ウルトラマンアバドン【完結】   作:りゅーど

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ニセウルトラマン(SR)
ニセウルトラセブン(SR)
ニセウルトラマンジャック(SR)
エースロボット
ニセゾフィー(SR)
ニセウルトラマンレオ
偽アストラ
ニセウルトラマンジョーニアス
ニセウルトラマン80
ニセウルトラマンダイナ
ニセウルトラマンガイア
ニセウルトラマンアグル
ニセツルギ
ニセウルトラマンメビウス
ニセウルトラマンベリアル(アーリースタイル)
古代怪鳥バードン
冷凍怪獣ラゴラス
疾風魔人フラカン
古代怪獣ゴモラ
宇宙恐竜ゼットン
暴君怪獣タイラント
寵愛神ブレシス
暗黒怪盗アルセーヌ

ウルトラマントレギア
登場


ゲェーッ!ニセモノだァーっ!

 それはある日のことである。

 空にぽっかりと時空の穴が空いた。唐突である。

「C-45地区に巨大生命体出現。CET、現場に急行せよ」

 慎太郎の所属するチームの「フツヌシ」が出動した。

 

 そこには何人ものウルトラマンがいた。

 初代ウルトラマンをはじめとして、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ゾフィー、ウルトラマンレオ、アストラ、ウルトラマンジョーニアスにウルトラマン80。

 ウルトラマンダイナのミラクルタイプにウルトラマンガイアV1、ウルトラマンアグルにハンターナイト・ツルギ、ウルトラマンメビウスもいる。

「なんだ、みんなウルトラマンじゃないか。でもなんでこんな時に?」

 楽観的な声を出した古橋。その時、突然ウルトラセブンがエメリウム光線を照射した! 

「バリア展開!」

 バリアを展開し、どうにか受け流す。

「くそ、どうすりゃいいんだ!」

 古橋が激昂した。そんな古橋に迫水が命令した。

「あのウルトラマンを狙え。一番模様がシンプルなウルトラマンを狙うんだ!」

「了解! アバディウムミサイル、ファイア!」

 初代ウルトラマンがアバディウムミサイルに撃たれた。

「よっしゃあ!」

「やりますねぇ!」

 慎太郎と古橋は顔を向き合わせ、にかっと笑う。

 そして二人は前を向き直すと、もう一度ミサイルを放った。

 そんな時、慎太郎は目を見開く。

「あっ、あれは……ッ」

「どうした慎太郎!」

 慎太郎の目が一気に開かれ、口腔内から水分が失せた。みるみるうちに顔面が蒼白しはじめる。

「慎太郎ッ!」

 古橋の吼え声に慎太郎は操縦桿を握りしめたが、先程の光景を目の当たりにしたせいで体が震えていた。

「あれは……兄、さん?」

 そこに居たのは、死亡したはずのウルトラマンベリアル。それも、アーリースタイルのベリアルだった。

 

 電磁ネットによりウルトラマンたちは動きを封じられ、慎太郎たちは基地に帰還した。

 CETのメンバーはモニタリングをした。

 

 初代マンは棒立ちだしジャックは寝ている。ダイナに至っては羞恥心を歌ってるようにも見える。

 エースが蹴ろうとするがゾフィーがそれを窘める。

 それを見て頭が燃えるようなジェスチャーをするセブンにプッツンくるゾフィー。

 追い回すゾフィー、ジープで逃げるセブン。巻き添えを食うレオ。

 

「いやお前ら子供かッッ」

 ついに慎太郎がブチ切れた。

「そこでキレてる慎太郎は放っておいて、あれは偽物か本物か見分けるべきだ」

 迫水がそう告げると、辺りはしんと静まりかえる。

「さて、あの中で特徴が多く見つかった。まとめていこう、牧原!」

「はい。彼らを分類すると、様々な相違点が見当たります。まずはモヒカン男のようなもの。彼は関節にリング状の物質があります。恐らく、ロボットかと」

 そう言いつつ説明する牧原。その時、別のモニタから青年の声がした。

「こちら『タケミナカタ』隊長の岡邑(おかむら)(みなと)。過去のデータベースを調べたところ、一度地球を侵略するために潜入した『サロメ星人』が作り上げたロボット超人だって分かった!」

「さすがだ湊!」

「おそらく、あのウルトラマン達のほとんどがロボットだぜ? 特に昭和臭いあいつらはな」と慎太郎。

 そんな中、ミズヤレハナのリーダー、伊藤カナが連絡をする。

「こちら伊藤! 解析したところ、あのウルトラマンのうちの数体がウルトラマンではない波長を持っているとわかったわ!」

「……! そうか、ザラブ星人に金属生命体にグレゴール人、そしてババルウ星人だ!」

「知っているのか、松本」

 松本に問う迫水。

「はい。どれも、他人に化けるのが上手い種族です。とくにグレゴール人は実力も高い孤高のファイター……。一筋縄では行かないと思われます」

「流石だ、でかした二人とも!」

 そんなことを言いかわしているときである。オオヤマツミのリーダー、九条(くじょう)(まもる)が連絡を繋いだ。

「こちら九条。あのやけにセル画みたいなウルトラマン、ロボットだぜー?」

「なんだってぇ!?」

「継ぎ目もねぇのに!?」

「おーう。体内解析をしたんだ。そしたら出るわ出るわ、えげつないレベルの緻密な機械! いやあ、ああいう物を解析したら人造ウルトラマンができるかもしれねえな!」

 九条の報告により、にせウルトラマンしかいないことが発覚した。

「……」

 しかし浮かない顔をする慎太郎。やはりアーリーベリアルについて思うところがあったのだろう。

「……どうしたの?」

 紗和が慎太郎に話しかけた。

「……俺の兄貴が、生きてる。死んだ筈なのに。しかもあの姿は……」

「落ち着いて、ね? もしかしたらあのベリアルの事だし、きっと生きてるんだよ」

「断じてそんなことはない。あの雰囲気は……!」

 慎太郎の目が開かれた。

「……ウルトラマン、トレギア」

 

 翌日。

 電磁ネット内に全艦出動。電磁ネットを使い、海上の戦闘用空間に移送した。

「ポイント到達、戦闘空間起動します!」

 轟轟と鳴り響く起動音。そして、開くはゲート。

 電磁ネットごと、にせウルトラマンたちを放り込んだ。

「よし、てぇーっ!」

 陸上自衛隊、海上自衛隊、そして航空自衛隊による一斉放射が待っていた。戦闘用空間に先行してもらったのだ。

「ダイビングオルカと海上自衛隊、砲撃開始!」

 二隻のダイビングオルカがメーサー砲と魚雷を、そして海上自衛隊のイージス艦である「まや」と「はぐろ」がSM-2(身も蓋もない言い方をすればミサイル)を放った。

 痛手を負うニセウルトラマンたち。

 さらに陸上自衛隊の誇る10式戦車が砲弾をぶちかました。

 硝煙立ちこめる戦闘用空間。

 その直後、緑の光線が空を斬る。

 エースロボットの放ったパンチレーザー。その一撃だった。

「おいしょっと!」

 タケミナカタの操る高速戦闘用空中戦艦、その名もツイフォニア。その姿はまるで【ウルトラマン超闘士激伝】に登場するスーパーツイフォンである。

 ツイフォニアが放ったコイルビームが、パンチレーザーを相殺した。

「慎太郎、紗和、肇! 君たちの出番だ」

 迫水が命じた。

「了解!」

 紗和が元気よく返事する。

「了解」

 クールに肇が意を示す。

「……了解」

 イライラしながら慎太郎が返した。

「はぁぁあ……! ヴェラム!」

 そう言うとベルトのスイッチを押し、ヴェラムが現れる。

『認証!』

「ウルトラチェンジ!」

『キラキラKILLER!! Hey come on!! ウルトラウーマンラピス!!』

 ベルトの認証機能を使い、ウルトラウーマンラピスが降臨。

 そして、慎太郎がアバドスティックを取り出した。

「うぉおおお゛お゛お゛お゛お゛お゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ゛ッ゛!! ア゛バドン゛ッ゛ッ゛!!」

 絶叫、そして変身。ウルトラマンアバドンが参上した。

 

 ヴェラムは宇宙人の化けたニセウルトラマンたちを相手取り、ラピスは全ての怪獣を呼び出した。

 そしてアバドンは、アーリーベリアルと対峙した。

 

 さて、ウルトラウーマンラピスから見ていこう。

「ショアッ!」

 そう叫ぶとニセウルトラセブンを叩き、ニセウルトラマンを打ちのめす。

 ニセウルトラマンジョーニアスを倒すためだ。

 そうしてラピスは、ほかの怪獣に任せニセウルトラマンジョーニアスと死闘を繰り広げる。

 攻撃の重みはニセウルトラマンジョーニアスが勝る。しかしスピードはラピスに寄っている。

 その時、ラピスの角がニセウルトラマンジョーニアスを貫いた。

「今! はぁぁあ……!」

 スターライト光線が一閃。

 ニセウルトラマンジョーニアスは爆発四散した。

 

 一方怪獣たちは安定した戦闘をしていた。

 ゴモラが先陣を斬る。

 超震動波が辺りの敵をなぎ倒した。

 その土煙を切り裂き、『寵愛神 ブレシス』が躍り出た。

「貴方たちに光を……!」

【マハイワレオン】

 全体への過剰なる祝福が遅い来る。その光をかき消すように、バードンが焼き払ってきた。

 焼夷弾のような炎が降り注ぐ。

 その炎上した大地が、一気に凍りつく。ラゴラスだ。

 ラゴラスの冷凍光線が地を裂いた。

 その裂け目から伸びるアーム。タイラントのお出ましだ! 

 タイラントのラリアットで吹き飛ぶロボたち。その先にいたのはゼットンだ。

 ニセウルトラマンのカラータイマーがゼットンにより潰されたのを皮切りに、辺りに撒き散らされる一兆度の炎。

 森林火災待ったなし、その炎が渦をまく。

「ようやく俺の出番かよ、作者!」

 メタ発言とともに、『疾風魔人 フラカン』が出てきた。

 フラカンの放つ風は、相手の回路を切り裂いていく。

「よっしゃぁ! ぶち飛ばしていくぜッ!」

 その風を断ち切り、アルセーヌが裂け目から現れる! 

「これで終いだ」

【呪怨機関銃】

 呪怨の弾丸により貫かれるニセモノたち。

 爆煙を背景に、怪獣たちは決めポーズをとった。

 

 その頃ヴェラムだ。

 イマージュとともに辺りを倒しまくる。

 ニセウルトラマンレオの拳をいなし、肩の関節を外す。

 ニセウルトラマンダイナも何故かヴェラム側に参戦し、倒したのだ。

 そしてニセウルトラマンダイナとのプロレ……もといウルトラファイトだ。

「オラァっ!」

「ちぃっ!」

「おわっ!?」

「はぁッ!」

 一歩も引かないその戦闘は続き、そして、ヴェラムのパイルドライバーが一閃。

「……さすがだ、ウルトラマンヴェラム。またいつか、闘おうぞ」

 そういって、ニセウルトラマンダイナが気を失った。

 

 自衛隊も順当に敵のウルトラマンを倒している。

 そして、ウルトラマンアバドンはと言えば……。

 

「見ろ、これが君の兄の姿だ!」

「黙れ、このクズ野郎が!」

「ほぉ、君は手を出せるのか!」

「絆アレルギーのヤンホモストーカーはとっとと黙って首吊ってろ!」

 ウルトラマンベリアル(アーリースタイル)と死闘を繰り広げた。

 しかし、その口調は【ウルトラマントレギア】のそれである。

 アバドンは憤慨した。

 四人に分裂、タイプチェンジ。

 剛力戦士、ショウブストロングの力を覚醒させた。

 

「どらっしゃあ!」

 シュアンマイティが吹き飛ばし、

「そっち飛んだぞ!」

 グンジョウアクアが砲撃し、

「はいよ! シンリョクスラッシャー!」

 シンリョクスラッシャーがベリアルを飛ばし、

「ふん! はぁっ!」

 ショウブストロングの肘鉄が決まる。

 そんな流れが永遠に続く。

 そのうち化けの皮ははがれる。

 そう、やはりトレギアであった。

 ウルトラマンアバドンはトレギアをタコ殴りにする。

 鈍器を使ったり、銃を使ったり。

 完全なリンチだ。どう見てもリンチだ。

 そうして、アバドンは遂にトレギアを下した。

「勝ったぞぉおおお!」

 アバドンの咆哮が響き渡った。それは、高らかな勝利宣言であった。

 

 そのころ、ある場所で。

「……エースロボットが二体か。造作もない!」

 ある青いウルトラマンがエースロボットを相手取っていた。

「行くぞッ!ギャラクシーレスキューフォース、ウルトラマンフラット!!出動!!」

 彼の名は、ウルトラマンフラット。

 ギャラクシーレスキューフォースに所属している、若き戦士である。




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