インセクトタイプビースト バグバズンブルード
ダークメフィスト・ドライ
暗黒怪盗 アルセーヌ
ジッパー怪獣 ブルー・フィーリング
幻惑奏者 パレード
堕天銃神 フォーレン・エンジェル
断罪女王 マリー・アントワネット
登場
「……」
CET内はギスギスした緊張感に包まれていた。
「……(ようやく復帰したのに……ヤバイ雰囲気)」
かなり前、紗和は重傷だったがしばらく出番がなかった間に完治して復帰しました。それでも緊張の糸というのは切れずにいた。
「だいたいなぁ、あの時ケィアンは怪獣と闘ってたろ!?」
「何を言う。どうせ自作自演だ」
「なんで決めつけるんだよこの浄化バカ!!」
……それを見て、慎太郎は呟いた。
「……これだから人類は」
「……ケィアンから……闇の匂いは消えていたような……」
紗和は小声でそう呟いた。
その時、近くを通ったミズヤレハナのメンバーが紗和の方を向き、ギロリと睨みつけた。
そしてそのメンバーは小声で「ウルトラマンが殺さなかったからだ」と呟いた、その瞬間にそのメンバーは、古橋の放つズームパンチのラッシュで壁にめり込んだ。
「……ッ……(闇の匂いとは別に……別の何かを感じたような……誰も信じてくれないのだろうか)」
「ちょ、やめ」
「
ズームパンチがそのメンバーを葬り去ろうとし、途端に古橋は慎太郎のドロップキックで吹き飛んだ。
「るっせえんだよ殺すぞ」
古橋は吹き飛び、もんどり打ってそのあと地面に倒れた。
「……(うるさい……)」
紗和は1人でずっと考えていた。考えただけで頭痛が増しているようだ……
「はァ〜……」
慎太郎はどっかと座り込んだ。
「……(なにが起きて……いるの? ケィアンとは違う闇、そして今回のケィアンは守ってくれてた。ケィアンは……ボクは味方だと信じてる。だってあの日も……優作君、許したからね)」
自分の思考回路を回しながら考察を続けた。1人でずっと……
「……(とは言え、だ。よしんばケィアンが改心したとしても、あいつは人助けなんてするタマか?)」
同時に考察を続ける慎太郎、そのときだ。
『怪獣出現、ミズヤレハナチームは現場に急行せよ』
「……(ボクは、そう思わないよ。彼は……生きているの知ってるからね)」
そう言った後、立ち上がって準備をする。
「おい、俺らフツヌシチームだ。今回は違うぞ」
「……別の準備です。ちょっとした……気分転換」
そう告げて外へ出た
「おい紗和……ったく」
さて。
「……(あの方角からガルベロスが現れて、同時にケィアンも現れた。ケィアンは倒したはず……だけど、存在した。トレギアと同じ? いや……ボクの信じてるが、本当に?)」
紗和は外でガルベロスとケィアンが戦っていた方角を見て何かを考えていた。
そこには何もいない。
怪獣の気配もなかった。
「……(何もない、そりゃあ当たり前だよね。でも……あの方角から現れたんだ。てことは街外れに……)」
期待外れ、予測しているが可能性は低いということを分かっているかのような顔をしながらその場に座った。
「(闇の匂い……なかったのに)」
ミズヤレハナは海のエキスパートである。恐らく、今回の敵はチルカームの別個体だろう。
そう思い出した紗和は帰ろうとし、その直後。
「……!? (この気配、は……)」
紗和に何かに気づいて慌てながらその場を振り返った。
「ピギュイイグゥアア!!」
そこにいたのは、インセクトタイプビースト バグバズンが一匹、そしてインセクトタイプビースト バグバズンブルードの群体であった。
「!? なんで、ここに……!? (てかどこから湧いた!?)」
「ピギュイイグゥアア!!」
バグバズンは攻撃をしようとし、その時に現れたのは黒い悪魔──ダークメフィスト・ドライである。
「……メフィスト……?」
「……! なぜ紗和、あんたがここに!?」
溝呂木の声だ。
どうやら非番だったらしく、近くを通ったときにバグバズンを見つけいてもたってもいられなくなり変身したようだ。
「ピギュイイグゥアア!!」
「やるしかねぇか! ハァッ!」
「ただ、ここにいただけで……って言ってる場合じゃない! 援護する!」
紗和も戦いに参戦した。
バグバズンブルードは群体であった。
そしてバグバズンブルードは人間のサイズであった。
「人間サイズ……なら、やるよ! アルセーヌ!」
紗和はスマホを取り出してアルセーヌを召喚した。すごく久々に
「ハァッ!」
アルセーヌはようやくの出番だと言わんばかりに構えた。
その直後、フツヌシメンバーが到着した。
紗和は先にバグバズンブルードをアルセーヌと一緒に戦っていた。
「……(そろそろあの二人も出さないと可哀想だから……)」
慎太郎と肇はバグバズンブルードを相手取っていた。そしてバグバズンの方は、ダークメフィストが闘っていた。
ほかのメンバーは空中からダークメフィストの援護である。
「(数が多い……? 2匹と群体……こんなにいても流石に減るはず)……イダッ!!」
油断してバグバズンブルードの攻撃を喰らってしまったが立ち上がって攻撃を続けた。
慎太郎は回し蹴りで、肇は様々なイマージュで。
それぞれ数を減らそうとして、しかし一向に減らない事に気付く。
「(減らない……なんで!? 何体かは爆散したはずなのに)……出すか」
紗和は再びスマホを取り出した。
『承認!』
「久々にやろーか、フォーレン・エンジェル! そして……ようやく出せたよ、マリー・アントワネット!!」
紗和はフォーレン・エンジェル、そして新たな仲間のマリー・アントワネットが召喚された。
マリー・アントワネットは高天原で新たに手に入れた仲間であり、出す機会が無かったためようやく召喚することができた。容姿は高貴なドレスを着た妃のような姿だった。そのドレスは全体的に宝石が着飾れていた。
『我は心の海よりいでし者……光の皇女、マリー・アントワネット也……』
『我は心の海よりいでし者……暗黒の叛逆者、フォーレン・エンジェル也』
その時である。
「ッ……!? (一気に三体出したから荷が重かったか?)」
紗和はスマホを手にしたまま両手を見つめ始めた。
紗和の身体が、いや紗和だけではなく慎太郎と肇の身体すら光り輝いていた。
それもそのはず、この三名にも《叛逆の意思》が宿っていたからだ。
「この感覚……なんか久しぶりかも……」
紗和は少し微笑みながらそう言っていた。
「なんだこれ……まじでなん────」
突然、一同に頭痛が走った。
「うっ……! イッアァ……! (この痛み、この感覚……まさ、か……!)」
紗和はその場に膝をついて頭を抑え始めた。
「ぐっ、う……ぁああ……ッ!!」
「うぁあ……っ、ぐぅあ……ッ」
慎太郎と肇が呻く度に、辺りに衝撃波が走った。
「あ、ああ……っあぁ……ッ(でも……この感じ……初めてアルセーヌに会った時、フォーレン・エンジェルが現れた時と同じ……!)」
紗和は呻きながらもフラフラ状態のまま立ち上がった。
慎太郎も何とか立ち上がり、肇はそれに一歩遅れてすっと立ち上がった。
その直後、体が燃えた。
「ッ……うぅ……そういうこ、と……か……! 改めて契約だね……アルセーヌ達……!」
紗和はそう叫ぶと顔に水銀の色をした仮面がつけられて目が黄色になっていた。
慎太郎は無言で顔を触り、仮面があることに気づいた。そして、その仮面をひっぺがしながら、頭を召喚器で撃ち抜いた。
肇も仮面を剥がし、そしてその仮面をタロットカードと共に砕いた。
紗和は、仮面が顔に貼り付けられたかのように装着されていて、強引に外すと顔の皮膚が抉られて大量出血を起こした。その瞬間、青い炎に包まれ、服装が変わっていく。その姿はまるで……神出鬼没の怪盗のようだった。
慎太郎のそれは、正しく死と隣合わせの軍人。そして、その仮面は黒くベリアルのようであった。
「……って、なんじゃこりゃ!?」
慎太郎は驚嘆した。
「……ほう」
肇の服装は、どうやら学生服にも似たような姿形であった。
「これが……伝承にはあったな、イマージュ使いがさらに二段覚醒したという伝説」
肇は至って冷静にそう言った。
「なるほど……これこそ、ボクらの叛逆の意志、だね♪ お手並み拝見……いこうか!」
紗和は身につけられた外套を大きく広げると、中から近距離武器や短距離武器が収納されていたので手にした。ナイフと自分専用の銃を。
慎太郎は懐から九四式拳銃を取り出した。慎太郎にとって、九四式拳銃はイマージュ召喚器でもある。しかしそれ以上に武器なのだ。
慎太郎はブルー・フィーリングを召喚しつつ、バグバズンブルード向けて銃を放った。
「SHOWTIMEだ!」
紗和はそう叫んだ瞬間、ナイフで切り始めた。
近くで「ぴにゃぁああああ!?」やら「ぴゃああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!」等の
しかし、バグバズンたちはそれをかき消すような大声をあげた。
「!!? 今の悲鳴の人ってまさかだよね……!?」
「……気にすんな、どーせジェードがなんとかしてくれる」
「……なら、こっちで楽しむか♪ アルセーヌ【エイハ】」
アルセーヌは言われた通りに呪怨効果の【エイハ】を放った。
「よっしゃ、頼んだぞブルー・フィーリング!」
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁッ』
「パレード・ACT1!!」
『ヤイヤイと 人 人 人の目が君を見る』
さっきとは一転、バグバズンブルードは着々と数を減らした。
「マリー・アントワネット! 【テトラカーン】」
次々と技を発動させ、倒していく。
「パレード・ACT3……! 論理空軍!」
『夢に見た 再生の日へ 再開の日へ……ああああああああ!!!』
バグバズンブルードは着々と数を減らし、そして。
「ブルー・フィーリング!! 決めろぉ!!」
『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁッ!!!』
最後の一体が倒された。
そしてバグバズンも、
「フン、ハァッ! はぁああ……シュエア!!」
ダークメフィストにより葬られた。
その直後、ダークメフィストの背中を闇のエネルギー弾が襲った。
「メフィスト!?」
「っ、ははは!」
そこに居たのは、闇の巨人。
体は闇で包まれており、全てが見える訳では無い。
赤い目が爛々と輝いている。
「(あの闇の匂い、そしておぞましい魔力……)……アイツから……あの事件現場の匂いが……同じだ」
紗和の目は怯えているかのように泳いでいた。
「……まさか」
「そうそのまさかさ、おおっとまだ言うなよォ?」
「嫌だね。……ケィアンに濡れ衣を着せたのはてめえだったか。……正体見せな、チキン野郎」
「……何者なの? 君だけは……許せない。何故女の人を殺すの? 無意味なことは……やめようよ?」
「キヒヒヒ、んなもの楽しいからに決まってんだろ?」
「楽しくない! あんなの人の人生を壊したのと同じだ! この悪魔!!」
「悪魔で結構、こちとら……」
そういうと、みるみるうちに闇のベールが脱げていった。
「天下の大悪党、ダークフラツェル様ですからねェ!!」