死して尚生かされる元人間 ビーストヒューマン
火山怪鳥 バードン
登場
ウルトラウーマンラピス
初登場
「っ、おい、慎太郎……」
ある日、ガレド星人イチの武闘派のザックが血まみれで帰宅してきた。
「ッ! ザックどうした!?」
「す、まな、い……わ、我が、不甲斐、ない、ば、かりに……」
「っどうしたァ!」
フキサが躍り出た。さらに薬に精通したツォーキと、
「外を、歩いていた。そした、ら、急に、斬、斬られ、た……」
「……!! クレー! この傷には何が効く!?」
薬草の中を漁り、クレーは見つけるや否や、
「こいつだ! ハイパーヨモギとマイディスイカカズラ!」
だいたいこんなことを言った。
クレーから受け取ったツォーキは、それこそまさに加護があるのではと疑うほどの速度で調合。止血剤を作り上げた。
「よし……これで止血ができるんだな! ……止血剤完成! フキサ!」
止血剤は試験管に注がれている。患部に調合された薬が塗られる。
慎太郎はそれを見ながらアバドニックヒーリングのための念を練った。アバドニックヒーリングにより傷はなんとか塞がったが、出血多量のせいでザックは昏睡状態に陥った。
「……っ、ザック……」
自責の念に駆られ、慎太郎は涙を流していた。
「自分を責めるな、慎太郎」
ガレド星人最強とも謳われる男、ミュローが慎太郎の背をさすった。
「俺が、俺が伝えら、れな、なかった、から……ッ」
「……誰しも落ち度はある、だから大丈夫だ。今回はザックも不意討ちだった。君に責任はない」
「……ッ!」
嗚咽混じりの泣き声は、部屋の中に静かに消えた。
慎太郎は飯を作るためにキッチンに向かった。冷蔵庫を開いた。
……買いだめした食糧がない。
張り紙があることに気がついた慎太郎は、プチッときた。
『貴方のご飯頂戴しました フランツ』
食い物の恨みとは恐ろしいもので、慎太郎は誹謗中傷の被害への恨み、ザックの仇、そして飯の恨みという三つの恨みを抱いた。
慎太郎はチームの基地に行った。
慎太郎は、基地のトレーニングルームにこもった。
一人、サンドバッグを蹴り続けた。或いは殴りつけ、頭突きをした。
(強くならなきゃ強くならなきゃ強くならなきゃ強くならなきゃ強くならなきゃ……)
慎太郎は雑念をぬぐい去る為に蹴り続けた。
(俺が強かったらいやしかし勝負の世界にたらればはないだからそんなことは考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな今はザックを半殺しにした奴を殺す為にやらなきゃならないから余計な事は考えるな考えるな考えるな考えるな……)
もはや狂気じみている。そんな中、出動要請が出た。
『
現れたのは巨人。
黒く、冷ややかな目、それに鬱になりそうなオーラ。
ダークフラツェルである。
少しずつ恐怖に充ちていく空間に、一足先に立つ少女がいた。宝星である。
宝星は腹部にバックルを召喚し、スマートフォンのアプリから『変身』を起動。バックルに翳し、認証してから差し込んだ!
『認証! ウルトラウーマンラピス!』
どこかレイモンやレイブラッド星人にも似た姿、胸のスターシンボル。彼女の名はウルトラウーマンラピス。宝星紗和の正体だ。
ウルトラマンアバドンが来る前から戦っていたようで、闘い慣れはしている。
ウルトラウーマンラピスは、飛び蹴りから入った。
「たぁっ!」
顔面直撃、しかしダークフラツェルは手を翳すと闇の波動を放った。
「うわぁぁあ!?」
闇の波動を浴びたラピスは吹き飛ばされた。
「ぐっ、あ……!!」
ラピスはどうしてもダメージに弱い。そして他者の悪意にも。
「でぁぁあ!」
ラピスのパンチとキックが炸裂する。
しかしダークフラツェルの顔は変わらず、むしろ愉悦に浸っているようにも思えた。
「効いてないの!?」
ラピスがイライラしながら回し蹴りをした。しかし平手で飛ばされると、さらに腹パンされる。
「がっ、あっ、う……」
ラピスはバトルナイザーを起動した。
「……バードン!」
『認証! バトルナイザー・モンスロード!』
ラピスのバックルが光り輝く。それと同時に、バードンが姿を見せた。
バードンの隣に立つラピス。ラピス達は駆け抜けた。ダークフラツェルの腹部に深深と刺さる嘴。さらに猛毒が流れ、体が動かなくなる。その直後頭部に走る衝撃。ウルトラウーマンラピス渾身のカカト落としだ!
バタと倒れるダークフラツェル。整えるために立ち上がった瞬間、また地面に倒れた。ラピスのスライディングだ。
さらにバードンのボルキャニックファイヤがダークフラツェルの頭を燃やす。
ついにプッツン来たダークフラツェルが、バードンに強烈なドロップキックを炸裂させた。そして、ラピスの首を絞め始めた。
その時、慎太郎たちが到着した。
慎太郎は、「何やってんだよあのウルトラウーマンは!」と心の中で怒った。しかしどうにもならないと思い、援護に向かう。丁度狙うは股ぐらだ。
「ガキ産めねぇ身体にしてやるよ、闇の池沼がよぉ! 死ねやぁぁあ!」
ランチャー砲がダークフラツェルの下半身に全弾命中。空からは大量の爆弾が落とされ、ダークフラツェルは思わず手を離した。
ウルトラウーマンラピスは首を抑え、深呼吸をする。ちょうど、バードンが戻ってきた。
「ちぃ! 忌々しいヤツらめ! こうなりゃ仕方が無いか……行け! 我が眷属よ!」
飛び出たのは一般人。どれもこれも目が虚ろで、「ダークフラツェル様マンセー!」「チョッパリ失せろぉあ!」「死ねやぁぁあ!」と口々に叫びながら襲いかかる。
「ははは! ビーストヒューマンよ、私を守れ! こうすれば攻撃できまい!」
ダークフラツェルは、ビーストヒューマンを人質とした。
ウルトラウーマンラピスならびにバードンは攻撃できなくなった。CET(防衛チーム)メンバーも同様だ。しかし……
無慈悲で冷徹な発砲音。
慎太郎だけは、憎悪をあらわにしていた。
「おまえか? 俺の誹謗中傷を画策し、拡散したのは」
「はは、そうだ! それのどこが悪いんだウルトラマン!」
「……とんだ池沼だなお前。当て字にすんのもやめたわ……この知障がぁ!」
慎太郎は、恨みを込めて鉛玉を撃ちまくった。
脳漿が飛び散り、慎太郎は心地よくなってきた。
「貴様! ウルトラマンだろ、なぜ人を殺められる! しかも私の眷属を!」
「簡単さ……お前がそれをやられても仕方が無いことをしたからだぜ? ダークフラツェル!」
慎太郎の我慢は限界だった。
慎太郎はベータカプセルに酷似したペンを作り出すと、ウルトラマンアバドンに変身した。
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