ウルトラマンアバドン【完結】   作:りゅーど

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怪獣酋長 ジェロニモン
宇宙怪獣 エレキング
暗黒星人 シャプレー星人
核怪獣 ギラドラス
どくろ怪獣 レッドキング
光怪獣 プリズ魔
暗黒星人 ババルウ星人
古代怪獣 ゴモラⅡ
金属生命体 アパテー
金属生命体 アルギュロス
金属生命体 ミーモス
悪質宇宙人 メフィラス星人
ニセウルトラマンベリアル
ニセウルトラマンアバドン
ニセウルトラマンヴェラム
ニセウルトラウーマンラピス
ニセウルトラマンフラット/ニセ冨良斗真
ウルトラマンアバドンダークネス
ウルトラマンヴェラムダークネス
ウルトラウーマンラピスダークネス
登場

バッター 参戦


黄泉比良坂

 さて、前回一同は黄泉比良坂に足を踏み入れることを決定させた。

「……ここが……全ての原因が起きてる場所、か……」

「……おぞましい空気だ」

「……今までより強い謎の力を感じる。それでも……決めたからにはいかないとね」

 一同は、黄泉比良坂に足を踏み入れた。

「……なんだろう……荷が重く感じる」

 足をゆっくりと動かしながら進んでいく紗和。

 慎太郎は奏を庇うかのように進んでいる。

 一同の先頭で刀を握りしめながら警戒しつつ歩くのは肇であった。その隣で銃を構えながら溝呂木が歩いている。

「……ふぅ……」

 少し溜息を吐きながら進んで行く紗和。表情が少し……あの時のと似ていた。

 慎太郎は拳を握りしめた。

「……(なんだろう? ここに来たのがいけないのか。いや、来たからには覚悟を決めてるけど……なんだろう? 荷が……さらに重くなってる)」

 紗和の気分が少しおかしいが、耐えてゆっくりと歩いていた。

 僅かに笑い声がした。

 

 さて、一同は黄泉比良坂の道を進んでいた。

「……ッ、ちとこれはヤベェな」

「……ッ」

 溜息を吐きながら進んでいる紗和。時間が経つにつれて溜息をする回数が増えていた。

「無理すんなよ」

 古橋が紗和に告げた。

「!! ……うん、ありがとう」

「……へへっ」

「……ふふっ」

 いつもの笑顔を見せて安心させた。

 優しい光のようなものが二人の心に灯った気がした。

「…………道……長いね……」

「……だな」

 肇はイライラし始めた。

「……ループ? それとも……ゴールが見当たらない迷宮」

「……ループはしてない、多分長いだけだと思うわ」

 基町が言った。

「なるほど……それもそうですね。(でも歩くたびに……この頭の痛み……なに?)」

 たびたび紗和は頭を抑える仕草を見せる時があった。

 古橋はその度に紗和を心配した。

 それでも足を止めずに進んで行った。

「妬ましい」

 悲しい声がした。

「……え?」

 慌てて後ろを振り向いた。

 そこには何もいなかった。

「……気のせい?」

 冷や汗をかきながら足を進めた。

 次第に黄泉比良坂から黄泉の国へ向かうまでの道のりからは光が失せていった。

 歩くたびに溜息をする回数が増えていった。

 そんなに疲れているのか……何かが起きる前触れなのか。

 完全に闇に包まれた。

 そして、一同は周りが見えなくなった。

「…………?」

 そのまま進む一同。

 途端に光が満ちてくる。

「……(さっきよりかはマシになってきた……でも、何か嫌な予感がする)」

 歩きながら今後の状況を考察する紗和。溜息をする回数は少し減っていた。

 一気に大きな光が満ちた。思わず、みなは目をつぶった。

「ッ……ん?!」

 光の中、一瞬だけ何かを感じたようだ。

 それは苦しみの連鎖の始まりであった……

「………………え?」

 紗和が見渡した時、辺りには慎太郎と肇、そして己以外誰もいなかった。

「……古橋君に……隊長達は?」

「……どこ行った!? 奏! 奏ァーッ!!」

 慎太郎は叫んだ。

 返事はなかった。

「そんなに叫んでも返事が返ってこないなら……あの光の瞬間で……離れ離れになったってことだね。ウルトラ戦士と怪獣に分けられたって感じ……」

「……核落とさなきゃ」

 慎太郎の目が闇色に澱んだ。

「そ、それより……古橋君達を見つけなきゃ。あの光の瞬間で……嫌な予感がしたから」

「……だな」

 肇は冷静に言った。

 

 三人は奥へと進んだ。

「…………うぅ……(まただ。なんでさっきから頭痛が起きるの?)」

「……ぐッ」

「うぅ……ど、どうかした?」

「……ッ、頭が痛てぇ」

「…………同じ。ボクはここに入った時からずっと。でもここに来て……悪化してきてる。痛み止め薬はあるけど……飲んでも意味がなさそう」

 その時、一人の青年がよろよろと歩いてきた。

 青い髪の青年である。

「!? …………ねぇ……見覚えのある青年がいる……」

 青い髪に青い服を纏い、死んだ目で歩いている。

 彼の名は冨良斗真(ふらとうま)、またの名をウルトラマンフラットである。

「……なんでここに……冨良君が?」

「……助けて下さい」

 斗真はそう言うと、倒れた。

「え!? 冨良君……!?」

 駆け足で近づいた。

「げほっ、げはっ……!」

 斗真は咳き込んだ。

「冨良君……? どうしたの?!」

 そっと背中に触り、軽く摩った。

 斗真は、軽く首を振ると、ゆっくり立ち上がった。

「…………え?」

「……大丈夫です。それじゃあ行きましょうか」

「…………どこ、へ?」

「……この奥へ、ですよ」

 少し疑心暗鬼になりながら足を進ませようとした。

 

 道中は極めて平穏であった。

 どうやら、斗真は当たりの仕掛けを破壊していたようである。

「…………(なにも起きない分、少し怪しいけど……楽には慣れる。頭痛は治らないけど)」

 斗真曰く、この道は酷かったらしい。

「……」

 慎太郎は斗真を見ている。

 警戒しているらしい。

「……(彼、本当に冨良君だと思う?)」

 テレパシーで2人に伝えた。

「……(冨良は垢消ししただろうが)」

 慎太郎はメタ推理を元にテレパシーした。

「(メタいな〜君は。でも、やっぱり怪しい……さて、一か八かで色々と質問してみる?)」

「(やめとけ)」

 肇、冷静に告げる。

「(どうして?)」

「(今は泳がせておこうぜ)」

「(……分かった。そうするね)」

「……どうしました?」

「! うぅん、なんでもないよ。ボクらだけの話だから気にしないで」

「では行きましょうか」

「……はぁ……」

 溜息を吐きながら進んで行った。

 

 辿り着いた先は大きい広間であった。

「……ここは?」

「……おや、皆様居ないようですね」

「……みんな、いない?」

「……どうしてでしょうかね。最初『私』が見た時は居たはずなのに」

 ここで斗真はボロを出した。

「!! (2人とも、これは完全に……)」

 テレパシーで伝えた。

「(だな)」

 慎太郎は斗真を殴り飛ばした。

「うわぁっ!? ……っぐ、何故です慎太郎さ『ん』!!」

「君は今ね、ボロを出したんだよ。まず冨良君は『私』とは言わない。そして慎太郎のことを……」

「さ『ん』と自然に言った。アイツはさんを『さン』と表記するというキャラ設定がある……と諸事情で垢消ししたフラットマンに聞いたァ!」

 理由は聞かないであげてください。

「な、彼も設定ガバガバでしょう!?」

「メタいこと言ってないでさっさと正体を現せや!」

 横からツッコミを入れた。

「……チッ、この馬鹿どもなら騙せると思ったのに」

 ずず、と闇が斗真を包む。

「今さりげなくボクらをディスらなかった?」

 そう言いながら刀を取り出した。

 闇の斗真はウルトラマンフラットに変身した。

「……うぅ……苦手タイプの戦闘だ。やるしかないのは分かっているけど」

「どうせ斗真もフラットも等しくクズだしフラットマンは死んでいい人間だ! 殺すぞ!」

 慎太郎はウルトラマンアバドンに変身した。

「な、なんでそんなに怒る……?」

 隣で困惑しながらもウルトラウーマンラピスに変身した。

 肇は無言でウルトラマンヴェラムに変身した。

 アバドンはフラットの顔面に拳を叩き込んだ。

 フラットは仰け反り、その直後ヴェラムの回し蹴りで吹き飛んだ。

 ラピスは吹き飛んだその背後からかかと落としで脳震盪と起こさせた。

 フラットは地面に倒れた。

「……あれ? もう終わった?」

 フラットは起き上がった。そしてアバドンの首を絞め始めた。

 フラットならこんな事しないだろう。

「!!? アバドン!」

 アバドンを助けるためにアメシストになって絞めてる手を斬りつけた。

 その手は切り落とされ、復活した。

 黒い手であった。

「うぎゃァ!! 手ぇ! 手ぇッ!!」

「すげぇ罪悪感あるけどこの方法しかなかった……」

 罪悪感という感覚があるが気を取り直して刀を構える。

「貴様ァ……!」

 フラットの顔が禍々しく歪んだ。

「……だと思ったよ!」

 アバドンはとある黒髪の青年(ドローイングフラットマン)を手で潰して殺すと、フラットの偽物を睨んだ。

「今一瞬で罪悪感消えた。手を切って良かった」

 堂々とサイコパスのような発言をしたなこの人。

 その顔は歪み始め、やがてある星人に変わった。

「もぉーう許さん! 殺してやる!!」

 奴の名はババルウ星人。

「なんや、ババルウ星人か。すぐに終わりそう……」

 ババルウ星人はその腕の刃物でラピスの頸動脈を狙った。

 雷のように一瞬でその場から消えた。

「なっ!?」

 ババルウ星人は目視で探そうとした。

「どこを見ているの?」

 一瞬で目の前に現れて腕の刃物を刀で切断した。

「いやぁああああ!!!」

 ババルウ星人はうろたえ、その直後殴り飛ばされた。

「ドローイングフラットマン諸共地獄に落ちろ」

 ヴェラムの静かな怒りだった。

「すぐに終わって……つまらないかな?」

 逆刃刀で腹を殴った。

「ひぃいいい!! 生命だけは!!」

 ババルウ星人は命乞いをした。

「……どうする?」

 2人に問いかける。

「殺す」

 アバドンはババルウ星人を磔にした。

「あ〜〜〜……ドンマイ、ババルウ星人」

 めっちゃニッコリと笑って言った。

 その後は、うん……描写したくありませんでした……(唯一の良心)

「…………エグい」

 見物していた紗和はドン引き状態でした。

 物言わぬ亡骸とかしたババルウ星人。その死体を踏みにじり、一行は先に進んだ。

 

 階層が上がる。

「…………なんか本当に迷宮にいるみたい。まるで迷宮ラビュリントスみたい」

「……迷路か何か?」

「中に入ると出口が分からなくなるように造られた建物ではあるけど……まぁ、そんな感じでいいよ。出口が見つからない迷路……って、可能性もあるよ。戦闘より隊長達に会うのが苦戦しそうだ」

「……だな」

 慎太郎はエコーロケーションを発動した。

 慎太郎の圧倒的集中力と聴覚鋭敏化、なにより超広大な音響マップ。

 慎太郎の頭の中にマップが開かれる。

「……遠いな」

 慎太郎は掠れた声で呟いた。

「……ッ……(でも、この頭の痛みが治らない。戦闘の時は痛くなかったのに……)……遠い。完全に迷宮入りさせられたねボクら……」

「……ああ、これは……遠い」

 慎太郎の声がボソボソとし始めた。

「……ッ〜……」

 頭を抑えながら歩き続けた。

「……ここを右折だ」

 慎太郎はスタスタと歩いている。

「あ、う……うん」

 頭の痛みに耐えながら歩き続けた。

「……気を付けろ。何故か平坦に見えるが実際は違う。ピッタリ俺に着いてきな」

 慎太郎は小さな声で言った。

「……分かった。(封印が緩んでいる……確実に主犯がいるのは分かる。主犯はボクらをゲームの駒として見ているのだろうか)」

 1人で脳内で考察しながら歩き続けた。

 ジグザグとしている道を進み、慎太郎は先に進む。

「……はぁ……」

 歩くたびに再び溜息を吐く回数が増えた。

「……行くぞ」

「……うん、分かっているよ(この物語の主犯は……こんなゲームをやってボクらをどんな目で見ているのやら……)」

「……」

 進む一同。

「…………なにも起きなくて逆に怪しい……と思っているのはボクだけ?」

 沈黙が続いた数分、紗和が口を開いた。

「……嫌な予感がするぜ」

 肇は呟いた。

「……闇の力が強いよね。ここ……トラウマが蘇る」

「……おい、気を付けろ。このあとの大広間に、何かいる」

「……敵、なのは確定だね」

「……行くか」

 慎太郎はギリギリまで音響マップを開き続けた。

 そして、大広間の前まで案内すると音響マップを閉じた。

「……さっきと似たようなところだね」

「……少しまってくれ」

 慎太郎の喉は枯れている。

 慎太郎は虚空にジッパーを取り付け開き、そしてコーラのペットボトルを取り出した。

「……」

 慎太郎はそれを直ぐに飲み干し、呟いた。

「コーラは美味い(至言)」

「……うん、ボクもコーラは好きだから分かるよ。気持ちが」

 一瞬だけ間が空いてなにが言いたかったのか分からないが、笑ってそう言った。

「……よし、潤ったな。行くか」

「また怪獣がいるのは確定だね。無駄に光エネルギーを消費させないでよ……」

 慎太郎は大広間の戸をあけた。

 そこには、ウルトラマンアバドン、ウルトラウーマンラピス、ウルトラマンヴェラムの三人がいた。

「…………え? ボクら?」

「……何が起きた」

「……冨良君と同じ。偽者じゃない?」

「……だろうな! よし行くぞ!」

「自分で自分と戦うなんて変なの……」

 慎太郎と肇は変身した。

 紗和も変身をして、開始早々に自分を蹴り飛ばした。

 ラピスの攻撃で吹き飛んだにセラピスはタックルをした。

「いたぁ!! ……自分で自分を傷つけて、楽しいの、かぁ!?」

 そのまま上に向かって腹蹴りをした。

 にセラピスの体はまるで金属であった。

「いったぁ〜〜〜い……!」

 足をさすりながらもがいたがなんとか体制を整えた。

「いってて……偽者は金属製……待てよ? 確か金属のような怪獣がいたよね?)」

 にセラピスはその右腕をランスにした。

 金属生命体のアパテーであった。

「アパテー……! 金属生命体は物理効かないのがめっちゃ厄介なんだよ〜! ……でも、すぐに粉々にスクラップにしてあげるよ」

 ニヤリと笑ってスターダイヤモンドになった。

「アパテー……! 金属生命体は物理効かないのがめっちゃ厄介なんだよ〜! ……でも、すぐに粉々にスクラップにしてあげるよ」

 ニヤリと笑ってスターダイヤモンドになった。

「!?」

 アパテーは驚愕した。

「あれ? 知らなかったの? ボクの形態を……そこまでは把握済みじゃないってことだね! ダイヤモンドも高いんだから……!」

 突撃すると1発殴って吹き飛ばした。

 アパテーは吹き飛んだ。

「スクラップになる決意はあるかな?」

 目の前へ一瞬で現れてまた殴り飛ばした。

 アパテーは大きく吹き飛び、しかし体勢を持ち直した。

「背中がガラ空きだよ!」いつの間にか背後に現れてかかと落としをした。身体を破壊する威力だった。

 アパテーは砕け、しかしガラクタを取り込んで再生した。

「なっ……クッ……(破壊された瞬間に光線を放てばなんとか)」

 目の前で雷になったかのように消えた。

 アパテーはラピスを見失った。

「後ろだぁ!」

 背後に現れた瞬間、拳を握って吹き飛ばした。

 砕けた瞬間、すぐさま光線を放った。

 アパテーは蒸発して消えた。

 一方、アバドンである。

 アバドンは投げ技をしていた。

 これで九回目である。

 もうにせアバドンは……ミーモスはボロボロであった。

 それでもなお投げた。

 ……そして投げが二十回を超えたころ、ミーモスはアバディウム光線を浴びて死んだ。

 その頃のヴェラムは……お察しを。

 ペイル熱線でアルギュロスを撃破したのであった。

「…………はぁ……お疲れ。2人とも」

「おう」

 一同は変身を解除し、先に向かった。

「イッ……ッッ……はぁ……(ここにきてからずっとだ。何かの前触れ……? 考えるたびに痛みが増す……痛い)」

 

 光と闇は表裏一体である。

 

 さて、一同は一階層上に上がった。

 頭の痛みに耐えながらも足は止めずに歩み続けた。

「…………うぅ……」

 その階はだだっ広い場所であった。

「ひ……広いねここは。でも、広いからこそ……嫌な予感が増す」

「……来そうだぞ」

 慎太郎は身構えた。

 一同の目の前に、何かが見えた。

「……ねぇ……アレって、もしかして……」

「……なんでみんなが」

 慎太郎はめをうたがった。

 慎太郎は目を疑った。

「ど……どうせ……偽者に決まっているよ。さっきのボクらと冨良君と同じように……」

 こんなことを言ったが、何故か刀を構えた腕が震えていた。

 四名、敵に回った者がいた。

 そう見えたのである。

「ッ……!? なにが、どうなって……」

 一同は強制的に変身させられた。

「!? あ、あれ? ……スマホ、取り出してないのに……」

 いきなりの出来事で理解が追いついてないようだ。

 ジュウキチは雄叫びを上げてラピスに襲いかかる。

 カナはアバドンに襲いかかった。

 そしてサコミズとユナが、ヴェラムを襲った。

「え……?!」

 慌てて攻撃を軽々と避けた。

「ふ、ふる……古橋君? い、いや……その姿の時はジュウキチ……だった。ジュウキチ……君?」

 ジュウキチは何も言わず襲いかかった。

「ッ……!? ジュウキチ……君?! ボク、だよ!? 紗和……ラ、ラピスだよ!?」

 偽者だというのは分かっているが、決意が決めてないせいか攻撃せず避け続けた。

 ジュウキチの乱打は、しかし違和感があった。

「……? (今の乱打……)」

 攻撃を避け続けながら様子を見た。

 ジュウキチのその拳には明らかにおかしい点があった。

 いつもの技よりも()()()()のだ。

「(鋭い……まるで刃……かな? でも……上手くやれば倒せるかも。でも……攻撃をしようとすると)……ッ」

 目の前にいるのがジュウキチだからか……何故か攻撃をしようとすると腕が震えて避けることしか出来なかった。

 その時、決定的な《違い》にラピスは()()()()のである。

 何故ならば、()()()()()()()()()()()()()()()()()からだ。

「!!? (落ち着け……今の力は確かに……電撃! その動きならボクとは互角……! それなら……)」

 攻撃を避けた瞬間、周りの空気が揺れた。

 ラピスがトルマリンになったからだ。

 ジュウキチは躊躇わずにズームパンチで攻撃した。

 片手でそれを受け止めた。

「君が電撃を使えるなら……ボクのこの姿だと雷だから……効かないよ?」

 そのままはらって軽く腹パンをした。

 ジュウキチは軽く吹っ飛ぶ。

「あれ? そんなに強くやってないのに……」

 そのまま雷のように近づいて目の前に現れた。

 ジュウキチはズームパンチを連打した。

 軽々と全ての拳を避け続けた。

 隙が見えた瞬間……手のひらで腹を触った。

「……マハシマオンガ」

 全身を大感電させた。威力は上だった。

 ジュウキチは感電した。

「ごめんね……ジュウキチ君」

 そのままトドメとして首を斬った。

 ジュウキチの首がポトリと落ちる、そしてそれはふっと掻き消えるとエレキングの首に変わっていた。

「エレキング……だから拳に電撃があったのか!」

 ラピスは勘違いをしている。あれは拳ではなく尻尾の刺突なのだ。

「でも……ジュウキチ君に化けていた罪は、凄く重いよ?」

 少しピキってるようだ。そりゃそうだ。大切な人が怪獣に化けられていたのだから。

 一方アバドン、即座に気付いた様子。

 速攻で抹殺したところ、コオクスであった。

「……(とはいえ……エレキングの電撃、結構くるからこの姿は多少耐性はあるけど……尻尾が厄介だなぁ。切り落としてトドメを刺そうかな?)」

 戦闘中でも考察をする癖は相変わらずである。

 しかしエレキングは死んでいるわけで。

 一方ヴェラム、倒した結果はゴモラⅡとレッドキングであった。

「あ、そうだ。死んでいるんだった〜首を斬ったからね。うっかりしてた♪」

 満面の笑みでそう言った。何故かサイコパスみを感じて不気味であった。

 死体が消える、次は強豪ぞろいだ。

 プリズ魔に、ギラドラス。そして、マブゼ製のニセウルトラマンベリアルであった。

「うわぁ〜……これはマジで骨が折れそう。特にあのベリアルに関してはアバドン激怒だろうなぁ〜……」

 ギラドラスに至ってはシャプレー星人と同化している。

 アバドンはニセウルトラマンベリアルに挑み、ヴェラムはプリズ魔を相手取った。

「……あのギラドラスは……シャプレー星人と同化。……ふむ……」

 少し考えごとをしながらラピスはギラドラスの戦うことにした。

 ギラドラスは突進をした。

「突進したら足元を注意したほうがいいよ〜」

 足元から電流が流れて痺れさせた。

 ギラドラスは痺れたが、しかし同化しているシャプレー星人は意に介さずにメーサー銃でラピスを撃った。

「イッ……!」

 回避が間に合わず腕をかすったが、痺れて動けないチャンスを伺って雷のように前へ前進した。

 ギラドラスは痺れから開放される。その瞬間、猛スピードで突進した。

「うぉ……!?」

 慌てて避けた。いくら雷と同じスピードでも下手したら半芸をされる可能性があった。

「(互角……!? いや、そんなに早くはないはず……でもシャプレー星人の銃が厄介だ。どうしよう……)」

 頭上でギラドラスを見ているラピス。シャプレー星人に注意して戦う作戦にした。

 ギラドラスは口から光弾を放った。

 光弾を一瞬で避けて、そのまま頭にかかと落としをした。目を回させてしまいそうな勢いだった。しかも感電あり。

 ギラドラスは痺れ、脳震盪を起こした。

 この痺れの瞬間、目の前に現れてトドメの光線を放った。

 ギラドラス並びにシャプレー星人は爆死した。

「ふぅ……無駄な消費をしちゃったなぁ〜……」

 地面に降り立って自分のターンが終えたようだ。

 一方その頃のヴェラム。

 プリズ魔の体内に自ら潜り込むや否や、体内で核反応を起こして爆発四散した。

 プリズ魔はその過剰エネルギーにより死亡した。

 そしてアバドンだが……。

「ベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリ」

「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ」

 ニセウルトラマンベリアルと壮絶なラッシュの速さ比べをしていた。

「…………ふむ……?」

 2人のことを見物しながら変身は解除せず、1人で考え事をしていた。

「ブルー・フィーリング!」

 ブルー・フィーリングがベリアルを殴り飛ばす。あとはもう、お察しの通りだ。

 体にチャックがつきながらも攻撃を仕掛けるニセウルトラマンベリアルを、アバドンは仕留めにかかる。

「ベリベリベリベリベリベリィッッ! ベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリッ! ベリベリベリベリベリベリベリベリベリベリッ! УРАААААААААААААААААА(ウラァアアアアアアアアアアアアアアアアア)!!!! ベリベリベリベリベリベリベリベリベェッ! ベリベリベリベリベリベリベリベリッ! ベリィイイイッ!」

 拳をブルー・フィーリングと同化させ、ベリベリラッシュでニセウルトラマンベリアルを倒した。

「……アリーヴェデルチ(さよならだ)

「…………お疲れ、2人とも」

 2人に近づいてそう言った。

 だがまだ連戦は続く。

 一同の体力が吸われていく。

「ッ……あ、あれ……?」

「っぐ……! 俺たちが闇に飲まれる……!」

 ヴェラムから光が奪われた。

「あ゛ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

 アバドンからも光が盗まれる。

「ッ……っうぅ……! (似てる……あの時と同じ。やだ……やだ……!)やだぁ!! もうやめて!!!」

 そう叫んだ瞬間、光が一瞬で消えてしまった。

 光は奪われ消え去る。しかし彼らは何故か変身したままであった。

 一瞬カラータイマーが赤くなったのみで、あとはまた青に戻る。

 暗がりの中からあるものが現れる。

 一同は不意討ちをくらったが、しかし。

「聖なる怒りを食らうがいい」

 憤怒の声がして、その不意討ちをした存在は壁にめり込んでいた。

「(暗い。でも、何かを感じる。2人はどこ? 今の声は? この闇は……なに?)」

 ラピスの心の奥には恐怖に満ちていた。

「……起きろ」

 淡々とした声がした。

 ゆっくりと目を開け、声の主に顔を向けた。

 その青年は野球選手のような衣服をまとっていた。

「……(白黒の野球選手のような格好……片手にはバット)…………君は誰?」

「俺はバッター。俺は神聖なる任務を帯びている」

 バッターと名乗った青年は、淡々と告げた。

「バッター……神聖な任務?」

「俺は世界を浄化しなくてはならない。そのためにある所から派遣された」

「ある所……? 世界の浄化? ……君は、この世界を浄化するために来たの?」

「近頃高天原が穢れ始めたことに驚愕しまた悲しんだヨーロッパの神々は、俺を創造しこの高天原というゾーンに送り込んだ」

 バッターは感情の無い声で言った。

「な、なるほど……(多少……ボクが今やっていることと似ているかな? い、いや……敵の可能性もある。いや、でもなぁ〜……)」

 相手の話を聞きながら考察をしている。考察する癖は昔からである。

「……なら君も同じように、怪物を倒しに来たってこと? なのに……なんでこんなところにいるの?」

 それを聞いたバッターは、さらりと答えた。

「ここが穢れの温床だからだ」

「……そ、そっか。ボクもね、君と同じ目的でここに来たの。色々あったけどね……」

 なるべく警戒されないように笑いながらそう言った。

「そうか」

 バッターは冷淡に言った。

「ふむ……なら、その〜……迷惑じゃなければ、一緒にどうかな? ボクと君は同じ目的でここに来ているみたいだし」

「同行しよう」

「うん。よろしく」

 かくしてバッターを仲間に付けた彼らは、奥へと進んでいく。

「……(こんな人間が存在するとは……本来人間じゃないボクでも驚いたよ……)」

 バッターは進んでいく。

 一同はそれを追いかけた。

「(怪しいと思う? バッターのこと……)」

「(ババルウ星人のような胡散臭さはないな)」

「(だよね。でもババルウ星人の時とは違って……その〜〜……なんか匂うんだよね……)」

「(匂うってなんだよ)」

「(相手に対する匂いかな? さっきの金属生命なら鉄の匂いがする……とかね)」

「(……で、どんな香りだ)」

「(……ボクそんなに嗅覚は良くないけど……う──ーん……鉄とかの金属の匂いはしないね)」

「……(そうかい)」

 一同は、一階層上に向かった。

「(…………でも、この感覚はババルウ星人ではない)」

 テレパシーで話しながら考察の幅を広げていった。

 

 第四階層。

 そこにはジェロニモンが一匹居たのみだ。

「…………ジェロニモン……? (うわぁ〜怪しさMAX)」

「……ジェロニモンだけか」

 まだ変身は解いていない。

 アバドンは構えた。

「派手だから目立つね〜……(ジェロニモンが何故か1匹なのは怪しいけど……バッターが1番怪しい。この感覚は……)」

 バッターをチラ見しながら攻撃体勢に入った。

 バッターはそのバットをクルクルと回すと、かん、と地面に打ち付け、ホームラン予告のようにジェロニモンに向けて先端を見せつけた。

「裁きを受ける覚悟はいいか」

「……すげぇやる気満々…………ん? (今一瞬……バッターから……何か匂いがした。これは……何かを火で燃やしてる匂い? つまり……焦げの匂い?)」

 謎の違和感を感じたが、構えて相手の動きを待った。

 その瞬間、バッターはそのまま巨大化した。

 巨大フジ隊員を思ってくれるといい。

 ウルトラマンのようなポーズを取りながら巨大化したのである。

「……人間、なのかどうかは分からないけど……人が巨大化するの……あり得る? …………ん?」

 バッターの背後に白い輪が浮かび上がる。バッターはそれをアド-オンと呼称した。

「(バッターは……本当に……バッターなの?)」

 バッターに対する警戒がさらに増してこの違和感を感じ続けてるようになった。

 バッターは、アド-オンを召喚した状態で戦闘に入る。

「ウルトラマンはある宇宙で見た。あの女ウルトラマンのような雰囲気を感じた奴を……」

 バッターは戦闘前にそう呟いた。

「……(あの女? 奴?)」

 バッターの発言についてどういう意味なのか考え込んだ。

 その時である。壁のように闇が人へと変わった。

「!!? ……あれ、は?」

 背にとても悪寒が通るくらい身震いをした。

 それらはウルトラマンの姿を取っていった。

「……なに? まるで……(死人が蘇った(?)みたいな感じで……少し不気味)」

「……コイツ!」

「ああ、()()()()戦った野郎と同じだ!」

 ヴェラムとアバドンは察していたようだ。

「やっぱり……!? 倒したはずなのに蘇っ……バッター! 君は何かした!?」

「俺は関与していない。恐らくやつだ」

 ジェロニモンの方を向いた。

「……闇の純度100%の、ウルトラマンだろう」

 バッターは言った。

「……それもあるけど……バッター……どうして野球選手の格好をした君から、火の匂いがするの?」

「俺は穢れを燃やす火に属しているからだ」

 そう言って、バッターはバットに炎を宿した。

「……なるほど。さっきの火の匂いや何かを飛ばした時に焦げたような匂いの違和感はそういうことね」

「そんなことより、狙われているぞ」

「え? あ、ヤバ……」

 闇のラピスがラピスを狙う。

 ウルトラウーマンラピスダークネス、である。

「……自分で自分を殴るの……なんか色々と痛いなぁ〜もうっ」

 そう言いながらも1発殴った。力は互角のようだ。

 ラピスの各種能力を再現しているラピスダークネスは、アメイジングアメジストにフォームチェンジした。

「あん時と違ってチェンジ可能なの!?」

 驚きながらも自分もアメイジングアメシストになって刀を構える。

「何言ってる、お前居なかったろーが!」

 ……当時のラピスはお留守番である。

 なぜ忘れていた。

「な、何かと間違えたの──ー!! でもごめん!!」

 そう叫びながら倒し続けた。

「君はどのみち闇のボクであり……まるでコピーのようだと推測するね。なら……オリジナルを超えられるかな!?」

 闇がラピスを裂いた。

「ふぇ!? なんか怖い!」

 ラピスダークネスの攻撃である。

 ラピスダークネスはラピスの首を狙った。

「ッ……!?」

 神回避。そのままヒートブライトトルマリンとなって雷の力で満ちた蹴りをした。

 するとラピスダークネスもヒートブライトトルマリンにフォームチェンジ、ラピスを狙った。

「(ずっと首を狙うつもりかな? ……なら上手く行動しないと。でもほとんど力は互角……さて、どうしようかな?)」

 感電させても痺れさせれるが無意味ということが分かっていた。

 その時である。

 アバドンダークネスがラピスダークネスの所に投げ飛ばされた。

「…………え?!」

 いきなりの光景に驚いているが、気を取り直して構えた。

 アバドンはブルー・フィーリングで殴っていたのだ。

「自分がアバドンの巻き添えを喰らった……ww」

 笑っている場合ではない。

「アリアリアリアリアリアリアリアリ」

 ブルー・フィーリングのラッシュがアバドンダークネスを貫いた。

 アバドンダークネスはバラバラになった。

「(巻き添え食らってたけど……また動くかな? それともそのままバラバラになるかな?)」

 様子見を見ながら構え続けた。

 ラピスダークネスは左腕を失った。

「あ、利き手が……」

 チャンス到来したかのように飛んだ瞬間、足に雷の力を与えて顔面にかかと落としをした。

 頭部から感電させて全身が動けなくなった瞬間、トドメを刺す作戦だ。

 ラピスダークネスは爆散した。

「……チェックメイト♪」

 ラピスは嬉しそうにそう呟いた。

 その頃のヴェラムだが、ヴェラムダークネスと互角の戦いを繰り広げていた。

「……援護する?」

 隣でアバドンにそう言った。

 アバドンはそれを制した。

「…………(とはいえ……一体ここでなにが起きているの? 隊長達無事かな?)」

 ヴェラムはヴェラムダークネスを殴り飛ばした。

「…………」

 ヴェラムの様子を見ながら1人で考察をしていた。

 ヴェラムダークネスはそのままバッターのバットに吸い込まれるように飛んでいき、フルスイングで振られたバットにより頭部を砕かれて爆発四散した。

「……お疲れ様……」

 顔に少し疲労が見えるようになってきたラピス。

「……無理すんなよ」

「うん、分かっているよ。……とはいえ、連戦だしいきなり光が吸いとられるとかあれば流石に疲れてきたよ。ちゃんと警戒はしておくけど」

 そしてバッターだが。

 ジェロニモンを圧倒していた。

 アド-オンの攻撃により体をボロボロにされた挙句、重たいバットの攻撃で骨が折れている。

 バッターは無心で叩きつけている。それはしかし、悪意と言うよりかは一種の調理のようであった。

「…………バッターってアバドンとヴェラムより怖そう……」

 今2人に聞こえないくらいの小声で何かを言った。

 バッターはジェロニモンをバットで吹き飛ばした。

 ジェロニモンの魂は抜け出した。

 そのジェロニモンの魂を、バットで叩きのめした。

「……仕事の鬼」

 小声でそう呟いた。

 ジェロニモンの魂が救済され、浄化された。

「敵を浄化した」

「やり方が荒れているように見えるけど……そんなふうに浄化するんだ。……2人より怖そう……」

 その瞬間、光が充ちた。

 今の光が不思議そうに思いながらクイッと首を傾げたラピスであった。

 目の前には捕らえられていたハズのみんながいた。

「…………古橋、君?」

「……ッ! 奏ァッ!」

「隊長! 副隊長ッ!! 溝呂木ッ!」

「ッ……古橋君? 本当に……古橋、君!?」

「……っ、ここ、は?」

「ここは……その〜……階層を1つ上がった広間……といえば良いかな?」

「……そう、かい」

 古橋は立ち上がろうとした。

「なんで君たちはここにいたの?」

「……気付いたら囚われていた」

「……そっか。でも、無事なら良かった」

 そっと頭を撫でようとする。

「……ありがとうな」

 古橋は笑った。

「……なんとか合流できて良かった。でも……嫌な予感がするのは変わらない(頭痛が治らない……さっきよりマシになったけど……)」

「……無理しないでな」

「うん、分かってるよ……」

 とはいえ、先ほどの連戦のせいか少し疲労が増しているようだ。

 古橋は紗和の事を抱き締めようとした。

「!!? ちょ……流石にみんなの前で……」

「……いや、奏を見てみろ」

 見れば、奏は慎太郎に抱きつき、そして再開のキスをしていた。

「……よく人前で出来るなぁ……ボクは流石に恥ずかしい」

 顔を赤くしながらそう言った。

 バッターは、その風景を見つつ言った。

「このゾーンのボスを浄化しなくては」

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