─矛盾─   作:恋音

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4-24.脱走者

 

──ねぇトム、Mr.オリオンからトム宛に手紙が届いたんだけど、見てもらえる?

 

──急ぎの印は入ってる?

 

──ううん、入ってない

 

──なら今週末もハリーたちとお茶会をするだろう?その時に見るよ。僕用のとこに置いておいて

 

──机の一角ね。そろそろトム用の机作るべきじゃない?

 

──要らないかな。ねぇところでミリ

 

──なぁにトム

 

──君が2年の時、僕らは出会ったわけだけど、50年前に起こったことを君に見せるって言ってたじゃないか

 

──えぇ、覚えてるわ。なぁに、見せてくれる気になったの?

 

──君にならいいかなと思って。でも、ううんそうだな。君が喜ぶようなコースを編集しておくから、次の夏休みまで待ってよ

 

──それって、すっごく素敵ね

 

 

 ==========

 

 

 月日はあっという間に流れ、5月になってしまった。

 

 特別何か問題が起こるわけでもなく、月日は流れていっている。

 愛しのレギュラスが何かしてくれたみたいで、リーター・スターキーという確か最初の方に居た感じの記者が悪評高い記事を出したとか言っていた。シリウスからの又聞きなのでよく分からないけれど、週刊魔女から追い出されたみたいだ。

 

「自分のことそこまで気にしないの君くらいだよ。あげく、脅迫みたいなの届いてたろ?」

 

 とは、ロンの言葉。

 はてさて脅迫。心当たりもなければ可愛い子の気配も感じられないので首を捻るばかりだ。ハートの形をした石が届いたわけじゃあるまいし、

 

 

 そういえば、最近校内ではフラーとよく行動を共にすることが多い。とても嬉しいことに、フラーの方からよく声をかけてもらえる。もちろん、私はそんの先をいくので声を掛けられる前に愛を捧げに行くのだ。

 最近ボーバトンのきゃわいい女の子達に噂話されてて嬉しい。フラーが何か警戒しているようだけど、すごく可愛いね。

 

 余談だけどセドリックやビクトールもよく寄ってくる。イケメンはお呼びじゃないのだけど、と不満を漏らすと、馬鹿を見るような目を向けられた。どうして。

 

 

「貴方達暇なの?フラーとのデートを邪魔しないで貰いたいのだけど」

「君は馬鹿か?」

「そうだよミリ、僕らが防波堤になっているのくらい分かっているだろ?」

「邪魔ってことよね?」

「ビクトール、救いようがないよ」

「あぁ、ヴぉくらの苦労はお互いが分かっているから、セドリック、気にするな」

 

 馬鹿にされた気配を感じてむくれていると、愛しのフラーはクスクスと笑った。

 

「ミリ、私は貴女が不正してないと信じてまーす。でも、そレを知らない人がいるのも確かデスよね」

「そうね。でもフラーが知ってるから別にいいわ。好きよフラー」

「うっ……。私もすーきです」

「う゛っっっっ!!!世界が今私に微笑んだ。皆さん聞いてください!フラーと両想いです!!!」

 

 跪いて頭を垂れて崇め奉る他ないと思うのよ、私。

 

 今日は夜の9時にクィディッチ競技場でバグマンから第三の課題について説明を受けるのだ。今日だけは甘んじて行動を共にすることを許しましょう。今日だけね。あとは勝手に付いてくるだけね。

 

 

 

「コワルスキー!」

 

 そうしてフラーとその他の二人とも共にいると、シリウスが大慌てで駆け込んできた。

 

「シリウ……ウブっ」

「コワルスキー、無事か!?無事だな!?」

「なんっ、重、重い〜!!!シリウス重いってば!!」

 

 シリウスは私を抱きしめる。

 

 と、いえば聞こえはいいけど。

 ……どちらかと言うと潰して丸めて懐に入れてしまいそうなほどぎゅうぎゅうと力を込めていた。本当に痛い。

 

「ぶ、ブラック先生!ミリが潰れてます!骨が!骨からなってはいけない音が聞こえます!」

「──クラウチジュニアが脱走した!」

「……は」

 

 衝撃的な言葉に私は思わず抵抗もせずに固まった。

 

「ジュニアがルシウスの所から脱走して行方知らずだ!しかもあの野郎、『貴方の命令より優先すべきことが世の中にはあります』だとか抜かしやがって……!」

 

「クラウチジュニアって、あの、マッドアイ・ムーディー氏に化けていた、あの男……?」

「誰でーす?」

「審査員のクラウチと関係が?」

「あ、あぁ」

 

「お前が狙われる!コワルスキー!お前が狙われるんだ!ヴォルデモートも復活するかもしれねぇ!お前をもう二度も、失ってたまるか!コワルスキー、二度も死なせない、大丈夫、大丈夫だ、俺がお前のこと殺してでも守るから!」

 

 シリウスの様子を見て、セドリックが顔を青くした。

 

「ブラック先生、もしかしてかなり錯乱している?何か闇の魔術にかかっているのかも……。大変だ、他の先生を呼んでこなきゃ」

「セドリック、非常に悲しいことに、多分めちゃくちゃ正気なのよ」

 

 友のためバーサーカーシリウスがこの程度で錯乱魔法のバフがかかっているとは思えない。錯乱魔法を掛けられていたら、多分有言する前に実行するわ。

 

 私はシリウスの顔を見て、問いかけた。

 

「シリウス、私は狙われるのよね?」

「あぁ……あぁっ!」

「──バーティと会えるチャンスという事よね?」

「嗚呼…………………(諦めの声)」

 

 嬉しい、嬉しすぎるわ。

 あれから会えてないのよバーティに!

 

「ねぇシリウス!バーティが私に会いに来るって!?」

「そうとは言ってねえだろ!!!!!!」

 

 ベッ!とシリウスは私のことを地面に投げ捨てた。酷いわ、私のことは遊びだったのね……!

 

「まぁシリウスのことはどうでも良くて」

「良くねぇよ!」

「ヴォルデモートのこともすごくどうでもいいんだけど」

「どうでも良くしたら駄目だろ!」

「バーティってしっかりご飯食べてた?最後に会った時どう考えても睡眠取れて無さそうだったし細いし声も枯れてて心配してたのよ、ルシーに手紙送っても会わせてくれなくって」

「──それはどうでもいいだろ!!!!」

 

 やだやだやだやだやだやだ!どうでも良くない!私バーティに会いたい!

 

「捜索隊を作りましょうシリウス、私が隊長ね」

「逃げろクラウチジュニア!こいつの魔の手から!俺が食い止める!!!」

 

 

 

 ちなみにその後第三の課題の説明を受けたのだけど、可愛くない人からの説明なので全然耳に入って来ませんでした。

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