ユニゾン・ワールド   作:新人ガイア

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(プロローグ)

「此処がエリア11P03・・・ここが俺の新しい所属先か・・・・・広すぎッ!!」

 

エリア11ポイント03。旧EDFの軍事基地を改修し陸海空のあらゆる方面への出動を目的として、東京湾を埋め立てて建造されたエリア11史上最大の軍事基地である。もとより激戦区であったエリア11は融合事変の中で他国より優れた技術力が混ざり合い世界でもっとも歪な国であった。地球連邦設立後連邦政府はエリア11(11は連邦賛同国の11番目の意味。国境がないため国ごとにエリア別けをしている)を主軸に多方面への災害対処の基盤にすることを決定した。軍事基地であり、主力兵器PS(パワードスーツ)・『顕現装置(リアライザ)』・『PAギア』の製造施設を完備し新型開発の研究施設もあるだけでなく開発した装備を各基地に分配する役目も担っている。文字通り世界の基盤である。

 

 

司令室

 

連邦軍の白い軍服と帽子を被った若い兵士が司令室に入り向かいのデスクに腰掛ける多くの勲章付けた士官の服を着る男性に敬礼をする。

 

「本日より地球連邦極東支部第三軍事基地遊撃一番隊に転属されました”天草一颯(あまくさいぶき)”です!!」

「うむ、よく来てくれた。私はこの基地の司令を務めるレナルド・キャンベルだ。」

 

レナルド・キャンベル。融合事変前の世界でEDF(アースディフェンスフォース)の司令を務め事変後も設立して間もない連邦をまとめた立役者である。激戦区であるエリア11は状況に左右されず冷静な指揮が執れる者が求められており彼に白羽の矢が立った。

 

「しかしよく復帰しようと考えたな。あの地獄を経験してそう考える奴はそういないぞ?」

「・・・あの地獄を味わったからこそ止まってる暇など無いと思っただけです。」

 

彼はそのことを追及されたくないのか視線を下げうつむく。

 

「すまない少し冗談が過ぎたな。鳶一少佐、入ってくれ。」

 

そう言われ、前から待機してたのか一颯が入ってきた扉を開き一人の女性入ってきた。

一颯より背が低く同じ色の軍服を着て腰まで伸びる白い髪が美しい人だ、一颯の第一印象はそれだった。

 

「お呼びですか司令?」

「鳶一少佐、彼が君の部下になる天草一颯一等兵だ。二年前の聖罰で唯一生き残り今日ようやく軍人として復帰した。新人ゆえ君に彼の事を任せたい。頼めるか?」

「了解しました。」

 

鳶一折紙。二年前の総力戦で初めて天使を討伐した英雄と讃えられた女性。優れた戦闘技術と顕現装置(リアライザ)の高い適応性で二年間に大量のノイズと天使を討伐し「世界最強の魔術師」の称号を与えられたまさに英雄である。その実力あってエリア11最強の部隊「遊撃一番隊」の隊長に任命された。

 

「ついて来て。」

「あ、はい。失礼しました!」

 

戸惑いながらも司令に敬礼し彼女の後を追う。

司令室を出て長い廊下を進む折紙と一颯、これからどこへ向かうのか解らない彼は窓から見える広大な軍施設を見て改めてこの基地の大きさを目の当たりにする。

そんな彼とは対照的に悠然と歩く折紙が口を開く。

 

「なぜ軍に復帰しようと考えたの?」

「えっ?」

「聖罰の恐ろしさは聞いている。都市部を中心に建物も人間もまとめて光で焼き払い焦土へと還す神の裁き。聖罰を受けて運よく生き残った君は間近で見たはず、瓦礫も遺体も残らない凄惨な光景を。そんな地獄を見てなぜ君はまたあの地獄に戻るような選択をしたの?」

 

折紙には理解できなかった。両親もいない故郷でもない彼にとって何の関係もなかった土地での任務で身も心もボロボロになった出来事なのに戦えばまたその光景を見ることになるかもしれない選択をする彼の真意が聞きたかった。

 

「・・・俺は、あの地獄を見てしまったから戦わなければいけないと思ったんです。資料では街も人も一瞬で消えたと書かれてました。でも違うんです。ゆっくりと消しゴムで文字を消すようにゆっくり消えていくんです。あんな地獄を見てしまったのに俺が立ち止まったら誰が彼らの死に報いるんですか?繰り返しては駄目なんですあんなことは・・・・。だから歩み続けようと決めたんです。歩みを止めたらそれだけ犠牲が出る。俺は市民を守る連邦軍の軍人です!どれだけ絶望が待っていようと戦うことから逃げるわけにはいかないんです!!」

「・・・・・そう。ならその覚悟、午後に行われる合同軍事演習で証明するといい。この基地の全隊と新設されたIS学園の専用機持ち合わせて約二万人の精鋭相手に君がどこまでやれるか興味がある。」

「っ、はい!!」

「その前に君に支給するスーツを決めないといけない。こっち。」

 

話を切り上げ再び廊下を歩く二人。程なくしてPS保管庫と書かれた扉の前に止まる。

折紙は脇にあるパネルに右手を添え、続いて目、声帯、IDカードなどスキャンし続けセキュリティを解除し扉が開く。扉の奥には多種多様なパワードスーツが並んでいた。

第三基地の保有するPS保管の一つで基本モデルの試着するための部屋と言ったところだ。

 

「どれを使う?」

「え・と・・・あ、ヴィンディケーターなら訓練で使ったことがあるのでこれにします。」

 

【ヴィンディケーター】青と橙のカラーを主体とした地球連邦軍の最新主力フレーム。元から使われてたパーツを使用している為生産コストが低いのが売り。

 

「そう。じゃあ着て。すぐ登録する。」

「いいんですか持ち出して?」

「記録が司令部に送信されて補充されるから問題ない。いそいで。」

 

いつまでも上司を待たせるのはいけないと一颯はヴィンディケーターを手早く装着する、そして慣れた手つきで折紙が使用者登録をしていく。

 

「登録はこれで完了、演習まであと二時間。三十分前には湾外にある特設演習場に集合して。」

「あ、折紙!こんなところにいたのね。その子は?」

 

一通りの作業が終わったと同時に保管庫に入って来る女性がいた。一颯と同じ身長の黒髪で歳は推定28ぐらい、軍人らしい緑の迷彩柄の軍服を着ている。尚、連邦の軍服は色の規定がなく個人が好きな色を着ている。

 

「今日から一番隊に入る新人、天草一等兵。こっちは副隊長の日下部燎子大尉。」

「天草一颯一等兵であります!!若輩者ではありますが何卒宜しくお願い致します!!」

「アハハそんなかしこまらくていいわよ。ここじゃある程度の節度を持っていれば好きに振る舞っていいから。」

「はぁ・・・」

 

フランクな副隊長の言葉に困惑する一颯だが上司を名前で呼び捨てするなどお互いの信頼関係をわかりやすく教えてくれていると納得することにした。

 

「にしてもこれから演習なのに新入りなんてねぇ。まぁ私と折紙もいるしあんたも精一杯頑張りなさい!」

「遊撃一番隊はどの隊より素早く前線に到着し敵の勢いを止めるもしくは撃破するのが役目。責任重大、演習だからと言って無様は晒せない。」

「そういうこと!三人無事にやり遂げれば上出来ってことよ。」

「はい!頑張ります!・・・・・・ん?三人?」

「えぇ私とあんたと折紙。それが一番隊の人数よ?」

 

燎子の言った事実に一颯は耳を疑わざるを得なかった。

 

「物凄く絶望的じゃないですかッ!?」

 

きっとこれが一颯にとって初めての絶叫であろう。戦力差は一万対一どこかのOOのような状況、叫ばざるを得なかった。




シンフォギアのCM風あとがき
一颯「初めまして天草一颯です。人類守護の要であり最強の部隊、遊撃一番隊に配属されたのに隊員がまさかまさかの三人!?そして午後から約二万の先輩方と演習をするとはこの基地結構ハードだなぁ・・・俺やっていけるかなぁ・・・・」

次回「遊撃一番隊」
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