─矛盾─   作:恋音

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2-12.クリスマスの訪問

 

 クリスマス休暇に入る前、ハリー、ハーマイオニー、ロン、ネビル、そして私の5人がドラコに家へ招待されたのは覚えているだろうか。

 いや、忘れるはずが無い。キリストの誕生日だとか死んだ日だとかドラコの可愛さを前にしては横に置いておいてもいいって聖書で言ってた気がするわ。きっとそう。

 

 そんなウッキウキのクリスマス休暇。

 ドラコが迎えに来てくれる中、ド緊張した4人が私の上着を握りしめていた。

 

「無理……確かに僕とロンは純血貴族だけど、マルフォイ家とは真逆のグリフィンドール家系だよ!?僕なんでよばれたのかなぁ!?」

「そうだよ、確かにマルフォイそんなに悪いやつじゃないけどさ、純血主義のマルフォイ家に行くだなんて、どんな罰ゲームなんだ」

「2人はいいよ、まだ貴族だもん。こんなの全然経験ないし格好すら無かったんだから」

「いいじゃない!貴方達は両親がホグワーツ生なのだから!私なんて歯医者よ、もちろん両親の職業は誇りに思ってるけれど!この場に呼ばれていいわけないじゃない!」

 

 みんな可愛い。ハリーとハーマイオニーはもちろんの事ながら、心無しかロンやネビルまで可愛く思えて来たわ。残念ながら私の後ろに皆くっついているせいか顔が見えないけれど。

 

 12月の寒さなんて吹き飛ぶくらいの興奮具合ね。

 

「どうしてミリは平気な顔をしてるのよ」

「ドラコのね、ご両親。──どちゃくそに美人」

「あぁ…………(察し)」

 

 今ここまで平穏を保っているのは死に立ち向かう瞬間の刹那の走馬灯みたいなものなのかもしれない。

 シシーの数年越しの、それこそシシーが卒業してから出会えてなかったから一体どんな美人に成長しているのか恐ろしくて仕方ないわ。

 

「──お前たち、こっちだ」

 

 ドラコが駅まで迎えに来てくれた。私服のドラコの王子様感本当に麗しい。美と可愛さの良いとこ取りすぎてクリスマスと夏休みが両方来たみたいなカーニバル状態よ私。

 

「こんにちはドラコ。今日はお招きありがとう。ところでとっても素敵な髪型と洋服ね。もちろん貴方の顔もすこぶるキュートなのだけど、心の中がエレクトリカルパレードしてて頭がどうにかしちゃったみたい」

「いつもだろ?」

 

 何を言ってるんだと言う顔をされてしまった。はい、ドラコが言うならいつも通りです。

 

「ハウスエルフを呼ぶから少し待て」

 

 パチン、とドラコが指を弾くと、姿くらましで下僕屋敷妖精が現れた。

 

「あれ?ドビー?」

「み、ミリお嬢様。お、お久しゅうございます……」

「知ってるのか?」

「えぇ。前にうちに遊びに来たの。ドラコの家の子だったのね」

 

 ドビーがどうしてハリーを学校に通わせるのを嫌がるのか分からなかったのだけど、どうやら主人の命令ではなくドビーの独断だったようだ。

 

 だって、ルシーが可愛い子をホグワーツから追い出すと思う?ぜっっっったい、思わないわね。

 

 同志として信頼してるわ。方向性の違いや好みの違いはあるけれど。だってルシーはイケメンも許容範囲だから……。私はイケメン嫌よ。可愛い子をメロメロにしちゃうんだもの。あとシンプルムカつく。

 

「そ、それではお坊ちゃま方。皆様お手をお繋下さい」

 

 ドビーの合図で皆が手を繋ぐ。私もスーツケースを背負って両手を空け、ハリーとハーマイオニーの手を繋いだ。

 

 パチン。と弾ける音がして、目を開けるとそこには広大な土地が拡がっていた。

 家がまるまる入りそうな大きな庭ね……。

 

「やばい、マルフォイ家やばい」

「ねぇマルフォイ……どうして僕も呼ばれたの?あまり直接的な関わり少ないよね?」

「……んー。僕はロングボトムとこいつらの距離感に差があるとは思ってないが。1人を除き」

「あ、うん、それは除外して」

 

 すごい、孔雀がいるわ!まぁなんてこと、イーソナンの形跡がある。く、私にも目くらましの魔法がきちんと使えたらいいのに。

 

「それにグリフィンドール生を招くだけでも大概なんだ。主に純血貴族のロングボトム家とウィーズリー家を招くってだけでも驚かれるのだが、外聞的にまだ言い訳がしやすい」

「なるほど……ロンだけじゃ名前が足りなかったってことだね?」

「ポッター家も一応貴族だし、今や英雄。ただ、そこに無理矢理くっついてきたコワルスキーと其れを止めるための同性ストッパーとして最優秀成績者を招いた、ってことにしたら。……1人を除き全員が幸せだ」

「私がハーマイオニーの理由になれるだなんてこんな幸福なことがあっていいの!?」

「訂正しよう、みんな幸せだ。能天気とも言うが」

 

 雪が降りしきる中、あっという間にマルフォイ館に訪れることが出来た。

 はわわ、緊張するよォ。

 

「家、すごく大きいわね」

「本館だからな。別館はもう少し小さいぞ」

「恐ろしくて直視出来ない……」

「ミリ、緊張してるの?」

「お2人に会うのに緊張してる……」

 

 ドキドキする心臓を抑える。

 心拍数上がってきて鼻血出ちゃいそうだわ。

 

「家も他の貴族に比べたら大きいとは思うが、ここより大きくて豪華な家はあるぞ」

「えっ。どこなの?」

「ブラック家とか」

「確かに……ブラック家別荘はマルフォイ家より大きかったわね。もはやホグワーツ城と言っても過言では無かったわ。別荘は見た目から豪華だけど、実家の方はロンドンの通りにあるマグルとマグルの間にあるシンプルな外観で、マルフォイ家とは別の洗練された美しさだったけど、ここよりは少し狭めよ?」

「えっ?」

「え?」

 

 ドラコがぎょっとしたように目を見開く。

 

「お前……ブラック家に行ったことが……あるのか?」

「えぇそうよ。まぁ出禁なのだけど」

 

 Mr.オリオンの指令でレギュラスに教えてもらったのだから、守らざるを得ないわ。

 これがシリウスに言われてたんなら速攻破ってたのだけど。

 

 門が自動で開いていく。

 魔法道具か魔法 の一種なのだろうけど、私はそういうやつの専門じゃないので分からないわ。

 

 ああいうのはピーターやジェームズが得意なのよねぇ。ピーターの才能、本当に最高だと思うの。

 

 思えばものづくり系の才能はきっと幼い頃(3歳)に趣味だった積み木や、マグルの知識が影響していたんでしょうね。私が持ってた銃も分解してみていいか聞いてきたし。もちろん喜んで渡したわ!というかプレゼントしたわ!ジェイコブ父さんにはめちゃくちゃ叱られたけど。

 

 

 そんな思いを馳せている間に扉が開かれきって、シャンデリアの光を背中に浴びながら立つ2人の人物が居た。

 

「ドラコ、全員揃ったかい?」

「はい父上!」

「外は寒いでしょうし、早くお入りなさい」

「ありがとうございます母上。お前ら、早く入ってこい」

 

 キラキラと。

 淡く輝く髪色のなんと美しいことか。後ろで結んだ髪の毛の節から緑色のリボンが見えている。

 光の当たり方で色の変わる艶やかな黒髪。ドラコと同じ金髪は肩で切り揃えられている。

 

 2人はキリリとした表情で、優雅で、そして眩くて優しくて尊くて。

 

 ──私は膝から崩れ落ちた。

 

 

「こ、コワルスキー!?大丈……」

「神様どうもありがとうーー!!!!今ここで出会えた奇跡にメリークリスマス!!!!」

「大丈夫そうだな、うん……」

 

 直視出来ない美しさに目眩がするので、目が潰れる美しさ対策として持ってきていたサングラスをスチャッと掛けた。

 モノトーンでも美しさが変わらなっ──

 

 

 

 

 

 ──目が覚めたらベッドの上に横になっていた。

 

 

 えぇ、わかってる。

 鼻血が出てぶっ倒れたのね。慣れてるわ。

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