ウルトラマンアバドン【完結】   作:りゅーど

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放浪宇宙人 ガレド星人、ヴァイロ星人、生物機械兵器 バドリュード登場


ぶらぶら街を往く

 諸星慎太郎……ウルトラマンアバドンは、漸く日本国籍と戸籍を取り、大きめの家を買った。詳しく書くと長くなるので割愛。

 彼は街を散策していた。

 そうして行くうちに、違和感に気づいた。

 確か慎太郎の知っている地球は、より科学が発展しているはず。だが、ここは現代日本に近いのだ。また、ウルトラマンの存在はあまり知られていない。

 慎太郎は、総合的に情報を処理し、結論づけた。本来行くべき地球とは言い難い。

 そんな中、彼はいきなり異星人の青年を見つける。彼は笑顔の仮面を貼り付けていた。慎太郎は直感した。あの仮面は、確かガレド星人辺りのものだったはずだ。

 慎太郎が訝しげにガレド星人を見ると、ガレド星人は「っしゃ!! 俺の石になりやがれぇえええええ!!!」と叫び、殴りかかった。

 街に重たい音が響いたのは言うまでもない。

 

「お前、ふざけるのも大概にしろよ」

「ずびばぜんでじだ」

 慎太郎は睨みながらガレド星人に問うた。

「お前は誰だ?」

「俺の中のおr「人をおちょくってると蹴り殺すぞ」ごめんなさい」

 そこでArmour zoneを使うのは悪手だ。

「で、お前は誰なんだ?」

「俺はガレド星人のキリマ。アンタは知ってるよ。ウルトラマンアバドン、地球では諸星慎太郎って名乗っているんだろ?」

「……何故その名を知っている」

「ガレド星人の諜報戦士に『シグマ』って奴と『フキサ』ってのがいるんだ。そいつらからの情報さ」

 仮面の下でばちこりとウィンクをキメているキリマにプッツン来たのか、慎太郎はノーモーションで左のミドルキックを放った。

 肝臓に深々と入った。

「いでぇ……」

「調子に乗るな」

「いやまぁ……ね。そうじゃないとやってられんのよ」

「……なんでだ?」

「まぁ……俺の友人と共に三人でラーメンでも食いながら話そうや」

 そんなこんなで、キリマと慎太郎は、キリマの友人である『コリト』と共にラーメン屋へと向かった。

 

 おおー、いい匂いだ。慎太郎は心の中で呟いた。

 随分腹が減っていた。一応お金は残っていた。

 入るしかあるまいと思い、慎太郎はキリマとコリトの賛成を得てから店内に入った。

「いらっしゃいませ! 三名様ですね?」

 慎太郎達はカウンター席に座った。

「ご注文をお伺いします」

「俺はあっさり醤油ラーメンで」

「俺はこってり醤油ラーメン」

「俺は豚骨醤油ラーメン」

「承りました」

 慎太郎はあっさり味を、キリマはこってりを。そしてコリトは豚骨醤油を注文した。

 しばらく待つと、まず慎太郎に来た。

 慎太郎は麺を勢いよくすすった。

 旨い。

 麺自体のコシが強く、さらに縮れている為かスープもよく絡むことよ。さりとてしつこいほど多く絡ませるわけでもなく、ちょうどいい量のスープを絡ませてくれている。

 スープも美味い。「俺が主役!このラーメンは俺のステージだ!」と自己主張する訳でもなく、「いいよなぁ、麺は。どうせ俺なんかよ……」と卑屈になる訳でもなく、丁度いい具合に麺とスープで旨みの相乗効果を作り上げている。さらに具もいい。メンマシャキシャキ、チャーシューとろり、海苔はパリパリ。シンプルながら、具の三位一体。

 しかも小麦特有のいい香りまで鼻腔に入り込み、慎太郎は恍惚とした表情を浮かべたのであった。これこそが旨みの三乗だ。

 キリマはそのにやけたような表情の仮面の口のところから器用に啜った。

「うっま……」

「いいぞこれ……!!」

 そんな中、コリトは叫びたかった。

 

「俺の分のラーメンが、来ねぇ……!!」

 

 豚骨醤油は意外と時間がかかった。その分うまさもひとしおだったと後にコリトは語る。

 

 さて、腹の膨れた彼らは街をウロウロしていた。その時、慎太郎より先にキリマとコリトが気付いた。

「……!! 来るぞ!」

 慎太郎は身構えた。

 キリマとコリトは、突如現れたヴァイロ星人達を一掃した。

「燃えろ、雑魚がッ!」

 キリマの操る炎がヴァイロ星人を焼き払い、

「やるなら……加減はしない!」

 コリトの放つ氷が奴らを凍てつかせる。

「ヴァイロ星人ッ!」

「ぐ、ぅ……バドリュード……ッ!」

 最後の力を振り絞って、ヴァイロ星人はバドリュードを派遣した。

 ヴァイロ星人に呼応するように空から降りてきた怪獣は、バドリュード。慎太郎は人目のつかないところに走り、アバドンに変身した。

 

 戦闘開始。アバドンの放ったマッハ蹴りが上手いことバドリュードの人工知能のある部分にぶち当たり、その後は前蹴りで吹き飛ばされ、あとはアバドニックチャクラムを投げつけられて順当に爆発四散した。

 

 そう。バドリュードは弱い。

 驚くことなかれ、Ultraseven Xの個体は戦闘時間がたったの六秒。たったの6秒で殺される、言っては悪いがクソザコナメクジなのだ。

 

 だが今回は物量で攻めてきた。

 辺り一面バドリュード。砲撃がアバドンを襲う。

 アバドンは、空中へと飛んだ。

 

 追尾性の高い火炎弾等がアバドンを追いかけ、それと共にアバドンはスピードを上げる。その度に相殺されていき、アバドンは高速化しながらアバドニックチャクラムを何発も投げつけた! アイスラッガーのように飛ぶチャクラムを避ける事は出来ず、数多のバドリュードが爆散した。

 その中でもしぶとく生き残ったバドリュードが一体居た。アバドンは構えた。

 腹部に蹴りをあびせた。バドリュードは跳ね飛ばし、口元から超音波光線を放った。アバドンはステップで避けると回し蹴りをした。さらに勢いをつけて後ろ回し、そしてダメ押しのマッハ蹴り! 

 バドリュードは怯んだ。しかし体制を整えるや否や、アバドンの胸元目がけてミサイルを放った。

 アバドンはダメージを受け、仰け反った。その勢いを使い、前蹴りを放った。しかしバドリュードには当たらず、そのままラリアットされる結末に。

 アバドンは地面に倒れた。

 その時、ピコンピコンとカラータイマーが鳴った。

 アバドンのエネルギーは地球上では大幅に消耗する。これを防ぐには、戦う前に大量に食い溜めするしかない。

 トリコでいう「食没」のようなことをしてからでないと、長くは戦えないのだ。

 アバドンはカラータイマーを鳴らしつつ、バドリュードの頭にチョップした。そのまま貫手で関節を狙う。そのうちにボロボロになっていき、バドリュードは倒れる。

 アバドンは、倒れたバドリュードの上空に浮かび、アバディウム光線を照射した。

 瞬間的にバドリュードは消滅。逃げようとしたヴァイロ星人たちの円盤も焼き払われた。

 

 キリマとコリトは慎太郎の購入した家に暮らす事になった。

 慎太郎宅が騒がしくなるのを、慎太郎はどこか嬉しそうに、しかし儚げに見ていた。




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