「そういえばさ〜」
下校途中にいきなり声を掛けられ振り返ると、そこには同じ制服を着ている女子が居た。
「えっと、同じクラスの綾子…さんで合ってたっけ?」
「お、覚えてくれたんだ!嬉しいなぁ」
彼女とは接点がなく声を掛けられる様な事をした覚えがなかった。
「そ…れでなんか私に用でしょうか?」
1度止まった足を動かし歩く、そうすると彼女は慌てて横に並びながら話を続ける。
「用っていうか、帰り道同じだから一緒に帰ろう?っていうお誘いだったんだ!」
「ん?綾子さんの家ってこの方面でしたっけ?」
「うん、そうだよーまぁ僕の帰る時間が早いから会わないだけで、ほら!純子ちゃんって大体18::00には帰るでしょ?」
初対面なのにちゃん付けって…ん?
「そうだけど…何で私の下校時間を知っているですか?」
彼女の言葉に違和感を覚え聞いてみる。
「いやぁ、いつもこの時間は小説のネタを考える時に外を眺めているんだけど、決まった時間に君が学校から帰るのを見るんだよ。」
「っ!奇遇ですね!私も小説が好きで暇な時は家で小説をノートに書いてるんですよ!」
「おぉ!本当に奇遇だね!今度見せ合いっこしようよ!」
「人に見せるのはちょっと恥ずかしいですけど、同じ趣味の綾子さんなら…勇気を出してみます!」
せっかく同じ趣味の子からの提案だ、恥ずかしがっては前に進めない。
「それで、綾子さんはどんな話を書いているんですか?」
「あーそれが…んー言いにくいけど和風ホラー系かなぁ」
「おぉ!同じです!本当に気が合いますね!」
「えっ!本当!嬉しいなぁ、ほらこのジャンルはあまり知られてないから通じるか不安だったんだよねぇ!」
「分かります!その気持ち!ちなみに具体的にどんなのとか書いてます?」
「今はネタに困ってて書いてないけど昔のだったら陽炎の話とか書いてたかなぁ」
「陽炎の話?それはどんなのなんですか?」
「それがねぇ、何と…その陽炎に主人公が乗っ取られちゃう話!」
「それ、ホラーって言います?」
…少し拍子抜けした。
「そりゃあもう十分ホラーさ、だって今までの生活が知らない様な奴に奪われていくんだよ?これ以上に怖いものはないと思うね!」
慌てて彼女は持論を言い出すがあまり実感が湧かなかった。
「正直実感が湧きません、もっとこう…日本に伝わっている様な都市伝説を取り入れている物を想像してました。」
「都市伝説って例えばどんなの?八尺様とかその辺り?」
「少しマイナーですけど、そうですね、その辺りを取り入れて書いた方が乗っ取りよりも怖いと思います。」
「そうかなぁ、まぁいいや」
家に着くまで彼女は少し唸られた様子でんーと口を尖らせていた。
よっぽど私の言葉が効いたのだろう、今度学校で会った時は謝らなくちゃいけない。
「じゃあ私の家ここだから」
私がその言葉を言うと彼女は先程の様子から一転し勢い良くを顔を上げ満面の笑みを零していた。
すると彼女は勢いそのままただいま〜!と声を上げながら玄関を開けた。
呆気に取られ言葉を失っていると食卓の方から声が聞こえた。
「あら、おかえり純子夕飯はもう出来てるから早く着替えてこっちに来なさい。」
「分かったよ!お母さん!」
そう言いながら綾子はドアをゆっくり締めながら私を見て不敵な笑みを浮かべた口で(ねぇ?怖いでしょ?)と動かした。
あぁ…確かにこれは恐ろしく…怖いね
ドアの閉まる音を聞きながら私の意識は遠のいた。
オチは長くするほど諄なって来たんで雑に投げしました。