機動戦隊アイアンブラッドサーガー悪魔と少女と機甲ー   作:野生のムジナは語彙力がない

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イベント難しかったですね。
しかし、SSS三種交換可能なのは流石にやりすぎじゃ……ダッチー?ほんとにいいの?

あと、前回はウチの次回予告担当が意味深なことを言って申し訳ありません。彼女たちもそういうお年頃なんです!


それでは、続きをどうぞ









第4話:根断ち(前編)

「おもてなしだと?」

 

ピンク髪の少女と合流した三日月は、長老の提案により村へ「おもてなし」を受けに行くことを伝えると、少女は怪訝そうな顔をした。

 

「罠かもしれないよ」

 

「多分、大丈夫でしょ」

 

三日月は無表情でそう答えつつ、阿頼耶識を介してバルバトスを動かして少女を手のひらに乗せ、コックピットへ近づける

 

「凡人……そう言える根拠は?」

 

そう尋ねつつ、少女は当たり前のようにバルバトスの操縦席に座った。

 

「なんとなく……あと、ナツメヤシの実、あるって言ってたから」

 

三日月の言葉に、少女は思わず操縦席から崩れ落ちそうになる。

 

「プリンの人?」

 

「……何でもない。ところで凡人、今更になって聞くのも何だが『プリンの人』とは余のことか?」

 

「うん」

 

「余のことをそのような名前で呼ぶ者はお前が初めてだ」

 

そう言いつつも、少女は小さく笑った。

 

「だが、悪い気はしないな。余をことを至高の菓子に例えるか」

 

そう言ってくっくっと少女は笑った。

 

「……?」

 

三日月には少女の笑いの意味が分からず、ただ首をかしげるだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!起きてなの!」

 

その少女……テッサという名の赤いバルキリーのパイロットの意識を目覚めさせたのは誰かの発したその叫びだった。

 

「アイルー……?」

 

「あ!お姉ちゃん起きたなの!よかったなの!」

 

テッサの瞳に天真爛漫なたった一人の妹、アイルーの笑顔が映る。

 

「私、寝ちゃってたの……?」

 

「ちょっと違うなの、お姉ちゃんはあの白いBMと戦って気絶しちゃったなの」

 

「気絶……?戦って……?……ッ」

 

コックピットの中でテッサは体を動かす。すると、それによって生じた痛みが彼女を襲う。それは、先の戦闘による痛みだった。

 

 

 

その瞬間、テッサは全てを思い出した。

 

メイスを片手に迫り来る白いBM

 

たったの一撃でバルキリーを破壊する攻撃力

 

こちらの攻撃をことごとく回避する、圧倒的な機動性

 

そして至近距離でのビームに耐えうる装甲

 

私が相手にしていたのは、そんなインチキじみた機体だったのだ。

 

そして、自分はなぜ生きているのか?

 

テッサは白い機体から機関砲を向けられた時のことを思い出した。

 

無機質なモスグリーンの両目は、本気で私のことを殺そうとしていた。まるで人の命など、どうでもいいと思っているかのような……あの冷たい視線

 

それはまさしく、悪魔そのものだった。

 

 

 

「アイルー……」

 

「お姉ちゃん?どうしたな………なの?」

 

バルキリーのコックピットで、テッサはアイルーのことを力強く抱きしめた。

 

「お姉ちゃん……?」

 

「ごめん……もうちょっとだけこのままでいて……」

 

突然の姉の行動にアイルーは驚いた様子をみせるも、その姉が震えていることに気づき、受け入れるようにその体を抱きしめた。

 

敵に対して恐怖を抱いたのも大きかったが、一つ間違えていればたった一人の……大切な妹を失ったかもしれない。それもまた、怖かった。

 

震えが収まるまでしばらく時間を要した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦隊アイアンブラッドサーガ

第4話:根断ち(前編)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、気にくわないね!アイルー、行こう!」

 

バルバトスが村人たちの案内を受け、村の中へと入っていく光景をコックピットの上で眺めていたテッサは「面白くない」とばかりにアイルーへと呼びかけた。

 

「ええ!どこに行くの、お姉ちゃん」

 

「あいつは野盗の偵察役かもしれない。村の周囲に不審者がいないか見て回ろう」

 

「BMもないのにどうやってなの?アイルーのBMも、壊れちゃったなの…」

 

「…………」

 

そこでテッサは改めて今の自分の状況を思い出した。

 

BMが壊れてしまった以上、私たちはただの女……それもまだ一介の子どもに過ぎないということに……

 

そして、今まで自分がどれだけBMという存在に頼りっぱなしだったということを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三日月を村に招いた後、長老は大量のナツメヤシの実を手配し、幼い女児に彼らの給仕を任せて、自分は村の中央にある小屋に入った。

 

小屋の中には大勢の村人が集まっていた。彼らは落ち着かない表情で長老を見た。

 

「長老、よそ者を村に入れて大丈夫なのか?」

 

村の青年が発した言葉を皮切りに、村人たちは次々と口を開く。

 

「その通りだ!野盗が派遣した偵察役かもしれないだろ!」

 

「いや、野盗でなかったとしても、どこかの国から流れてきた犯罪者かもしれない」

 

「そうです!どちらにしろ、危険な存在かもしれません!」

 

村人たちの言葉を、長老は手を上げて制する。

 

「あの人型機はこれまで見たことがない、野盗はそのようなものは持っておらん」

 

「では……あのよそ者はいったい何者なのです!」

 

「ただの……旅人だろう」

 

その言葉に、長老は深いため息をついてそう答えた。

 

「ただの旅人があんな戦い方をするとでも!?」

 

長老自身が思っていたことを、村人の一人が代弁するように言った。

 

突如として村の近くに現れた白いBM。村を守っていた二人による完璧な奇襲をあっさりと退け、その後の戦闘でも2対1という不利な状況にもかかわらず、二人を翻弄。

 

あの二人も死力を尽くして戦ってはいたものの、結局のところ、白いBMには一撃たりともダメージらしいダメージを与えられることなく、それどころか返り討ちに遭い、戦闘は終わった。

 

BMの戦闘に関してはシロウトな長老たちから見ても、あの戦いは異常さを感じられるものだった。白いBMの動きは、長老たちが知っている既存のBMにはまず絶対に真似できない機動をみせていたのだ。

 

飛来する無数のミサイルを全て回避することなど、できるわけがない。

 

安全な位置から戦いを目撃していた長老は、その場面を思い出して冷や汗が止まらなくなった。

 

「旅人である以上……彼らはここに長くはいない。我々は彼を利用して野盗どもを始末させるのだ」

 

それに……と、長老は続ける。

 

「もう、あの賞金稼ぎの姉妹は使えまい」

 

その言葉に、村人たちは言葉を失った。

 

「あの少年の腕は彼女たちをはるかに上回る。それに、機体が壊れてしまった以上、彼女たちはもはやただの平凡な少女に変わりはない。そもそも、彼女たちだけでは野盗を始末することはできなかっただろうがな」

 

長老はその現実を村人たちへと伝えた。

 

「あの男……いや、あの少年ならば……野盗団を完全に一掃できるやもしれん」

 

「しかし、長老!私たちはどうやってあの旅人の手を借りればいいんですか」

 

「そうです!野盗のせいで俺たちは食べるものどころか、物を買うお金すら……」

 

この時、長老は半分閉じていた目をカッと見開き、ギラギラとしたその瞳が小屋のある一点へと向けられた。

 

老人が目を向けたのは一人の中年男だった。中年男はその瞳にビクッと反応する。

 

「アーチ、お前の娘はもう16歳だったな?」

 

それを聞くやアーチと呼ばれた村民は、たちまち目を向いて大声で叫んだ。

 

「村長は私の娘をあの……得体の知れない旅人に差し出せと?あ、あんまりです!いえ、俺は嫌です!絶対に承知できませんッ!」

 

「愚か者め!野盗はまもなく来るのだぞ!しかも姉妹はもはや使い物にならない。だからこそ、あの旅人を利用するためにあらゆる手を使わなくてはならない。お前の娘はその人柱になって貰うのだ」

 

長老は強い口調でさらに続ける。

 

「娘を差し出すというだけで、殺されるというわけでもあるまい!それでもなお、お前は村を選ぶのか……それとも娘を選ぶのか」

 

アーチは歯を食いしばり、この状況を回避するために頭を回転させ始める。

 

「……あ、あの子どもを殺して、あいつの人型機で野盗と戦えば」

 

「あの人型機を奪ったところで誰が操縦するんだ?技術も経験もない我らにとって、あんなものはただの屑鉄だ!」

 

「た……確か、あの旅人には連れの女がいたはずだ。そいつを人質にして、旅人と取引を……」

 

「そうか!いくら人型機による戦闘が強いからと言っても、所詮子どもは子ども、俺たち全員でかかれば……」

 

「なるほど!それならば簡単に……」

 

 

 

 

「例えそうしたところでッ、その後はどうなるッ!」

 

 

 

 

「……ッ」

 

長老の一喝に、その場の空気が震えた。

 

「それをやってしまえばそれこそこの村は終わりだ!考えてもみろ、人質をとって野盗を始末した後は?人質を返還した後は?あの旅人が我々に報復を仕掛けてくる可能性もあるのだぞ!そして、我々にはそれに対する防衛手段がない』

 

長老であり村長である老人は常に大局を見ていた。それは、村長である者にとっては必要不可欠な事であった。だからこそ彼は、今の今までこの村の長であり続けることができたのだ。

 

「……だったら、娘を選んでこの村から出て行くことにします!」

 

長老の言葉にアーチはそう言って小屋から出て行こうとする。

 

「……な!お前ら、何をするっ、離せ!」

 

しかし、その途中で他の男たちに取り押さえられ、長老の前へと連れて行かれる。取り押さえた男たちは皆、アーチと同じく大切な娘を持つ親だった。

 

「アーチよ……お前が従わぬのなら、他の親が娘を差し出すことになるのだ。そして、これは既に決定事項だ」

 

「お……俺だって、その一人です!」

 

「では、皆……持ち場に戻ってくれ

 

アーチの言葉を無視するかのように長老が言葉を発すると、村民たちは皆ぞろぞろと小屋から外へ出て行く、取り押さえた男たちも同様だった。

 

「なぜ俺が……なぜ、俺の娘が……」

 

人のいなくなった小屋の中でアーチは一人、床に拳を打ち付けてそう呟くのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小屋でそんなやりとりがなされていた時、三日月と少女は村が彼らに用意した食事を取っていた。

 

それは決して豪華なものではなかったが、三日月には十分すぎるほどだった。

 

「あの……お水……です」

 

給仕役を任された女児がおそるおそる、水の入ったコップを三日月に差し出す。

 

「……あのさ」

 

三日月はお礼も言わず、それを呆れたように眺めていた。

 

なぜなら女児は、三日月が少しコップの水に口をつけるたびに、すぐさま水を注いで常にコップの中の水がほぼ満杯になる状態を維持しようとしていたからだった。

 

ちなみに、もう10回近く女児は水を注いでいる。

 

「邪魔なんだけど。水くらい自分で入れるし」

 

「でも……ここでそうしろって言われてて……」

 

その時、お腹が空いていたのだろう。女児のお腹がなった。

 

「……食えば?」

 

そう言って三日月は手をつけなかった魚料理を差し出す。

 

すると女児はかすかに首を横に振り、一歩下がって三日月の顔をジッと見つめた。

 

「これは凡人のために用意されたものよ、彼女のためのものではないわ」

 

三日月の隣に座る、ピンク髪の少女は冷淡に言い放った。

 

「じゃあ、プリンの人が食べる?」

 

「余がそのようなお粗末なモノを食べるとでも?」

 

出された魚料理をよっぽど食べたくないのか、二人はそんな言葉を交わした。

 

「……おい、そこのお前」

 

「は……はい!」

 

少女は女児に呼びかけると、魚料理の乗った皿を突き出した。

 

「我らにこのようなものはいらぬ、捨ててこい」

 

ピンク髪の少女はぶっきらぼうにそう言って、こう続けた。

 

「お前が我らの残した残飯をどうしようが、余は何も思わぬし、文句を言う者もあるまい。このゴミをさっさと片付けろ」

 

「…………」

 

女児は黙って皿を受け取ると三日月と少女に頭を下げた後、部屋の奥へと引っ込んでいった。その方向は料理の出てきた厨房ではなく、家の外へと続いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、村の外

「お姉ちゃん……やっぱりだめなの……」

 

なけなしのパーツと工具を使って赤いバルキリーの補修を行っていたアイルーは、暗い顔をしてそう言った。

 

賞金稼ぎをするにあたって姉妹は今まで、軽微な損傷程度であればBM専門の修理業者に持って行かず、メカニックの卵であるアイルーがジャンクパーツを使って修理を行っていた。

 

だが、流石のアイルーにも大破寸前の二機のBMの補修は困難を極めたようだった。赤いバルキリーは右腕とライフル二丁を失い……これは他の機体(リンクスなど)のものを移植すれば必要最低限の能力を発揮することができるのでまだいい方だが

 

青いバルキリーが失った頭部は価格の高い様々なセンサー系の機器が搭載されていたため、一応、これも他の機体から移植することはできるのだが、そのパフォーマンスは大きく低下することになる。

 

そもそも、今二人の手元には移植できそうなジャンクパーツなどないのだが……

 

「そっか……でも、動かすことはできるんでしょ?」

 

バルキリーのコックピットから顔を出したテッサはそう呼びかける。

 

「脚部の破損は二機とも軽微だったなの!それは大丈夫なの」

 

「分かった。じゃあ、私は村長のところに行くから」

 

テッサは自分のバルキリーから降りてアイルーにそう告げる。

 

「え?どーしてなの?」

 

「確か……村の隅に私たちが前に倒したBMがまだ転がってたはず……村長はあれを売却するつもりだって言ってたみたいだけど、なんとか譲ってもらえないか頼んでみる!」

 

「なるほどなの!それならアイルーもついていくなの!」

 

二人は補修の手を止め、村長に会いに行くために村へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三日月たちが食事を終えてしばらくすると、長老が一人の少女を連れて入ってきた。

 

「食事はお口に合いましたか?」

 

「うん」

 

三日月は食後のナツメヤシの実を楽しみながらそう答えた。

 

「そうですか」

 

そう言って長老は意味ありげな視線を三日月へと向ける。

 

「何か用?」

 

三日月は怪訝そうな顔をして聞いた。

 

「実は……ここは元々平穏で素朴な村でした。しかし戦乱が続く中、逃亡兵や敗残兵たちが村の西方にある廃棄された要塞に住み着いたのです」

 

席は空いているにもかかわらず、老人は立ったまま話を続ける。

 

「そして彼らは野盗になり、この村を襲って何もかも略奪していきました」

 

「ふーん」

 

三日月は興味なさげに新しいナツメヤシの実を取り出す。

 

「一昨日も小規模の野盗が村を襲撃して……その時はあの姉妹が撃退してくれたのですが、野盗は常に集団で行動しています。つまり、小規模の野盗が来たということは野盗の本隊もすぐ近くにいるということでして、姉妹がお二人を襲ったのは元はといえばそれが原因だったのです」

 

「でも、あの二人が俺に銃を向けてきたことには変わらない」

 

責任を全て野盗のせいになすりつけようとした長老の企みを、三日月はいとも簡単に見抜いてしまった。

 

「……おっしゃる通りです。しかし彼女たちは、私たちのため村のために精一杯頑張っていたのです。どうか彼女たちを、許してやってください」

 

「…………」

 

三日月は長老の顔を無機質な瞳で見つめる。

 

「それで……その上で、失礼を承知でお願いしたいことがあります」

 

「……何?」

 

「野盗を……始末して欲しいのです」

 

「は?」

 

三日月は「アンタ何言ってるの?」というような顔をし、隣のピンク髪の少女は退屈そうに肩をすくめてみせた。

 

「勿論、その分の報酬はお支払い致しますので……」

 

そう言って長老は傍に立つ黒髪の少女に目配せする。黒髪の少女は絶望の表情を隠し、三日月の元へと歩み寄る。

 

「もしお嫌でなければ、この娘を……」

 

そこまで言いかけた時だった。どこからともなく何かが爆発するような音が鳴り響いた。

 

それは三日月たちがいる家の近くからだった。

 

「なんだ?!どうしたんだ!」

 

長老は外にいた見張りの村民に向けて尋ねる。

 

「分かりません!南の方からです」

 

「分かった……旅の方々、申し訳ありませんが状況を確認するために、私は少しだけ席を外させてもらいます」

 

そう言って長老は見張りの男たちと共に家から出て行った。

 

話をする者がいなくなり、家は静寂に包まれた。

 

「……凡人よ、何か妙だとは思わぬか?」

 

その静寂を破ってピンク髪の少女が呟く

 

「野盗の襲撃にしては爆発が一回だけというのはおかしい。だが、まるでタイミングを見計らったかのような爆発」

 

「…………」

 

「長老を家から出て行ったことで、見張りもどこかへ行ってしまった。凡人?これが意味するのはいったいどういうことなのだろうな?」

 

「…………」

 

ピンク髪の少女はくっくっと笑い、三日月は目を閉じた。

 

「失礼」

 

その時、厨房の奥から一人の男が現れた。

 

「お父さん……?」

 

その男を見て、どうしていいか分からずオロオロとしていた少女が声をあげた。

 

「ミルン……やあ」

 

男は顔を真っ青にしながら自分の娘に返事をし、それから三日月たちの元へ近寄る。

 

「食器を……回収します」

 

そう言って空っぽになったお皿を回収し始める。その腕はプルプルと震え、食器が男の手の上でカチャカチャと鳴り響く。

 

三日月の前から食器を回収し、次にピンク髪の少女の方へ移ろうとした時…

 

「う……動くな!」

 

その声に反応し、三日月は目を開けて銃を手にする。

 

「う……動いたらこの女を撃つ」

 

隣を見ると、男が少女の後頭部に銃を突きつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パン…

 

 

 

「え……?」

 

BMの残骸を譲ってくれないかと頼むべく、村長の家へと向かっていたテッサはどこからともなく響き渡った銃声に身構えた。

 

「銃声……これは、村長の家のところから……?」

 

そう判断したテッサは持っていた工具を投げ捨てて咄嗟に走り出す。

 

「お姉ちゃん、待ってなのー!」

 

アイルーはテッサが捨てた工具を拾い上げ、ヨタヨタと姉の後を追った。

 

(村長の家から銃声……まさか、あの白いBMのパイロットが?!)

 

頭の中によぎった最悪のシナリオを振り払い、何も考えないようにしてテッサは走る。

 

この時、テッサは自分が愛用しているサブマシンガンは残念なことにBMのコックピットに置き去りにしたままだったので非武装であった。

 

しかし、それがテッサ自身を救うことになると知ったのはそれからしばらく後のことになる。

 

「村長さん!」

 

テッサが村長の家の扉を開くと、何者かの拳銃が反射的にテッサを照準する。

 

それは緑色のジャケットを着た黒髪の少年……三日月だった。

 

「ひっ……」

 

その気になればなんの躊躇いもなく人を殺すような目で見つめられ、テッサの口から悲鳴が漏れる。

 

そしてテッサは一瞬で察した。この人が、あの白い機体のパイロットであるということを

 

「アンタ……ミサイルの人か」

 

「み……ミサイルの人?」

 

「うん、沢山ミサイルを撃ってきたからミサイルの人」

 

三日月から変な呼び名で呼ばれ、テッサは戸惑う。

 

「ハッ、相変わらずお前のネーミングセンスは最悪だな」

 

三日月の後ろで椅子に座り、優雅にお茶を飲むピンク髪の少女が呟く。

 

しかし、その時テッサの目にあるものが止まる。一人の村人が足から血を流して倒れているのだ。その隣には「お父さん」と叫びながら泣きわめく黒髪の少女。

 

それを見たとき、テッサの中に憤怒の心が湧き上がった。

 

 

 

「あんた……それでも人間か!?」

 

 

 

テッサは三日月を怒鳴りつける。

 

 

 

「アンタ何言ってんの?」

 

 

 

三日月は言葉とともに殺意のこもった視線をテッサに送る。

 

 

 

「まったく……これだから凡人は……」

 

 

 

至近距離で繰り広げられる一触即発の事態に、しかしピンク髪の少女は1ミリも動じる事なく食後のお茶を楽しんでいた。

 

その後、騒ぎを聞きつけて舞い戻った村長が事情を説明し、テッサはなんとか事なきを得るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルガを探す旅はまだまだ続く…




作っていて、アイサガ本編を垂れ流してちょっとアレンジするだけじゃ楽しくないよねと思ったのでこのような蛮行に走りました。

自分の可愛がっている娘を得体の知れない男に奪われるのって怖くないですか?多分、怖いと思います。
まあそんな理由で我らのスロカイ様に銃を突きつけるなんてもってのほかですが…

ほんとは野盗倒すところまで書きたかったのですが、一旦ここで切りたいと思います。指が痛いし明日は忙しいので

あと、投稿ペースを落とします。1日1話はほんと指が死ぬ……


それでは次回予告ですら
エル「誤解を解いて三日月に歩み寄るテッサ」
フル「今度こそ野盗を倒しに行きます!」

エル&フル「「次回、『根断ち(後編)』」」

エル「なるほどね!これが『カイシンテンイ』ってやつね!」

アイサガで貴方の好きなキャラを教えてください。(回答はこちらではなく気軽にコメントの方へお願いします)

  • 境界戦機もっと流行れ
  • 鉄血・ブレットもっと流行れ
  • 水星の魔女×鉄血のオルフェンズ?
  • あと、アイサガのエンディングも作ります
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