ウルトラマンアバドン【完結】   作:りゅーど

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マーキンド星人マルタ
マグマ星人リュード
メトロン星人カレン
グローザ星系人グスィア
バルタン星人リール
ナックル星人オスマン
グレゴール人ナカマツ
食材たち
登場

表記の都合で「w」が使われております、ご了承ください
ギャグ回ですのでご注意ください


お前精神状態おかしいよ

「……ふう」

 迫水は珈琲を飲んだ。

「珈琲ってのはいいもんだ」

 今日も日本は平和です。

 いっぽう紗和はいつも通り徹夜しているらしい。古橋が呆れた声をかけた。

「……お前寝てねぇだろ。てかその仕事元々俺んだぞ」

「い、いえ大丈夫です……」

 それを見ては呆れつつ、肇は書類を提出した。

「……あれ?」

 気づけば奏が恨めしげな視線を向けていた。

「ナチュラルに話せるなんて。うらやまけしからんってもんです」

「……は? (困惑)」

 紗和は続けた。

「え、ええ……でも、彼……とても優しい人ですよ? 確かに見た目は怖いし言葉遣いも荒いけど……根はとても優しい人だよ」

「そうじゃなくて」

 奏が遮る。

「なんかこう……あの人見るとヤバいんです。こう、あれです。やばなるんです」

「語彙力死んでるわね。また発作か」

 由奈が呆れた面持ちで奏を見た。

「……所で慎太郎さんは?」

 紗和が言った途端、

「ったたたたたた大変だぁあぁああああ!!!」

 慎太郎がドタドタと入ってきた。

「うるせぇ黙れ」

 肇にしばかれたのは仕方がない。

「アイエエエ!? ど、どうしたの!?」

「ななな、なんか宇宙人がめっちゃくちゃ集まってる!! 場所はC-93-1!! 奏、特定宜しく!」

「は、はい!!」

「目がキラキラしておる……」

「残像あるじゃん……」

 紗和が宥めようとした途端、奏が素っ頓狂な声を上げる。

「え!? 何これ!? マグマ星人にバルタン星人にナックル星人にグレゴール人に……いろんな宇宙人がひとつの場所に集まってる!」

「でかしたぞ牧原ァ! やっぱりお前は最高のオペレーターだ!」

 すかさず慎太郎が褒めた。はう、と赤面する奏。

「……それで、行くの?」

「あったりめぇよ! テロかもしれねえ!」

 あの偽ウルトラマンのせいか警戒をあまり解かないようだ。

 そんなこんなで、CETメンバーは重火器を持って殴りこむことにした。

「CETだ! 大人しくお縄……に……」

「……ん?」

 慎太郎が先陣を斬り……そしてぽかんとした。

 そこではいろいろな宇宙人が番組を用意していたのだ。

「……あれ?」

「どういう事なの……」

 マーキンド星人が気付いた。

「こ、これはこれはCETでは無いですか! はじめまして、私マーキンド星人のマルタと申します」

「え、えーと……これどういう事なの? 本当」

「特番として『宇宙一の料理人は誰だ! ウルトラ料理大會』という番組を作っておりまして」

「……ブッハwwンッ……グッ……wwンッフフッ……ww」

 料理番組をテロと思った慎太郎に対して笑いを耐える紗和であった。

「い、いや嘘だろう!? だってこいつら血気盛んな侵略野郎じゃねぇか!」

「……人間ってのは変わるんですよ」

 慎太郎を諌めるマーキンド星人のマルタ。

「グッ……wwンッフフッwwンッ……ww」

 壁際で笑いを堪えている紗和。

「はぁあ慎太郎さん可愛らしいです……」

 変態と化した後輩系女子。

「やかましいわ!」

 顔真っ赤の愚者トラマン。

「赤面しておられますねぇ。どうです? 参加していきます?」

「いや勧誘が雑すぎるわ! シバキ回すぞ!」

 いや真面目にやれ。漫才じゃないんだから。

「ンッ……wwクッククッ……wwww慎……太郎……wwww」

「ア゛ーッハッハッハッハwwwwお前本当に……ネタが尽きんなwwwwww」

「ヤッベェ……wwww念のために録画しておいて良かった……ww」

 スマホで録画をしていたようだ。

「さ……さて……ww本題に入ろうか……wなんで星人……達はここで料理を? ww」

 笑いを堪えながら質問する紗和にマーキンド星人マルタは呆れつつ答えた。

「先程答えたでは無いですか! もしや記憶力が悪いので?」

「ばちこりと煽っていくのやりますねぇ」

 慎太郎も煽る。

「だ、だから……何故……いきなり始めたのか? ですよ……もしこの料理が毒なら……人間達が危ないですから。星人は危なっかしい材料を入れて料理を作るって以前宇宙で……」

 と質問する紗和。

「ああ、それは宇宙でもトップの嘘つき新聞で名高い『旭陽新聞』の流したデマですよ。悲しいですねぇ」

 遠い目をするマーキンド星人マルタ。

「はぇー……どうでもいい」

「いやしっかり着替えとるやないか!!」

 意外と乗り気だったようだ。そういえば最近料理描写がない気がする。

「申し訳ない、地球代表は埋まってしまいまして。そちらの目隠れのお方は……そうだな、M78代表ですかね? そして貴女は……U40でしたかね」

「……なぜ分かったんだ?」

「そうだけど?」

 驚きを隠せない二人に笑ってマルタは言う。

「なあに直感ですよ。幸い食材は沢山ありますからね! U40とM78星雲からのチャレンジャーということで、どうぞ!」

「おーおー♪ ボクらを楽しませてくれるね♪ なら、ボクも頑張ろう♪」

「やってやろうじゃないか」

 二人とも乗り気になった。かくして、八名の宇宙人と一人の地球人がそろい踏みした。

「五秒前! さん! に! いち!!」

「さあ皆さま! 白米とおかずの用意はよろしいでしょうか!」

 無論編集はする。生放送ではない。

「本日だけの特別企画! 舞台は太陽系第三惑星、地球! 皆様も聞いたことはあるでしょう? あの星です! さあさあ前置きはそこそこにしておこう! 『宇宙一の料理人は誰だ! ウルトラ料理大會』、開幕!」

 客席がどっと湧いた。

「それでは、料理自慢の選手紹介ですっ! まずはマグマ星代表! 『ビストロラーヴァ』オーナーシェフ! マグマ星人リュード!!」

「よろしくお願いします!」

「グローザ星系代表! ルイベ専門店「氷の微笑」オーナーシェフ! グローザ星系人のグスィア!」

「僕のルイベを味わいたまえ」

「メトロン星からはこの人だ! 高級レストラン「グレィク」料理長! メトロン星人カレン!」

「グレィクに是非ー♪」

「今度はこいつだ! ヘラクレス座M-16惑星グレゴール星代表、フリーランスの料理人、グレゴール人のナカマツだぁーっ!」

「食材の声の赴くがままに、ね」

「ナックル星の人気な酒場! 「鉄拳酒場」料理長! ナックル星人オスマン!」

「やってやるめうー」

「異次元に店を構える「アメイジング料理 美食一閃」よりバルタン星人のリール!」

「皆様に未体験の味を教えてあげましょう」

「ホームグラウンドの地球からは、居酒屋「かぼすおおやまじ」オーナーシェフ! 加藤(かとう)小松(こまつ)!」

「若輩ですがよろしくお願いしますッ!」

「そしてそして! M78星雲出身! 諸星慎太郎ことウルトラマンアバドンの参戦だ!」

「こう見えて色んな星渡り歩いてんだ! 舐めんなよ!」

「そしてお待たせ致しました! U40代表! ウルトラウーマンラピスこと、宝星紗和!!」

「やっとかー。よろしくお願いしますー!」

 選手紹介も終わり、自己紹介等をする。

「司会は私マーキンド星人マルタでお送り致します!! 当番組にこれといったテーマはありません!! あるのは美味いかまずいかのみ! そのため、審査員は特に味覚に鋭い方を集めて参りました!」

「…………言ったら言ったでメンタルにきそう……(小声)」

 紗和がボヤいた。

「制限時間は二時間! さぁ、調理開始だー!」

 マルタの叫び声と共に、食材の山からお目当てのものを掘り出す作業に。

 どれもこれも新鮮で、生食できるレベルだ。

「…………くぁぁ……」

 紗和はあくびをしながら調理する。そんなに余裕があるのか? 

 申し訳ない、ここでは慎太郎をクローズアップさせて頂きたい。主人公ということで平に平によろしくお願いします。

 さて、慎太郎はまず骨無しサンマを手に取った。中骨などがないため食べやすい秋刀魚だ。その秋刀魚をおもむろに包丁でミンチにし始めた! 

 そこに惑星ズィダ産の『湧き味噌』を投入。紫蘇も加えた。

「そしたらこの……お、フグンカンがある。本来はデカいが産卵期になると肉体が圧縮され、毒素が苦玉へと貯まり毒袋になるという珍しい種。毒袋は……ここか」

 慎太郎は毒袋を除去し、フグンカンを調理した。会場がどよめいた。なぜならフグンカンは特殊調理食材だからだ。

「……お、ゴールデンイクラか。それもシルバー醤油に漬けてあるじゃなあないか! ならこれを……おっと米が炊けた」

 慎太郎はすかさず米を酢飯にし、海苔で巻く。ついでに汁物を作り上げた。

 タイムアップ。盛りつけが終了したと同時であった。

 

「さあ、いよいよ発表です! まずはリュードさん、どうぞ!」

「お待たせ致しました。ファイヤーゴルザのマグマステーキになります。溶岩を固めた熱プレートの上にマグマチックアイアンを乗せ、ファイヤーゴルザの肉を使用。ソースはマグマを想起させるピリカラ味です」

 審査員は一口食べると、味わう。ひとりのコメントを抜粋しよう。

「ファイヤーゴルザ特有の臭みが消されている。マグマチックアイアンは食器に使うと食材の適温になると言うが、さすがはマグマ星人だ。ファイヤーゴルザを大胆かつ繊細に食わせるとは」

 そうしてマルタは点数を出した。その点数は900点中620点。

 ひとりの審査員が言った。

「たしかにファイヤーゴルザの臭みを消す努力は認めたい。しかし、ソースの辛みで味が殺されかけている」

 リュードがハッとしていた。

「さあ、超えて行けるか!? それでは審査員の皆様は味消し水を飲んで頂きまして、グローザ星系人のグスィアさん、どうぞ」

 ルイベ盛り合わせを提供するグスィア。これまた、審査員のひとりのコメントを抜粋しよう。

「ルイベ自体が宇宙でもマイナーな食べ方であることはわかる。しかしこれほどいいものはないだろう。イカをルイベにした発送に脱帽ものだろう。しかし、やや味がのぺっとしているような感じはした」

 点数は634点。

「皆さま食欲が湧くでしょうか。続いてはメトロン星人カレンの料理です!」

 マルタが言った。

「ベムスターハンバーグステーキです! ベムスターの肉のうち、脂身と赤身を黄金比で組み合わせたハンバーグステーキです! ベムスターの爪を加工した鉄板に乗せております。大変お熱くなっておりますのでご注意ください! 皆様の好きな焼き具合でお食べ下さいませ!」

 審査員のひとりはこういった。

「ベムスターというありふれた食材をこれ程までに美味くしたとは。繋ぎの一切ないハンバーグステーキだからこそできる味だな。ソースも……デミグラスソースに近いか。とろみと香ばしさが渾然一体となっている」

「さあ皆さま、判定を!」

 マーキンド星人の声に反応して、全員が点を出した。

「なななんと、脅威の750点!! 一気にはね上げました!」

「おやおや? さすがにこれはシンドいかな?」

 紗和が不安げな声をあげた。

「さあ続きまして、ナカマツシェフの料理であります!」

「ナカマツ流ビビンバだ。アストロモンスの花やソリチュラのツタなどを地球で言うナムルにし、味付けしたアストロモンスの肉を細切れにして黄金米にのせた。よく混ぜて食ってくれ、以上だ」

 よく混ぜた。手がつりそうになるまで混ぜ、食う。

 審査員が言った。

「アストロモンス特有の味をうまく引き出してはいるが、腹部の花の味が殺されてしまっている。もうすこし味の濃い食材を使うべきだ」

「さぁ、皆さま判定を! ……出ました、520点。少し味が平坦だったせいか?!」

 紗和は「……oh……ドンマイ……」と言った。

「さぁさぁ皆様、続きましてはオスマンの料理であります!」

 オスマンが出した料理は、いかにも酒のあてのようなものである。

「グエバッサーのスパイシーチリ唐揚げ。グエバッサーの味を活かし、惑星フレバーの固有種である『蝶魅了』の鱗粉と『チリサイ』の角を粉にした香辛料を使用した」

 若い審査員が言った。

「グエバッサーは旨み成分が強い。その旨み成分が引き立てられているが……流石にベムスターほどではないな。ベムスターを使ってもよかっただろう」

 マーキンド星人が審判団の点数を集計。読み上げた。

「出ました! 719点! さあ続きましてはリール!」

「サドラの揚げ煮。ピースフルオリーブの油でサドラのハサミ肉と腿肉を煮たものです」

 すこし歳をとった審査員が言った。

「普通なら油は胃にもたれるんだ。しかしこれは凄い。油切りもしっかりしている上、さっぱりと食わせてくれる。いいじゃないかいいじゃないか」

 マーキンド星人が点数を発表した。

「なんと683点! 男性票が占めており、女性からは不評気味でした!」

 リールは歯ぎしりした。

「残るは三名! それでは地球代表、加藤小松シェフ、お願い致します!」

「はっ、はい! こちら牡丹鍋になります! いのししの肉を鍋にしてみました! ジビエ独特の甘みと出汁をお楽しみくださいませ!!」

 審査員が目を見開いた。一人の審査員が言った。

「うまい。手放しでうまいと言える。凄く締まった肉質と甘い脂身、そこに旨すぎる出汁。こんな飯があったとは思わなかった」

 マーキンド星人が集計し、宣言した。

「なんと800点! 忖度無しでこの点数という事が分かるでしょう!」

 慎太郎は、いつも通りの顔で料理を出した。

「それではお待ちかね、ウルトラマンアバドンです!」

「フグンカンの刺し盛りと骨無しサンマのなめろう、味噌汁と純金いくらの『軍艦』巻きだ。フグンカンの毒袋はランダムだが、それくらい知ってる。肉はうまいんで、ふぐ刺しにしてみた。軍艦巻きの艤装おにぎりは、フグンカンの艤装を象ったものだ。軍艦巻きに載せた。骨無しサンマは脂が乗ってたんでな。なめろうにさせてもらった。味噌汁の具は惑星豆腐の豆腐と惑星シャオン産のわかめだ。シャリは岐阜県産のハツシモを使用した」

 審査員が震え声で言った。

「フグンカンという特殊調理食材を捌く。それだけでも凄いのに骨無しサンマのなめろうだったり工夫が素晴らしい。これが日本の職人芸というものか」

 マーキンド星人は点数を発表した。

「なっ、ななな。なんと790点!! それでも一位にはなれなかったか!!」

 慎太郎は軽く笑った。

「そしてそして!! 皆さまお待ちかね、ウルトラウーマンラピスのお料理でございます!!」

「……いたってシンプルだし、味も星人に響くかどうか分からないから平均……いや、平均以下かもしれないけど、ボクはこちら」

 見た目は至ってシンプルなカレー……だけど違和感がある。

「ただし、まだ食べないでくださいよ? まずは匂いを嗅いでみて」

 匂いを嗅いだ審査員が驚愕した。

「見た目はカレー……だけど匂いはまるで……ビーフシチュー……みたいな匂いしない?」

 とろみと見た目は完全にカレーなのに! 審査員はまだ驚愕していた。

「な、なんだこれは……」

「どういう事なのだろうか……興味がそそられる」

 一口食べると、カレーの風味。二口目で、今度はビーフシチューの味に。

「口の中で味が変化したぞ!?」

「圧力鍋の圧力等をいじっただけだよ」

「それだけで味が変わるとは……U40恐るべし」

 最も歳をとった審査員が目を見開いた。

「それの味は2つだけ。この2つの味を忘れてしまうようなケーキも作っていたんだけど……どうします?」

「口惜しいけど、興味がそそられるわ……!」

 女性の審判が言った。

「まぁ忘れてほしくないんだけど、こういうの食べ終えた後にデザートを食べると……若干だけ味が口の中で残る……なんてことない?」

「ありますねぇ! ありますあります」

 獣みたいな審査員が言った。

「そんなのを解決してくれるケーキを作ったんです。ゴロゴロとしたブルーベリーたっぷりのタルト。これはメインではなく、時間が余ってつい作ってしまったものだけど……一口食べてみてください」

 一口食べると一瞬で口の中が甘くなった。いわば女性票の味だ。これは女性にとって人気になりそうだ……いや、男性にもか。

「だけどまたメインのカレービーフシチューを食べると口の中がビーフシチューとカレーの味に変わります。どんな食べても味が変わってしまう料理、それがボクのオリジナルなんです」

「むう、無限に食えるじゃあないかッ」

 一人の審査員が感嘆したように叫んだ。

「さぁ、点数を発表します! ……なんと900点中900点! 満点というとんでもない点数を弾き出しましたァっ!」

 一瞬の沈黙。そして、次々に料理人が騒ぎ出した。

「……え!?」

「仕方ないね」

「馬鹿な! 特殊調理食材をふんだんに使ったのに!」

 そんな中、

「特殊調理食材にこだわらんでもいい。美味けりゃいいって最初に言ったろうに」

 と、一番歳をとった審査員が諌めた。

「……普通の食材を使っても美味しいものは美味しい。料理人の皆さんだってそうでしょ? 食材は作るだけで美味しい。見た目だけではない、味が大切だからね。それに、僕は楽しんで作った。楽しくやったもん勝ちだって思ったからね」

 などと言っているが、内心困惑している。

「楽しく作るってのから外れてたのかもしれないかも。忘れてた」

 とメトロン星人カレンが言った。

「という訳で、表彰等を執り行います!」

 

「いや、普通に作ったんだけど……」

「いやまてその理屈はおかしい。お前精神状態おかしいよ」

 困惑する紗和の元に、マグマ星人のリュードが歩み寄ってきた。

「……ありがとう。料理の楽しさを思い出させてくれて」

 リュードは続けた。

「俺は忘れてたよ。特殊調理食材とかを使うだけじゃダメだって。楽しくやったもん勝ちだって」

 そしてリュードは涙を堪えつつ、「ありがとう」と言った。

 

「結果発表! 最優秀賞は……ウルトラウーマンラピス!! おめでとうございます!!」

「あ、ぁぁ……えっと……ありがとうございます」

 困惑しつつ受け取る紗和。

「優秀賞は……加藤小松! おめでとうございます!」

「ありがとうございますッ! やったー!」

 嬉しそうに受け取る小松。

 ……それから後日。

 

 慎太郎は結局賞はもらえず。殴り込んだ自分への因果応報だと言い聞かせているようだ。

 その代わり参加賞として一部食材を貰えたようで、自宅の倉庫には多数の特殊調理食材がある。

「あ────ー平和だ」

 古橋が言った。

「……あ」

「どうした?」

「あ────ーッ! ちらし寿司作らなきゃ! 3月3日じゃん!」

 それを聞いた慎太郎はフッ、と笑い「食材をとってくる」と言いアバドストライカーに搭乗した。




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