
たしかに。
花園だけ近くにいないな。
はぐみ「さっきぷら〜っと、噴水の方に歩いて行ったよ」
あいつ本当に何考えてるか分からないもんな。
よくこんな訳分からん家で自由に動けるのは素直にすごいと思う。
冒険したい気持ちは凄くわかるけどね。
香澄「そっか。それじゃあおたえの分色々取って置かなきゃね。
……それにしても色とりどり、いろんな料理が揃ったね!
これぞお花見って感じ!」
状況はともかく場所がヤバいけどな。
人の家の庭。しかも満開の桜。
香澄「…………あ、こうなったらもう1回叫んじゃおうかな。」
ナンデ?
こころ「あら?それじゃあ一緒に叫ぶわよっ!」
はぐみ「はぐみもー!!」
ダカラナンデ??
香澄、こころ、はぐみ
「「「レーッツ、お花見スペシャール、イエーイ!」」」
イヴ「イエーイ、です!」
沙綾「あはは、楽しいね」
りみ「うん、すごくにぎやかだね」
八幡、美咲、有咲
「「「はぁ……………」」」