女子高生はケーラ・スゥ?   作:くとろあ

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ちょっと正史間違えてたんで修正。アマプラで逆シャア見れないのが悪い(断言)

ネトフリ契約したので今後は無いように。また、気付いたら修正します。


一章 ケーラ・スゥのエゴイズム
SALLY -出撃-


 星屑と蒼い星と太陽だけが輝く闇の中で私は何時もの様に緊張するでも、不格好に怯える訳でもなく、ただ露一つも落ちない静かな池の様に澄み切った眼で自分の手元を見た。

 

 ……自分でも驚いたが全く震えていない。

 

 隣のモニターを見れば丁度、整備兵が私のジェガンの発進までの最終調整を終わらせたようで後は私がいつの間に覚えていた手癖をして恐らくはケーラさんの技術と寸分変わらない(アムロさんが私のシュミレーターを見て驚いていた)肘から上が手慣れた様にジェガンタイプのスラスターレバーへと伸びる。

 

「物語が進んでいるのなら、クェス……ちゃん?とアデナウアー・パラヤがシャトルでロケットに向かっている所かなぁ……ハサウェイ君……か」

 

 考えれば考える程イベントだらけで私の頭は三週半くらいしてしまったのかもしれない。驚くほどに冷静だ。

 

 ……5thを占拠してからのネオ・ジオンの動きは非常に早く、シャア・アズナブル指揮の元行われるそれは、まさしくの電光石火と呼ぶにふさわしかった。

 

 あれよあれよと地球連邦は簡単に出し抜かれ、5thルナは地球へと軌道を取り落下へのほぼ最終段階、ロンド・ベルは最後のMS戦を仕掛ける、もちろん私こと、ケーラ・スゥも出撃……という局面だ。何か力になればと持ってきたサイコフレームがきらりと光る。

 

 今は、切羽詰まった私にとっても大きな山場の一つという事になるが私は静かだった。きっと今は恐らくマラソンでいう最初の息苦しい所を抜け、今はただ走る事の喜びを感じ、目標を定め楽になった段階の陸上競技で言うランナーズハイという奴になった所なのだろうか。

 

 山場……か。色々あった、ああ色々。私はここに来てからの事を走馬灯のように思い出す。

 

「……不吉だな。まだ死んでも居ないのに」

 

 ……この世界に居る事の喜びは、守りたい人たちができた事だろうか。しかし素直に嬉しくはない。何故なら道のりが苦難過ぎる。これでまだ劇中最序盤と言うから驚きだ。

 

 眼を瞑って己の覚悟を思い出す。

 

「……撃てるのか?ケーラ」

 

 アムロさんが神妙な面持ちで私に問う。それを正直に今の心境を答えた。

 

「……撃てない……と、思います」

 

 ……人を殺す。そう思っただけで手が震え、心臓に伝染する。恐らく、それをするのはこの世界では一瞬かつ簡単だろう。だけれども引き金を引いた瞬間に確実に自分の心の何かを失う。そんな気がする。

 

「でも、守りたいんです。……アストナージさんを、ケーラさんを迎える人たちを、出来ないだろうけど……アムロさんも」

 

 我ながら何と図々しくも大きく広げたのだろう。後から思い出すととてもじゃないが大きな声で言えない余計なお世話を口にしてしまったのだと理解する。

 

「……でも、笑ってくれた、アストナージさんが、アムロさんが。苦笑いでも嬉しい」

 

 ようやく私は二人に私から笑顔を届けられた。思えば二人にはずっと難かしい顔ばかりさせていた。アストナージさんは見せないようにはしていたが苦悶の表情だった、アムロさんは今後の対処を出来る限り考えて渋い顔をしていた、そんな二人が笑ってくれた。

 

 私は元の場所に帰る事を諦めたわけではないが私の見ていてくれる人たちには出来る限り笑っていて欲しい。それが例え差別と汚辱に塗れた世界の中であっても、それが私の願いだ。

 

「君は撃たなくていい。だけど自分が銃を向けられた時は、引いても誰も責めないよケーラ」

 

 アムロさんは最後にそう言って自分のMSの元に駆けて行った。

 

「撃たなくても守れる世界……そんな世界あるのかな?」

 

 最後に在り得もしない遊び事を私は口にしてジェガンタイプのシートに深く座る。

 

「……あっ、Gが掛かるから見た目以上に柔らかいんだ」

 

 ――――――

 

 ……今できる全ての仕事を終えた時。アストナージ・メドッソは祈るようにケーラ・スゥのジェガンを見た。

 

 彼の願いは唯一つ彼女の生還である。

 

 ここで出来る事は全てやった。アムロ・レイを内に引き込めたのは最低かつ最高の条件である。アストナージの今の仕事はもうやることが無い。自分にできるのはこれだけ。たったの、これだけ。あとは精々もっと自分は他に何かできたことがあるのだろうかと無意味に自分を責める事だけであった。

 

「頼む、神様……」

 

 そんなアストナージを見て船員たちは唯、この作戦で一人でも多く死者が出ない事を、出さない事を己の心に誓う事しかできなかった。

 

 ――――――

 

 ……この白いパイロットスーツに着替える時が己の闘志が一番燃ゆる時だとアムロ・レイは知っている。

 

 この色は自分が背負ってきた証だからだ。否、彼は背負わされた。ニュータイプと恐れられ、それと自分の腕しか盾にすることしかできなかった人生だ。ひと筆で変わらぬ黒も何度も、何十度も重ねて白に塗り潰してきた。そんなゆらゆらと燃える様な鉛色を孕んだ白き鋼の色。この色こそが己の魂の色なのだ。

 

 しかし、そのスーツに袖を通すと不思議と今から銃を向け合う宿敵シャア・アズナブルの事を思い出さなかった。

 

 少し前まであそこまで自分の手で終わらせてやろうと意気込んでいた手が、スーツの中で握り拳から緩やかな平手へと変わっていく。

 

「……俺も軍人だな。自分の宿命より巻き込まれた命か」

 

 アムロ・レイはまだ自分がキリングマシーンに成り果てていない事に心の底で小さく安堵した。

 

 ――――――

 

「カタパルト発進用意!」

 

 私は少し前の人生では一度も聞く機会は無いだろう言葉を耳に入れると、脳が覚えられる情報量を超えていそうなスイッチ群を攻略し、レバーを手に取る。

 

 前方のジェガンが次々に星の海へと、か弱い灯をともして進んでいく様子がカメラに写っている。間もなく私もその明かりの一つとなる。

 

「……これを押せば出撃だ。……もう戻れないかもしれないんだ。」

 

 私なんかが言うには非常に申し訳ないがケーラ・スゥさんの実力は一機で戦術を柱から倒壊させるような力はないし、智将の様な作戦で戦況をひっくり返せるような頭も私はしていない。

 

 少しでも、足を踏み外せば先ほどとは違う、確実な死が待っている。下手に動いて邪魔になるのかもしれない。

 

「……でも……でも、私はね、私を助けてくれる人たちを、私を元の場所に戻そうと頑張ってくれる人たちを、守ってくれるいい人たちの姿を見て、ただそれだけなんて、嫌なんだ。私は我儘だから全部守るよ、私を守る人も好きでいてくれる人も、全部」

 

 私の命を、火を灯す時が来たようだ。既に手に取っていたスラスターレバーを強く入れ込む。

 

「ケーラ・スゥ、ジェガンで行きます!」

 

 今までに体験したことのない衝撃が全身を強く押し付ける様に刺す。舌をかまないように食いしばり前を見ることも億劫なほどだ。二度も体験したくないような衝撃を味わう。パイロットと言うのは何時もこんなことをやっているのか、別の仕事を選んだ方がいいのではないかと言う失礼な疑問が頭を過ぎる。

 

 だけどそこに有っても、私の灯は消えない。

 




 この小説を書くにあたってある程度の下調べはしてるんですがこの時点での原作のケーラ・スゥの搭乗機って何だったんでしょうね。参加しなかったのかリガズィの二体目があったのかジェガンかと勝手に思ってて個人的に一番在り得そうなジェガンにしたんですけど間違えてたらもうそのまま突き進みます。

これから色々キャラが出ますが焦点を当てて欲しいキャラはいますか?※主人公と絡んで欲しい要望は後からやります。アムシャアは描写集中確定

  • クェス
  • ギュネイ
  • アデナウアー
  • ブライト
  • ナナイ
  • アストナージ
  • ホルスト
  • レズン
  • カムラン(投票しないで)
  • チェーン
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