機動戦隊アイアンブラッドサーガー悪魔と少女と機甲ー 作:野生のムジナは語彙力がない
(主人公は三日月ですけどね)
というわけで第1話です。
アイサガで一番好きな機体はデイアストです。超改造はやくっ!
第1話:悪魔のプロローグ
ねえ、オルガ……
次はどうすればいい?
あと何人殺せばいい?
次はどこに連れて行ってくれるの…?
……いや、もう分かってる。オルガがもうここにはいないってことは
……でも
機動戦隊アイアンブラッドサーガ
第1話:「悪魔のプロローグ」
アフリカのとある戦場
火の手が上がる市街地、そこかしこに機能を停止した機械の骸が転がっている。
勝敗は決した。しかし戦場は、未だ重砲から放たれる轟音で溢れていた。散発的な戦闘が続く以上、戦闘の完全なる決着はまだ先の話だということは誰の目にも明らかだった。
市街地の中央、元々は市場だったであろうその場所でも同様だった。
今、一機の銀色の巨人がその巨体には似合わない圧倒的なスピードをもって道路を駆け抜けている。その進行方向には小型の機体、数は三機、人体標本のような形をしたそれは右手に保持したマシンガンを巨人へと向け、発砲する。
旧時代の戦車であれば既に五台は大破に追い込んでいるであろう。しかし、その連射を前にしても銀色の巨人はひるむ様子すら見せなかった。
弾丸を難なくかわし、多少の被弾は左腕に装備した盾で弾き、銀色の巨人はあっという間に三機の人型の中心に飛び込み、右手の刀で……一閃。
回転切りにより三機の人型はほぼ同時に機能を停止、胴体がゆっくりと下半身から離れ、戦場にその屍をさらす。
白い巨人はそれが見慣れた光景であるかのように、横たわるスクラップを一瞥すると刀を鞘に納めた。
「そこまでだ!」
それが戦場に姿を現わすのと、そんな声が響き渡ったのはほぼ同じタイミングだった。
銀色の巨人は顔を向け、メインカメラの中央にそれを捉えた。
まるでショベルカーに巨大な腕を生やしたような機体がそこにいた。黄色と白のコントラストがいかにも工事現場の雰囲気を漂わせている。
「反ワカ同盟軍遊撃隊……それに民間重機……か?」
次の瞬間、無機質な銀色の機体から突然男性の声が響き渡った。当然のことながら、この声は銀色の巨人が発したものではなく、正確には巨人に搭乗するパイロットの声だった。
銀色の巨人は腰に装着していたライフルを取り出して構える。
「おっと、動くなよ?」
その瞬間、周囲の民家の陰に潜んでいたのであろう、先ほど沈黙した人型と同型の機体がマシンガンを構え、銀色の巨人を取り囲んだ。その数は13機、中には盾を持った機体も存在している。
「一丁だけじゃあ豆鉄砲みたいなこれでも、これだけ数を揃えりゃアンタだってタダじゃ済まない……さあ、武器を捨ててもらおうか!」
銀色の巨人の包囲を指揮する巨大な重機の外部スピーカーからそんな声が聞こえた。
「女か……」
やや高めのそんな声を聞き、銀色の巨人のパイロットは自機のマイクに捉えられないよう小さな声で呟き、それから茶色い木片のような何かをおもむろに取り出し、口に咥えた。
「おい!武器を捨てろ!」
いくら待っても武器を捨てようとしないことに苛立ったのか、重機はアームを持ち上げてミサイルの射線上に銀色の巨人を捉える。
その射線上には、自分を包囲している人型機まで含まれていることには気づいていないことから銀色の巨人のパイロット、ベカスは木片のようなものを咥えながら小さくため息をついた。
(使っているのは工業重機に偽装した機体……武装はミサイルを搭載した二本のアーム、火力を見れば立派なBMではあるが……パイロットは……)
シロウトだな……と思いかけて、ベカスは止める。戦場では小さな判断の誤りが取り返しのつかない事態に発展することもあるということを知っていたからだ。「戦場では、常に最悪の事態を想定して行動すべき」ベカスはかつての隊長がよく言っていた言葉を思い出した。
「なあ、もう無駄なことはやめにしないか?」」
ベカスは機体越しに敵の女パイロットへと呼びかける。
「?」
包囲されておいてまさかそのようなことを言われるとは思いもしなかったのか、重機のスピーカーから疑問を含んだ息が漏れた。
「包囲されておいて、どの口が……この傭兵め!私たち反ワカ連盟を見くびってるってわけ?」
「そんなことはないさ。オレが見くびっているのはご時世そのものさ」
付け加えるようにして、ベカスは続ける。
「一つ、教えておいてやる」
ベカスはライフルを下ろし、高らかに喋り始める。
「戦場では、常に最悪の事態を想定して行動しろ。一つの油断が命取りになる」
隊長から教わったそんな言葉を、ベカスはさも自分の言葉のように告げる。それは常に戦いに身を置く兵士なら誰もが本能的に理解している言葉だった。……が、ベカスの挑戦的で堂々とした物言いも影響してか、一介の整備士に過ぎない敵パイロットの心を揺さぶるのには効果的だった。
「ッ」
途端に、ミサイルの銃口を向ける巨人の動きが変わった。外見的にはあまり変化はなかったが、どことなく周囲を警戒するような気配を見せた。
それに伴い、配下の人型機も銃を向けたまま、視線を移動させるような気配。
「……はぁ」
ベカスはその様子に呆れたようにため息をついた。その気になればいつでも剣を抜いて包囲網を一蹴し、重機に飛びかかってパイロットを殺すこともできた。
最初の時点で敵の罠に自ら突撃したように見えるが、そもそもベカスは機体に搭載されているレーダーで既に周囲の状況を把握していた。それでもなお、包囲の中に自ら進んで飛び込んだのは戦果に目が眩んだわけでもなく、死に急いだからでもなく、銀色の巨人が持つ特別な防御システムがあったからだ。
「な…何もないじゃないか」
しばらく身構えても何もないことを知った重機のパイロットは、ベカスの機体へとミサイルの照準を補正した。
「なあ、もう止めておいたほうがいいんじゃないのか?」
ベカスは相手を宥めるようにそう言った。
「うるさいっ、アタシをおちょくりやがってッ!このっ……やれ、お前ら!」
その言葉に人型機たちが反応し、マシンガンの引き金が引かれ……
直後、轟音と共に戦場は黒い爆炎に包まれた。
「なっ……!?」
銀色の巨人の周囲で次々に爆発が起きる、その爆発に巻き込まれた人型機たちは軽装甲だったこともあり、一瞬にして原型をとどめないほどに破壊された。
重機のパイロットはその光景に目を見開いた。
「だから言ったろ?もう止めとけって」
ベカスの放った一言に、重機のパイロットは銀色の巨人の攻撃によるものと推測した。が、実際にはベカスの機体は指一つ動かしてすらいない。
すると、重機の前でベカスを包囲していた人型機が爆発で半壊した機体を震わせながら、KO寸前のボクサーのような足取りで立ち上がった。左腕を失いながらも一機だけ生き残った人型機は、ベカスの乗る機体へとマシンガンを向ける。
「六番機!上だッッッ」
そこでようやく攻撃のトリックに気づいた重機のパイロットが声をあげた。六番機のメインカメラが上を向く。
「……ッッッ」
六番機のメインカメラには、自分の真上に降り下される鉄の塊が反射していた。
ーーーーー
次の瞬間、先ほどの黒煙とは違い今度は茶色い土煙が戦場を支配した。
「六番機……?」
土煙が少しだけ晴れ、重機のパイロットは先ほどまで六番機と呼ばれた人型機が立っていたところに、巨大な鉄の塊が突き刺さっているのを目撃した。
「おい……やりすぎたろ」
「そう?別に……普通でしょ」
煙の中から、そんな声が響き渡った。
地面から巨大な鉄の塊がゆっくりと引き抜かれると、そこには無残にも潰された六番機の姿。鉄の塊からは、ひたひたと何かの液体が滴っている。
「ひ……っ」
そのおぞましい光景に、重機のパイロットは悲鳴をあげる。
「コイツは、武器を持った。つまり、そういう覚悟があるってことでしょ?だから殺らなきゃ、こっちがやられる」
そんな言葉を響かせながら、砂煙に覆われたその機体は鉄の塊……メイスの先端を地面に突き刺し、顔を上げた。
モスグリーン色のツインアイが、次の獲物を探すかのように輝く。
砂煙が完全に晴れると、そこには二機の巨人が佇んでいた。
一機は銀色の巨人。そしてもう一機は、白を基調としたトリコロールカラーで、ツインアイとvの字に割れたアンテナが特徴的な巨人だった。銀色の巨人はビーム属性の剣とライフルという最新鋭の武装をしているが、それとは対象的に白の巨人は左腕に装着されたロケットランチャーとメイスという、原始的な装備をしていた。
「まさか、上から降ってくるとは思わなかった」
「ちょうど上に来たから飛んだら乗れた」
「上に来た?何がだ?」
銀色の巨人が上を見上げる。
「さっき俺たちのことを狙ってた爆撃機。……こっちが空を飛べないって油断してたみたいだから落とすついで乗ってきた」
白色の巨人が目を向けた先、銀色の巨人のスコープがこの戦場から数キロほど離れた場所にある平野に墜落した爆撃機の残骸を捉えた。
「ああ……あの爆撃機ね。って、三日月……お前……」
「別にいいよ、アイツは……死んでいいやつだったから」
呆れたような声を発するベカスに、三日月は淡々と答え、それから目の前の重機へと目を向けた。
「コイツも……やった方がいい?」
「……!」
それが自分のことを言っているのだと、重機のパイロットはすぐにわかった。
「いや、そいつはいい。適当に武装解除して転がしておけ……」
「わかった」
三日月は二つ返事でメイスを引き抜き、重機へと近づく。
「いやあああああああああああああッッッ!来るなぁぁぁぁッッッ!」
重機のパイロットは悲鳴をあげ、アームミサイルを発射した。
「チッ……」
当たれば自分もただではすまないような、至近距離で放たれた攻撃を三日月は舌打ち一つしてあっさりと回避した。しかし、その背後にはベカスの銀色の巨人。
「おい……三日月」
流れ弾が銀色の機体に直撃……すると思いきや、ミサイルは機体の手前で壁にでもぶつかったかのように潰れ、勢いをなくし、甲高い音を立てて地面に転がった。
これが、銀色の巨人が持つ未知の防御システム「FSフィールド」だった。
「……ごめん」
「いや、流れ弾なんてここじゃ日常茶飯事だからな。気にするな」
そうしている間も重機の攻撃は続いていた。連続して飛来するミサイルを三日月は避けるか、メイスで弾くなりして冷静に対処する。
「うるさいなぁ」
避けるのに飽きたのか、さらに飛来してくる弾丸に対し三日月はメイスを地面に突き刺し、棒高跳びの要領で飛び上がって回避する。そしてそれは反撃への布石だった。
空中で機体のスラスターを噴射、姿勢制御、微調整……機体が落下し、目的の地点へと着地する。
「!?」
「ゼロ距離なら!」
着地したのは重機の目と鼻の先だった。ミサイルアームは可動域が狭く、パイロットがいくらアームを操作しても射角は取れない。
そんな敵に対し、三日月は容赦なくメイスを叩きつける。
右アームをメイスで粉砕
回り込んでキャタピラを踏みつけ、潰す
ミサイルアームのバレル部分をそぎ落とす
中央のショベルアームを引きちぎる
メイスで何度もメインカメラを殴打し、引きちぎった重機の部品を埋め込む、そしてロケットランチャーで完全に吹き飛ばす。
「へぇ……案外、硬いんだな」
呟くようにそう言って三日月は一度距離を取り、メイスを構え、スラスターを吹かせて重機へと突撃する。
衝突と同時にメイスの先端に仕込まれたパイルバンカーを重機のコックピットめがけて打ち出そうとして…
「やめろ三日月!」
三日月の背後で戦闘を傍観していたベカスが声をあげた。その瞬間、三日月は機体を停止させる。衝突まで残り数センチの距離だった。
「もう……十分だ」
「そう? 分かった、銀の人」
三日月はメイスの先端を重機のコックピットで軽く叩いた、それだけでコックピットの厚い装甲は剥がれ落ち、パイロットの姿が露わになった。
「生きてる?」
「……ひぃ」
問われ、少女はコックピットの中で悲鳴をあげ…
「ぅぅ……ぐすっ……」
あまりの恐怖からか、めそめそと泣き出した。
「……なんか、ごめんな」
敵のそんな様子を見て三日月は淡々と謝罪すると共に、心の中で「手加減するのって難しいな」と思った。
「今すぐここから去れ、戦場はお前のようなやつが来るような場所ではない。そもそも、お前はここの人間じゃないだろ?」
ベカスは三日月の隣に立ち、泣きじゃくる少女を見下ろす。
「それに、民間人を傷つけるのはオレの仕事じゃないし」
優しく諭すように、ベカスは少女へと声をかける。
そんなベカスの声を無視するかのように、三日月はポケットから黒い種を取り出して口に含んだ。その目には、一切の曇りもなかった。
三日月のオルガを探す旅が、今始まる!
行間開けないと見づらいですかね?
→一応、修正しました。え?もっと?
エル「ベカスと別れ、一人カイロへと向かう三日月」
フル「訪れた町で謎の少女と出会います!」
エル&フル「「次回『悪魔と少女』」」
エル「なるほどね!これが『ジカイヨコク』ってやつね!」
アイサガで貴方の好きなキャラを教えてください。(回答はこちらではなく気軽にコメントの方へお願いします)
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境界戦機もっと流行れ
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鉄血・ブレットもっと流行れ
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水星の魔女×鉄血のオルフェンズ?
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あと、アイサガのエンディングも作ります