アメリカニューヨークの夏。日差しが照り付ける地元での生活は流石の暑さにうだっていた。
「アベル、大丈夫?」
「暑っつい。冬は心地いいのに夏は絶対可笑しいって」
「分かるけどー」
我がコワルスキー家には従兄一家であるスキャマンダー家も泊まりに来ていた。休暇毎の恒例行事だ。
暑すぎて机に突っ伏した状態のアベルが唸る。そっと冷やした紅茶を机に置いた。
「エミリーおいでー」
「はーい!」
ニュート伯父さんに頼んでいたスーツケースの修復が終わったみたいだ。呼ばれた方へ向かうと魔法で拡張した部屋には魔法生物で溢れ返っていた。
「あ、この子達伯父さんの子だ」
「やっぱり見分け付くよね」
「うん。あァそうそう、禁じられた森に色々魔法生物見つけたよー。キメラとか」
「ッ!?ゲホッ!ゴホッ……それ、本当かい?」
「本当。でも比較的友好的だった。もしかしたら子供いるかも」
「それはエミリーだから友好的なんじゃ……。まぁいいか、報告ありがとう」
「どういたしまして」
森の難易度が上がってる、とブツブツ言いながら伯父さんはスーツケースを整え直した。
「はい。完成。……しかし、エミリーも1年目から無茶やらかすよねェ」
「魔法界すごいね」
「……まぁ、そういう事にしておこうか」
誤魔化したら誤魔化されてくれた。ありがとうこれだから大好きよ伯父さん。
「あ、そうだ伯父さん!私ドラゴン飼いたい!確か資格が必要だったよね!ドラゴンの道には進まないけど、オールラウンダーな魔法生物使いの才能あるよね!きっと!」
「いいよ、いつかは仕込むつもりだった。学校卒業したら魔法生物ブリーダーになれる様に色々教えておこうか」
「やったァ!」
ぴょんぴょん跳ねて喜びを表現すると伯父さんのヒッポグリフが私の首根っこを捕まえた。あ、これ捕獲か。伯父さんのスーツケースに入ってる魔法生物全てと何とか交流出来るのって私しか居ないんじゃないだろうか。
「僕が死んだらトランクは任せるね」
「じゃあ私が死んだら私のスーツケースは伯父さんに任せるので老衰以外で死なないでね」
「キミ、さぁ、老衰以外の何で死ぬつもりなんだい?」
「うーん。サラマンダーの炎、いや待てよ、バジリスクの瞳。アクロマンチュラの毒、ズーウー、ドラゴン、天馬……。うーんっ!」
「君の案は魔法生物学者として羨ましいし、素晴らしい考えだと思うけど親戚として言わせてもらうよ。やめて」
可愛くて美しい伯父さんに言われたらやめるしか無い。
そう言えば兄さんは店を継ぎたいらしく父さんについてまわってるらしい。パン作りを極めたりと色々忙しそうだ。あぁ、私が居なくて寂しいんだな、ってすぐに分かった。週一で手紙書いてるのにそれでも不足気味か。
「ん?」
「お?」
何かの気配を感じたのか伯父さんの魔法生物達が外を警戒する。私の子達、と言っても身に付けている子達はそんな様子を見せなかった。
ドアノックの音が聞こえてくる。
なんだ来客か。
手の空いてる私が出ることにした。
「はーい」
扉を開けた先では漆黒の髪にハシバミ色の瞳を持った天然パーマと可愛くない野郎と灰色の瞳を持つ可愛くない野郎と、そしてその影に隠れる天使がいた。
うんうん、流石はニューヨークの夏だなー。
「「来ちゃった♡」」
「……き、来ちゃった?」
私は手で顔を覆って叫んだ。
「幻覚症状ッ!」
暑さで脳みそがやられたのかと思ったけど、私の友達は現実だった。
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「いやぁごめんごめん、突然来ちゃってさ!」
ジェームズ・ポッターは笑いながら私の肩を叩く。シリウス・ブラックはさっきの私の反応が笑いのツボに入ったらしい。
「ごめん、一応僕は止めたんだ。でも」
申し訳なさそうな顔をしてセブルス・スネイプという素晴らしい名前を持った天使が頬をかく。しかし、目を合わせて私に告げた。
「激流には身を委ねた方が楽だろう?」
「しばらくぶりの天使の威力が凄まじい勢いで私の心を射抜いて来る、セブルスキミは最高の狙撃手だよ」
「……うん」
おぉ?
下を向いて何かを考えていたセブルスはハッと顔を上げてジェームズとシリウスを見た。
そう、ニヤニヤ笑っている2人を。
「おやおや〜?Mr.スネイプ〜?」
「おいおいからかってやるなよジェームズ〜。俺達に一泡吹かそうと頑張って、いーっつも一緒にいたお陰で絆されて〜?居ないのが寂しいとか思っちゃう年頃の男の子にそりゃ〜ね〜ぞぉ〜?」
「なんっ、なんで知ってるんだよっ!」
顔を真っ赤にしたセブルスが2人を叩きに行った。
えっ、可愛い。可愛いが過ぎる。
確かにそう言われたからなるべく毎日会いに行こうと……お、毎日だったな。うん、毎日一緒にいた。
義務感云々じゃなくて純粋に天使と傍に居れる合法的な機会を逃すわけがない。
「コワルスキーも何か言えよ!」
「可愛すぎて脳みそ溶ける。大丈夫?野生のスウーピングエヴィルに脳みそ吸われてない?」
「普段通りだな」
ちょっと落ち着いたセブルスは2人を睨みつけるに収めた。
まぁ、都会の街中で騒ぐと迷惑だしね!
「スネイプってエバンズといいコワルスキーといい……待てよ、お前まさかコワルスキーの事を好──」
シリウスが己の父親と似たような発想に至り口を開く。
「……」
すっっっごい嫌そうな顔をしていた。なんかもう残忍な殺害現場とかマッシュされた肉片を見たような顔。
「悪かった」
「シリウス、流石にその発想だけは無いよ」
可哀想、と言いたげにセブルスの肩に手を置くジェームズ。ウンウンと頷くセブルス可愛すぎない?
「おまっ、ジェームズ、一応言っておくけどコワルスキーはお前の上位互換だからな!?」
「はァ!?なんだよそれ」
「えっ、何それ何それ」
セブルスは小さくあーー、と何故か納得したような声を上げた。
流石にその話題には入らざるを得なくなる。ジェームズと言葉は違えど同じような意味を含めて聞き出した。
「ジェームズの記憶力とか性格とか変態度はコワルスキーの方が上だろ」
「なんで!?僕記憶力良いよ!?実技も座学も僕の方が上だったんだけど!」
「だってこいつ教科書丸暗記してるぜ?」
「……なん、で」
「ちょっと美形のお兄さんに音読してもらったから」
「──あと顔は絶対コワルスキーの方が上」
「分かる」
「だよね」
「ポッター家の平凡顔がぁあぁあ!」
ジェームズは膝から崩れ落ちた。変な目で見られるからやめて欲しい。
「まっ、なんだかんだ表が似てるんだよお前ら」
セブルスにも似たジェームズ、そして彼は私にも似て、自称双子を名乗れるくらいシリウスとも行動が似ている。
ジェームズ・ポッターって実は平均的な人間なんじゃ…?
「ハハ、まぁ似てると言われて嬉しくない訳じゃないけどシリウス、これだけは覚えておいてくれよ」
ジェームズは真剣な顔をして言う。
「──僕は天才、ミリーは馬鹿だ」
「ちょっと納得しちゃった私に謝って」
「ごめんね!」
「いいよ!」
馬鹿と天才は紙一重ってよく言うよね。でも私天才の方の人間だからすまない。
と言うより真に天才なのはセブルスだと私は思うんだ。視線だけで人を虜にする魔性さを無自覚でやってのけたんだし。勉学面でもテスト受け直しがあったから順位としては出なかったけど、点数はジェームズやシリウスに並んでた。マグル育ちの彼が!流石!素晴らしいね!順位あれば絶対3位だったよ!次は打倒双子だ!
いやいや、天使に任せっぱなしなんて恥ずかしい真似出来るわけが無い。私が倒さねば。可能性は十分にあるよ、私座学でならトップ取れる要素がある。……実技はもう、魔法薬以外諦めてるから。
「という事はセブルスとリリーの勉強を聞いていれば完璧……?」
「またコイツ脳の思考回路ぶっ壊れてんぞ。どっか入ろうぜ」
「バ、バスの乗り方もわからん奴が先導をしないで、くれ!田舎ならまだしも、都会のバスは複雑なんだよ!」
セブルスが世間知らず2人の腕を取って行動を押さえる。いや、いきなり外に出した私も悪いけど、今コワルスキー家には超危険魔法生物が闊歩してる状態なのでね、上げられないわけよ。私の子達なら温厚だけどよりにもよって伯父さんの魔法生物は、まずい、色々まずい。ぽっと出の人間相手に牙を向かないわけが無い。
……私も兄さんもアベルも子供の頃から触れ合いはあったからね。仕方ない。
「暑いからアイス買って家に戻ろう。もうそろそろ戻れるはずだよ」
「あァ、うん、やっぱりいきなりは不味かったかなあ」
「我が家は基本気にしないよ」
少し申し訳無さそうな顔をしてジェームズが私をちらりと見る。天使を連れてきた手柄は流石としか言えないんだけど。
「ハッ、なんで天使が居る!?」
「今更かぁ」
「今更かよ」
「お前本当にそういうところだぞ……」
ふっかいため息を3人は吐く。地球の二酸化炭素濃度は上がりっぱなしだ。
やれやれと言った様子でジェームズの肩を叩きながら空気を変えようとするシリウス。ジェームズは後悔したことを後悔していた。全く解せない。しおらしくしててどーぞ。
「スネイプの家庭環境が悪いって聞いてたし、魔法族だって知らない親父さんがいるって聞いてたから居ずらいだろうと思って突撃スネイプ家」
「俺の名前使ってスネイプの母親から泊まりの了承得るだろ、父親の方はまぁ居なかったからよ」
「その後はシリウスと一緒に僕の家に泊まってた。それで唐突に思い付いたのさ、ミリーの住んでるアメリカに行こうじゃないかと」
「ジェームズの両親はやっぱりポッターだな……。ノリノリで手続きしてくれたぜ。もう帰ったけど」
双子の話を聞いて私は思わず膝から崩れ落ちる。そして顔を覆った。
「……そんなっ、セブルスの環境は私も知ってたのに、えっ、天使を、先越された……?ひぇあっ、なんでポンコツなのよ私の脳みそ、少し考えれば出てきてもいいのに……!ジェームズ!キミってやつは!」
「うわぁああぁあ!?これ褒めてる!?これ本当に褒めてる!?あああ僕の1時間かけてセットした髪が!」
「セットしてそのパーマ具合か色気付きやがって!」
最悪だ、と呟きながら鏡を見て絶望するジェームズ。流石にセブルスもシリウスも何が変わったのか分から無い様で首を傾げていた。
「でもまぁ、良かったよ!セブルス楽しそうだし!」
「魔法使えないって残念だよね」
「魔法が使えない事がこんなにも素晴らしいとはな」
ジェームズとセブルスは正反対の事を述べる。杖ないと悪戯はグッズに頼りっぱなしだもんね。
とりあえず幸せそうならOKです。
「ま、コワルスキーには俺の家の事で助けてもらったし、義理は返すべきだろ」
「そこで僕を助けるに至ったのか」
「よく分かってるだろ」
「本当にね!ありがとうシリウス!愛してるわ!」
「へーへー」
私の事助けてもらうより私の大好きな天使を助けてもらえる方がよっぽど嬉しい。嬉しすぎて大好き絞め技をしようと思ったけど全力で避けられた。
「……時にシリウス」
「……なんだよ」
「……セブルスとジェームズの様子はどうだった?」
「案外普通だったぜ、ジェームズが変わったと言うより、ジェームズの本音を知ってるスネイプがなんつーか、発言とか行動を受け取るようになった感じか?」
受け身側に余裕が出来ているから摩擦が生じないって事か。楽しそうだし今はそれでいいかな、って思うよね。
誤魔化しながら距離を取って聞いたから2人と少し離れてしまった。
「それで、シリウスの方はアレからどう?」
「親父がお前を気に入る以外は結構まとも。俺を次期当主の座に据えてる」
「簡単に良かったと言えない。なんで?」
いや、うん、シリウスはブラック家を継ぐの嫌がってたけど私と話して次期当主のメリットに気付いたらしいし、なる方が便利だと言っていた。うん、それは素晴らしい。
でもなんで気に入られる要素があった?私堂々と喧嘩売ってたはずなんだけど。
「なんつーか、便利そうだとよ」
「ああーー、命に価値が無い使い捨て便利グッズー!」
フワッと誤魔化したシリウスの言葉。しかし察しのいいエミリーはちゃんと気付いてしまうのだ!悲しい!
「……うん、まぁ、言わなくてもいい……、俺がやる番だし……」
ボソリと小さく呟いたシリウスにどういう意味だと返そうとした。その時、別の物から声がかけられたのだ。
「うっわ、見ろ、エミリー・コワルスキーだ。頭のイカれたエミリー・コワルスキー!」
「学校に来てないけどついに頭が壊れたかー?」
ガバガバ笑いながら私を馬鹿にする元クラスメイト。あ?とシリウスが威嚇した。
「あれ、何?」
「可愛くない子」
「もっと細かく」
「魔法生物が普通だと思っていた頃の私の名残りかな……」
エヴィルに脳みそ吸われそうになっちゃったー、とか頭のおかしい発言をクラスでやらかした時からこうしてからかわれる。
「男連れて守ってもらってるつもりかよルーニー!」
「お前の母ちゃんブース!」
2人組が騒いでる中、異変を察知したジェームズとセブルスも駆け寄ってくる。駆け寄るセブルスが可愛すぎて世界は救われた。
「お前なんて火あぶりにされちまえばいいんだ!」
「「「はぁ?」」」
魔法族になってみて、2つの視点から見てみて、アメリカは魔法に関して激しい嫌悪というか、根本に流れる差別意識が根深い事を知った。
つまり非魔法族が火あぶりという単語を使うのは最大の侮辱。
「3人が怒ってどうするのよ……」
私が馬鹿にされた事に反応したのは私じゃなくて3人。嬉しすぎて吐きそう。
「あのね、私全く気にしてないから無視しよう無視」
「でもミリー、あいつら何も分かってないっ!最ッ低の奴らだ!」
「……傷付くこと覚悟で言うけどセブルスが優しいから非難されないだけで。あの2人への反応は、君達双子への反応と一緒だからね?」
「「えっ」」
いや本当にマジで。特定の趣味嗜好を馬鹿にして悪戯という名の意地悪するのはジェームズとシリウスと同じだから。
セブルスがちゃんと受け身体勢で居てくれるから『悪戯』として成立してるだけであって。
「もちろん傍から見れば、の話ね。何を目的としているかは全く違うし、少なくとも今の在校生は意味を知っているから」
「……えっ?」
今度はジェームズだけがフリーズする。
全くだ、と言いたげにセブルスが頷いていた。
「無視するなよエミリー・コワルスキー!」
興味ないから無視をしていたんだけど、どうやらお気に召さなかったらしい。こんな道中で騒がれても色々困るから相手をしてやりますか。
何よりセブルスが怒ったから。
「ハァイ、しばらくぶりね。元クラスメイトさん」
「な、何がしばらくぶりだよこのブス!」
「え〜?私のどこがブスなの〜?見てよこの容姿、母や兄に似て素晴らしいと思うわ!」
ねー!と同意を求めるとそこらの通行人から口笛やら拍手やら歓声やらが飛んできた。
「ありがと〜!……さぁて、元クラスメイト、私可愛くない子に興味がなくて名前覚えてないからそう言わせてもらうけど、好きな子の気を引きたいからって意地悪するのは、どうかと思うな!」
元クラスメイトは周囲の注目の的になった事に顔を赤くして悪口を大声で叫んだ後走り去って行った。
「お嬢さんやるね!」
「そうそう、小学生じゃないんだから女としてどうか思うわ」
「庇う友人いい奴らじゃないか!」
「かっこよかったぜ!」
周りは賞賛の言葉を口に出していく。ぽかんとした様子のイギリス人3人。
「えっ、何これ」
ジェームズが有り得ないとばかりに首を振った。
「あんたジェイコブの所の娘っ子だろ、兄さんそっくりだ!こりゃ驚いたな!どうだい、乗ってくか?」
「わお、素敵なお話ね!3人とも、乗って行きましょう!」
「し、知り合い?」
「「いや、全く!」」
「流石に危険だよちょっとぉ!?僕の言葉聞こえてる!?」
車に乗り込んだ私を引き留めようとするも止まらないのでジェームズは奇声を発しながら後部座席に乗り込んだ。1人にしておけないと思ったんだろう。セブルスもそれに続き、シリウスも続く。
「いやぁ、まさかホイホイ乗ってくるとはな!」
「「全くだよ!」」
「んー?コワルスキーの家名を知ってて誘ってくる人に悪い人は居ないじゃない!それに一応武器は携帯してるし」
「ハハッ、いいねいいね!俺ァクローバー・スミスだ。よろしくなァ」
「さっきも言ったけどエミリー・コワルスキーよ。後ろはイギリス人」
「なるほどねェ、だから戸惑ってたわけか。王室大好きなお国柄だと荒っぽい事とか苦手そうだもんなァ」
僕もうアメリカが分からない、とブツブツ呟くジェームズにセブルスが声をかける。
「おいポッターしっかりしろ、一応すぐ使えるように握っとけよ」
「わかってるよ……シリウスもね……」
「いざとなればブラック家で握り潰してやる」
「……ちょっとちょっと、何澄ました顔して違法行動起こそうとしてるの。セブルス可愛いから許すけど」
こいつら未成年で魔法を使おうとしている。もしもの時だって分かってるんだろうけど、顔がモロバレな往来で誘っておきながら犯罪者とか誘拐犯は流石に無いと思うよ。
「なんだなんだ!そっちの死んでる奴はエイブラハムの子孫か!いやぁ、こりゃ運がいい!」
「えいぶら、はむ?」
「しかも王室大好き所か王室と来たもんだ!歌うしかねぇ!」
「えっ、えっ、えっ!?」
流石に目を見開く。
Mr.スミスは信号が赤になった時、ジェームズを見た。
「俺達米国魔法族は初代闇祓い12人に特別な敬意を払ってんだよ。Mr.ポッター」
「待って、確かに僕の祖先には闇祓いが居るし、家系的に闇祓いが多いけど……。えっ、米国、アメリカの、魔法族……?」
キョトリとしていた顔を段々驚愕の色へと染め上げていく。
「あっはっは!確かに母然りアメリカではマグルに溶け込んで生活してるもんね!」
「なんと驚き、俺はクイニーの後輩だ!」
「ははははっ!それは!もう!ポッターの名前だけで魔法族だって分かるね!」
あまりにもおかしくて大爆笑する。はァァァ!?と後ろで3人が声を揃えた。
私は言い忘れていた事があったので3人を向く。
「──ようこそ私の大好きなアメリカへ!」
今日起こった出来事はアメリカでよくある事なのだ。銃撃音がしないだけマシだと思って欲しい!
「お前なら素でアメリカに住めるぞ、ポッター」
私の腹筋を刺激するセブルスが可愛さ余って憎さ百倍。
アメリカってこういう所あるよね。
スミスさん本当に初対面。一応主人公の母親の後輩ではあるけど、そんな母親そっくりの娘が魔法族とは思ってなかった。だって兄がスクイブだったからね。とっても驚いた。
アメリカでは初代闇祓いが特別な立ち位置に存在して、1人は魔法学校の校長をしていたり。熱心な系図学者が、アメリカ魔法界の政治に強い影響を与えたエイブラハム・ポッターの子孫があのポッター家に繋がっている事を突き止めています。