機動戦隊アイアンブラッドサーガー悪魔と少女と機甲ー   作:野生のムジナは語彙力がない

8 / 54
ある意味で一番やってみたかった回です。

コメントありがとうございます!出来るだけ返信はしますが語彙力ないので淡白な反応しか返せないですが、その辺はご了承ください。



それでは続きをどうぞ







第8話:白い悪魔と黒い悪魔

三日月がベカスと再会して数日が経った頃、情報屋の元にオルガ・イツカらしき人物の目撃情報が上がった。

 

情報屋からそれを聞くや否や、三日月はすぐさまバルバトスに乗り込み、オルガが目撃されたという場所へと出発した。

 

その時、ちょうどバルキリーの修復も完了していたことからテッサもその後を追おうとするも、三日月はよっぽど焦っていたのかスラスターをほぼ全開の状態で発進させてしまい、テッサを置き去りにしてしまった。

 

その甲斐あって、三日月はBMの移動速度で2日かかる距離をその半分以下の時間で目的地へとたどり着くことができた。三日月が向かったのは、カイロから南西方面へ数十キロほど離れた場所にある町だった。

 

現地の情報員と合流しさらに1日をかけて村で捜索を行い、ついに三日月はその「オルガ」と出会った。

 

しかし、奇しくもその「オルガ」は女性だった。

 

極東からやってきた傭兵であると言う彼女は、白い肌に、短めの毛髪、背丈は三日月よりもやや高め程度しかなく、名前以外でオルガ・イツカとは真逆の存在であると言えた。

 

そこで三日月は、自分が焦り過ぎていたことを自覚した。

 

それでも諦められなかった三日月は、その「オルガ」に対していくつかの質問をぶつけた。その質問の中で「鉄華団」や「クリュセ」「バルバトス」などオルガ・イツカに馴染みのあるワードをいくつか織り混ぜてはみたものの、まるで要領を得ていない返答が彼女の口から発せられたことで、ようやく三日月はその現実を受け入れることができた。

 

置き去りにされたテッサがようやく三日月に追いついたのも、ちょうどその頃だった。

 

「三日月さん……大丈夫!根気強く探していれば、きっと見つかるよ!」

 

テッサの声援を受け、三日月はトボトボと傭兵が集まる酒場から抜け出す。カラカラに乾いて寂しい口内をナツメヤシの実で鎮めようとポケットを探るも、残っていたナツメヤシの実は一つだけだった。

 

そこで三日月は、焦りを抑えるために無意識のうちに夢中でナツメヤシの実を口にしていたことに気づいた。コックピットの中でも、捜索している最中も……

 

「ねえ、ミサイルの人?」

 

「な……なに?」

 

どこか虚ろな視線で自分を見つめる三日月に、テッサは少しだけ戸惑った。

 

「ナツメヤシの実……持ってる?」

 

「……ごめん、持ってない」

 

「……だよね」

 

そう言って、ナツメヤシ中毒の三日月は深いため息をついた。

 

その瞳にいつものような明るさはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦隊アイアンブラッドサーガ

第7話:「白い悪魔と黒い悪魔」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その……三日月さん?この近くに市場があるみたいだから、そこで調達しようよ……」

 

テッサがそう提案すると三日月の瞳に少しだけいつもの光が灯った

 

かくして、二人は町の市場へと向かうのだった。

 

 

 

だが、二人の思惑に反して市場のナツメヤシは売り切れになっていた。いや、正確に言えば買い占められていたと言うのが正解だった。

 

テッサがその理由を立ち寄った店の店員に尋ねると、商人たちがカイロ周辺のナツメヤシの実を買い占めていると言うのだった。元々、ナツメヤシの実はこの辺りではあまり流通していないというのもあったが、カイロでどういうわけかナツメヤシの実の価格が異常に上昇するという事態が発生したのがその最もたる要因だった。

 

それによって商人の間では圧倒的に安く買える辺境の地で買い占め、カイロで高く売り払うということが流行し、周辺の市場からはナツメヤシの実がすっかり消えてしまっていた。

 

 

 

 

 

しかし、三日月とテッサは知らなかった。

 

 

 

 

この買い占めの……謎の価格上昇という不可解な現象の中心にいるのが、かつて三日月が出会ったピンク髪の少女であるということを……。

 

あの時、不用意にピンク髪の少女へとナツメヤシの実を差し出していなければ……。ナツメヤシを気に入った少女が爆買いに走ることもなく、このような事態にはならなかったのかもしれない……

 

(なるほどね!これが『インガオウホウ』ってやつね!)

(お姉ちゃん!影から煽るのはやめるのです!)

 

 

 

 

 

「ナツメヤシ、ないの?」

 

店の外から店員の話を聞いていた三日月は力なくそう呟いた。

 

「三日月さん……っ、場所が悪かっただけかもしれないよ!」

 

テッサは焦り、周囲を見回す。

 

「この辺りは多分……比較的目立つ場所だから商人に買い占められちゃったんだと思うの、だからあんまり目立たないようなところにある果物屋さんとかだったら……」

 

テッサに手を引かれ、三日月はヨロヨロと歩き始める。

 

通りすがりの人に道を尋ねること数回、二人がやってきたのは町の外れにある小さな果物屋だった。

 

「すみません、ナツメヤシの実ってありますか?」

 

「あー……お客さん、悪いんだけど」

 

店の店主らしき男にテッサが尋ねると、店主は苦笑いを浮かべて店の前に並べられた商品を指差した。

 

「ウチは果物屋は果物屋でも、リンゴ専門の果物屋でね」

 

店主の言葉通り店にはリンゴしかなかった。それ以外の果物も申し訳程度にはあったものの、その中にナツメヤシの実はない。

 

「ウチのリンゴは酸味が強いものが多いからジャムに向いててね、味付けのために干し葡萄とかは置いてあるんだけど……流石にナツメヤシはねぇ……」

 

「そうですか……」

 

店主に礼を述べてテッサが振り返ろうとすると、

 

「……っ!?」

 

背後から放たれる強烈な気配に、思わずびくりとなった。

 

「……三日月……さん?」

 

「…………」

 

振り返ったテッサが見たのは……色のない瞳をし、無我の境地に至った三日月の姿だった。

 

「……大丈夫……ですか?」

 

「うん、大丈夫」

 

そう言って三日月はポケットからおぼつかない手つきで、今まで食べずに残しておいた最後のナツメヤシの実を取り出した。

 

まさにそれを口に運ぼうとしたその時、右手の路地の中から騒音が響いてきた。

 

(´∀`*)「ちょっとくらい、いいじゃない!減るわけじゃあるまいし〜」

 

( ̄^ ̄)「嫌よ!」

 

右目に眼帯をした少女が、長い髪の少女を追いかけていた。

 

追いかけられている長い髪の少女は振り返りながらきっぱりと拒絶した。だが前方に注意を払っておらず、気づいた時にはすでに遅く、三日月とぶつかってしまった。

 

「……?」

 

「……あっ!」

 

ぼーっとしていた三日月はそれに対応できず、少女ともつれるようにして転倒してしまう。

 

「三日月さん!?」

 

「エレイン!?」

 

突然の事態に、テッサと眼帯の少女は叫び声をあげた。

 

「いたた……あ、ごめんなさい!」

 

「……うん、大丈夫」

 

少女の下敷きになってなお、三日月はナツメヤシの実を口に運ぼうとして、ふとその手からナツメヤシの実が消えていることに気づいた。

 

倒れたまま周囲を見回すと、自分のすぐ隣にナツメヤシの実が落ちているのが見えた。三日月はそのままの姿勢でナツメヤシの実へと手を伸ばす……が

 

チューチュー

 

何処からともなく一匹のネズミが姿を現したかと思うと、まるで最初から狙っていたかのように落ちているナツメヤシの実を拾い上げ……

 

「ッ」

次の瞬間、三日月の瞳が大きく見開かれた。

 

「え?」

 

三日月が見つめる中、ネズミはナツメヤシの実を抱えて何処かへと走り去ってしまった。

長い髪の少女もその光景を目撃してはいたものの、何がどうなっているのか分からず、三日月の上で呆然とそれを見送った。

 

「おいコラ!いい加減エレインから離れろ、ガキ!」

 

三日月がエレインと呼ばれる少女と密着しているのが許せなかったのか、眼帯をつけた少女はエレインを三日月から引き剥がすと、すぐさま殺気のこもった視線を送った。

 

それはまるで、いちゃもんをつけるスケ番のような恐ろしい形相をしていた。

(例えが古くてよくわかんないんだけど?ダッチー?)

 

「三日月さん、大丈夫ですか?」

 

「……うん、大丈夫……じゃない」

 

三日月の瞳は絶望の色をしていた。

 

「ナツメヤシ……」

 

「え?」

 

「ナツメヤシの実……落とした」

 

そう言って三日月はゆっくりと立ち上がり、シクシクと……いや、涙こそ流してはいないがとても悲しそうな様子でネズミが消えた方向へヨロヨロと歩き始めた。

 

それは偶然にも、体に無数の銃弾を受けてもなお止まろうとしなかったオルガ・イツカの最後に酷似していた。

 

「…ミサイルの人」

 

「は……はい!?」

 

「俺は進み続けるよ。火星ヤシ……じゃなくて、ナツメヤシの実を探すために……」

 

「へ?」

 

「だからさ……」

 

進み続ける三日月の意識が今まさに消えようとした時だった…

 

「あの……私のせいで、ごめんなさい」

 

エレインと呼ばれた少女は三日月の元へと近づく。

 

「大切なものだったのね……その、代わりになるとは思えないけど……」

 

エレインは三日月へとリンゴを差し出した。

 

近くの店で買ったそれはジャム用の酸味が強いものではなく、小ぶりだが糖度の高い上質なリンゴだった。

 

「よければ、これ食べて」

 

「…………」

 

三日月は虚ろな目で少女とリンゴを見た後、震える手でリンゴを取り、噛り付いた。しばらくモグモグとリンゴを味わい……

 

「……うん、これくらい大きい方が食べている感じがしていい」

 

「そっか、よかった……」

 

三日月の顔色が少しだけ良くなったのを見て、エレインはホッと胸を撫で下ろした。後ろでその様子を見ていたテッサもまた同様だった。

 

その時、く〜……

と、緊張が解けたことが影響したのか、エレインの腹の虫が小さなうめき声をあげた。

 

「ッッッ?!」

 

一瞬にして顔を真っ赤に染め上げるエレイン

 

三日月はそんなエレインと自分のリンゴを交互に見つめ…。

 

「半分、あげる」

 

そう言って食べかけのリンゴをエレインへと差し出した。

 

「え?でもこれは……」

 

「気持ちは嬉しいけど、これはナツメヤシの実じゃないから食べにくい。だから、半分こ」

 

「え……えっと……」

 

エレインは少しだけ躊躇った後、三日月とテッサをチラッと見て…

 

「……それじゃあ、半分だけ貰うね?」

 

申し訳なさそうにそう言ってエレインが食べかけのリンゴを受け取ろうとした……その時だった。

 

「させるかッッッ!!」

 

その瞬間、さっきから苛立たしげにエレインを見守っていた眼帯の少女がリンゴを横取りし、すぐに齧った。

 

(エレインとの間接キスなんてッッッ!!!)

 

口元に出しかけたその言葉と共に、眼帯の少女はあっという間にリンゴを呑み込んでしまった。

 

「…………」

「…………」

 

「セレニティ!」

 

三日月とテッサは呆然とそれを見届け、エレインは怒りを露わにする。

 

「ごめんね〜、私もお腹が空いてたの〜www」

 

セレニティと呼ばれた眼帯の少女は、勝利の眼差しで三日月をねめつけた

 

「あはは!哀れなもんね〜お金がなくて変な種しか食べられないんでしょwww」

 

セレニティは他人の災難を喜ぶかのように三日月のことを嘲笑う。

 

「…………」

 

普段の三日月ならばここでカチンと来て惨劇をもたらすことになるのだろうが、今の三日月にとってはナツメヤシの実を失ったショックでそれどころではなく、ただ呆然と虚空を見つめるだけだった。

 

「…………」

 

この時、ついにエレインの堪忍袋の緒が切れた。

 

「……あの!友人の無礼なお詫びとして、食事を奢らせてください」

 

「え〝?!」

エレインの言葉を聞いて、他人の災難を喜んでいたはずのセレニティは一瞬で石化した。

 

 

 

 

 

エレインに連れられ、酒場へとやってきた3人。

セレニティはいつものように害虫を見るような目つきでプリンを食べる三日月を見ていた。

 

「どう、美味しい?」

 

「うん、とっても」

 

「そっか、気に入って貰えてよかったわ」

 

美味しそうにプリンを食べる三日月にエレインは優しく笑いかけた。セレニティは自分以外の人間に笑顔を送るエレインの様子を見て、ニガニガしく思いながらモチャモチャと自分のステーキに齧り付くのだった。

 

「あの……すみません、私まで食事に誘って頂いて」

 

「いいのよ、元はと言えばこちらが蒔いた種なのだから」

 

そう話すテッサとエレインの間には、この店の名物料理とされる羊肉と野菜のスープが置かれていた。

 

「その服装から見て、地元の人ではないわよね。なぜこんな辺鄙な場所に?」

 

「実は、私たちはある人を探しているんです……あの、ちょっと聞いてもいいですか?」

 

夢中でプリンを食べる三日月の代わりに、テッサはオルガ・イツカという人物について、さらに鉄華団という組織について心当たりがないかを尋ねてみた。

 

「んぅ……ごめんなさい、知らないわ。セレニティはどう?」

 

「はっ!知りませんよーだ」

 

そもそも答える気などさらさらなかったのか、どうでもいいというようにセレニティが答える。

 

「あイタタタタタタタ!!」

 

その態度に業を煮やしたエレインは、熟練の早業でセレニティの耳を引っ張った。

 

「ほんとうにごめんなさい」

 

「いえ、いいんです!そんな……」

 

素直に非礼を詫びるエレインに、テッサは苦笑いで応える。

 

「ふぅ……」

 

ちょうどゴージャスチョコプリン(税込み1500)を食べ終えた三日月は満足げに息をついた。三日月の新たな好物はナツメヤシ中毒である彼の気を紛らわせるのに十分な役割を果たしたようで、その瞳は普段の三日月が放つギラギラとした光が灯っていた。

 

「よければ、もう一ついかが?」

 

「いいの?リンゴの人」

 

「リンゴの人って……まあいいわ、飲み物を取るついでに頼むね」

 

三日月の妙な呼び方にエレインは苦笑いしつつも、近くのウェイトレスを呼ぶことにした。流石に同じものだと飽きるだろうと判断し、エレインはゴージャスマンゴープリンを頼んだ。

 

三日月はその間無表情ではあったものの、どこか嬉しそう、もしくはワクワクとした様子でメモを取るウェイトレスを見つめていた。

 

ウェイトレスが厨房へとオーダー伝えてから数分後、もう少しでプリンが運ばれようとしていた時だった。

 

「おーっす、また来たぜオネェちゃんよぉ」

 

酒場の扉をくぐって荒くれた様子の傭兵が姿を現したかと思うと、それに続いてゾロゾロと十数人ほどの傭兵の集団が店の中へと入ってきた。

 

それを見たウェイトレスはとっさに店の奥へと逃げるように戻ろうとするも、傭兵はそれを許さなかった。ウェイトレスの腕を掴み、無理矢理に顔を向けさせる。

 

「おっと、逃げるなんてひでぇよ。オレたちぁ客だぜ?」

 

そう言って傭兵の男はニヤニヤとした笑みを浮かべた。

 

「あれは……『砂漠の蜥蜴』の連中ね」

 

チラリとその様子を伺っていたエレインは、傭兵たちが身につけている蜥蜴の刺繍が施された黒い革ジャンを見て、小声で言った。

 

「『砂漠の蜥蜴』?あいつらが……っ!」

 

それを聞いてテッサは椅子から立ち上がりかけるも、エレインの制止によってなんとかその激情を抑えることができた。

 

「なにそれ?」

 

「最近になってこの辺りを根城にし始めた傭兵団よ。その構成員は300を超えると言われていて、さらに相当数のBMの保持している……小国家規模の戦力を誇る集団ね」

 

「確か、血も涙もない極悪非道の傭兵団として知られているな」

 

「目的のためなら罪のない子どもまで容赦なく殺すゴロツキども……こんなところにいたのかッッッ」

 

三日月の問いにエレインとセレニティは冷静に答えるも、傭兵に対する深い恨みを持つテッサは今にも飛び出しかねない様子で歯を食いしばってそう呟いた。

 

「あなた……何があったのかは知らないけど落ち着いて?今、この状況で立ち向かったとしてもこの人数差で、BMどころか大した武器も持っていないあなたじゃ返り討ちに遭うだけよ」

 

「そうそう、面倒ごとは避けるに限る……ってね」

 

「……くっ」

 

的を射た二人の言葉に、テッサは苦い顔をして顔を背けるしか出来なかった。

 

その間も傭兵たちに捕まったウェイトレスは無理矢理椅子に座らされ、溜まった鬱憤を晴らすかのように傭兵たちから下品な言葉を浴びせかけられ続ける。

 

その内、その輪から外れた傭兵の一人が三日月たちの存在に気づき、ヘラヘラとした様子で近寄ってきた。

 

「やあ、お嬢さん方!楽しくやってるかい?」

 

「…………」

傭兵の言葉に誰も反応を示すことはなかった。

 

「なんか暗いですなぁ、もしよければアッチの方でオレらと楽しくオハナシでもしましょうぜ?」

 

「…………」

しかし、またもや誰も反応を示さない。

 

せっかくの丁寧な申し出を無下にされたことに苛立ちを覚えた傭兵は、舌打ちをしつつそれでもニヤニヤと4人を見下ろす。

 

その内、傭兵の目がエレインの姿を捉えた。

 

「やや!お嬢さん、よくよく見るとなかなかの美女じゃねぇですか」

 

傭兵はエレインの背後へと回り込む。

 

「よければオレとちょっとばかし付き合ってみるってのはどうですかい?」

 

「残念だけど、私はあなたのような人は好きになれないわ」

 

下心が丸見えな傭兵の提案を、エレインはきっぱりと断った。

 

「まあまあ、そういわずによぉ」

 

なおも諦めようとしない傭兵はさらに口説くため、エレインの肩に手を当てようとして……

 

「おいコラ!」

 

セレニティの放った手刀により、傭兵は手を弾かれてしまう。

 

「痛ぇな、ああ!」

 

「うるさいな!汚い手で私のエレインに触ろうとするんじゃねぇ!!」

 

先ほどまで面倒ごとはどうとか言っていたセレニティは、愛するエレインを守るためにあっさりと自分から面倒ごとにぶつかりに行ったのだった。

 

「セレニティ……私は、あなたのものじゃないわ……」

 

その影で、エレインはため息と共にそう呟いた。

 

「あぁん、誰だよテメェはぁ!?」

 

その間も「面倒ごと」は続く

セレニティと対峙した傭兵は大声をあげて威圧した。

 

「あんた、『黒の猟兵』って知ってるかい?」

 

それに対し、セレニティは冷静さを崩すことなくこれ見よがしに黒い長銃を背にかけてそう答えた。

 

その瞬間、先ほどまで高圧的だった傭兵の態度が変わる。

 

「な……その長銃は……まさか」

 

「へぇ?これを知っているのか、なら話は早いな」

 

後ずさりする傭兵に、セレニティは不敵に笑いかけた。

 

「アタシの気が変わる前にここから……」

 

セレニティがそう言いかけた時、酒場に異変が起きた。

 

それは店の奥……新人なのだろうか、気の弱そうなウェイトレスが恐る恐る姿を現し、料理の乗ったプレートを席まで運ぼうと慎重に歩いていると、3人の傭兵がウェイトレスの進路を塞ぐように立ちはだかった。

 

凶悪な視線を向けられつつも、ウェイトレスは勇気を振り絞って傭兵たちの脇をすり抜けようとする。

 

だが、傭兵たちはそれを許してはくれなかった、ウェイトレスの体を掴んでその動きを封じる。ウェイトレスは必死に抵抗するも小柄な体で発揮される力など大の男3人の前ではたかが知れていた。

 

傭兵たちの執拗な妨害を受け、ついにウェイトレスは料理の乗ったプレートを放してしまった。

 

お皿に盛られたゴージャスマンゴープリン(税込み1800)がゆっくりと地面へ落下した。

 

割れる白いお皿

 

床の上で弾け、四散するマンゴープリン

 

果汁のたっぷりと詰まったプリンのジュースが、床をオレンジ色に染め上げた。

 

しかも傭兵たちは無情にもそれを汚れたブーツで踏みつけ、踏みにじるのだった。

 

「……!」

再び、三日月の瞳が大きく見開かれる。

 

そしてその光景は、今か今かとプリンを待ちわびていた三日月の脳裏に深く刻み込まれるのだった。

 

好物のプリンを目の前で失ったショックは、ナツメヤシ中毒で頭の動きが鈍っている三日月の理性を崩壊させた。決壊したダムのごとく、今まで溜め込んでいたイライラ(ニセのオルガやナツメヤシの件、あとシャロの件)が濁流となって三日月の脳内を支配した。

 

そしてなによりも、今の三日月にとって食べ物の恨みというのは本当に恐ろしいものだった。

 

そこから、三日月の動きは早かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナ ニ ヲ……ヤ ッ テ イ ル ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

悪魔の形相をした三日月は、一瞬にしてウェイトレスに絡み続ける傭兵の前へ移動すると、片手で首の骨をへし折らんばかりの勢いで傭兵の首を締め上げた。

(ガエリオの時よりも激しいね!)

 

「ぐ………!?ぐぐぐぐ?!」

 

男の首からミシミシと骨がしなる音が鳴り響く。

 

「な……てめぇ、何しやが……ぐあっ」

 

それに反応した2人の傭兵は三日月へと殴りかかるが、三日月は掴んだ傭兵を武器にするかのように2人へと叩きつけた。

 

酒場にいた全ての傭兵がその光景に戸惑いを覚えた。

 

「何しやがる!やっちまえ、お前ら!」

 

傭兵団のリーダーらしき最初に入ってきた男が叫ぶと、傭兵たちはふと我に返ったように懐や腰のホルスターから拳銃を取り出すが……

 

「…………」

 

最初に拳銃を取り出して発砲することができたのは三日月だった。正確な射撃により、最初に拳銃を取り出そうとした傭兵たちだけをいとも容易く無力化させ、沈黙させる。

 

弾切れになった拳銃を下ろした三日月は、恐怖で動けなくなったのか怯えたように床の上で震えるウェイトレスを抱え上げ、カウンターの奥へと飛び込む。

傭兵たちがようやく攻撃の第1波を放った時には、すでに三日月とウェイトレスの姿はカウンターの中へと消えていた。

 

「ハッ、先手必勝ってね!」

 

セレニティは目の前の傭兵を長銃で薙ぎ払うと、空いている中央の席へと跳躍し、傭兵たちに向けてマジックのショーでもやるかのような深々としたお辞儀をしてみせた。

 

「お前……それにその銃は……まさか!」

 

突如として酒場の中心へと躍り出たセレニティと彼女が持つ長銃を見て、傭兵たちの間にどよめきが走った、

 

「皆さん、お会いできて嬉しいわ。それでは……あの世にご案内するわね!」

 

狂気に満ちた左目で傭兵たちを見渡しながら、セレニティは長銃を構えた。

 

 

 

 

 

そこから先は、あっという間に決着がついた。

 

尋常ではないスピードとパワーで傭兵を一人一人叩き潰していく三日月

 

正確な射撃とガン=カタの技術で傭兵を一蹴するセレニティ

 

この2人を前に、傭兵たちは成すすべなく敗走するのだった。

 

「てめぇ!よくも!」

 

「……!」

 

そんな中、セレニティが撃ち漏らした傭兵がムクリと起き上がり三日月へと銃口を向けた。遅れてそれに気づいた三日月は被弾を覚悟するも、腰に下げていたサーベルを素早く抜刀したエレインが白刃を閃かせ、一瞬にして傭兵の腕を切り落とした。

 

腕を失い、絶叫する傭兵。

感情のない瞳をしたエレインはサーベルを傭兵の心臓へと突き刺し、とどめを刺す。

 

「リンゴの人、強いね」

 

鮮やかなその動きに感嘆したのか、三日月は興味深そうにエレインを見つめた。

 

「その……やってみたらできたの」

 

刀身についた血を払い「なんとなくだけど…」と呟きながらエレインはサーベルを収めた。

 

かくして、小さな戦いは終結した。

 

三日月は店をボロボロにしてしまったことを素直に詫びて弁償しようとするが、2人のウェイトレスはそれよりも「あのままではどうなっていたか分からない」「それよりも助けてくれてありがとう」と抗議の一つでもあっていいはずが、三日月たちに対して感謝するばかりだった。

 

(なんなんだあいつ……ただのガキじゃないよな?)

 

そんな中、セレニティは三日月のことをじっと見つめていた。しかし、その瞳は先ほどのような人を見下したような色ではなかった。

 

(座った状態からのあの反応速度、躊躇いも一切の無駄もない動きから戦闘経験は豊富と推測される……こんな奴がか?)

 

三日月を見つめながら、セレニティは先ほどの戦いを思い出していた。

 

(いや、あれはBM操縦者の動きだ。ナイフもしくは拳銃を用いた近接戦闘を得意とするパイロット……ん、そういえばこの前の追撃戦で、突如として連盟軍の前に姿を現した通称『白い三連星』の内、一機は圧倒的なパワーとスピードを駆使した近接戦闘により連盟軍を恐怖のどん底に陥れたって聞いたが……)

 

「ねぇ、なんか用?」

 

ふとセレニティの視線に気づいたのか、いつのまにか振り返っていた三日月が首を傾げてそう尋ねた。

 

「あ……いや、なんでもない」

 

セレニティは肩をすくめて三日月から目を背けた。

 

(いや、まさかな。でも一応エレインに伝えておこうか……?いや、面倒ごとが増えるだけかな。どうせ私たちには連盟を助ける義務はないしね)

 

セレニティは自分にそう言い聞かせ、考えるのをやめた。

 

「三日月さん!」

 

その時、敗走した傭兵たちの偵察に出ていたテッサが息を切らせて酒場へと飛び込んできた。

 

「ミサイルの人、どうだった?」

 

「うん。やっぱりあのゴロツキども……BMの用意を始めたよ」

 

全員の予想通り、傭兵たちは報復を仕掛けるつもりのようだった。

 

「……三日月さん」

 

「うん、テッサはここにいる全員を避難させて。後は俺1人でやるから」

 

そう言って三日月はジャケットとタンクトップを脱ぎ、テッサへと渡した。

 

「ち……ちょっと、どうするつもりなの?」

 

突然半裸になった三日月の行動とその歪な形をした彼の背中に驚きはしたものの、傭兵のBMが迫るこの状況で「1人でやる」と言ったことの意味をエレインは理解出来ずにいた。

 

「BMもロクな武器もないのに、どういうつもりなの?」

 

エレインは周囲を見渡し、スタスタと歩いていく三日月へと声を放った。

「大丈夫、俺にはこれがあるから……来い!バルバトス!」

 

後ろを振り返ることなく、三日月は悪魔を召喚した。

 

すると、上空を覆っていた厚い雲の隙間から白い悪魔……バルバトスがその姿を現し、ゆっくりと砂漠の上に降り立った。

 

「なんで毎回へんなところから出てくるの?」

 

落ちてきたバルバトスを見てふと湧いてきた疑問を「まあ、いいか」で済ませ、三日月はバルバトスへと乗り込んだ。

 

「セレニティ……今、あの人……」

 

「ああ、バルバトス……って言いやがったな。あのBMの名前か?」

 

その光景を遠くから見ていたエレインとセレニティは驚きを隠せないようといったように遠くの白い悪魔を見上げた。

 

「でも、バルバトスはあの博士が……」

 

エレインはそこで言葉を切り、何か考えるような仕草をみせると……急にバルバトスとは反対の方向へと走り出した。

 

「エレイン?!ま……待ってー!」

 

セレニティは訳もわからずエレインを追って走り始めた。

 

 

 

 

 

かくして、三日月の乗るバルバトスは傭兵団を相手に戦闘状態へ突入した。

 

しかし開始早々、三日月は傭兵団の持つ30機近いBMを前に押されつつあった。

360度から包囲され、三日月は傭兵団の集中砲火を受ける。直撃弾はメイスで防ぎ、機体を滑らせ必要最低限の動きで回避行動を取っているも、バルバトスの動きは普段のそれと比較しようものなら明らかに鈍足であると言えた。

 

いや、その原因はナツメヤシ中毒云々という話ではなく、もっと単純なものだった。

 

「ガス欠……」

 

三日月はバルバトスを走らせつつ、ため息混じりに計器盤を眺めていた。

計器盤のスラスター用推進剤の残量はゼロの表示を振り切っていた。

 

「そっか……お前も、同じだったんだな」

 

三日月はこの町に来るためにスラスターを全開にしていたことを思い出し、少しだけ後悔した。最初から、お互いに補給が必要な状態だったのだ。

 

「まあ、いいか。ガス欠でも俺とお前なら……」

 

誰に言うでもなく三日月はそう呟き、編隊から離れ孤立した傭兵のBMへと目標を定め、スラスターを一切使わず膨大な量の砂を撒き散らしながら砂丘を走り、傭兵団のBMをメイスで叩き潰した。

 

「やっと一つ……ああ、めんどくさ」

 

叩き潰したBMから目を上げると、三日月の前に編隊を組んだBMの集団が現れた。BMの編隊は砂漠を滑り、発砲しつつ三日月へと迫る。

 

メイスを構え編隊との衝突に備えようとした時、どこからともなく飛来した刃物のような何かが編隊の中の一機に直撃し、機体は二つに割れて爆散した。

 

その瞬間、編隊が崩れバラバラになった一瞬の隙を突き、三日月はバルバトスを編隊の中心へ。あっという間に二機のBMを薙ぎ払って戦闘不能にする。

 

「……あれは」

 

三日月は撒き散らされた砂の中を高速で移動する黒い機体を目撃した。黒い機体は砂の中に溶け込み、鮮やかな動きで大剣を振り回し、傭兵団の機体を次々に斬り捨てていく。

 

「すごいな、リンゴの人……え?」

 

黒い機体の剣さばきが先ほどエレインが披露していたものと似ていたことから、三日月は無意識のうちにそんな言葉を口にしていた。

 

「ねぇ、もしかしてリンゴの人?」

 

「え?今ので分かったの?」

 

黒く刺々しい機体がすぐ近くまで来た時、三日月はスピーカーを使って黒い機体のパイロットへと声をかけると、バルバトスと同じく悪魔の名前を持つ黒い機体のパイロット、エレインは驚いたようにメインカメラを向けた。

 

 

 

 

 

黒い機体の名前は『ベリアル』

謎多きソロモン工業製の古代メカLM−68。終末戦役において十二巨神アヌビスと激闘を繰り広げたこともある黒い悪魔。

 

ウァサゴと同じくFSフィールドを搭載し、武装は大剣と小太刀の他、特殊なミサイルと、一瞬にして自機の周囲を地獄の業火で焼き尽くす最終兵器を装備している。

 

 

 

 

 

傭兵団は混乱から立ち直り、再びバルバトスを包囲し始める。

 

「もしかして、機体の調子が悪いの?」

「うん、少しだけ」

 

バルバトスとベリアルは包囲の中心でお互いの死角をなくそうとするかのように背中合わせの状態になって声をかけ合った。

 

「なら、私の動きに合わせて援護して欲しいのだけど」

「いいよ」

 

バルバトスはメイスを亜空間へと格納し、代わりに滑空砲とロケットランチャーを取り出した。

 

「面白い芸当ね」

「かもね」

 

そのやりとりが合図となったかのように、傭兵団のBMが一斉に強襲をかける。

 

「今!」

「っ!」

 

ベリアルの声に合わせバルバトスは背中合わせのまま機体を回転させ射撃兵装を連射。ベリアルもウィングからミサイルを射出して応戦する。

 

ワルツを踊るかのようにローリングする2機。

白い悪魔と黒い悪魔によって生み出された暴風は、無数の弾丸を撒き散らして周囲に破壊をもたらした。

 

バルバトスの射撃は激しいローリングの中でも傭兵団のBMを正確に撃ち抜き、ベリアルのミサイルは回転によって生み出された遠心力により湾曲した軌跡を描いて飛翔し、一度に複数のBMを真っ二つにした。

 

「面白い芸当だね」

「そうかもね」

 

そう言う間にも、傭兵団の放った大量のミサイルがローリングを終えた二機の元へ飛来する。しかし、ベリアルの展開した広域FSフィールドがその全てを空中で受け止め、無力化した。

 

「それじゃあ、そろそろ決めようか」

「そうだね」

 

ベリアルは大剣を構え、敵の密集する方向へと高速で飛翔する。

大剣のため必然的に攻撃の隙が大きくなってしまうベリアルを狙って攻撃が集中するも、バルバトスは滑空砲で的確にそれを援護する。

 

「三日月さん!」

 

援護している間、密かに側面から忍び寄っていた一機のBMが砂丘の影からバルバトスを狙撃しようとするも、その企みはテッサの駆るバルキリーによって未然に防がれることになった。

 

「ミサイルの人?ありがと」

 

「はい!三日月さんのお役に立ててよかったです!」

 

BMの胴体からサーベルを引き抜き、テッサは嬉しそうに答えた。

 

「エレイン!大丈夫?!」

 

バルバトスがベリアルの元へ視線を戻すと、いつのまにかベリアルの隣には翼の生えた銀色の機体がいた。銀色の機体は心配そうにベリアルへと声をかけている。

 

 

 

それはベリアルと同じくソロモン工業製の古代メカ

LM−09『パイモン』

巨大な片手剣を装備し、ベリアルと同じく刺々しいイメージを彷彿とさせる機体だった。

 

 

 

そしてそれを操るパイロットは……

 

「あっちは……腹ペコの人か」

 

三日月はパイモンのパイロットであるセレニティに対し、勝手にそんなあだ名をつけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傭兵団を一掃し、本来の静寂を取り戻した砂漠の中心。戦いを終えた4体の巨人はまるで雑談でもするかのようにそれぞれ向かい合って佇んでいる。

 

「リンゴの人、さっきは助かったよ」

 

三日月はバルバトス越しにベリアルのパイロットへと呼びかけた。

 

「礼には及ばないわ。実を言うと私も、あいつらのことは叩き潰したいと思っていたから」

 

「口ではそう言ってるけど、本当はあのウェイトレスを助けたかったっていうのが一番大きかったんじゃないの?」

 

「セレニティ!」

 

「あ〜はいはい、お姫様〜」

 

セレニティはそう言ってパイモンの肩をすくめ、三日月たちから背を向けた。

 

「あなたには色々聞きたいことがあるけど、今はやめておいた方がよさそうね。それじゃあ三日月さんに……テッサさん、またお会いしましょう」

 

「うん、リンゴの人と腹ペコの人も元気でね」

 

相変わらず妙なあだ名で呼ぶ三日月に苦笑しつつ、エレインは三日月たちに背を向けてゆっくりとその場から立ち去った。

 

「今度は敵になるかもしれないけど……できれば、そうなってしまわないことを願ってね。白い悪魔さん」

 

三日月の瞳に写るベリアルの顔はケタケタと笑っていた。

それは後に起きる悲惨な運命を予言しているかのようだった。

 

アフリカの夕日の中に消えていく2機をひとしきり見送った後、三日月とテッサはオルガ捜索の拠点であるカイロへと帰還するのだった。

 

 

 

 

 

ナツメヤシ……オルガを探す旅は続く……。




アイサガやってる人もやってない人もエレインのスキンは必見です。(どうしてそうなった?)そして最近になって追加されたデレボイスの破壊力は抜群ですね!
どうせならスケ番セレニティのスキンを作って?ダッチー


次回予告です。

エル「カイロへと戻った三日月たち。その道中、行き倒れになったスロカイ様を見つけるよ」

フル「三日月はナツメヤシのため、スロカイ様と一緒に人探しをすることになります」

エル&フル「「次回『再会へ至る道(仮)』」」

エル「なるほどね!これが『クサレエン』ってやつね!」

アイサガで貴方の好きなキャラを教えてください。(回答はこちらではなく気軽にコメントの方へお願いします)

  • 境界戦機もっと流行れ
  • 鉄血・ブレットもっと流行れ
  • 水星の魔女×鉄血のオルフェンズ?
  • あと、アイサガのエンディングも作ります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。