彼ら彼女らは青春を謳歌する……?   作:えーく。

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作戦会議は宮殿で.............?

 

 

そして翌日。

お昼休みに、俺はいま1人の女の子に捕まってしまった。

別に珍しいわけではない。

最近は弦巻に毎日のように捕まってるからな。

………けれどいまは、弦巻ではない。

はたまた、松原さんや北沢でもない。

その人物はというとーーー

 

 

美咲「え、えーと、比企谷くん。その急にごめんね?

昨日の事で少し話があって………」

 

 

………俺にもわからん。

あのー、………この子誰?

自習してたらいきなり話しかけられたんだけど。

………昨日のこと?何のこと?

人違いと思ったが、俺の名前知ってるしな。

 

 

 

美咲「あ、えーと、もしかすると、私の名前覚えてない?」

 

 

八幡「え、えーと、そ、そんなことないぞ?

待ってろ、今、思い出すから」

 

 

よく見たら顔は見たことある。

……………ていうか、クラス一緒だよな?

やべぇ。人の自己紹介とかほとんど聞いてないし、なんなら話したことある人なんて、弦巻くらいしかいないわ。

 

 

 

美咲「あ、あははー。いや、大丈夫だよ。

何となく顔を見たら覚えてないってわかったから」

 

 

 

バ、バレてる………

 

 

八幡「いや、その……すまん。おれ、クラスの人と接点ないから」

 

 

なんならクラスも関係なく学校の人とも接点がないレベル。

 

 

美咲「いや、弦巻さんにめちゃくちゃ絡まれてるじゃん。」

 

 

あ、そうでした。

 

 

美咲「じゃあその……改めて………

あ、あははー、な、なんかちょっと恥ずかしくなってきた//」

 

 

はにかみながら少し赤くなった顔に、手を近づけ、パタパタする。

こういうのなれてないんだな。

なんかごめんね、俺のせいで。

 

 

 

美咲「んんっ!!

え、えーと、同じクラスの奥沢美咲です。

よ、よろしく……?」

 

 

八幡「お、おう。」

 

 

 

………会話終了?

 

 

 

美咲「じゃあ、本題入るね。

昨日の件………バンドのことなんだけどさ」

 

 

 

………え?バンド?へー、奇遇だな。

俺もいま、バンドの件で困ってんだよ。

 

 

 

美咲「弦巻さんに、バンドは出来ないって言いたいんだけど…」

 

 

 

弦巻……さん…?き、奇遇だな。

おれも弦巻さんってヤバい奴がいて困ってんだよ…………

って!!

 

 

八幡「誰だお前!?」

 

 

美咲「え?だから、奥沢美咲ってさっきも言ったけど………」

 

 

八幡「いや、違う。そうじゃない。

なんで、バンドの件とか知ってんだ?」

 

 

だって昨日だろ?

昨日あの場にいたのは、

弦巻、松原さん、瀬田先輩、北沢、ミッシェルと…………ミッシェル!?

 

 

八幡「あ!まさか、お前ミッシェルか!?」

 

 

美咲「あれ?言わなかったっけ?ごめん。

それじゃあ、話が伝わらなかったですよね。

まぁ、はい。そうです。ミッシェルではないですけどミッシェルの中の人です。」

 

 

 

マジかよ。ミッシェル………じゃなくて中の人がまさかの同級生。てか、同じクラス。

なるほどな。

俺も昨日は、弦巻の態度でミッシェルの中の人が怒ったらどうしようとか思ってたからな。

 

 

八幡「なんでミッシェルの中に……?

バイトとか?」

 

 

美咲「うん、バイト。けど、辛かったからもう辞めたんだ……」

 

 

八幡「そうか。

それで、昨日の件で悩んでるのか……

なんか本当にすまんな………」

 

 

もうほんとにごめんね!

俺が全面的に悪いとは言わないけど、弦巻を止められなかったのは少なからず俺の責任でもあるからな……

 

 

 

美咲「いや、比企谷くんは悪くないでしょ。あの弦巻こころに目をつけられた被害者なんだし……」

 

 

 

まぁ、言われてみれば……

アイツを止めるとか割と無理な話だしな。

 

……………そもそも、なんで俺は目をつけられたのだろうか……?

バンド集めで色んな人を勧誘してたけど、俺はバンドの話が出てくる前から付き纏われてたぞ………

 

バンドの話になったのは松原さんと路上ライブ的なことをした時だ。

その前からバンドを計画してた……?

いや、弦巻がそんなこと考えてるとは思えないな。

ダメだ。全くわからん。

 

 

 

美咲「………くん、……き………や……くん!」

 

 

 

弦巻が話しかけてきたのは自己紹介の時だし、それから…………

 

 

 

美咲「比企谷くん!ねぇ、聞いてる!?」

 

 

 

八幡「えっ!?あっ、はい!」

 

 

 

美咲「ひ、比企谷くん………大丈夫?

声掛けても全然反応しないからビックリしたじゃん……」

 

 

八幡「あ、あぁ………すまん。

ちょっと考え事してた。」

 

 

 

今はそんなこと考えてもわからないし、あまりにも気になったら本人に直接聞いて見ればいいだけだ。

 

 

 

美咲「それで、ちゃんとバンドの事を断ろうと思ってるんだけど、弦巻さんと全然会話が出来なくて。

今日朝から休み時間になるたびに追いかけたけど、階段は5段飛ばしでかけおりたりするし、バク転したりで………まだ話せてないんです。」

 

 

 

あー、うん。

想像しか出来ない………

それにしても律儀な人だな、わざわざ断るなんて。

 

 

 

八幡「あー、じゃあ、今日放課後に一緒に弦巻に話してみるか?」

 

 

 

俺が加わったところで何かが変わるとは限らないけど、奥沢さんに対しては罪悪感があるからな。

 

 

 

美咲「…………………」

 

 

 

えー、なんか黙っちゃったんだけどこの人。

そんなに俺と一緒が嫌だったのだろうか

………なんか帰りたくなってきた。

死にたいので帰ります。

 

 

 

美咲「あ、ごめん。ただ、ちょっと意外でして………」

 

 

八幡「意外………?何が………?」

 

 

美咲「いや、比企谷くんってなんか、関わりづらいというか、近寄ってくんなオーラが出てた気がしたから。

でも、弦巻さんとの会話を聞いてて結構優しい人だとは思ってたけど、改めて比企谷くんって優しいんだね」

 

 

 

八幡「へ…………?あ、いや、まぁそうだな。

俺は優しいぞ。今頃になって気づいたのか。ちょっと遅いぞ。みんな知ってることだと思ってたわ」

 

 

 

美咲 (これって………多分照れてるよね笑

比企谷くんって目はアレだけど意外と可愛い所あるんだね笑)

 

 

 

八幡「ん、んんっ!そ、それよりもだ。

俺が一緒でも、なんにも変わらないかもしれないことだけはわかってくれ。

アイツは本当に止められないからな…………

それと、この後バイトがあるから今日断るのは厳しいかもしれん………」

 

 

 

美咲「え、あー、うん。わかった。

そしたら他の作戦でも考えるよ」

 

 

 

八幡「じゃあ、放課後にな。」

 

 

 

×××

 

 

 

先生「はい!じゃあ、今日はここまで。

皆さんさようならー!」

 

 

 

放課後に突入したのはいいが、俺は今日バイトがある。

時間はまだあるが、長くなってしまっては終わり。

敵が弦巻ってだけでも辛いのに、時間制限もあるとか無理ゲー………

 

 

 

こころ「はーーちーーまーーんっ!!!」

 

 

八幡「っぐへ!!」

 

 

黄色い弾丸が俺に飛んできた。

痛い………

 

 

 

美咲 (うわぁ………比企谷くん大丈夫かな。

今から弦巻さんと話すけど心配だ……)

 

 

 

八幡「突っ込んで来るな。痛いから。

てか、ちょー痛い。マジで辞めて下さい」

 

 

こころ「もうすぐで、花音とはぐみが来るのっ!今日はバンドについて話し合うわよ!」

 

 

花音「こ、こころちゃん……はぐみさん、

連れてきたよ………?」

 

 

噂をすれば来たな。

どこで、奥沢さんを紹介しよう………

 

 

はぐみ「遅れてごめん!ソフトボールの会議で。はぐみ、キャプテンなんだっ。

〜〜で?ついに今からバンドをするの!?

 

 

こころ「いいえ。バンドを作ったからには、

まずは作戦会議がしたいのっ」

 

 

はぐみ「作戦?でも、戦わないんでしょ?」

 

 

こころ「戦わないけど、そう言った方がかっこいいでしょ?

みんなでどんな楽しいことをするか、

話し合いするのよっ」

 

 

 

八幡「ってことは、瀬田さんもいるんだろ?

どこで話し合うんだ?」

 

 

こころ「今からそこに向かうわよ!それじゃ、ついてきて!」

 

 

 

奥沢さんに、なんか移動することになったがどうする?と小声で言うと

 

 

 

美咲「ちょうどいいです。バンドのメンバー全員がいた方が会話が出来そうなので。

私は隠れて尾行するので、ついたら出てきます」

 

 

 

八幡「りょ、りょーかい。

………おい弦巻、その会議する場所ってどれくらいで着くんだ?」

 

 

こころ「うん……?そんなに遠くないわ!」

 

 

 

あ、そう。ならいいんだけど。

俺は数時間でバイトだから、奥沢さんの件だけでも終わらして帰りたい。

 

 

 

×××

 

 

弦巻について行くこと数分。

どこに向かってるんだ……?

しかもさっきからずっと長い堀沿いを歩いてるだけだし。

てか、この家めちゃくちゃでかいんだけど。

もはやこれは家………なのか?

城だよなコレ。

それと奥沢さんは隠れて尾行してるけど、怪しい人にしか見えん……

 

 

 

こころ「着いたわ!薫も来たわね!

それじゃあみんな、入って入って!」

 

 

 

は……………え……………は?

ココ?会議場所ここ?なんで?

………名前の表札には弦巻という文字。

つるまき……?弦巻こころ……

Oh…………コイツめちゃくちゃ金持ちだったのかよ……

 

 

 

美咲 (え…………?これ……家っていうか、

屋敷っていうか………宮殿……)

 

 

 

家の門が自動で開き、入口前にはメイドらしき人や、執事らしき人が数人…

 

 

「おかえりなさいませ、こころさま。

ご友人との会議用の部屋なら、奥に整えてございます。」

 

 

 

薫「こんなお城に住んでいるとは。

こころ、君は本当にお姫様だったんだね。」

 

 

はぐみ「すっごーーい!

遊園地みたいだよっ!プールもあるし、

テニスコート!噴水!!!」

 

 

花音「は、はわ、学校より……大きい……!」

 

 

 

黒服「こころさま。

ご所望のミッシェルさまですが、中の方が

アルバイトを辞退したそうで………」

 

 

こころ「えっ。

ミッシェル見つからなかったの!?」

 

 

八幡「つ、弦巻……

その黒服の人達って、一体……………」

 

 

めちゃくちゃ気になる。

弦巻が時々言う「黒服の人に聞いたの!」って多分この人たちの事だよな……

商店街でも見たし……

 

 

こころ「あ。えっとね、よくわからないけど、あたしができなくて困ったことをこの人たちに話すと、次の日には、だいたいできるようになってるの」

 

 

 

おいおいおーい?

神か?神様かなんかなの?

それで俺のバイトの情報を知ってたのかよ。

 

 

 

こころ「みんなも悩みごとがあったら、

話してみるといいかもしれないわ」

 

 

 

黒服軍団「ですがこころさま、そこにいる彼女が、キグルミの中の方かと………」

 

 

 

八幡、美咲

((隠れてるのバレてた!))

 

 

 

美咲「え、えーと、あの、あたし…」

 

 

八幡「黙ってて悪かった。この人は俺の知り合いだ。

黒服の人たちの言う通りこの人がミッシェルだ。厳密には中の人」

 

 

美咲「比企谷くんの言う通り、あたしがミッシェルだから!

ミッシェルの中の人!わかる?」

 

 

どうせ後でわかることだったからな。

今バレたのは都合が良かったかもしれないな。

 

 

 

こころ「…………?ミッシェルはクマよ。

あなたは女の子だわ。

あんまり…………似てないと思うけど?

八幡あなた、疲れてるのかしら?大丈夫?」

 

 

はぐみ「そうだよっ。ミッシェルはもっとピンクで、もっふもふで、いい匂いがしたよ!はちくん大丈夫?はぐみの家のコロッケ食べる?」

 

 

薫「君はか弱い女の子なのだから、クマだなんて、そんなに強がってはいけないよ……

八幡も男だからといって、無理してはいけないよ」

 

 

マジで心配するような目で俺を見てくる3人。

うぜぇ………マジで心配してくるのが余計に腹立つ。

 

 

 

花音「こ、こころちゃん!

ミッシェルはキグルミで、

たぶん、中にはこの人が……」

 

 

 

やっぱり松原さんしかいないな。

話が通じる人は。

 

 

 

こころ「………『キグルミ…………の人』……?

あなた、ミッシェルと関係がある人なの?」

 

 

 

八幡「………………………マジなのか?」

 

 

 

まさかコイツ………いや、コイツら………?

ミッシェルはクマで、中に人なんていないと思ってる!?

キグルミという存在を知らない!?

…………嘘………だろ………

 

え、詰んだ?これじゃあ何言ったって伝わらないぞ。

コイツらの夢をぶち壊すしか方法が……………

 

………うん。ほかの作戦を考えなきゃな。

別に、黒服の人たちに睨まれて、怖いとかそういうのはない。

サングラス越しでも分かるくらい睨みつけられてる気がするけど気の所為。

3人の言う通り俺は疲れてるだけ。

ただ、いつかぶち壊されるなら俺じゃなくてもいいなと思っただけ。ほんとほんと。

 

 

 

 

こころ「わかったわ。じゃあミッシェルのことは、この『キグルミの人』に聞きましょう。

さっそく、作戦会議を始めるわよっ!」

 

 

 

美咲「え、えぇーー!!?」

 

 

 

八幡「もう諦めた方が楽だぞ、キグルミの人」

 

 

美咲「っ……。ふー…………そうだ………ねっ!」

 

 

八幡「痛い、痛いって」

 

 

脛蹴られた………

 

 

 

 

×××

 

 

 

弦巻家の中に入り、歩くこと5分

 

………歩くこと5分ってなに?

家だよね?5分も歩かないとつかないの?

デカすぎるんだよなマジで。

………あといい加減に機嫌直してください奥沢さん。

 

 

こころ「ココよ!入って入って!」

 

 

 

弦巻が部屋の前で止まり、声をかける。

ココが先程言っていた会議室であろう。

そして、部屋の中に入ると………

 

 

花音「ひ、広い…………っ」

 

 

はぐみ「わぁーー!!すごーーい!

走り回れるねっ!!」

 

 

薫「儚い…………」

 

 

 

美咲「マジですか…………」

 

 

 

八幡 (小町、母ちゃん。初めて他人の家に入ったけどデカすぎるんだ。

会議室とか言ってるんだけど、俺たちの家より広いんだ………)

 

 

 

 

こころ「まず、今まで考えてきた楽しいことリストを紹介するわね!

これでバンドをやろうと思うの!」

 

 

 

弦巻がそう言いながらガラガラと大きいホワイトボードを持ってくる。

この家なんでもありそうだもんな。

その、ホワイトボードには弦巻が書いたと思われる文字が並んでる。

 

 

 

はぐみ「なになに?海の砂浜でお城を作る…

シロツメクサでかんむりをつくる……

流れ星を探しに山にのぼる……こ…………これって………」

 

 

薫「洗い立てのシーツの匂いを嗅ぐ………お腹いっぱいお菓子を食べる………ふふ…………これは……」

 

 

 

はぐみ、薫

「「すごくいい!!!!」」

 

 

 

八幡、美咲、花音

「「「……『バンド』全然関係ない……」」」

 

 

 

 

他にも、夏に特大の花火をする……冬では大人数で雪合戦!などもう色々と書かれている。

 

 

 

こころ「えへへ、そうでしょ?

これで毎日、みんなで楽しく暮らすのよっ」

 

 

 

花音「こ、こころちゃん………!どれもすごく楽しそうだけど、楽器を弾いて、歌を歌って、曲を演奏しないと音楽をしてることにはならないよ………?」

 

 

 

確信した。

やっぱり弦巻はバンドの事を理解してない。

真面目にギターのことしか調べてなかったな。

 

 

 

こころ「そうなの?

どうしても音楽をしなきゃいけないの?」

 

 

 

はぐみ「あ、そうだった。バンドって音楽するんだよ!

音楽………『おと』………『たのしい』?

う〜ん?なんかわかんなくなってきちゃった」

 

 

 

花音「ど、どうしてもっていうか、だって………!

…………えっと、だから…………

…………………うぅ………比企谷くん……」

 

 

 

ここで俺ですか………

まぁ、松原さんに呼ばれちゃ仕方ない。

やるしかないのか………

時間も残り少ないし…

 

………どうするかと悩んでいると、奥沢が近づいてきた。

 

 

美咲「………あの人、この調子でずっとあの3人に振り回されてきたんですか……?

気弱そうだし………比企谷くん早く助けてあげて」

 

 

俺だけに聞こえるように言う。

本人に気弱とか言うなよな。絶対凹むから。

助けてあげたいのは山々だがどうしたもんか……

 

 

 

 

八幡「バンドってのは音楽をするものなんだ。

この前も言ったけど、色んな音を合わせて1つにして演奏する。

だから、ベースやらギターを集めてたんだろ?」

 

 

 

こころ「〜〜はっ!それよ!!それだわ!!

バンドで、音を楽しむのよ!!

はぐみ、八幡!あなたたち、天才ねっ!」

 

 

 

はぐみ「えっ、本当?はぐみ、バンドの才能あるかな?

やったーーーー!」

 

 

薫「なるほど………では、みんなで

めくるめく音を楽しむ旅に出るとしよう…」

 

 

こころ「う〜んっ!!薫も最高!!

それじゃあせーので、みんなで音楽をするわよ!

せーーーーのっ、はいっ!!!!!!」

 

 

 

全員

「………………………」

 

 

 

 

もうカオスだ。

全員固まってんじゃん。

 

 

 

八幡「楽器持ってないから出来るものも出来ねーよ……

そこは考えればわかるだろーが………」

 

 

 

こころ「だって!あたしはとにかくバンドで楽しいことがしたいのよっ。

楽しいことをしなきゃ始まらないでしょ?」

 

 

美咲「じゃあその楽しいことを、考えればいいんじゃないですか?」

 

 

こころ「それが……毎日、いつでも考えているから、すぐには出てこないこともあるのよ。

楽しいことって、結構たいへんなんだから」

 

 

美咲「はぁ………

よくわかんないけど、結構たいへんなのになんでそんなに考えてるの………?」

 

 

 

お話してる所悪いがタイムアップだな。

 

 

 

八幡「話の途中に悪い。時間切れだ。

俺は今からバイトだから。じゃあな。」

 

 

 

松原さん、奥沢、すまない。

時間切れなのだ………

 

 

はぐみ「えぇーー!!はちくん今日バイトあったの!!?

話し合いができないよーー!!」

 

 

八幡「俺がいなくても出来るだろ…………」

 

 

こころ「そうね…………今日はバイトがあるらしいわ。

…………この会議はあたしたちに任せてっ!

明日を楽しみにしててちょーだい!」

 

 

薫「そうだよ。君は何も心配することはないさ。

私に………私たちに任せて行ってくれたまえ……」

 

 

 

なんだこの気遣い。

要らないよそんなの……

心配するよ。主に松原さんたちに…

 

 

 

×××

 

 

 

会議室を出ると、黒服の人が1人部屋の前で立っていた。

 

 

黒服「八幡様、バイト先のCiRCLEまで車でお送りします。こちらへどうぞ」

 

 

八幡「あ、え………はい。ありがとうございます……」

 

 

 

やっぱり俺のことは調べてるってか……

まぁ、そりゃそうだよな。

自分たちのお嬢様に、危ないやつが関わってたら危険だし、弦巻の周辺の人は少なからず調べられてあるだろう。

………個人情報保護法もうちょっと仕事して!

 

 

家を出ると黒いリムジンが1台止まっている。

黒色大好きかよ。

 

 

黒服「さぁ、どうぞ。」

 

 

扉を開けてくれる。

すごい。なんか、偉くなった気分。

 

 

車に乗り込むと、とりあえず広い。

当然リムジンに乗ったのも初めてだし、中がどうなってるのかなども知らないため、

少し………いや、かなり驚いている。

これが金持ちの車………

 

 

 

黒服「着きましたよ」

 

 

 

八幡「あ、わざわざありがとうございます。」

 

 

 

色々考えていたらあっという間に着いてしまった。

車なのでバイトの時間には余裕で間に合い、むしろ時間が余ってしまった。

 

 

 

八幡「適当に時間潰すか………」

 

 

 

黒服「八幡様………少しよろしいでしょうか?」

 

 

 

八幡「あ、はい。なんですか……?」

 

 

 

黒服「あなたはバンドに入る気はないのですか?」

 

 

八幡「まぁ…………そうっすね……

俺が入らなくても問題ないと思いますけど」

 

 

なんでこんな質問してきたのか分からないが、正直に言おう。

 

 

八幡「ある程度俺の事を調べてるのなら知ってると思いますけど、うちには父親がいません。

母が1人で遅くまで仕事して生活してます。

だから、俺も少しでも力になりたいからバイトをしてます。

バンドをしてる暇なんて俺にはないです。」

 

 

 

そう。俺には父親がいない。

俺が小学生の時に亡くなった。

だからバイトをして、少しでもかーちゃんを楽させてあげたい。

 

 

 

黒服「………………はい。

失礼ですが比企谷様の家庭事情は調べさせてもらっています。」

 

 

八幡「別に怒ってはないですよ。

そっちの家庭の事情的に調べなきゃ、お嬢様が危険ですからね。」

 

 

黒服「理解して頂き感謝します。」

 

 

八幡「……あ、自分からも1ついいですか?」

 

 

気になってたし、ちょうどよかった。

 

 

黒服「はい。なんでしょうか?」

 

 

八幡「なんで、弦巻………こころさんは、

俺なんかを誘うか知ってます…?

入学式の次の日の自己紹介の時に少し話した程度で、それから1週間が経ってからは毎日のように付きまとわれるようになったのですが俺には原因が分からなくて……」

 

 

今日奥沢と話していたら思ったのだ。

なんで俺は弦巻と絡んでいるのか。

原因はなんなのか。

考えても全然わからないから聞いてみることにした。

 

 

 

黒服「…………それはわたくしにもわかりません。それはこころ様しかわからないと思われます。」

 

 

 

八幡「…そう……ですか。」

 

 

 

まぁ、弦巻が全ての事をこの人たちに話してるとは限らないからな。

本人に聞けばわかる事だし。

 

 

 

黒服「力になれず申し訳ございません」

 

 

 

八幡「いや、俺もすいません。

今度アイツに聞いてみます」

 

 

 

黒服「それがいいと思います。

では、わたくしはこれで……」

 

 

 

八幡「あ、はい。送って頂きありがとうございました。」

 

 

黒服「失礼します。」

 

 

 

話をしていたら時間も丁度よくなり、すぐそこに見えてるCiRCLEに足を運ぶ。

さて、3日ぶりのバイトだ。

ミスしないように気をつけないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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