これが書く必要のあった話の一つだ…
俺はついにモチベを保つ方法を見つけた。
“書きたい時、書ける時”に書くのだ。
もう、誰にも俺の筆を止める事は出来ない…
(感想を)くれ。(台無し)
※何方にせよ一番原動力になるのは皆様の感想に他ならないよねって(前回の一ヶ月ぶりの投稿に多くの感想をいただけた感涙の涙)(ありがとうございます)
アスピナ機関───西アジア圏の複数国家によりアナトリア半島に設立された、IS研究機関の一つ。彼等の行なっている研究は多岐に渡る。
lSの更なる空力特化の為の新設ブースター考案、大脳皮質とISコアの関連性研究、コア・ネットワークの解明など…列挙すればキリがない。
薬品と紙と機械の匂い。忙しないタイピングと、歩く音。会議室と書かれたプレートのついた扉からは喧騒の声。すれ違う痩せぎすの男は虚というか恍惚とした目でサプリメントを貪っている。
俺とジョシュアが去ってからも此処、アスピナ機関に変わりはなかった。まさしく変人、奇人、狂人の坩堝。自身が数年前にはこの枠組みに所属していたのが懐かしい。
黒一色の廊下。此処は地下に位置するため当然窓なぞない。
それ故に閉塞感が半端ではない。はっきり言って苦痛だ息苦しい。
「お待ちしていました、アブ・マーシュ」
「Hello.Hello.Hello.迎えなんざ不要だからとっとと失せてくれ、CUBE.何度も言うがオタクらのとこに戻る気はさらさら無いよ」
俺を迎える青白い顔をした男は肩を竦める。その呆れ顔が腹立たしいぞ消えて無くなれ。
お前らの話長いんだよ、捕まりたく無いから迎え要らねえっつったのにこの野郎。余程研究データが惜しく無いと見える。
「そうもいかないのですよ。データや資料は一括して新設のアーカイブルームに纏める事になりましてね、そこまでの道が複雑なので、案内はどうしても必須になります」
まーた増築したのか。国からの支援があるにしたってポンポン作り過ぎだろ。ただでさえ複雑な地下施設を更に複雑にしてどうする。お前らはラビリンスでも作りたいのか? その内ミノタウロスでも作るつもりか?
こいつら本当に作りそうだから怖えんだよなぁ。何でこうも変態と馬鹿と倫理観ゆるゆる野郎が集まるんだこの機関。
や、まぁ国からの公認受けて思う存分研究出来るからここに来るんだろうが、国営とだけあって設備も半端じゃ無いくらい整ってるしな。
「…一応聞くが、どんぐらい複雑化した?」
「ニホンのダンジョン、シンジュク程の」
「俺が悪かった、この通り頭下げるから案内頼む」
「貴方は賢明な方なので助かります」
そうだよな、貴重データばっかだからそら簡単に行けるように作らねえよな。
でもシンジュク並みは駄目だろ。加減をしろよ馬鹿。あそこは一度入ったら出られない無限回廊。さながら地獄の一種。一度迷子になれば永遠にそこに住む事になると、以前黒ウサギ隊のISを拝見しに行った時に知り合ったニホン通のクラリッサとやらは言っていた。
そんな馬鹿なと最初は思った。だが現実は小説より遥かに奇なり。確かにあれは迷宮、いやそれを通り越した何か。出来れば行きたく無い地トップだ。
カツカツとクッソ長い廊下を歩き、時には体感で5分ほどエレベーターを下ったり、右左と通路を曲がり、何度か厳重そうな扉の内へ入る。
すると、小さな部屋に入った。四方にはコンソールが置かれており、その内の正面の一つにCUBEは触れ、何度か入力を繰り返す。
「…これで承認無しに閲覧可能です。機密ファイルについては貴方の持つIDを使用して下さい。問題無く動作すると思います」
「……退社者のIDでも使えていいのか?」
「我々の技術を模倣できる脳の持ち主など、それこそ貴方や篠ノ之博士の様な者しか有り得ませんので。まぁ、仮にその辺りの科学者が模倣出来たとしても、それを十分に活用出来るかどうかは話が別になりますが」
成る程違いない。
「ではごゆっくり」
そう言って青白男は去る。俺は俺で再びコンソールに触れた。モニタには幾つかのファイル名が映し出される。ファイル数自体は俺やジョシュアがいた頃より格段に増えているようだ。
新型
O.V.E.R.S.並びにマスドライバー開発経過報告
V.O.B並びO.V.E.R.S.設計原案[未提出]
BFF共同開発案[機密レベル5]
倫理委員会による査問会日程表
トルコ共和国代表との会談日程表
…この辺りはまだ健全なデータ群か。も少し奥に潜ってみるとしよう。
「生体系はやっぱ目に付かないとこか…さて」
コンソールを弄り回す。ファイルのソースコードを探り、いくつか怪しそうなものをピックアップ。其処から手当たり次第に検索欄に入力。
気の遠くなる作業だが、幸いにも「当たり」は早期に掴むことが可能だった。
モニタに突如としてメッセージが表示される。
[警告:責任者及びIS委員会上層部並びにアスピナ機関加盟国による承認が必要
内容:貴方がアクセスを試みているファイルは閲覧許可権限を持つ人員にのみアクセスが許可されています。
上記組織並びに人員の許可無しにアクセスを試みた場合、保安要員が派遣され、処分・尋問のため留置房へ護送することになります。
制限時間内にログイン資格を提示して下さい。]
「はい発見、ID入力っと」
[ログインID:eye of the Horusを認識]
[閲覧許可を確認しました 表示を開始します]
俺の目に飛び込む新たなデータ群。アスピナ機関は間違っても清廉潔白な研究機関ではない。寧ろ世界最高峰に血生臭く、また闇の濃い実験場だ。
非合法な実験や、条約を度外視した開発なぞ日常茶飯事。それを数国が総出で隠蔽し、またその成果にあやかる国もそれを助長する。正に地獄。
勿論この事実を知るのはごく僅かに限られる。かの天災は知ってるのかって? あの女はそもそも此処に興味がないので除外。
「…さて、何処から探るか…」
俺の目にファイル名が断続して映る。
IS操縦者の限界調査-第七次実験結果
高IS適性操縦者作成計画-決議未定
デザインド資料群-[作成中]
プロジェクト・ファンタズマ資料群
脳髄のパッケージ化とそれによるIS駆動
ISの自己進化についての論文
発見は思いの外早かった。俺は脳髄とISについてのファイルを開く。出来ればコピーが欲しいが、此処までの黒さとなれば実物としての持ち出しは許可されないだろう。なので今此処で全て脳に叩き込む。
[脳髄のパッケージ化とそれによるIS駆動]
[脳髄のみによるIS操縦は現技術の段階では、基本的には不可能として証明されました。その要因として脳髄の防腐・意識維持の困難さ、無人ISの技術不足、コアと大脳の研究不足が挙げられます]
「Ah…成る程?」
[しかし、EOS(エクステンデッド・オペレーション・シーカー)ならば実現が望める可能性があります。現在はEOSの改良及び開発、大脳の研究チームが編成され、開発に取り掛かっています。
詳しいデーターに関してはこちらをご覧下さい。
→【予算決議段階に入った為情報封鎖中】]
「…EOSか」
EOS、 確か国連が開発中の試作兵器。ざっくり言えば万人が使用可能の擬似IS。人命救助やPKOでのシェアが期待されているが、…はっきり言って産廃の一言に尽きる。
機体が重いし燃費最悪だしシールドバリアも無いしパワーアシストが稚拙過ぎるし第一世代のISと比べんのもおこがましい。実用化への道は遥か遠い。
アスピナもそこは分かっているのか、改良案が幾度か出されているようだ。
…そういや黒ウサギ隊の奴等からも私的に改良依頼が来てたな…ここに回しちまおうかな…怒られそうだけど。
ぶっちゃけ俺はEOSにゃあんま興味ないのだ。
「…ま、今回の収穫はこの辺りかねぇ。他は…あーやっぱ封鎖中か、これだけでも見れたので良しとしますか」
パパッとログアウトして、終わりっと。
俺は狭っ苦しいアーカイブルームを後にする。
廊下にはやっぱり青白い男がいた。律儀にもずっと待っていたらしい。ご苦労な事だ。CUBEは俺に閲覧終了で構わないかどうか、その確認をとってから出口に向かって歩き始めた。無論俺もそれについていく。
「そう言えば、今ドイツには男性操縦者がいるそうですね」
「デザインド成功体なら渡す気はねぇよ、どうしても欲しいならドイツとことを構える覚悟を決めたらどうだ?」
「冗談。確かに彼は我々からすれば垂涎の個体ではありますが、一大国と矛を交えてまで欲しいとはにべにも思いませんよ」
男は肩をすくめる。
俺もそれには笑みで返した。
「しかしドイツは何故彼の存在を公表しないのでしょうか?」
「あの出自じゃ無理だろ。するのは下地を整えてから。あの少年自体の下地は整い終えたが、多分政府自体の準備はまだなんじゃないか?」
「どちらにせよ、公表後はパニックになるでしょうね、確実に」
違いない。これから先大量の仕事を抱え込むだろう友人に胸内で同情しておくとしよう。いやまぁ、少年を専属操縦者にした
そんなお喋りをしながら黒い壁と床の通路を歩き続ける。すると、黒い廊下に青いライン光が突如としてゆっくりと走り出した。
何だこれ、と少し気になって聞いてみたところ、どうも可視化された送信データだそうな。何故こんなことを? と聞いてみれば。
「かっこいいからです。それ以外何か理由が必要ですか?」
「異論なし。ロマンは全てに勝る」
漢の世界がそこにあった。
✳︎
モノクローム・アバター。一色の分身。亡国機業の実働部隊。その一人オータムは不機嫌極まりない面付きで、眼前の老爺を睨みつける。
その老爺は無防備、無装備だ。彼は人当たり良い微笑でオータムを眺めるばかり。しかしその瞳は昆虫の様に冷たく、情が完全に感じられない。
その老爺の名は王小龍。BFF社の現社長。
「私の処分に来たか? オータム」
「抜かせ、糞爺。分かってて言ってんだろうが」
ドスの聞いた声でオータムは凄むも、老齢の陰謀屋はどこかふく風だ。
彼は後ろ手に組んだまま窓から外を眺める。穏やかに陽光を浴びるその姿は好好爺以外の何でも無い。
「私に敵対意思がないかどうか、だろう? 心配は無用だ。今の私には時間がない。当面、亡国機業に介入する予定はない」
「ああ、そうかい」
ぶっきらぼうに頷くオータム。彼女の不機嫌さは一切拭えていない。
───BFFは本来ならば亡国機業の傘下に在るべき企業だった。
しかし社長がこの陰謀屋に交代した途端、その在り方は瓦解。BFFは欧州圏に大規模な根を張ったまま亡国機業からの参加を離脱。この一件で亡国機業の受けた損失は決して少なくない。
「
「
裏切りには制裁を。それは万国共通のルールだ。
事実モノクローム・アバターは王小龍の粛清を是とした。
だが幹部会はそれを却下。彼等は王小龍…BFFが消失ないし恐慌状態に成った場合の損失や不利益を考え、その結果粛清を一時的に延期した。
この一件で実働部隊と幹部会に微かな亀裂が入ったのは言うまでもないだろう。
「だが、そうだな。強いて言うのならば───無論、最初からだとも」
「…ああ、そうか」
オータムは怒りに身を任せ、早々にその場から立ち去ろうとする。
ドアを蹴り開けてから振り返り、憤怒を滾らせた声でこう言った。
「覚えておけよ老醜。いつか吠え面かかせてやる」
「楽しみにしておこう。変われぬ醜悪な機械しか愛せぬ、惨めな蜘蛛よ」
瞬間、王小龍の頬を何かが掠めた。
遅れて聞こえた発砲音。
微かに砕けた壁を見るに、小口径の銃弾だろう。
「アルベール」
オータムが去ったことを確認してから、彼は従者の名を呼ぶ。
姿を隠していたのだろう、女と入れ替わる様に現れたアルベール・デュノアは、複数の書類を手にしている。
「…検討は的中です。IS装備開発企業『みつるぎ』は亡国機業のフロント企業で間違い無いかと」
「ご苦労。下がれ。言われる間でも無く、妻子には護衛を手配してある。心配は不要だ」
正当な働きを遂げた部下には正当な報酬を。
危険にはそれに見合うだけの保証と保険を。
社長としてはごく当たり前なことだ。
謀に長けた翁は、静かに次の指令をアルベールに述べた。
「レイレナード社に連絡とアポイントを取れ。私は私で、織斑千冬にこの件と、その他の諸々を告げておく」
アスピナ機関…外道機関。アブ・マーシュはその変態と畜生具合に愛想を尽かし退社、その際実験や処分騒動に巻き込まれかねない友人、ジョシュアを連れレイレナードに移り現在に至る。
アブ・マーシュに良心の呵責などはないが、彼は気まぐれで一度アスピナ機関頼みで解体を試みた事がある。結果は中止。複数国家による隠蔽が発覚したため、流石に現段階では分が悪いと判断し、また「最悪のケース」も想定された為やむなく断念した。
デュノア社の現状…BFF非傘下の企業だが、実質BFFの傀儡状態。王小龍の支援で何とか経営破綻を免れている状態。BFFの支配から抜け出すには先ず技術不足を解消し、経営破綻を自力で回避する事が絶対条件。
ドイツ現状…「ヴォルフ君の発表いつすれば良いか目処立たねぇよ…」「やべぇよ…やべぇよ…」「じゃ、俺レイヴンに丸投げして帰るから…」「あ、おい待てい。事の大きさ的にもう逃げられ無いゾ♡」「なんだよおおおおおもおおおおおおお」「一年後にパパッとやって!終わりっ!」
レイヴン「やったぜ」(←責任転嫁見越して大多数巻き込んだ傭兵)
CUBE…偽名。アスピナ機関の中でもとりわけ優秀な研究員。徹夜が続くとよく光が逆流する。多分今回で出番終わりじゃ無いかな。
オータム…レズ。何か原作で扱いが可愛そうな人。もっと活躍させても良い…良くない…?
ちっふードイツ時代(今ここ)
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空白の一年
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IS本編
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ラウラ先生人気あってうれしい…うれしい…
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