なのであまり気にしない事でお願いします。
そんなわけで続きをどうぞ!
昨日は何か色々わかった事がある。あのオレンジ色の子と赤色の子が響ちゃんとクリスちゃんって言う名前である事。あのピチピチスーツがシンフォギアって事。響ちゃんが確固たる覚悟を決めて戦っている事。とにかく色々わかった。
そして本日も私はバイト先でメイドをしている。なんだかな~…。普段メイドのフリーターでノイズが出ると騎士王ってどんな二足わらじ?最近のラノベでもこんなの無いと思うよ?
「
おっと、店長からの呼び出しだ。
「はい、なんでしょう?」
「今さっき賄い作ったからお客様いない内に食べちゃってくださいにゃ~」
今の時間は平日の午前中。これから正午から2時くらいまで忙しくなる前にご飯食べとけと言うことか。
「はい、頂きます」
私はカウンター席に座り店長が作ってくれた賄い飯を食べる。
うん、このスタミナどんぶり美味い。相変わらずなんでネコなのにこんなにご飯作るの上手いんだろう…?
「それにしても最近のダイスだかマウスだか頻繁に出るようになってお客さんも大分少なくなったにゃ~」
確かに。ここ最近ノイズが連日出るようになって大分お客さんがいなくなった。ただでさえお昼以外だどお客さん少ないこの店も今はガラガラだ。まぁそのおかげでカウンターでご飯食べられるだけどね。
「フッ、この世の静寂とは厄災の前触れだ。だが多くの人はそれを知らず、常に同じ毎日が来ることを信じて疑わない。故に人は試されている。訪れた厄災にどの様にして生き残るかをだ」
えーと、つまり何?嵐の前の静けさって言いたいのカオスさん?よくわからん言い回しだな…。あといい加減コーヒー一杯で閉店までいるの止めて貰えません?
「誰が言ったのかしらね、沈黙は肯定って。何も言わないって肯定も否定もしてないって事なのに。そうよ、あの時彼は何も言わずに私から離れたわ!何も言わずに私からぁぁ!!」
デスティニーさんが何かを思い出して泣き始めた。正直関わりたくないので無視する。
「うんうんうん!」
バブルスさんは裏で皿洗いしながら頷いてきた。たまにだけどバブルスさん取り敢えず頷いておけばいいとか思ってない?関係無いところで頷かれても意図を解釈出来ないんだけど。
「ああの、あのさぁ、ここここのコーヒー葉っぱが書いてああるんだけど、こここれって俺にき気があるってk」
「当店のサービスです。冷めない内にとっとと飲んでください」
エボリューションさんは相変わらず挙動不審だし。ただのラテアートで何故気があると思えるのか。エボリューションさん以外の人の注文でも書いてるし。
ちなみに
「あぁ~正直暇だにゃ~。ここいらでイベントの一つでも起きにゃいかにゃ~」
おいおい店長、そんな事言ったりすると本当にフラグが立t
ブー、ブー、ブー!!
そして回収されるフラグ。これってノイズが出現したときになる警報だよね。
「うぇえ!?回収早くにゃい!?」
「フッ、そして嵐は突如としてやって来る」
「私は今でも待ってるのよ!なのにどうして来てくれないのぉ!?」
「うんうんうん!」
「ちょおまやめろ、今コーヒー飲むかr熱ぅっ!?」
そして慌て始める三頭身のネコども。私はどんぶりに残っていた賄い飯を掻き込んでお腹に入れ一足先に
「すみません店長。着替えて先に避難します」
「ウェ!?いやいや
「先に避難します…!」
「は、はひぃ~…」
店長が何か言ってきたけど何時も道理[カリスマ]スキルで黙らせる。でも確かに何か嫌な予感がする。[直感]スキルからじゃなくて私自身の勘からだ。今回の襲撃、何か違うのかな?
なんてフラグめいた事を考えつつ私は店を出て行った。
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「コイツがピーチクパーチク喧しいからちょっと出張ってみただけ!それに勘違いするなよ、お前たちの助っ人になったつもりはねぇ!」
『助っ人だ。到着が遅くなったかもしれんがな』
クリスが弦十郎から渡された通信機を片手にそう言い訳すがその渡した張本人が通信機越しにそれを否定する。
「助っ人?」
『そうだ!第2号聖遺物[イチイバル]を纏うシンフォギア奏者、[雪音 クリス]だ!』
「クリスちゃーん!ありがとう、絶対分かり会えるって信じてた!」
弦十郎の言葉に響が感極まりクリスに抱きつく。
「このバカ!アタシの話を聞いてねぇのかよ!」
「とにかく今は連携してノイズを!」
そう答えた翼の後ろにノイズが迫る。翼は迎撃をするため振り向き様に構えるが…
ザシュンッ!
それは
『それともう一人助っ人と呼べる者がいたな』
クリスの通信機から弦十郎の声が響く。
『正体も使用している聖遺物も不明。だがノイズ撃退に間接的に協力してくれている存在。都市伝説[
弦十郎はそう答えた人物が翼の目の前にいた。彼女は何時もの蒼い衣と白銀の鎧、その上に黄色いレインコートのフードを纏って立っていた。
「…でしゃばりましたか?」
「いいえ、助かったわ」
質素な受け答えをする翼とセイバー。
「お互い事情も素性も知らない間柄ですが、今は目の前の脅威の為、協力をしましょう」
「はい!」
「えぇ!」
セイバーの共闘に賛成する響と翼。だがクリスだけは何処か不満げな顔をする。
「アタシは勝手にやらせてもらう!邪魔だけはすんなよな!」
クリスがそう答えると手元にボウガン状のアームドギアを出現させ空にいるノイズを迎撃する。
「空中のノイズはあの子に任せて、私達は地上のノイズを!」
「は、はい!」
「分かりました」
四人は各々分散し各個にノイズを撃退してく。その途中、翼とクリスの背中がお互いにぶつかり振り替える。
「何しやがる! スッコンでな!」
「貴女こそいい加減にして! 一人だけで戦ってるつもり!?」
戦闘中にも関わらず足を止め互いに文句を言い合う二人。
「アタシは何時でも一人だ!こちとら仲間と馴れ合ったつもりはこれっぽっちもねぇよ!確かにアタシ達が争う理由なんて無いのかもな。だからって、争わない理由もあるものかよ! こないだまでアタシらとお前らは殺り合ってたんだぞ!そんなに簡単に人と人が…」
「出来るよ。誰とだって仲良くなれる」
クリスの言葉を遮り響がそう答える。響はクリスの右手を左手で握り、右手を翼の左手に伸ばし握る。突然の行動に翼とクリスは呆然としてしまう。
「どうして私にはアームドギアが無いんだろうってずっと思ってた。いつまでも半人前はイヤだなーって」
響は語る。以前自分の弱さからアームドギアが出現しないと思い込んでいた時の事を思い出しながら。
「でも、今は思わない。何も手に握ってないから…。二人とこうして手を握り合える、仲良くなれるからね」
だが今は違う。何も握ってないからこそ手を伸ばし繋ぐことが出来る。分かり合える。彼女が捨てなかったその気持ちにシンフォギアが答えたからこそ彼女はそれを誇りに思うのだ。
響の言葉に心打たれた翼は手にしていた
クリスは顔を逸らす。先程言った言葉は本音で間違いない。たがそれでもその手を繋ぎたい自分がいるのも事実だ。その証拠に手が震えている。ためらっているからだ、手を伸ばす事に。
だがその手を優しく握る者がいた。クリスは逸らしていた顔を前に向け手を握った人物を見る。
「もし貴女が貴女の為に伸ばされた手を握る事に
そこにはセイバーがいた。セイバーは自分の右手をクリスに、左手を翼に伸ばしその手を握っていた。クリスは突然胸の内から来た羞恥心からセイバーの手を振り払う。
「このバカに当てられたか!?」
「そうだと思う。そして貴女もきっと…」
「冗談だろ…!」
「しかし、一瞬でも握られたその手が暖かいモノだったのは揺るぎない事実です」
翼とセイバーの言葉に顔を赤らめるクリス。だが繋がれた右手は振り払わなかった。
その時、頭上から巨大な影が四人を覆い尽くした。超大型の飛行型ノイズが頭上にまで接近していた。
「親玉を倒さないとキリがない」
「だったらアタシに考えがある。アタシじゃなきゃ出来ないことだ」
クリスが超大型ノイズの対抗策を提示する。
「イチイバルの特性は長射程広域攻撃。派手にブッ放してやる!」
「まさか絶唱を?」
「バーカ、アタシの命は安物じゃねぇ!」
「ならばどうやって?」
「ギアの出力を引き上げつつも放出を抑える。行き場の無くなったエネルギーを臨界まで貯め込み、一気に解き放ってやる!」
「だがチャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手にする状況では危険すぎる」
「そこは私達でカバーすればいいでしょう」
「はい!私と翼さんとセイバーさんでクリスちゃんを守りましょう!」
具体的な作戦の算段がつくと同時に
(頼まれてもいないことを…! あたしも引き下がれないじゃねえか)
その場に残ったクリスは作戦道理エネルギーのチャージに入る。やがて臨界に達したクリスのアームドギアが形を変え巨大なミサイルが四つ出現する。クリスは照準を超大型ノイズに定め迷い無くそれを発車する。
【MEGA DETH QUARTET】
さらに腰のパーツから小型のミサイルと両手のガトリングを一斉射し空中に存在するノイズを全て撃ち落とす。
「やった…のか?」
「たりめーだ!」
翼の疑問にクリスが堂々とした顔で言う。そこに感極まった響が再びクリスに抱きつく。
「やったやったー!あははー!」
「やめろバカ!何しやがるんだ!」
「勝てたのはクリスちゃんのおかげだよー!」
「だからやめろと言ってるだろうが!」
クリスは無理矢理響を引き離すが響も負けず劣らずクリスに引っ付く。そこにセイバーがやってくる。
「やりましたね」
「ふん!トーゼンだろ」
素っ気ない返事だがその顔は少々赤った。その場にいる戦士達が勝利の余韻を肌で感じ、結束を深めていた。
だが…
ピリリリ!ピリリリ!
不吉とは突然やってくるものである。
『響っ!? 学校が…、リディアンがノイズに襲われt』
鳴り響くのは電話の通話終了音。その音に四人は深く息を飲み込んだ。
ここから最終回まで突っ走ります。