火山怪鳥バードン
登場
ウルトラマンアバドンの目は怒りに燃えていた。
ウルトラウーマンラピスの顔は苦しみと怒りの狭間にいた。
バードンは怒りの咆哮を上げた。
ダークフラツェルは愉悦の笑いを上げた。
「冥土の土産に教えよう! ウルトラマンアバドン、君への攻撃を画策したのは私だ! それで私の囲いを使い、君たちへの攻撃をしてもらったのさ!」
「……ザックを瀕死にしたのもお前か」
「ご名答! 殺したと思ってたのだがね!」
「……てめぇ相当なクズだな。粗大ゴミは即刻捨てなくちゃ。てめぇみたいな資源にもならないゴミクズは、俺がこの手で破壊の限りを尽くしてやるぜ!」
「私も許さない! アバドンへの中傷したこと! 生きてることを後悔させてあげる!」
「おいでご覧? 少年少女!」
「悪ぃが俺ァ14万3000歳だっての!! 死ね池沼がよぉオラァァア!」
ミドルキック、ハイキック、ローキック。アバドンの怒りが技となって外に出る。
「『ポイズンスプラッシュ』!!」
バードンの毒液が炸裂。ラピスの能力である『猛毒』である。
「バードン! ボルヤニックファイアをぶちかましたげて!」
咆哮を上げ、ボルヤニックファイアを浴びせるバードン。さらにそこに掌から可燃性の液体をぶちかましたアバドン。
ダークフラツェルの頭に可燃性の液体がかかった直後、ボルヤニックファイアが直撃。ダークフラツェルは見事ファイアーヘッドとなった。
「っぁ! 熱っ! ちょ熱っ!」
「もっと燃えるがいいや! てめぇはSNSも現実も燃え盛るのが一番だ!」
「っ! 黙れ若造が!」
「だから俺は14万3000歳だっての!! 殺すぞ
「……もっと燃やしたげて、アバドン」
「あいよ! 燃えろ燃えろ燃え盛れ! 焔の中で悔い改めよ! 地獄の焔に髄まで焼かれてしまえ……!!」
アバドンは可燃性の液体をどばどばと放出した。炎に近づけ燃えた瞬間、猛毒を纏わせたアバドンの拳がダークフラツェルの腹部に突き刺さる。
先程バードンが刺し貫いた傷痕である。先程の猛毒+拳に付着した猛毒、そして何千度もの超高熱火炎。
毒と炎が合わさって、ダークフラツェルが苦悶の表情を浮かべる。それと同時に、アバドンは愉悦の表情を浮かべるのであった。
「っ、ぐぉあ……私、は……! ザギ様、に! 造、られた、ウルティノイドの、第一号だぞ……っ! 一番、上なのに……っ!!」
「知るかよ、このクソッタレがァ! コンクリートに詰めて惑星シャオンに沈めてやるからな!」
惑星シャオンとは、海洋惑星のひとつ。もちろん読み手諸君の世界には恐らくないであろう架空の惑星である。
つまりはコンクリートに詰めて海に沈めてやる、というサイコパス極まりない発言をしたのだ。アバドンは、どうやら人の心、と言うよりかはウルトラマンとしての優しい心を忘れてしまったらしい……
アバドンは、ダークフラツェルの顔面にパンチをした。何度も何度も、馬乗りでパンチをした。
ダークフラツェルは光弾を撃ってアバドンを退ける。そしてドロップキックを炸裂させた。吹き飛ぶアバドン。ダークフラツェルはバードンを睨み、アッパーをした。綺麗に後ろに倒れるバードンの腹部を踏み付ける。
ラピスが後方から光の刃を作り、ダークフラツェルの身体を斬り裂く。血のように吹き出る闇が、どうも気持ち悪く思えた。
ダークフラツェルは思わずバードンから足を退けた。バードンは回転しながら離れた。
アバドンは復帰した。
アバドンはカロリーメイトを一口で飲みこみ、エネルギーに変換した。
ダークフラツェルは、立ち上がったバードンのボルヤニックファイアで燃やされた。
ダークフラツェルはそれでもなお腕を横に水平に開き、闇の破壊光線である『ダークレイ・ジェプローム』を放った。
しかしそのダークレイ・ジェプロームも、ウルトラウーマンラピスが額のビームランプから放った『プラニウムスター』という光線と、バードンの放った『ボルヤニックバースト』、そしてウルトラマンアバドンが腕をL字に組んで放った『ノワールブラッドレイ・シュトローム』という光線によって相殺された。
ダークフラツェルは今にも倒れそうだ。
ウルトラウーマンラピスは体の前で腕を交差させると、おもむろに開いて両腕に力を込め、精神を統一した。左腕を引手にし、右腕を伸ばす。そして腕を十字に組んで、必殺光線の『スターサファイアナイト』をダークフラツェル目掛けて照射した。
同時にバードンは体を赤く燃え上がらせ、猛毒と炎をそれぞれ融和させる。ドロドロと渦巻く毒付きの炎が口腔内にびっしりと溜まった瞬間、バードンは『ボルヤニックポイズン・クリティカルシュート』をダークフラツェル目掛けて照射した。
そしてアバドンはぐっと拳を握りしめ、精神を統一した。体の赤いラインが赤黒く輝く。右拳を天に掲げ、左拳をだらりと垂らす。そして平手にし、エネルギー波を充填。十字に組んで、アバドンは『アバディウム光線(アンチウルトラマンタイプ)』をダークフラツェル目掛けて照射した!!
ウルティノイドも見方を変えればウルトラマンである。
スターサファイアナイトが身体を襲い、ボルヤニックポイズン・クリティカルシュートが体を焼きながら毒で蝕んでいく。苦しみに耐えようとした瞬間、アバドンの撃ったアバディウム光線(アンチウルトラマンタイプ)が抉りながら体を貫いた。
ダークフラツェルは泣きながら死亡した。
亡骸は晒し首にされ、SNSでアバドンを誹謗中傷したアカウントの住所も全員特定された。
「……あんたがウルトラウーマンラピスか」
「……そうだよ慎太郎。私、宝星紗和がウルトラウーマンラピスの正体さ」
「けっ、ここにもウルトラマンがいたとはな」
「なんだと、私より遅く来た割には偉そうだね」
「……うっせ。殺すぞ」
「わーころされるー」
「……ふっ」
「……あははっ!」
その日、二人のウルトラ戦士が互いの手を握り締めた。
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