Lostbelt No.8 「極東融合衆国 日本」   作:萃夢想天

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どうも皆様、思っていた以上にUA数が伸びて驚いている萃夢想天です。

ついに来ましたね、2019年水着イベント告知が!
配布鯖がまさか北斎ちゃんでセイバークラスとはおでれぇた……。
私ゃてっきり今度こそセイバークラスで水着の沖田オルタちゃんが実装される
もんだとばかり。オルタに先を越された殺意でアサシン化した沖田が星5で追加
なんて流れになるかと予想してたのに、良い意味で裏切られました。

さて今回は異聞帯について軽く触れつつ、クリプター側のサーヴァントたちにも
焦点をあてていこうかと思っております。

それはそうと、他の作品でたまに見かけるアンケートみたいなやつをあとがきで
やってみたいのですが、やり方が分からず困ってます。困ってます(大事な事なので二ry


それでは、どうぞ!





第一章二節 根を落としたので、水やりの仕方を知りたい

 

 

 

 

 

「バーサーカーがみつかった⁉」

 

 

どうも、第一声から落ち着きの無い男、ゼベル・アレイスターです。

でもこれは仕方ないと思う。腹痛に悩まされ続けたクリプター会議から何とか抜けおおせた直後に

こんな報告されたら、誰だってこういう反応になるって。しかし、そうか。バーサーカーか。

 

 

「どうするのですか、主人(マスター)?」

 

 

まだ会議を終えて間もないせいで頭がうまく回らない俺に、豊満な肢体をアピールするかのような

歩き方で近付いてきたのは俺が召喚したサーヴァント、未知のフォーリナークラスの妖艶な美女。

俺をマスターと呼びながらも決してへりくだるつもりの無い高慢な態度は、最早見慣れたものだ。

 

フォーリナーからの問いかけに対して、彼女の隣に立つ中背の男へ視線を向けつつ答える。

 

 

「キャスター、ライダーがそのバーサーカーと戦闘中だと言ってたな?」

 

「交渉には応じなかったようでね」

 

「そんで、その戦闘で奇妙な違和感を感じたと?」

 

「ああ。あのバーサーカー、強くはないが雑魚ではない。こちらの攻撃がさほど通じていない

ようだという事も『観測』して分かった。そのあたりの不自然さに違和感を覚えたのだよ」

 

すぐ撤退させろ(・・・・・・・)。大した利益の無い戦闘でこちらの手の内明かしてやる必要なんて無い」

 

 

俺の命令に首肯で答えたキャスターは、懐に持っていた通信機を使ってライダーと連絡を取り、

撤退の旨を伝えた。通信をすぐ終えたところをみるに、ライダーもすぐ納得したという事か。

通信機を再び懐へしまい佇まいを整えたキャスターが、今度はこちらを向いて話を再開する。

 

 

「命令を通達。ライダーも承諾しました。バーサーカーを発見した場所から此処までは少々

距離があるので、あと二十分ほどで帰還するとの事です」

 

「ご苦労。そういやそのバーサーカーは、何処で見つけたんだ?」

 

「東北地方沿岸部___________アメリカ県(・・・・・)カリフォルニア市(・・・・・・・・)サンフランシスコ区(・・・・・・・・・)にて」

 

 

キャスターからバーサーカーとの接触地点を聞き、聡明とは言い難い頭脳で必死に考察する。

 

サーヴァントの連鎖召喚という事象が始まったのは、この異聞帯に俺が配属されてから一週間程度

経過してからだったが、現在俺たちが確認しているその誰もが、自身と関係ある土地に喚ばれた。

 

例えばこのキャスター、ガリレオ・ガリレイはこの日本異聞帯の関西地方と中部地方の境目付近、

つまり、イタリア県(・・・・・)フィレンツェ市(・・・・・・・)アルチェトリ町(・・・・・・・)に召喚されていた。この土地はガリレオの死没

した土地として有名だ。彼のように、生前の逸話が残された場所や没した土地から『縁』を辿って

召喚されたのだと予想を立てている。そればっかりじゃないかもしれないが、今は法則性に則り

サーヴァントとの関連性を探るのが一番手っ取り早いだろう。

 

実際ライダーだって、四国地方のコロンビア県(・・・・・・)に現れたんだし、間違ってないと思うけどなぁ。

 

つまりこれらの前例を踏まえ、仮説が暫定的に正しいものであるとするならば。

 

 

「あのバーサーカーは、アメリカ由来の英霊って事かもしれん」

 

「ふむ。さしずめ、『米国のバーサーカー』と呼べますな」

 

「よし、今後はそう呼称しよう。それじゃ、全員集合するまで待ちますか」

 

 

俺がクリプター会議出席中に存在が確認されたバーサーカーの呼び名がある程度定まったので、

ひとまずその問題は接敵したライダーの所感を聞いてから判断しよう。そう考え、とりあえずは

俺たちが今いる日本の首都、東京都の国会議事堂にライダーが来るのを待つことにした。

話し合いをするにしたって、別々に同じ話を何度もするより一度にする方が効率的だしね。

 

本来の人類史________俺たちが汎人類史と呼ぶ_______において、日本の国会議事堂なんて

見た事も入った事も無いけど、なかなか豪勢なところじゃんか。俺はてっきり日本人だったら

タタミに座るザシキ・スタイルで、日本茶をすすりながら静粛な雰囲気で政治の話をするもんだと

思ってたんだが。流石にサムライの国と言っても、現代までそんな古臭いやり方は残してないか。

 

二十分ただ待つのもしんどいな、と思っていたそばから、議事堂の一室の扉が勢いよく開かれた。

 

 

「ええい! やはり斯様な造りの城は好かん! なんと薄弱で情けのない風貌か!」

 

「騒ぐなランサー。妾とてこのような貧相な物置は好まぬが、主人の為と耐えておるのに」

 

(それがし)を『乱左阿(らんさあ)』などと珍妙な名で呼ぶな! 某は、日本(ひのもと)一の槍の名手にして出雲尼子の勇将!」

 

「もう一度言わせる気かしら、ランサー? 妾と其方の主を前に、これ以上恥を晒すというの?」

 

 

開いた扉の向こうから、扉の立てた音よりさらに騒々しい男がやってきた。途端に俺の隣にいた

フォーリナーの機嫌がすこぶる悪くなるのが見て取れる。どうもこの二人は相性が壊滅的に最悪

みたいだな。これから先、協力しなきゃいけない場面でもこのままだと、かなり困るんだけど。

ここは一度しっかり言っておくべきだろう。そのためにもまず、二人を落ち着かせなくては。

 

 

「二人とも冷静になれ。まずフォーリナー、お前さんは他人の上に立つ上位者としての振る舞いを

忘れるな。少なくとも今の姿を見ても、アンタが国の玉座を手にした権力者には見えないぞ」

 

「なっ! この下劣な酒乱ならまだしも、妾に文句があると申すか主人⁉」

 

「お前だけとは言ってないだろ。そんでランサー、アンタもいちいち腹を立て過ぎだっての。

いい加減時代の移り変わりってものを理解しろ。首切り落として褒められる時代は終わったんだ」

 

「ぬぅっ⁉ しからば、如何様にして手柄立てをすればよいのか、殿よ!」

 

「俺を殿だと仰いでくれるんだったら、言うこと聞いて働いてくれりゃあ充分だわ」

 

 

話し合いというか、説教みたいになってるなこの構図。しかしまさかこの俺が、人類史に名を

刻んだ英霊たちにこんな事する日が来るなんてなぁ。つーかガリレオてめぇこの野郎、なに呑気に

望遠鏡の手入れしてんだコラ。関係無いみたいな態度取ってるけどお前もコイツらと同類だぞ。

 

 

「納得いかないわ! 妾は主人の為にそこな下郎を誅するべきと考えていたのに!」

 

「下郎だと⁉ そこになおれ女! 某への侮辱、許してはおけぬ!」

 

 

あーもうメチャクチャだよ(呆れ)

 

 

「冷静になれって言った直後でしょーが。分かった、お互いがお互いを快く思って無い事だけは

よーく伝わった。だからひとまずそこをぐっと飲み込んでくれ。今までのやり取りを忘れろ」

 

「「…………………………」」

 

「いいな? よし、それじゃあこの場は俺が預かる。ランサーへの態度はフォーリナーの落ち度、

フォーリナーへの態度はランサーの落ち度、そんで二人のフラストレーションは俺の落ち度って

ことで良しとしようそうしよう。ハイ、それじゃこれでこの話は終わり! 閉廷! 座ってろ!」

 

 

後半切れ気味になってしまったけど、それが逆に「俺を怒らせた」って自覚を与える事に成功した

みたいで好都合だ。にしてもランサーはまだしも、フォーリナーまで言う事聞いたのには驚いた。

てっきり逆ギレでも起こすかと思ってたのに。これはひょっとして、関係が良好という事では?

 

とにかく強引に諍いを終わらせ、釈然としない表情のまま豪奢なドレスの女と鎧武者姿の男が

同時に部屋の椅子に腰を下ろす。すると、それとほぼ同時に、落ち着きの欠片も感じないような

喧しい足音が近づいてくるのが聞こえた。このタイミングで帰ってくるとか空気読め無さ過ぎィ。

 

 

「ワハハハハ! 待たせたようだな諸君! 吾輩の帰りをそれほど待ち焦がれていたとは!」

 

「何も言ってねぇよ」

 

「ワハハ! オーゥ、マスター! 退屈な会議が終わったみたいだな、楽しかったかい?」

 

「こっちの話を聞く気がねぇのか聞きたいのかハッキリしろ」

 

「吾輩は楽しかったぞっ! ワハハハハ! 観光地巡りのようなワクワク気分だった!」

 

「仕事中に観光気分を味わってんじゃねぇよ。真面目にやってくれ頼むから」

 

 

会議室内の剣呑な空気なんてどこ吹く風と言わんばかりの能天気ぶりを見せつけてくるこの男、

こいつが『南米のライダー』その人だ。陽気な兄ちゃんどころの騒ぎじゃないこのテンション。

ラテンアメリカ人ってのは接するのに疲れるって言われるのが、こいつを通してよーく分かる。

ほらみろ、せっかく話し合いができるかもしれない程度にはまとまってた空気が霧散しかけてる

じゃねぇか。特にフォーリナーの機嫌がマッハで急降下中なのが見なくても分かる。ヤバい。

 

 

「そうだ、吾輩には土産話があるのだ! 聞きたいか、うん? 聞きたいだろう?」

 

「土産話? ああ、例のバーサーカーの件か」

 

「そこまで言うなら応えようとも! 吾輩が如何に勇ましく戦ったか、その武勇伝をなぁ!」

 

「お前の話じゃない、違う違う。お前が戦った相手の話が聞きたいんだよコッチは」

 

 

話がまるで通じない。言葉は通じるのに話が通じないとか、こいつさてはバーサーカーか?

毎度毎度このライダーとの会話は神経がすり減っていくようで嫌いだ。真っ当に相手してたら

一週間でハゲ散らかる自信がある。ストレスメーカーとしちゃ世界一位だって取れる気がする。

 

しかしこんな調子でも、俺たちからしたら立派な戦力という事実に変わりはない。

さらに言えばこのライダーのスキルと宝具とキャスターの『観測』が噛み合いさえすれば、あの

何考えてるか分からん【異星の神の使徒】の一体である狐耳の悪女の力を借りる必要がなくなる。

 

つまり、本来ならば不可能な難業、他異聞帯への移動が可能となるのだ。

 

もちろんこの話は他のクリプターに喋ってない。もしもの時の為のとっておき、ってやつだしな。

何事も有事への備えって必要だろ? だから俺は、最悪を想定した脱出経路だって用意しておく。

その為には最低限、キャスターとライダーは追い詰められるような状況下においても、ある程度

スキルや宝具を使用できる状態でいなきゃならん。ハッキリ言えば、この二人が俺の生命線だ。

 

だから俺はこの二人を仲間に引き入れるべく、交渉に交渉を重ねた。その結果が、今である。

俺が契約したサーヴァントはどいつもこいつも一癖二癖有り過ぎる連中ばっかりだけど、逆説的に

それくらいのブッ飛んだ連中じゃなけりゃ、こんな異聞帯の領域拡大なんざできっこない。

 

宝具によって地球上のあらゆる事象を『観測』し、『証明』できるキャスター、ガリレオ。

宝具とスキルによって彼自身が『国』と認めた土地であれば、踏破が可能となるライダー。

そして、スキルによってほぼ無尽蔵に(・・・・・・)魔力源を生成可能な(・・・・・・・・・)、俺の召喚したフォーリナー。

 

これだけ条件がそろってるんだ。ここからはクリプターであるこの俺の采配にかかってる。

 

絶対にやれる。これまで平凡以上の結果を残せていないような凡夫であったとしても。

 

逃げても負けにならない(・・・・・・・・・・・)戦いだったら、俺にだってどうにかできるさ。

 

 

「キャスター、ライダー、ランサー。そして、フォーリナー」

 

 

この四人が一堂に会する機会も、これから少しずつ減っていくかもしれない。異聞帯の『完成』に

必要な準備等で忙しくなるかもしれないし、その前にカルデアがここへやってくるかもしれない。

此処で言っておかなければ言うタイミングを損なう恐れがある。だから俺は、彼らの名を呼んだ。

そして全員の視線が集まるのを少し待ち、間を作ってから呼吸を整え、言葉を紡ぎ出す。

 

 

「俺は______________皆で力を合わせて今度こそ、人類史に負けない歴史を生み出す」

 

 

そうだ、負けない。

 

負けてたまるか。

 

だから。

 

 

「___________力を貸してくれ。俺のような人間一人じゃ立ち向かえないから」

 

 

弱いままでもいい。

 

情けなくたっていい。

 

俺にできることなんて、それくらいしかないから。

 

 

「一緒に、世界(歴史)を変えよう」

 

 

 




いかがだったでしょうか。

長くなりそうだったので、少し短めですが二つに分けることにしました。
なので次は早めに投稿できそうです。

早いところ他クリプターやカルデアの面々との絡みを書きたいんじゃ…。


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