─矛盾─   作:恋音

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4-22.魔法生物座談会

 

「セブルス〜、私魔法生物飼育学教師陣とスーツケースで楽しいティーパーティーしてくるからしばらく姿見えなくても心配しないでね!地図はハリーが持ってるから」

「まてまてまてまて、僕も行く」

 

 

 ==========

 

 

 

「というわけで第一回魔法生物座談会〜」

「わぁい!」

 

 ケトルバーン先生の司会進行に歓声と拍手で出迎える。ヒュウ!盛り上がってまいりましたァ!

 

「えー、まぁこれは学会でもなんでもないので、ほほっ、適当に適当に行きましょうか」

「賛成です」

「俺もそっちの方が気楽だな」

「……で、ちょっとその前に数点良いかな?Ms.コワルスキー」

 

 ケトルバーン先生が私に向き直った。

 

「──Mr.スネイプはともかくなぜMr.クィレルがここにおる????」

「成り行きで」

「成り行きです」

 

 学業と趣味と魔法生物を両立する上でクィレルのサポートは無くてはならないのよ……!

 全体の四割の世話と餌や素材回収だけで本当に助かるんだから。

 

「あっ、でもダンブルドアは知ってるから安心してちょうだい。ねぇセブルス」

「我輩に振るな。だが校長が承知している事で間違いは無いですな…」

 

 ウンウンと頷いたクィレルは餌のフェレットの仕分け作業を続けようとした。

 

「あ、クィレル。今日は一旦終わらせてクィレルも座談会参加しましょ」

「は……?終わらないぞ?」

「大丈夫よ。今日は魔法生物スペシャリストが+4人もいるもの」

 

 クィレルは軽口を叩けるほど仲良くなれたのだけど、だんだん私に対する扱いが雑になってきている気がするのよね。

 まぁいっか。私はクィレルの背中を押して椅子に座らせた。

 

「まぁ、校長が知ってるんなら構わんじゃろ。それよりセブルス、あんたがミリと仲良くしとるとは、ミリが1年の時とは想像つかんかったぞ」

「たしかに。Mr.スネイプは……あぁいや、プリンスだったか?」

「……スネイプで構いません。ブラックの犬っころも未だにスネイプですし、生徒にもスネイプと名乗っていますから」

「あぁ、私それについて聞くの忘れてたわ(忘れてない)。セブルス、後で教えてね」

 

 セブルスの正式なお家がプリンスになっているのは聞いたのだけど、色々と事情もあるだろうしアイリーンさんのこともあるから後回しにしていた。

 何より、あの、もう落ち着いているであろうおうちの事より、落ち着いてない方々の方が多すぎて。

 

 2年の時はギルデロイ。3年の時は愛しのリーマス。そこからエミリーバレに……いや既にバレてたけど……そこからシリウスの大問題。

 実はまだちゃんと再会して1年くらいしか経ってないという驚きの事実よ。ようやく落ち着いてきたって感じ。

 

 今年の夏休みはセブルスも招いてお泊まりかな。リーマスとピーターと、シリウスもついでに呼ぼうかしら。

 

「さてさてさて、座談会と言いますが、私的にはケトルバーン先生とハグリッド先生がギッタンギッタンに叩きのめされる姿を楽しみに引っ掛けてきているので、早く語り合いましょうよ」

「プランク先生……貴女もしかして嫌いですか?」

「とても尊敬しています」

 

 プランク先生は本当に飲んできているのか頬がやや赤くなっていた。

 いいなぁ、お酒。

 

「セブルス」

「ん?」

「私がお酒を飲めるようになったら皆で飲みましょう」

「良かろう、潰して差し上げる」

 

 セブルスに潰されるだなんて最高じゃない?

 

「話題といえば、やはり第一の課題と第二の課題と言うべきですかね」

 

 キャッキャと楽しそうにプランク先生が盛り上がる。ワ、ワカルー!

 

「プランク先生プランク先生、やっぱりドラゴンって夢ですよね」

「わかります……!第一の課題では駆けつけられなかったのですが、Ms.コワルスキーはドラゴンの課題をどう解決していたのですか?」

 

 私は糞に塗れて子供のフリをしたことを言うと、専門家たちは興奮するのではなく顎に手を当てて真顔になった。

 

「……やはりドラゴンの生態はまだ未解決な分野が多いな」

「孵化の仕方こそ判明出来ちょるが、成体の飼育方法はまだ確立しとらんからな」

「どちらかと言うと『抑え込める』という点に重きを置いていますからね、今の魔法生物界隈は」

「グリンゴッツのドラゴンも然り、脅威から避ける以外の手段だがなぁ…!」

 

 三人が語り合う。

 クィレルが紅茶を飲みながら更に口を開いた。

 

「このスーツケースの中にもドラゴンはいるが、気性は荒めです。ようやく、私と敵対はしなくなってきたかと」

「後でぜひ会わせて頂きたい!」

「もちろんです。……でも思うのだけど、やっぱりドラゴンって知能指数高いと思うんですよね〜」

「ほう?」

「ほら、1709年に人によるドラゴンの繁殖がウォーロック条約によって非合法化されたじゃないですか、そこから約200年間繁殖が制限されて個体数が減少傾向にあると考えているんですよね」

「たしかにな」

「ドラゴンは人の手の範囲に収まるように企んでいたのは1941年の第一次世界大戦でドラゴンを使った機密プログラムに参加し、ウクライナ・アイアンベリーを手懐けるために東部戦線でニュート伯父さんが参加したんですけど、ドラゴンたちは伯父さんだけに従順で、他の者を食べようとするためこのプログラムは1918年に中止となった。という魔法生物近代史かは分かるじゃないですか」

「うん……うん?」

「それって『人間愚かマジ無理』みたいに人のことを下に見ている上に、人の区別つくってことでしょ?私たちでさえ魔法生物の個体差を見抜くのに苦労するのに、ドラゴンはきちんと見抜くじゃないですか。総合的に他種族の個人判別能力と、人がドラゴンを恐れて規模を縮小させる事、1700年代以前はドラゴンの勢力図ってマグルや魔法界関係なくヒエラルキーのトップにあったんじゃないかなっていう推測」

 

 ベラベラとドラゴンについて語っているとセブルスがスコーンをつまみながら世界一かわちいため息を吐いた。

 

「コワルスキー、うるさい」

「うるっっっ」

 

 ひぃん。心にくる。

 愛おしさが爆発して心にくる。うるさいって言い方ほんとに可愛いなぁ、ちゅっ!

 

「ドラゴンをそのレベルで観察できるのは、ニュート・スキャマンダーを除いてMs.コワルスキーしか居らんだろうなぁ」

「知能指数が高いのは……ケンタウロス達のような可能性があると見て、まぁ無いことは無いですけど……」

 

「クィレル、そこのジャムを取ってくれ」

「はい、どうぞ」

「助かる。後、コワルスキー秘蔵の紅茶があるはずだからそれも出そう」

「は?そんなのあるんですか?」

「あぁ。そこの鍵付きの引き出しの二重底にある」

 

 セブルス〜〜!それ可愛い子ちゃん専用の茶葉!でもセブルスは可愛いのでOKです。

 

「そういえば、天馬、貴重なのが今いますね〜!ほっほっ、頭から噛まれてきました」

「まぁ羨ましい……」

「アブラクサン?いいですよね、あの金の毛並み……」

 

 うっとりしちゃう。

 

 天馬、飼育のクオリティ維持が大変だからやっぱり人手とお金が必要になるんだよねぇ。うっかり手を出せない。

 

「俺はセストラルの管理はしちょるけど、見えないからなぁ…」

「あれ!?ハグリッドってセストラル見えてなかったの?」

「おう。足跡や気配で何となく場所がわかっちょるが、餌を適当に置くだけだ」

 

 はー、そうだったんだ。

 見えない生物相手にお世話をするのってめちゃくちゃ大変そう。

 

「良かったら、私も手伝おうか?」

「お、ほんとか!ミリが手伝ってくれるんなら百人力だ」

 

 ハグリッドは嬉しそうに微笑む。

 

「ん、美味いな。フォートナム&メイソンか」

「くっっっそ高いやつじゃないですかこれ」

「昔からの好物だ。我輩用だろう」

 

「──大正解ですよこんちくしょうっ!」

 

 それセブルス用に買ったんだもん!!

 

「時にMs.コワルスキー、貴女バジリスクを捕獲したとかって…………」

 

 ソワッソワッのケトルバーン先生だ。

 

「そう!そうなの!そうなんです!ほんっっとに……いい体験をしてます……バジリスクの瞳に射抜かれる感覚を体験出来るとは思っても無かった……」

 

 私は頬に手を当てて目を閉じた。

 最高の体験、あと、セブルスのマンドレイク回復薬でじわじわと四肢が回復していくあの感じ、まるで生まれ変わったかのようだったよ。

 

「問題はバジたんが『人の目を見ると固まるのが困る』って言ってることなんですよね。バジリスクの瞳を石化せずに見れる方法があればいいのだけど……」

「まっっっっ、まて、まてまてまてまて」

 

 ケトルバーン先生は固まってしまった。

 

「Ms.コワルスキー…貴女……バジリスクと会話が出来るのですか?」

 

 その言葉に私は首を横に振って否定する。

 

「私は、出来ないんです……。蛇語を話せる友人が居て、助かっているんですけどね。私は彼に蛇語を教わることが出来ないので、翻訳してもらっているんですよ」

「ほ、な、なるほど……流石に最難関言語まで取得されては非常に困る話ですな……。いや待て!それは最高の情報じゃあありませんか!?ほっほー!」

 

 お!テンション爆上がり通常ケトルバーン先生だ。

 

「Ms.コワルスキーMs.コワルスキー、貴女の教師にならなくて本当に良かった!」

「それ……えぇ……」

「エミリー・コワルスキーだけでも手一杯でしたけども!バジリスクもドラゴンもウェルカムのコワルスキー族を私は教えたくありません!」

「酷いわ先生!私だってエミリーな……」

 

「──コワルスキー」

「なぁにセブルス」

 

 会話に混ざらなかったセブルスが鋭い声で何かを牽制した。

 

「コワルスキー?」

 

 その瞳、私の天使センサーアイで見たら分かるわ。

 

 余計なこと言うなって目をしてるわ……。

 

「愛してるわ」

「仲良いですねぇ」

 

 流石は魔法生物飼育学教師陣。人間関係より魔法生物関係の方が興味がある様子。

 

「最近ビリーウィグとアッシュワインダーの飼育を始めましてね。やはりお菓子や魔法薬の素材として重宝する子らは資金になりますな」

「アッシュワインダー…!素晴らしいですね。1時間の命とも言いますけど」

「まだ偶然なのですが、1つ個体が2時間を越えまして」

 

「そういえば南アフリカの遠征でコカトリスの痕跡らしきものをみつけましたよ」

「プランク先生はよく遠征されちょるが、印象に残っちょる魔法生物はなんだ?」

「あ、実はトロールが結構残っています。住処も分かりやすいので各国でよく目につくのですが、環境によって色や肌質が全然違うので、見ていて楽しいですよ」

「へぇ……!山や川だけではないんですね」

「おや。Mr.もトロールにご興味が?」

「えぇ、学生時代からトロールの使役に興味がありまして」

 

「…………Mr.クィレル、貴方が闇の魔術に対する防衛術の教職に付いていた際、トロールが現れたという事件が起きましたが」

「おっ、このチョコ美味しいなァー」

 

 この間にセブルスは耳を傾けながらも完全に空気になっていて、むしろ関わってくれるなという雰囲気を出している。

 その間お菓子を無限に食べてくれているので、私としてはすごく良い事だ。

 

「オーッホッホッホ!ざまぁないですねケトルバーン先生!Ms.コワルスキーに振り回される貴女を見るのは大変に楽しいですよ!」

「プランク先生もですがァ!?」

「ミリ、ノーバートにそろそろ会わせちょくれや」

 

 いやぁ、魔法生物学者って自由だよなぁ。

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