※この物語はInfinite Dendrogram本編と一切関係ありません。あくまでこんなことありそうだなという妄想です。
僕は生まれつき体が小さく、力も弱かった。だから群れの中でも落ちこぼれだった。でも群れのみんなは そんな僕にも優しくしてくた。
ある日、僕の群れは狩場をネクス平原からノズ森林へと変えた。最近、ゴブリンの群れがいて危険だからとリーダーが判断したからだけどすぐに後悔することになった。
ノズ森林で狩りをしていると人が襲いかかってきた。こういうことはネクス平原でもあったから驚かなかったけど人と戦っていたときに“キュンキュン” “ドドン”といった音が聞こえてきた。その瞬間周りの光景は一変した。僕の群れも襲いかかってきた人も全員光の塵に変わっていた。
なぜ僕だけ生き残ったのかはわからないが、最近拾ってお守りとして着けていたものが砕けていた。あの音はしばらく遠くから聞こえてきたけど、いつの間にか聞こえなくなっていた。
なにもする気が起きなかったが、時が経つにつれておなかがすいてきたから狩りをすることにした。だが、一度も成功しなかった。
それでも数日は耐え抜いたが、またあの“キュンキュン” “ドドン”という音が聞こえた。その瞬間森が燃え始めた。逃げようにも炎の勢いが強く、まともな食事を摂っていないせいか体がうまく動かせない。
(どうにかして逃げないと)
そう思ったときなにか奇妙なものが見えた。得体の知れない、けれど食べたくなる何かが。僕はそれを食べた。
すると
頭に声が聞こえてきて
【デザイン適合】
【存在干渉】
【エネルギー供与】
【設計変更】
【固有スキル《潜影》付与】
【スキル《気配隠蔽》付与】
【スキル《気配感知》付与】
【スキル《隠蔽感知》付与】
【死後特典化機能付与】
【魂魄維持】
【<逸話級UBM>認定】
【命名【陰影牙狼 シャフル】】
気付くと視点が変わっていた。
体が自然と理解した。この炎から助かる方法を。僕は近くにあった岩に近付いてその岩の影に入った。そしてそのまま炎が消えるまで待っていた。
◆◆◆
それからの一ヶ月くらい場所をファドル山道に変えてひたすら狩りをしていた。そのおかげか、この辺りのモンスターは敵じゃなくなった。でもいまだに群れの皆を殺した奴は見つかっていない。そもそも顔を見たわけではないから見つけるのは難しいだろうけど。
この一ヶ月狩りしていてわかったが、ティールウルフより弱いモンスターでさえ一度に数匹倒すことがやっとだ。十数匹とは言え群れの皆を一瞬で殺した奴は今の僕より強いだろう。
だからもっと強くならないと。今日からは積極的に人も狩っていこう。
人は強い奴もいれば弱い奴もいる。僕は《気配感知》でだいたいの強さが分かる。数が多いときや勝てないと感じたときは影に潜んで戦いを避けれる。今日は人が多いから影に潜んでやり過ごすことにした。
しばらくして人が少なくなってきたが、夜よりも昼の方が人もモンスターも警戒が薄いからこのまま影の中で休むことにした。
朝になり、強い気配で覚醒した。空を見ると大きなドラゴンが飛んでいた。そのドラゴンの上から強い気配を3つ感じた。
勝てないと感じたから影に隠れていることにした。
しばらくするとさっき感じた気配の1つがこっちに近付いてきた。
(まさか気付いたのか、僕の隠蔽に。でも影にいる限り手出し出来ないだろう。このまま影の中にいよう)
そう考えたとき
「ーーーー《
と聞こえた。
少し経って激しい痛みが全身から襲ってきた。自分の体を見ると崩れていくのが見えた。
安心しきっていたから反応が遅れたが、僕はすぐに影から出た。
僕がいた影を見ると紅黒に変わっていて影に触れている部分が崩れていってる。
すぐさま離れるが周りを見ると影は全て紅黒に染まっていた。
その後全身を紅黒の影に包まれ・・・・
◇◇◇
【<UBM>【陰影牙狼 シャフル】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【月影永仕郎】がMVPに選出されました】
【【月影永仕郎】にMVP特典【潜影外套 シャフル】を贈与します】
多分続かない