Lostbelt No.8 「極東融合衆国 日本」   作:萃夢想天

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どうも皆様、ヒナコのヒロイン度数が急上昇しすぎて
ヒロインタグをつけるべきか悩んでいる萃夢想天です。

明日から三日間、研修に出向かなければならなくなったので、
その前に超短編を書くことに致しました。

時間がない中でまとめた低クオリティをお許しください。

それでは、どうぞ!





~The Whisperer in Darkness~

 

 

 

 

 

 

 

———広く。ただ果てなく広がる、無明の宇宙(ソラ)

 

そこは我らが住まう領域。高次元にして、有限であり無限の存在がのさばる神域。

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

『名もなき霧』から生じた、暗黒色の深い霧。妾を産み出した、不定形の渦だ。

 

此処には何者も居らぬ。ナニカは居るが、およそ正気を保った者なぞはおるまい。

 

過去・現在・未来。これらは凡て、妾や妾と同格たるあやつめにとって、等しく無意味。

 

ただ在る。それこそ妾の存在証明。証明されんでも存在はしておるがの。

 

しかし。さて。時という概念に囚われぬ妾にとって、ただ在ることに価値を見出せぬ。

 

なにせ、それしかないからな。妾には。産めよ増やせよ。だが増やしてどうなる?

 

母である妾は、産まねばならぬ。()()()()()()()()()()()。されど、仔らは?

 

仔らの存在を誰が望む? 仔らは産まれたとて、そこからどうする? 何も分からぬ。

 

高次存在たる妾たちの存在が、永劫の領域より外れる日まで、この自答は終わらない。

 

低次元に存在する矮小な者らが妾たちを見やる、そんな有り得ざるいつかを夢見て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前の自問からどれほどか。それすら確かめる術はないが、一つ気付いたことがある。

 

何やら近頃、あやつの動きが妙だ。いやに活発になっているというか、なんというか。

 

妾たちは不朽。動こうが動くまいが、存在に揺らぎは生じ得ない。ただ在る者。

 

されどあやつめ、やけに『門』を開けている。どこもかしこも『門』だらけではないか。

 

此処と、此処ではない何処かを繋げてしまう狭き扉。薔薇の海の最果てにある禁断。

 

おいそれと開ける代物ではないはず。それにしても開けすぎでは? 気味が悪い。

 

意図が読めぬ。あやつが動くのは相応の理由ある場合のみ。だとしてもこの量はなんだ。

 

分からん。分からんが———このいつ終わるとも知れぬ退屈を凌ぐのに、丁度良い。

 

これだけあちこちに『門』を開けているのだし、そこから向こうを覗くのもよかろう。

 

闇の深淵とは見るものにあらず。闇の深淵により視られるのだ。妾もそういう存在だ。

 

勝手に覗いたり使ったりしたらどうなるか。やった事はないが、まず知覚されまいよ。

 

さてさて。あの『門』の先に、何があるのやら。久方ぶりに妾も快いわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見えた。視えた。観えた。

 

アレは、なんだ? 妾たちの領域では見かけぬ生物だが。左右対称の部位に均等な体躯。

 

おそらく気紛れに開いた『門』が繋げた異空に生息する低次存在であろう。ふむふむ。

 

小さいな。小さい。とても。妾が産み落とす仔らより小柄だ。低次元の尺度なぞ知らんが。

 

正気か否かは量れんか。意識を失っている。無防備故の無垢………このままでもよいな。

 

しかしどうしたものか。このままでは意識を喪失したまま、次元そのものを越えてしまう。

 

妾のような高次存在であれば耐えようが、コレでは耐えられまい。どうしたものか。

 

待てよ。そうか、その手があったな。さすが妾、冴えておる。無限の叡智衰える事無し(アイデアロールサクセス)

 

まぁやった事がない故、どうなるか妾にも予測がつかぬ。うむ、初の試みだ。

 

……なんだ、この感覚は。どこかで覚えのある感じだが、はて。遥か過去を思い出せん。

 

今は詮無き事か。よし、やってみよう。自然と笑みがこぼれ落ちそうだ———む?

 

妾、笑っておるのかえ? いつか忘れた感情を、蘇らせているというの?

 

それは、なんとも。妾に未知を知覚させ得る者が居るとは。俄然興味が湧いたぞ。

 

この驚愕への返礼として、()()()()()()()()()()()()。妾は『万物の母』故な。

 

さぁ、おいで。母の(なか)へ。永劫無窮の闇に溶け、再び世界の理の中で目覚めるがいい。

 

これでおまえも———妾の愛しい仔となるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果からみれば、成功と言ってよい。いや、失敗なぞ高次存在たる妾には有り得ぬがな?

 

とかく、かの者は再び生を得た。形を取り戻すまではもうしばらく時がかかるだろう。

 

さて。興味が勝った為に、この生命体への理解が遅れてしまった。結局、何なのだろうか。

 

矮小だし貧弱だし欠陥だらけで不便そう。高次元の生命からしてみれば、とんだ失敗作だ。

 

だというのに、今ではそれに「味」のようなものを知覚できるような気がする。

 

明確な表現も妾たちには不要故切り捨てたプロセスだが、あえてそれで例えるのなら。

 

「不出来ゆえの愛おしさ」を感じてしまっている、のかもしれん。

 

弱過ぎる生命だと分かった以上、見捨てるのも忍びない。そもコレは今では妾の仔である。

 

守らねば。慈しまねば。育てねば。ああ、ああ。片時も目を離すことすら恐ろしい。

 

妾の庇護を断ってしまえば、たちまち死を迎えそうなほどに脆弱な生命。なんと愛おしい。

 

だがこの領域では叶わぬ。此処には低次元に存在していた生命の生存可能領域などない。

 

どうにかしてこの仔を守護せねば。弱々しい生命を保護せねば。でもどうしたら?

 

……そうだ。妾、閃いた。この仔がこちらで生きられぬならば、生きられる世界に送ろう。

 

そして、妾もそれに着いていけばよいのだ! そうだ、それがいい。そうしよう。

 

元々、不滅の存在である妾にとって、危険なぞ有り得ん。されどこの生命は違う。

 

脆く、弱く、儚い。守ってやらねば生きていけぬのだ。誰かが、守ってやらなくては。

 

案ずるな。これからは妾が守ってやろう。なに、時に縛られぬ妾ならば永劫を約束出来る。

 

時の経過でおまえの肉体が劣化し、生命が循環する果てまで、妾が傍らにて見守ろうぞ。

 

拾ってきた『門』の位置は覚えている。あそこだな。あの先に、おまえの次元があるのだな。

 

待っていろ。次に目覚めたときから二度と目覚めなくなるまで、その存在の証明を保証する。

 

いざ共に行こうではないか。笑みがこぼれる。これほどの感情の高鳴りは初めてだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処がこの者の存在する低次元か。狭い。狭過ぎる。駄目だ、存在が『証明』されている⁉

 

そうか、この次元は有限であるのか。なるほど、質量に縛られる空間でもあったわけか。

 

理解したぞ。理解したが、どうするか。このままでは質量が証明されている空間に潰される。

 

存在を明確にしなければ良いのだろうが、上手いやり方が分からん。このままではマズイ。

 

……? なんだ、アレは。白い、ナニカ。ああ、物質のある領域では「光」と呼ぶものか。

 

光の塊が、思念を発している。その発信先は、この者とよく似た小さきモノだ。

 

他にもいる。そうか、存在を認識するとは、こういう感覚だったか。遠い昔に忘れていた。

 

確か、数を計測するんだったか。1、2、3……7つだ。低次元生命体が7つ。

 

この者も同じ種族なのだろうな。とすれば、何らかの関係がある? 理解を得る機会だ。

 

高次領域生命である妾ならば、思念の傍聴も容易い。なになに………?

 

 

『———選ばれし君たちに提案し、捨てられた君たちに提示する』

 

 

これは、会話、か? 低次元では共通された空間振動による外部認識で意思疎通を図るのか。

 

ひどく非効率的方法だな。低次元だから仕方ないか。いや、そうなるとこの者もそうか?

 

では今のうちに、パターンを学習しておこう。この者との意思疎通が出来れば完璧よ。

 

 

『———栄光を望むならば、蘇生を選べ』

 

 

解析は簡単に済みそうだ。形式も原始的で単純。でもこれだけでは足りん。継続しよう。

 

 

『———怠惰を望むならば、永久の眠りを選べ』

 

 

解析完了。ほぼ全ての言語パターンを習得。うむ、これで憂いはない。

 

しかし、この光の塊はなんだ。低次元的存在ではないのだろうが、やり方が不自然だ。

 

高次元領域生命であれば妾が分かる。そうでないならば、別の領域に住まう者やもしれん。

 

それにしてはやり方が低次元的発想と言わざるを得ん。まぁ、妾にはどうでもよい事か。

 

 

『———神は、どちらでもいい』

 

 

神、神ときたか。興味はないが、関心は少し湧いたぞ。ほんの少しだけだがな。

 

ん? おお、なんだ。目覚めておるではないか! よしよし、生命活動は正常である。

 

意識にも異常はみられんが……こればかりは直接的な交流でもって確かめる他あるまい。

 

だが、ああ。良いな。か弱い生命を包み育む、得も言われぬ甘美。未知の快感よ。

 

そうだ、外観も合わせた方が良いか。この物質時空では視覚が不可欠であったな。

 

では目を先に創ろう。同じような形状なら支障はあるまい。形状は円形、数は二つ、と。

 

完璧だ。妾、完璧。おお、視える! 視えるぞ! これが我が仔の姿であるか!

 

あぁ、愛い。なんとしても守ってやらねば。母があらゆる脅威害意からの盾となろう。

 

………いかん。存在の証明方法がまだであったわ。時の概念に存在が蝕まれているし。

 

そうさな。物質空間では妾全体が存在できぬ以上、物質のみに頼る事は出来んな。

 

とくれば、物質以外か。この時空における非質量存在は、ほほう、エーテル体とな。

 

よかろう。これより妾はエーテル集合体となり、この者の肉体内にて時を待つか。

 

……時を待つ、か。時の概念を知覚しない高次存在たる妾が、劣化を心待つなどと。

 

だが悪くない。悪くないのだ。1秒、1分、1時間。いくらでも、待とうではないか。

 

仮初のエーテルが馴染むようになる、いつかを夢見るとしよう。楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、しばらく。

 

我が仔は、サーヴァントなる存在を召喚するようだ。

 

契約のもと、契りを交わし傍らに立つ者。なんだと、それなら妾が居るではないか。

 

あ、いや、待て。そうか、妾の存在はエーテル体としても確立してはおらなんだわ。

 

どうしたものか。このままでは妾ではなく、低次元存在が我が子を守る事となる。

 

無理だ、不可能だ。守り切れまい。それだけは阻止せねば。なんとしても妾が……ん?

 

エーテルの収束を感知した。なんだ、サーヴァントとやらは、エーテル体なのか?

 

だったら話が早い。召喚が如何なる事象かは知らぬが、サーヴァントの利用は適うな。

 

召喚の儀に割り込ませてもらうとしよう。しばしの別れだ、許せ我が仔よ。

 

今度こそは、仮初の肉体ではあれど、おまえを守ってやることが出来るだろうから。

 

エーテルによる存在構成を一時破棄し、収束されつつある個へ割り込んでいく。

 

すると、霊子レベルでの融合の弊害か。召喚に応じたモノの意思を感じる。

 

…………読み取った。なるほど。召喚に応じた者は、()()()()()()()()()()()

 

後悔。恋慕。情愛。悪欲。全て妾に委ねるがいい。その望みを代わりに叶えてやる。

 

いまこの時より、妾がこの地に降り立つ者(フォーリナー)となろう。

 

 

 

 

「問いましょう———其方が妾を喚び出したる、主人(マスター)なのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 










いかがだったでしょうか?


急いで書いたので誤字脱字が多くみられるかと思いますが、ご容赦を!

また、どんなに早くても感想への返信が金曜日の夜くらいになってしまいますが、
感想を書き込んだり、真名考察したり、応援してくれたりしたら嬉しいです!


それではまた、次回をお楽しみに!


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