機動戦隊アイアンブラッドサーガー悪魔と少女と機甲ー 作:野生のムジナは語彙力がない
ウルズハントでの再燃を期待して、三日月の冒険という薪をくべます。
前回はもう少し生々しい戦闘を描きたかったのですが、戦闘描写って難しいですね。8000字超えたあたりから燃え尽きてイマイチ足りないなって感じで終わったような気がするので色々と勉強したいなって考えています。
それでは、続きをどうぞ
ついに三日月たちはカイロ……北アフリカで最も栄えた都市に到着した。
白い機体は動きを止め、追従する赤い機体も動きを止めた。
「あれがカイロ?」
阿頼耶識でバルバトスと繋がった三日月は、コックピットから身を乗り出して前方に見えてきた巨大な都市を眺めた。
「そうよ。アフリカ最大の都であり、古代の景観が色濃く残る町」
バルバトスの操縦席に座るピンク髪の少女は、ため息をついて三日月に目を向けた。
「あの町なら、あなたの言ってるオルガって人の情報も集まるかもね」
「ん……そういえば、プリンの人は何でカイロに?」
三日月の言葉に、少女はピクリと反応する。
「余も……探している人がいるのだ」
少女は銀色のペンダントを取り出して開いた。中には女性の写真があった。
「プリンの人のお母さん?」
「……どうしてそう思った?」
「別に、なんかプリンの人に似てるからそうかなって」
それから、三日月はジッとペンダントの中の女性を見て……。
「綺麗な人だね」
何気なく三日月がそう言うと、少女は「え?」という顔をして三日月のことをしばらく見つめた後、嬉しそうに小さく笑った。
「ハッ……お前がそう言うくらいなのだから、きっと本当のことなんでしょうね」
「じゃあ、急がないとね」
そうして三日月は目の前に広がる町に向けて、再びバルバトスを進ませる。
機動戦隊アイアンブラッドサーガ
第6話:「悪魔の休日」
旧題:「旅人の休日」
「さてと、凡人……世話になったな」
町に着くなり、待ちきれないとばかりに少女は操縦席から立ち上がると三日月に「ここで下ろせ」と指示を送った。
三日月はバルバトスをひざまずかせて、それから腕を動かし少女をゆっくりと地面へ下ろす。そうしてから阿頼耶識を外し、自分もバルバトスから飛び降りる。
「そうだ。凡人、もし……お前の探しているオルガという人間が見つからなかったら、お前はどうするつもりだ?」
少女の言葉に、三日月は少しだけ考えた後……
「先のことなんて分からないけど……農業とか、やってみたいなって思ってる」
「そうか?それは惜しいな」
少女はそう言って肩をすくめ、そしてこう続けた。
「余は、お前のことが欲しい」
ニヤリと少女は笑い、そして三日月に背を向ける。
「お前の力は余の騎士たちに匹敵する。光栄に思え、余はお前の力を買っているのだ。お前がどのような居場所を求めているのかは分からぬが、余についてくるというのならその辺りも考慮してやろう、考えておいてくれ」
「うん、分かった」
三日月の言葉を聞いた少女は優雅に身を翻すと普段の高慢な様子とは逆に、静かに三日月を見つめた。
「……ありがとう。あなたに、機械神のご加護があらんことを」
少女の感謝の言葉に、三日月は優しく頷いた。
「うん、プリンの人もお母さん見つかるといいね」
それを聞いて少女は微笑み、それから身を翻し、カイロの人混みの中へとその姿を消した。
「三日月さん」
呼ばれた三日月が振り返ると、ちょうどバルキリーから降りたばかりテッサがいた。
「いいの?あの人……行っちゃったけど」
「うん、プリンの人には案内してもらってただけだから」
「そうなんだ……私はてっきり……」
そこまで言いかけて、テッサは口をつぐんだ
「ミサイルの人?」
「ううん、何でもないの……それじゃあ……」
テッサはため息をついて、気を取り直したように三日月へと視線を送った。
「ああ。俺は、オルガを探さなくちゃならない……連れてってくれるんでしょ?」
そうしてオルガを探すため、二人は情報屋の元へ向かった。
それから数時間後……
数件の情報屋をハシゴした後、二人の姿はカイロ市内の喫茶店にあった。
「こんなんでよかったの?」
三日月は初めて食べるマンゴープリンに舌鼓を打ちながら、テッサに尋ねる。
「うん。今頃はアフリカ中に張り巡らされた情報網を通じて、各地の諜報員たちがオルガって人のことを探してくれていると思うよ」
オレンジジュースを頼んだテッサは、氷をストローでカラコロと転がしながら三日月へとそう答えた。
「でも……すごいね」
ジュースを飲んで一息ついた後、テッサは興味深そうに三日月を見つめる。
「何が?」
「その……さっきの真っ黒なカード」
「ああ、これ?」
何でもないように三日月はジャケットの懐から黒いカードを取り出した。
それは、世界で数百人しか持つことを許されていないという伝説のカードだった。一国の大統領や世界を股にかけるゼネラルエンジンのトップですら持っていることは珍しく、電子マネーを取り入れている全世界で通用し、これを持っていることがある種のステータスとなっている。
情報屋は相手が子どもだったということも影響してか、ヘラヘラとした態度で情報提供料として高い金額を請求してきたのだが、三日月がこのカードを見せるとすぐさま目の色を変えて動き出し、1週間以内には結果を出すことを約束してくれた。
「困った時は使えって、ミドリちゃんが持たせてくれたんだ」
「ミドリちゃん?」
「うん、俺を生き返らせてくれた人。ミドリちゃんがいなければ、俺はずっと氷の中で眠り続けてたかもしれないし……」
「え?」
生き返らせる?氷の中で?眠り続けてた?
三日月が発した何やらただ事ではなさそうなその言葉に、テッサは何と返事をしていいのか分からず、呆然と驚くのだった。
「じゃあ、俺はこのままカイロの中を回ってみるけど……ミサイルの人も来る?」
プリンを食べ終えた三日月は、立ち上がってそう告げる。
「……うん。あ、でも……ちょっとだけ待って欲しいんだけど」
「?」
「その前に行きたいところがあって……」
バルキリーに乗って、二人は町の外れにあるBM修理工場へと向かった。
ちなみにバルバトスは町の入り口に野ざらしのままである。「呼べば来るからそのままでいい」……とは三日月の談だった。
「情報が来るのを待つ間、バルキリーの修復をしておきたくて」
バルキリーは相変わらずリンクスのパーツを使って最低限の形を留めてはいるものの、流石にいつまでもこの状態であるわけにはいかないので、ここで修復を行うようだった。
「ワッパさん、いますか?」
「お?誰かと思ったらいつぞやの嬢ちゃんじゃねぇか……」
テッサが工場の奥へ声をかけると、中から色黒の大男が姿を現した。
「今日は彼氏さんと一緒か?若いねぇ」
「違います!三日月さんは……その……」
あたふたとした様子をみせるテッサ
大男はニヤリとした表情で三日月とテッサを眺めた。
「……おやっさん?」
男の姿を見て、三日月は思わずその言葉を口にした。
似ていたのだ。その姿は、かつて鉄華団の一員として影からオルガや三日月たちのことを見守り、時には支えてくれたこともある整備士、ナディ・雪之丞・カッサパに瓜二つだったのだ。
「ん?坊主……どこかで会ったことがあったか?」
だが三日月の淡い期待とは裏腹に、男は疑問符を浮かべて三日月のことを見た。
「……いや、何でもないよ」
「そうか?まあいい、ところで今日は何の用だ?」
テッサはワッパと言う名の整備士をバルキリーの元へ連れて行く。
「……こりゃ酷い有様だな」
バルキリーを見た途端、ワッパは顔をしかめて自分のヒゲに手をおいた。
「直せますか?」
「まあ、装甲の破損はそこら辺のパーツを加工すればそれなりのものを作れるがよ。腕まるごと一本は……ここじゃバルキリーなんて高級品はあんまり見ねぇシロモノだしな……」
そこで、ワッパは少し考えたような様子を見せた後……。
「まあ、何とかやってみるさ。もしアレだったらヴァルハラから直接取り寄せればいいしな」
「すみません。あと……」
「ライフルとシールド、あとミサイルもだろ?結構手間がかかりそうだが、まぁ5日もあれば修理できるさ」
「ありがとうございます!」
ワッパは待機していた部下に指示を送ると、部下たちは作業用のBMに乗り込んでバルキリーを工場の中に運び込むと、さっそく応急処置として取り付けられていたリンクスのパーツを取り外しにかかった。
「おやっさん」
作業の様子を眺めるワッパに、三日月は声をかける。
「ん?なんだ」
「修理するのって、お金取るんだよね」
「あ?あたりめーだろ、こちとら商売のつもりで仕事やってるんだからよ」
「じゃあ、アレ直すのってどれくらいお金がかかるの?」
「うーむ、ウチは早い・安い・確実を意識してはいるが……流石に今回はモノがモノだしなぁ……俺が今言えるのは、安くはねぇってことだけだ」
「そっか、じゃあ……これで何とかしてくれる?」
そう言って三日月は先ほどの黒いカードを差し出した。
「なっ!?お前さん……どうしてこんなものを……」
ワッパは三日月のカードを驚いた様子で見つめる。
「凄いな……これがあればバルキリーを修理するどころか、幾らでも買うことができるぞ」
ワッパの言葉に、三日月は「ふーん」とナツメヤシの実を口にした。
「ちょっと、三日月さん!」
そんな会話をしているのを聞いたテッサが、走って二人の間に割り込んでくる。
「そんなことしなくてもBMの修理代くらい自分で払いますから!」
「情報屋のところまで連れて行ってくれたお礼がしたかったんだけど?」
「いいんです!あれは……私がそうしたかっただけだから……」
二人のそんなやり取りに、ワッパは温かい表情を浮かべた。
「ところで嬢ちゃん、今日は整備士見習いの妹は来てねぇのか」
「はい、アイルーは今ちょっとだけ留守を任せていて……」
そこでテッサは周囲を見回した後……
「ワッパさん、そういえば娘さんは……?」
「あー……ちょっと前に家を出て行っちまったっきり帰って来ないんだよ」
ワッパは苦そうな顔をしてボリボリと頭をかいた。
「無事なのは情報網を通じて伝わってくるんだがよ。なんでも戦争に参加して、そこで精神的に病んじまったっていう噂もあってな。俺としちゃ、心配で心配で夜も眠れねぇ」
「大変だね」
「大変ですね」
三日月とテッサが同時に答える。
「まったくだ。ほんと……世知辛い世の中だよな」
一方その頃……。
連盟の秘密の拠点で、その少女、スーラはアヌビスと呼ばれる黒いBMを全身全霊の技術で整備を行っていた。
この整備士は年齢は若いが天才的な技術を持っていた。
しかし、スーラはこの仕事を大いに楽しんでいた。それはアヌビスのパイロットが自分の憧れる人であり、そんな夢にまでみた彼女の機体を整備できることにスーラは大きなやりがいを感じていた。
だからこそ、不眠不休でアヌビスの整備を続けることができていた。
しかしスーラは、不眠不休のその行為が一種の逃避に過ぎないということを自覚していた。
「あの……」
全力で整備に取り組むスーラに、アヌビスのパイロットであるナディアは声をかけた。
「あ!ナディア様!」
スーラは寝不足で目の下に大きなくまのできた顔をナディアへと向けた。その様子を見て、ナディアはギョッとする。
「ナディア様!どうかしましたか?」
顔色は悪くとも、憧れの人を前にして疲れた様子を見せるわけにはいかないとスーラは精一杯の笑顔を浮かべた。
しかしその目は血走っていたため、奇妙な笑みになるだけだった。
「あの……大丈夫?」
スーラのそんな様子に一瞬だけ戸惑ったものの、気を取り直してナディアはスーラの体調を気にするように声をかけた。
「はい、大丈夫です。あなたは私の憧れなんです!私はあなたの機体を整備できる嬉しさを考えれば、徹夜作業の辛さなんてへっちゃらです!」
それはスーラの本心だったのだが、疲れからかどこか機械じみたような言い方をしていた。
「そ……そう?それならいいんだけど……」
「はい!それに、作業に集中していた方が……色んなことを思い出さなくて済むので……」
その時、スーラの脳裏に数日前の戦闘の光景が蘇った。
巨大な鉄の棒を持った白いBM
その機体は一瞬のうちに、自分の部下たちを酷いやり方で葬り去り
自分が乗る、頑丈さが取り柄の機体をいとも容易く大破にまで追い込んだ
そして、忘れられない
私を殺そうとしたあの目は……
無慈悲な色をした……あの悪魔の瞳は……
「あの……」
「ハッ……」
ナディアに呼びかけられ、スーラの意識が回想から呼び戻された。
オルガを探す旅はまだまだ続く!
(ちょっと少なかったので予告します。)
これからの、機動戦隊アイアンブラッドサーガ……
【予告】①
オルガを探す旅を続ける三日月とテッサ
その前に立ち塞がる、謎の黒いBM。
それは過去からの襲撃、そして乗り越えなくてはならない試練。
バルバトスを凌駕する圧倒的な攻撃力、防御力、機動性、反応速度を誇るその機体を前に、三日月とテッサは窮地に立たされる。
「おい……いいから寄越せ!バルバトス!」
三日月は黒い機体に対抗すべく、バルバトスのリミッターを外そうと試みるが……
機動戦隊アイアンブラッドサーガ
第??話:「黒い■■■■」
【予告】②
謎の黒い機体、そして佐々木光子との戦闘を経て、三日月は自身の未熟さを痛感し、更なる強さを求める。
そんな三日月の前に現れる、一人の少女
少女の提案により、三日月は戦闘データと引き換えにバルバトスの強化を依頼する。
そして誕生する
バルバトス・■■
それは新たな可能性でもあった。
黒い■■■■と再び対峙するとき、その本領が発揮される。
機動戦隊アイアンブラッドサーガ
第??話:「進化する悪魔」
お楽しみに
アイサガはBGMも良いですよね?
私が好きなのは機械教廷のBGM(マティルダやウェスパのアレ)が好きです。なんか神聖な感じがするので
みなさんはどのBGMが好きですか?
それでは次回予告です。
次回はベカスをはじめとした男ばっかりの回です。
エル「カイロへ到着し、ベカスと合流した三日月」
フル「ベカスさんに誘われ、他の傭兵の人と一緒に戦います」
エル&フル「「次回『荒野の三人』」」
エル「なるほどね!これが「サンシャサンヨウ」ってやつね!」
アイサガで貴方の好きなキャラを教えてください。(回答はこちらではなく気軽にコメントの方へお願いします)
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境界戦機もっと流行れ
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鉄血・ブレットもっと流行れ
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水星の魔女×鉄血のオルフェンズ?
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あと、アイサガのエンディングも作ります