イマージュベムラー
イマージュセグメゲル
烏天狗宇宙人 ベムラー人ジュウキチ
登場
「……ただいま」
紗和は、みんなに会えて嬉しそうに手をヒラヒラと振って笑みを見せるが、全員がサブイボが立ちそうなくらい驚愕した。
紗和の目に……光がない。
笑顔もみんなが知ってる笑顔じゃないから。
「……紗和、なのか?」
迫水が恐れつつ呟いた。
「そうだよ?」
口調はいつも通りだけど、あの明るい笑顔と明るい性格が消えている。
「……嘘だろ?」
古橋が絶望しそうな声で絞り出した。
「…………なんでみんな……疑問に思っているの?」
困惑した顔をしながら首を傾げる。
あの頃の紗和が消えてしまった。笑顔ですら、輝きを感じない。
「……隊長、上層部殺してきていいですか」
「ダメだ、自重しろ慎太郎」
少しずつ口が悪くなるみんな。
「みんな……どうかしたの?」
だけど、左目から水が滴り落ちる。涙だ。死んだ目で、真顔で、涙をこぼしている。
こんな姿になってしまっているが、やはり内心……
「……紗和。少し休んでくれ」
肇が心配そうに言った。
「はっきり言って、いまの君に輝きが見つからない」
「え? ボク……だい、じょうぶ、だ、よ?」
泣きながら伝える。内心は分かっている。みんな心配してくれている、と。
「……紗和ちゃん。あの時の宝石みたいな貴女はどこなの? これじゃあ競えないじゃん」
牧原が悲しげに言った。
「……どうせ負ける」
頑張り屋な紗和も消えて今は完全に、根暗になってしまった。
しかも……任務にも遂行しなくなった。戦いたくないようだ。
「……なに諦めてるのよ。仮にもウルトラマンなんでしょう!?」
基町が怒る。紗和を見て、怒る。
無言で首を横に振る紗和。
「ボク、ウルトラマン、やめるよ」
全員が驚愕した。
つまりそれは、本来の自分を捨てるのと同じだ。
紗和はそう告げた後、会釈をして溜めてしまっていた仕事を始めるために自分の仕事部屋に行った。
慎太郎は憤慨した。
「あの野郎、またあの時と同じ目に遭わせてやる……ッ! ぶっ殺すぞこのクソガキ……ッ」
肇は呆れた。
「……これじゃあ台無しだ。誰かが欠けたら終わりじゃあないか」
久々の仕事に手を止めない紗和。仕事熱心なのは変わらないようだ。
「…………どうしたんだろう。ボクは……いつものボクなのに」
…………そんなわけ、ない。
扉を蹴破って古橋が来た。
「お前、いい加減にしろ! さっきから黙って聞いていりゃあしらばっくれるわウルトラマン引退宣言するわ、今のお前はお前じゃねぇっ!」
古橋は紗和の襟首をつかんだ。
「ぐえっ」
苦しそうに顔を見つめる。
「……でも、あの日のボク覚えてる? ボクは……ウルトラマンとしてやってはならないことをした。しかも、怪獣の仲間を使って……だから、ボクにはもう資格がない」
「何が『資格がない』だァーッ!? 結局逃げてるだけじゃあねえか! 馬鹿野郎! そんなんで強くなれるとでも思ってるのかこのダボ!」
古橋は怒りのままに叱る。
真剣な戻って欲しいという魂の叫びが部屋に響いた。
無言で古橋の顔を見つめる。無言で哀しそうな顔をしながら首を振り続ける
「……ッ! ざけるなこのクソガキがぁーっ!」
ついに堪忍袋の緒が切れた。
耳を塞ぐ。
「うるさい……君は相変わらずだね」
「……いい加減にしろ。戻ってくるのを俺たちは待ってるが……絶対に元に戻ってこい。いいな!」
古橋は帰った。
「…………どうすれば、戻ってくるの? 置いて来たものは、もう、戻ってこない」
その時、エマージェンシーコールが鳴り響いた。
『CETに緊急通報。出動せよ』
紗和肩をビクッとさせた。
しかし紗和は、いっさい微動だにしない。
「紗和ッ! 早く来い!」
慎太郎がブチ切れながら言った。
冷え汗をかきながら首を横に振る。
いつもなら戦闘を頑張るのに、拒否しているのだ。
慎太郎は無言でビンタをした。そして紗和を担ぐと、マッハストライカーに搭乗させた。
「ッ……ちょ、お、下ろして!」
めっちゃもがいて逃れようとしている紗和に、
「……お前も仲間だろうが。お前は仲間を見捨てるのか! そうかそうか、つまり君はそういう奴だったんだな!」
慎太郎が怒りを吐き捨てた。
「い……いや……その……ッ!」
突然、耳を塞いでもがき始めた。
「俺達は仲間だろうが! 目を覚ませよウルトラのメスガキ! 何時までも寝てんじゃねえ、馬鹿野郎がぁーっ!!」
頭を揺する。
「あぅあ……で、でも……!」
耳を塞いでもがき続ける。
戦闘とかになるとあの日の罪とトラウマが蘇り、例のアイツの言葉も思い出してしまう。
「あんなゴミの言葉に耳を貸すな! 次来たら殺せ! 住所も特定して家も燃やして家族も殺してしまえ! そんぐらいの気概を持て、お前はそう言う強いやつだったろうが!」
慎太郎が怒りを顕にした。
手を耳から離して立ち上がる。
「わ……分かった……頑張って、みる……」
死んだ目で少し震えながら準備する。
「その調子だ! てめえがいねえと始まんねえんだよ!!」
慎太郎が声を荒らげた。
久々の操作に手を震わせながら起動させる紗和。
ただ、変身する気は無いようだ。
慎太郎は、紗和に操作を任せると先に怪獣に立ち向かった。
「アバドンッ!」
「…………うぅ……」
あの日のトラウマと罪が蘇りながらも紗和は操作し続ける。
「…………やっぱ……ボクは」
操縦から手を離してまたもがき続ける。
自動操縦に切り替わるマッハストライカー。直後にジェットホエールがメーサー銃を放った。
「……無理だ……無理だよ……ボクは、もう……戦えないよ……!」
涙を流して耳を塞いでもがき続ける。
石化魔獣ガーゴルゴンは、アバドンと交戦している。しかしあのショウブストロングのアバドンでも押し返されているようだ。
「無理だ。無理だ無理。ボクが……また……またあのことを……ッ!」
ダメだ。攻撃しようともしないし、変身しようとしない。
本当に紗和は消えてしまったようだ。
その時、アバドンの呻き声がした。
ガーゴルゴンの放った石化光線のせいで、なんとアバドンが強制的にシュアンマイティにもどされ、さらに石ではなく宝石になってしまったのだ!
カラータイマーはフォスフォフィライトに、肉体はボルツに。眼球はイエローベリルに変わり、そして赤いラインはルビーになった。
アバドンは死んだ。
死んでしまったのだ。
「ッ! アバドォオオオン!!」
ヴェラムが怒りのままに変身した。
「アバドンのかた──────────」
しかし、今度は完全に石へと変貌した。
その余波で、ジェットホエールが墜落。
ガーゴルゴンを止められる者はもう、紗和しかいなくなった。
「ッ!? アバドン!! ヴェラム!!」
宝石に関しては詳しい紗和だけれども、どうすれば良いのか分からず困惑をしている。
「どうすれば良いの? ボクしかいないのに……ボクが……ボクがやるの? ボクが? 無理、だ……無理だよ……!」
ガーゴルゴンは紗和を狙った。
石化光線が放たれる。
「やばっ!」
慌てて操作して避ける。ギリギリだった。
光線を避けながらどうすべきかどうか考え続ける。
でも、考えるたびにあの日の罪とトラウマに押されて動けなくなる。
「誰か……誰か……助けてぇ……!」
「諦めるな」
そんな声がした。
「! …………ボク、もう……戦えないの?」
自分の震える手のひらを見つめながら問いかける。
「お前のおかげで助かった闘いがあんだよ」
「戦いに意味を持つな」
「僕達は君に救われた」
「お前もウルトラマンだろう? なら諦めないでくれ!」
「────!!!」
操作するために操縦機を握る。強く、強く握る。
「…………ボクしか、やれないなら……頑張る。また、あの時のように……頑張る!」
「諦めるな」
「諦めんな!」
二人の声がした。
「諦めんじゃねえよ! ウルトラウーマンラピスッ!」
紗和に、ラピスにとって聞き慣れた声がした。
紗和「────!!! 今の……声は……ッ!」
光線を避けながら近づいていく。
ガーゴルゴンが紗和の乗るマッハストライカーを狙った。
「…………宝石にさせるなら……ボクの本当の名は……ラピスだ!!」
目に光が戻る。いつもの宝生紗和に戻った。
スマホを取り出して変身する。
「ラピスゥ!」
『認証! ウルトラウーマンラピス!』
宝石と化したウルトラマンアバドンの隣に立つウルトラウーマンラピス。
「…………ごめん、アバドン。ボク、宝石には詳しいから……絶対、戻す! ヘャッ!」
開始早々からウルトラリンチをする。
ガーゴルゴンはその二股のしっぽを使って反撃した。
「よっと。こうみえてボクはジャンプ力と素早さには自信があるんだよ♪」
軽々と避ける。いつものラピスが怪獣を煽っている。
ガーゴルゴンは怒りを顕にした。そのまま石化光線を放つ。
また軽々と避ける。見えないくらいのスピードで、避ける。だけど、一つ問題が……
「……(マズい……避けるのは良いが、アバドンが危ない。ボルツは硬度10。だけどカラータイマーはフォスフォフィライト! 硬度3半! 割れたら一巻の終わりだ!)」
アバドンになるべく攻撃を喰らわせないように避け続ける。
考えろ……考えるんだラピス!
ガーゴルゴンがアバドンの近くに走り出す。
「!! ダメッ!」
アバドンを守るように前に立って光線を放ち、動きを鈍くする。
ガーゴルゴンは怯み、しかし反撃の石化光線を放った。
「! しまった! ……グゥ!」
受け止めてなんとか防ぐが、腕が宝石に……
「(どうしよう……このままだとボクも宝石に! ……宝石?)」
光線を浴びて受け止めながら何かを始める。
ガーゴルゴンは、そのままドロップキックを試みた。
「……ボクは宝石が好きなんだ。宝石なら何でもわかる。なら……その宝石を……受け入れる!!」
ラピスの身体が紫に光り輝き、吹き飛ばした。
ガーゴルゴンが吹き飛んだ。
「……君の光線を光エネルギーに変えて、新たな力に変えた。ボクはもうあの時の過ちを起こさない! ボクは罪を犯したけど、もう、そんな過ちに縛られないで……生き続ける!!! ボクはもう、闇に耳なんか貸さず、諦めたりなんかしない!! これが、絆ってやつでしょ!!?」
身体が変形していく。腰には刀が刺さった鞘が現れる。
「宝石の力で……ボクはお前を倒す!!」
模様が紫色になり、右目だけが紫色になる。
ラピスの新たなる形態だ!
双晶アメシストをイメージされた新しい形態。ウルトラウーマンラピス アメイジングアメジストがその力を覚醒させた!
刀を抜いて構える。
ガーゴルゴンが叫ぶ。石化光線の原子配列を変更し、アバドンへ撃った宝石化光線を放った。
しかしラピスはその刀を一振りすると、光線を跳ね返した。刃も宝石になっていない。
「…………!?」
たじろぐガーゴルゴンは、宝石と化したアバドンをもちあげて投げつけた!
「嘘っ!」
刀を構えて走る姿になる。
ガーゴルゴンが見失うくらいのスピードで前へ前進して、割らないようにアバドンをキャッチした。
ラピスは一瞬のうちにガーゴルゴンの頭上にいた。
ガーゴルゴンは目を疑った。
そこに宝石と化したアバドンはなかったのだ。
「よいしょぉぉ──!!!」
一瞬で背後から斬りつけた。
ゆっくりとアバドンを下ろす。
「……流石にアバドンとヴェラムが危ない。アバドンは身体がボルツだけどカラータイマーはフォスフォティライトだから厳しい。ヴェラムも石化されて倒れたら粉々になる……ならっ!」
刀を地面に刺す。地面が緑色に輝き始めた
「ジェダイト!」
そう言った瞬間、2人が緑の光に包まれた。
ガーゴルゴンは慌てて光線を放ち、しかしその光線は撃てずじまいだった。
背後から、烏天狗のような男が立っていたからだ。
緑の光に包まれた2人は元に戻り始める。
「…………鳥天狗?」
2人の元に戻るには少々時間がかかるので、剣を地面から抜いて光はそのままにしておいた。2人の回復力によっては約3分で復活するだろう。
「……なに? あの鳥天狗」
刀を構えて警戒する。
「はぁー……ッ」
その烏天狗は喉を震わせ、唄った。
先程の光に歌が合わさり、二人が回復していく……!
「!? ……回復スピードが速くなってる……!」
これは驚愕だ。だけど、あの技には少し欠点があるのはあの鳥天狗にも分からない。
「ふぅー……アバドン、ヴェラム! めぇさましな! そこで寝っ転がってねえでヨ!」
その声は、やけに暑苦しかった。ちょうど、古橋のように。
「! この声は……なるほど。助かったよ! 古橋!!」
空を見て礼を言って、再びガーゴルゴンに向かって刀を向けて、言い放つ。
「お前は、ボクが、ぶっ飛ばしてやる。さっさと来なよ」
またガーゴルゴンを煽りよる。
ガーゴルゴンは怒りながら走り出した。しかし、烏天狗がバックドロップをぶちかます。
……そして、ここからガーゴルゴンに悲劇が襲うのである。
「よーく覚えときナ! 俺の名はベムラー人のジュウキチ! 地獄で『こいつには近寄るな』ッてお仲間サンに吹聴しとけ、このスットコドッコイ!!」
「相変わらずだね……古橋。でも、チャンスができたよ」
刀を再度構えると、刃が少しずつ透明な青色になる。
「この力には2人の怒りも混ざっているだろうね」
笑いながらガーゴルゴンを睨む。
拳が鳴った。
ボキボキと、アバドンが拳を鳴らしている。
その隣でヴェラムがベムラーのイマージュを解放、力を纏う。
ガーゴルゴンは慌てた。
「おやおや、起きるのが遅いよ2人とも。寝坊するなんて初めてじゃん♪」
楽しそうに2人に問いかける。少し煽っているようにも聞こえるが……やり過ぎたら2人にやられるぞー。
「久しぶりによーく寝たぜ! このツケは肉体言語で返さねぇとなぁ!」
「利子を3万倍にして返すとしよう」
溢れる殺意。ガーゴルゴンが怯む。その背中に無慈悲なタックル、そうジュウキチの仕業だ!
「おやおや……♪ 2人を怒らせたみたいだね。自業自得だ。それで2人とも……起きて早々に悪いんだけど、アイツの動きを止めてくれない? ……打ち首にする」
刃が完全な透明な青色になっている。トドメを刺したいかのように刀を構え続ける。
「いんや、まずはリンチだろ!?」
かつて何人もの悪党を殺してきたアバドンがにたりと嗤いながら言った。
「また宝石と石になって良いのかい?」
このウーマン……煽りよる。
「そのために……はァっ!」
ヴェラムがガーゴルゴンの目玉を摘出した。
ガーゴルゴンの視覚を奪い、そして石化光線すらも奪う。
さらにその目のあったところをイマージュセグメゲルの【マハラギ】で燃やし、復活を阻止。
「さあ、ガーゴルゴン解体ショーのはじまりや」
「一瞬で終わるよ」
一同はラピスを見失う。いつの間にかラピスは……ガーゴルゴンの背後にいた。
「お前なんか打ち首さ! アクアマリン・スラッシュ!!」
そう告げて刀を鞘に戻すと、ガーゴルゴンの首が取れてドサッと落ちた。
「あれ? 2人とも……ボクのこと見失った?」
しかしガーゴルゴン、ついにもう一度頭を生やす。
だがその目は腐食していて、石化光線は撃てなくなっていた。
「おいおイ! ラピスよォ! ちょっとは俺達も活躍してえンだヨ!」
ジュウキチが不満げに言うと、ラピスは言った。
「ぁ〜〜〜……忘れてたw」
おいウーマンよ。忘れるな。
「とっとと殺そうぜ! もう待ちきれないよ!」
兄が兄なら弟も弟、血は争えないようである。
「さあ、地獄を味わえ」
……ああ、無情。無慈悲なる攻撃である。
ジュウキチがガーゴルゴンの尾を掴み、投げ飛ばす。
その投げられた体をアバドンが巴投げ、そしてさらに一本背負い。
そこに追撃してヴェラム、イマージュベムラーの【ヒートライザ】でパワーやスピード、テクニックを全てぶち上げてからドーピング状態でのジャーマンスープレックスからのパワーボム、さらに駄目押しのみちのくドライバー
ラピスも刀を振り回して何度も斬りつけて手足を斬り落としたりする。
だけど……ラピスの様子が変。通常時間よりもうカラータイマーが鳴り始めた。
それを見越したかのようにヴェラムがイマージュベムラーの【メディアラハン】を使用し、ラピスを回復させる。
「おい、お前は投げないのカ?」
とジュウキチがラピスに聴いた。
「……やっぱあの力は負担がヤバイ……ん? あ、あぁ……やるよ。ボクも吹き飛ばして打ち首にしてやるさ」
回復してくれたおかげで調子良く動いているが、様子が変なのは変わらない。
「そう来なくちゃナ!」
そう言うと、ジュウキチは跳腰をぶちかまし、その上
その無防備な肉体をもちあげて、アバドンはフランケンシュタイナーで投げる。そしてその勢いを活かしてエースクラッシャーをぶちかます。
さらにヴェラムはエクスプロイダーを放ち、クロスファイヤーをぶちかます!
もう完全にプロレスだぁ────ッ!
そしてアバドンは放り投げると、その生身でラッシュを開始した!
「ベリベリベリベリベリベリィッッ! ベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリッ! ベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリッ!
吹き飛ぶガーゴルゴン。
「…………ふぅ……」
少し疲れてる顔を見せながらもなお3人に負けず、ゴモラの力を纏ってぶっ飛ばして見せた。
「はぁ……はぁ……はぁ……ごめん、3人とも……そろそろトドメを刺したい」
呼吸を荒くしながら伝える。
「おうともよ!」
アバドンが言った。
「アバドニック☆マジック!」
……ふざけてるようだが、正式名称である。正式名称が『アバドニック☆マジック』なのだ。
そのアバドニック☆マジックによりアバドンは四人に分身。各フォームへと変化した。
「……にしてもすげえよなラピスは! 一発で俺達の与えた蓄積ダメージを越えてったんだからよ!」
アバドンがしみじみと言った。
「はぁ……はぁ……はぁ……ありがとう。でも……アレだけじゃない。ボクがアイツを4枚切りにしてやるから。そしたら肉体を……光線で破壊して」
ゴモラの力でガーゴルゴンをもう一度吹き飛ばして空中で斬り倒し続ける。
「もう一回だ!!」
そう告げると再び刃が透明な青色になる。
「3人とも構えろ!!」
「あいよ!」
アバドンは光線の溜めに入る。
ヴェラムは息を吸い込んで、己の力を高めた。
そしてジュウキチは、足に力を込めて飛んだ。
「またこの力を食らわせてあげる!!」
一瞬でガーゴルゴンを斬り倒す。
「アクアマリン・スラッシュ」
そう告げて刀を鞘に戻すと、ガーゴルゴンが4枚切りにされた。
「おーちるぞー!!」
上から叫ぶラピス。言われた通り、ガーゴルゴンの4枚切りにされた肉体が落ちてきた。
アバドンは全フォームで胴体だったものの一つを狙った。
「アバディウム光線!」
「コンペキスマッシュ!」
「シンリョクスラッシャー!」
「シオンストライク!」
ヴェラムは、L字に構えてヴェラミックレイを放った。
「これでも食らって、死ね!」
そしてジュウキチは、頭に向けて脚を伸ばす。その瞬間、突風とともに彼は貫いたのだ。
「これで決める! 【クロウインパクト】ッ!」
ジュウキチの放ったクロウインパクトは、ガーゴルゴンを打ち砕いた。
ガーゴルゴンの肉体が爆発した
「…………倒れた」
ゆっくりと降りてくるラピス。
アバドンは一人に戻ると、ラピスの身体を支えた。
「はぁ……はぁ……はぁ……まさかあの力があんなに光エネルギーを使うとは……はぁ……はぁ……はぁ……」
アメシストから通常形態に戻る。相当疲れ果てているようだ。
「そろそろ戻ろう」
そう言うと、アバドンは変身を解除した。
「そう、だね……」
変身を解除して紗和になる。
紗和は、解除した瞬間そのままふらついて倒れそうになった。
「ッと」
慎太郎が支えた。
肇はガーゴルゴンを倒したことを喜んだ。
「あ、ありがとう……大丈夫。これくらいは……大丈夫だよ」
無理していそうな笑顔を見せる紗和。
正直なところ、久々の戦闘で相当疲労が溜まったんだろう。例の1週間で色々とやられていたというのもある。
「さ、とっとと飯食うぞ。腹減ってるだろ」
「…………うん……久々に……みんなと……食べ……た、い」
その場で倒れてしまった。起こしても反応が無い。
「……やれやれだ」
そう言うと、慎太郎たちは基地へと帰還した。
コメント等よろしくお願いします。