_(__つ/ ̄ ̄ ̄ ̄/
\/ /
 ̄ ̄ ̄
(; ゚д゚ ) …マジで?
_(__つ/ ̄ ̄ ̄ ̄/
\/________/
割と本気で頭が上がりません。評価してくださった皆様、お気に入り登録をしてくださった皆様に止まない感謝を。皆様の心に
今回は幕間。千冬先生視点。時系列はデザインド摘発、首輪付き保護から三日後です。
…非合法、非人道的な研究を行っていた実験施設の制圧、研究員の検挙を終えてもう三日ほど経つ。
現場で私が見た光景は、記憶の中でも一、二を争う程に人の心が無いものが創り出したと言うに相応しいものだった。
保存液の詰まったケースに浮かぶ小さな脳髄、解剖台に乗せられた手と頭の無い小さな身体、脳漿の染み付いた白衣と床。むせ返るほどに充満したヒトの臭い。転がる血まみれの鉄くれ。何が起こったのか、想像せずとも分かってしまう。
未だに気分の悪さが続いている。フラッシュバックとも違う。おそらく、見てしまったあの書類のせいだろうが…。
「教官、体調の方が優れていない様ですが…何か…」
「ッ────…!」
…私の身を案じるラウラ・ボーデヴィッヒ。彼女の方へ視界を向けたとき、彼女の赤い瞳が、保護した“少年”のモノと重なり背中に冷たい何かが走る。
胸を締め付けられる錯覚を覚える。網膜に焼き付いた「文字」が記憶に再生される。ほんの一枚の書類の、一文の一節。血の染みた紙に滲んだあの文字が、私の記憶にこびり付いて離れない。
「教官…?」
そこで意識が戻った。どうやら思考に没頭していたらしい。額に手を置きながら、頭のスイッチを切り替えようと溜息を吐く。
「…ああ、いや。気にするな。ボーデヴィッヒ、私はこれから会議がある。終わりがいつになるかは分からん、今日は各自練習後、自由時間にする。各自にもそう伝えておけ」
「はっ!」
不安そうな顔のままの敬礼をし、ラウラは退室した。少し申し訳なく思いながらも、私は私でこれからの会議の支度をする。
…会議の議題は、唯一保護できた少年をどうするか。精神的にも肉体的にも小さく無い傷を持ち、しかし現在唯一の男性IS起動者となってしまったあの少年の行く末を決めなければならない。
身だしなみを確認する。少々顔色が悪いが、まぁ大した問題はないだろう。
携帯からセットしていたアラームが鳴る。会議のおよそ十分前の報せだ。
私は心なしか、いつもより重い足取りで会議室へ向かった。
✳︎
会議室には既に殆どの人員が揃っていた。三日前実験場の制圧に加わった者、保護された少年の主治医、検挙又は制圧を立案した者、記録者等々…。
皆一様に顔を曇らせている。そう思う私も、恐らくは同じような顔をしているのだろう。
「…揃ったか、では会議を始める」
今回の検挙を立案した元傭兵の軍部高官、黒髪に浅黒い肌の青年───レイヴン・イェルネフェルトが出席者が全員いる事を把握し、重々しく口火を切った。
「今回の議題は、ご存知の通り我々が保護したNO.53と勝手に呼称されていた、あの少年について。彼にはD程度ではあるが、IS適性が確認されている為、現在唯一の男性操縦者となる」
…ISは、既存兵器の性能を遥かに超える。しかし数も汎用性も既存の物とは比べ物にならない程低い。そのISは女性しか動かせない。故に、世界では女尊男卑が当たり前になった。
そんな風潮の真っ只中に、彼はIS起動者への変貌を強制された。彼の未来は、決して明るくはならないだろう。
「…彼の受けた実験の解析が終わり、全体が明らかになったが…彼は
────見間違いなどでは無かったか。
「施術数は数は細部含め約千を飛んで二十七回。詳細の方はシュトルヒ・フェット医師が纏めたレポートを確認するように」
胸を締め付けられる錯覚を覚える。網膜に焼き付いた「文字」が記憶に再生される。
「織斑千冬」を目標としNo.53の改造を続ける。
…彼は私を間違いなく怨んでいる。もしもの話になってしまうが、仮に私が居なかったのなら、彼はこの様な実験など受けずに済んだ筈だ。
…今は訪れないIFの話など考えても仕方がないと気づく。現実に起こってしまたのならば、そこからどうするかを考えなければならないだろう。
「それにより、少数派だが彼を処分しようとする動きが出ている。女尊男卑肯定派と、暗部徹底秘匿派の人間だ。今の所大人しくしているが…いつか強硬策に出てもおかしくないだろう」
…予想より動きが早い。否、それよりも漏洩が早すぎる。予め
すると私の思考が分かっていたのか、保護した少年の治療担当に配属された老年の男…シュトルヒ・フェットがぶっきらぼうに言った。
「政府暗部や裏企業に秘匿なんざあってない様なもんだ。早いとこ行動を起こさんと潰されるぞ」
「…それでも早過ぎると思うが…今はよそう。ともかく此方側も彼の保護を固める必要があるな」
…今あの少年は極度の不信と狂乱状態だ。その状況で警備を増やすのは得策か? …安全面で言えばそうだろう。だが増員した分、彼への負担は増す。
彼は若年の身にありながら、優れた気配察知能力を持っている。それに加えて今の状態、人が増えた事などすぐ分かるし、その分心的負荷も増す。
「警備の数は増やせても一、二人程度だろう」
医師が“そうだろうな”と頭を抱えて溜息を吐くと同時、会議室に沈黙が広がる。
「…ならば私が彼を預ろう。今彼と意思疎通が出来、彼にかける負荷も少ないのは私だけだ。適任だろう、フェット」
「…ああ、たしかに今、あいつがまともに顔を合わせられんのはお前だけだ」
私の提案に一人、俯いた。席はレイヴンの真隣。金の髪に碧眼をもつ彼女───フィオナ・イェルネフェルトは、悲嘆の表情を浮かべている。
彼女は研究者だ。今回の一件で「デザインド」について精査した者の一人。彼女は優秀だ。ともなれば、その下地または目標となった計画にも必然的に触れる事となったのだろう。
「…たしかに今は、一刻も早く彼を守る態勢を組む必要があるのは分かってるの…だけど、だからと言って……これは…」
…気遣いはありがたい。だがもう決めた事だ。
「…問題ない。そこまでやわな精神ではないつもりだからな。それに…言っておいてすまないが、彼を見れるのもそう長くないかも知れん。だが一時的でも私の預かりにすれば、処分派も暗部も裏側も、そうそう手荒な真似はしないだろう」
「…たしか一年後だったか、ならば充分だ」
レイヴンの可決を意味する発言が告げられた。
医師も研究者も、そして何より発言者であるレイヴンですら理解はしているが納得はできないし、したく無いと言った面持ちだった。
……フィオナが泣きそうな声で青年に問う。
「もう…時間は無いの?」
「…予想以上に動きが早い。後手に回りっぱなしなのが現状だ。状況はとっくに手遅れで、同時に緩慢でもある」
青年が眉間を揉み、苦渋と困惑の混じった顔で返答する。
…彼は決して無能では無い。寧ろ有能な部類に入る。
それでもこの状態が生まれた。向こうに余程の手腕を持つ者がいるのか、それとも前々から準備を進めていたか。何れにせよあの少年を守りきるのは…困難だろう。
「ただ…上手くいけば、あの子を俺の養子に捻じ込めるかもしれん」
「ッ! それ本当!?」
…思いがけない光明に口端が釣り上がったのが分かる。医師が破顔し、フィオナに至っては机に身を乗り出している。
レイヴンがあの少年の保護者となれば、手を出そうとする輩は更に減るだろう。私がおらずとも守りきれるようにはなる筈だ。
しかし登録には相当な時間がかかるし、阻む者も多いだろう…恐らく彼は真っ当な手続きを踏むつもりなど、毛頭無いのだろうが。
「でも…時間は足りるの?」
「充分だと、俺は言ったぞ」
力強く彼は宣言し、不敵に笑って軍帽を目深に被る。ろくな手段を取らない事はよく分かった。傭兵故の柔軟性は敵に回すと恐ろしいと把握している者は、この世にどれぐらいいるのだろうか。
…再度彼は眉間を揉む。顔を不敵な笑いから、申し訳無さそうなものへと変え、唐突に私へ頭を下げた。
「しかし今、彼を下手に刺激すれば、どんな行動に出るかわからない。一番の時間を稼ぐことも出来、それでいて安全な策は貴女の元で精神の変化を待つということだけだ」
彼は淡々と現状を語る。
これは変えられ無い点。足掻きようが無い案件だ。
…だからこその謝罪なのだろう。
「…すまない。結局、今は全て貴女任せになる」
「…気にするな、問題ない」
…気持ちだけでも、今はありがたい。
その一言と同時に、長い胸の締め付けが少し和らいだような気がしてならなかった。
✳︎
薬品と消毒液の匂いが染み付いた白い廊下を、一人の女性がやや早足で歩く。
幾多もの病室を通り過ぎ、最奥にある一室の前で止まった。病室の扉前には、警備員が二人だけ配置されている。
二人は女性───織斑千冬の顔を一瞥すると、一礼と共に扉の前から立ち退いた。
「お疲れ様です」
「いつもご苦労」
断りを入れ、彼女は扉を開いた。
…途端、薬品と消毒液の匂いが更に酷くなる。そしてそこに新たに鉄錆の匂いが僅かに加わった。
部屋には寝台が一つと、諸々の医療機材。数台の監視カメラが配置されている。
寝台には一人の少年がいる。彼の第一印象は「白」だ。手術衣、髪、彼の身体に巻きついた包帯。その全てが白一色。
白い包帯に視界を遮られた彼は、入室した存在に気付き、少し頬を緩ませ問うた。
「…オリムラ……チフユ…?」
…織斑千冬は若干の戦慄を覚える。視界に映るものが何も無いはずの少年は、今確かに正解を口にした。
少しの戸惑いと動揺の後、彼女は口を開く。
「そうだ…改めて言おう。私は織斑千冬…お前の未来を狂わせたきっかけになった者だ」
「…───」
返答はない。しかし襲い掛かっても来ない。痛いほどの沈黙が過ぎ去って、少年は口を開く。
「ヴォルフ……ヴォルフガング」
「…?」
「僕の…、名前」
傷塗れの少年は自らの名を名乗った。
織斑千冬の思考が空白化する。予想だにしない返答に固まってしまう。それでも、微かに考える冷静さは残っていた。
そうして───、
「……すまない、今のお前に言うのは、卑怯だったな」
今言うべきではなかっただろうと、己に呆れた。
しかし少年は首を傾げ、“なぜこの人は謝っているのだろう?”と内心不可解に陥っている。
そんな彼に対し、彼女は「今は気にしないでくれ」と胸内で自嘲を交えながら、話題を切り替え、自身が少年を預かる事となったのを告げる。
白い少年は、それを理解できたのか定かでは無い。
しかし彼は確かに小さな、そして掠れた声で「よろしくお願いします」と言った。
…その言葉に、再び彼女は胸を締め付けられる錯覚をする。そして痛いほどの沈黙が、二人の間を流れていく。
その沈黙が耐えられなかったのか、それとも何を言えばわからなくなったのか、はたまたは両方か。
「今日はここまでだ…また明日、ここに来る」
どれにしても、彼女は逃げるように少年の部屋を去った。少年の惜しむような声も、聞こえなかったフリをして。
…夕日が沈んでいく。朧げな月が顔を出し、時の移ろいを告げていた。
✳︎
「不器用だな、お前さんも」
老年の医者は、廊下で待っていた。
彼はタバコがわりにチョコ菓子を口に加え、憐憫の目を世界最強に向けている。
「チフユ。確かにお前がいなけりゃあの子は実験体にはなってないだろう。
だけど、逆にお前がいなきゃあの子はのたれ死んでたかもしれねぇぞ?」
仮の可能性の提示。逆説の考えを述べる。
その理由は医師として、今の彼女が危ういと判断してのものか。
それとも───
「…いや、私がいなければ…真っ当に生きられた可能性の方が…ずっとずっと、多かっただろう」
彼女の抱えた、もう一つの罪悪感の正体を探るためか。
Q.織斑千冬が居なくても首輪付きは実験を受けていただろうし、そこまで気に病みますかね?
A.IS普及の発端である「白騎士事件」をうさぎ博士と起こしていなければ「デザインド」自体立案されてないから…(冷汗)そこに加えて自らの出生である「織斑計画」までぶっこまれたちっふー、傷は深いぞしっかりしろ(真顔)
…うん、まぁ、なんだ!長々と書いたけど結局二次創作パワーだ!
レイヴン・イェルネフェルト…元傭兵の軍人。地位はそれなりに高い。上層部から「イレギュラーなんだよ。やりすぎたんだお前はな!」と疎まれてるが、んなもん知るかと言わんばかりに政府暗部をドンドン解体している。束博士よろしく生身でIS解体できるやべーやつ
フィオナ・イェルネフェルト…IS研究者。高名な教授の一人娘。旅中死にかけていたレイヴンを救出し、最終的には押し倒して婚姻関係を結んだ。父は「傭兵と結婚なんかさせませんよ!」状態だったが、傭兵が軍部の重要ポストに就いた為何も言え無くなった。父は泣いた。
シュトルヒ・フェット…太ったコウノトリを意味する偽名、本名は自分でも分からないらしい。第2話に出て来た老年の医者。養子と弟子がいるが、今は二人とも多忙で会えないとか。お爺ちゃん寂しいよ。
Q.イェルネフェルト夫妻が首輪付きを養子にしたいのは何故?
A.ドイツ政府は彼を巡って今四派に別れてます。
・取り敢えずドイツに置きたい派
・さっさと処分しようぜ派
・首輪付きを救いたい派(夫妻はここ)
・男性操縦者を実験したい派(政府暗部)
真ん中はともかく、他三派には日本に彼を渡す気はさらさらないです。ドイツ国内で彼を守るには軍部高官であるレイヴンの養子にする他ありません(少なくとも今の所は)。
ちなみに三派の内役は上から51% 9% 27% 13%。暗部が少ない?デザインド摘発に乗じて殆どレイヴンに消されたに決まってんだろイレギュラー舐めんな(震え声)
UA20000記念話
-
ドイツ大人組飲み会
-
IS学園掲示板
-
レイヴン押し倒され騒動
-
ヴォルフ女装話