結構難産でした…(›´ω`‹ ) ゲッソリ
それではどうぞ!
星が造りし聖剣と神が造りし神槍
[ルナアタック]から約三ヶ月くらい、私はとある場所にいた。
「はい、そちらの照明はその様にお願いします。
えぇ、こちらもその様におn『prrrrr、prrrrr』
失礼。はい、
せわしなく動く私。今は猫の手も借りたいくらい本当に忙しい。
私がいるこの場所は翼さんと今海外で人気絶頂中の[マリア・カデンツァヴナ・イヴ]さんのコラボライブの会場だ。
今現在はそのライブの最終チェックで私を含めたスタッフ達があっちこっち走り回っている。私もさっきから営業用の携帯が鳴りっぱなしだ。
『prrrrr、prrrrr』
と思った矢先にまた鳴った。も~今度は何処の部署?て、あれ?私手に営業用の携帯持ってるのに鳴ってない。あ、そうか。仕事は仕事でも
私はスーツの胸ポケットから通信機を取り出す。
「はい、セイバーです」
『俺だ。響君達の方で状況が変わったので報告する』
通信機から弦十郎さんの声が聞こえる。何でも[ソロモンの杖]の護送任務についていた響ちゃん達は無事に目的地の軍事施設に護送を完了するもその軍事施設でノイズの襲撃に遭い、[ソロモンの杖]と研究者の[ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス(長いから皆ウェル博士って言ってる)]さんなどか行方不明になっているらしい。
『状況については以上だ。緒川には既に伝えてあるがこの件、今は翼には黙っていてくれ』
「
『あぁ。ノイズの襲撃ともなれば今日のステージを放り出しかねんからな』
「了解しました」
でも翼さんのことだから何かの拍子で気づきそうだけどな~。
なんて事を考えながら私は通信機をしまい、残っているチェック項目にチェックをいれるのだった。
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「ありがとう、皆!」
で、時間は過ぎて大歓声の中翼さんは皆に手を振っている。私は舞台裏でその様子を見ていた。
まだ一曲目なのにものすごい盛り上がり。やっぱトップアーティストって違うわ。そしてその一人を私見習いだけどマネジメントしてるんだよね。考えたらちょっと震えてきた。
「私は何時も皆からたくさんの勇気を分けてもらっている。だから今日は私の歌を聞いてくれる人達に少しでも勇気を分けてあげられたらと思っている!」
翼さんらしいコメントだ。普段から一緒に仕事してる身として色々な翼さんを見てきたけどアレが一番素の翼さんなんじゃないかと私は思う。
「私の歌を全部世界中にくれてやる!振り返らない、全速力だ!ついてこれる奴だけついてこい!」
そしてコラボ相手のマリアさんもイメージ道理だね。本番前に楽屋で翼さんに挨拶(多分ほぼカチコミ)に来てた時と同じだ。
「今日のライブに参加できた事に感謝している。そしてこの大舞台に日本のトップアーティスト[風鳴翼]とユニットを組み、歌えた事を」
「私も素晴らしいアーティストと巡り会えた事を光栄に思う」
「私たちは世界に伝えていかなきゃね。歌には力があるって事を」
「それは世界を変えていける力だ」
ステージ上で互いにガッチリと握手する二人。何となくだけど相性がいいのかな?
てかさっきも言ったけどまだ一曲目だからね?なんかもうフィナーレみたい空気になってるけど…。
「そして、もう一つ…」
ん、なんだ?私の[直感]スキルが何か警告を発している。
すると次の瞬間、ステージを多い尽くすほどのノイズが出現した。突然の出来事に観客もスタッフもパニックになっている。
だけど、
「うろたえるな!!」
マリアさんの叫声によってパニックが沈静化された会場。だが状況はかなり緊迫している。観客もスタッフも皆がステージ上の
私はその隙をついて人気の無い場所まで移動する。
『prrrrr、prrrrr』
移動してすぐに通信機で緒川さんに連絡を取る。二コール目で直ぐに繋がった。
『セイバーさん!今どちらにいますか?』
「ステージ裏の方です。今人気の無い所まで移動しました。そちらは?」
『観客席側です。ほぼセイバーさんと真反対の位置ですね。そちらから翼さんの状況は確認できますか?』
物陰に身を隠しながらステージを見る。どうやら翼さんはシンフォギアを纏おうとしているらしい。
だけどそれは難しい。シンフォギアは日本政府によって概要だけ公開しているけどその奏者については秘匿している。ここで翼さんがシンフォギア奏者とバレると後々の面倒事になるのは明らかだ。
でも翼さんの性格上、本当に追い込まれた状況になったら絶対に迷い無くシンフォギアを纏うだろうね。例えば観客がノイズに襲われ始めた時とか。
おっと、色々考えてたらどうやら状況に動きがあったみたいだ。
マリアさんが全世界に対して宣戦布告をした後、
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
なんとシンフォギア、しかもガングニールを纏った。
「私は…、私達はフィーネ!そう…終わりの名を持つものだ!!」
マリアさんが自らをフィーネと名乗った。
まさかもう甦ったの!?
でも何だろう…。何か
そうこう考えている間にも状況は動き続ける。
「我ら武装組織フィーネは各国政府に対して要求する。そうだな…、差し当たっては国土の
無茶な要求だ。国地の割譲なんてたった一日で可決出来る様なものじゃない。何の目的でそんなことを要求するか分からないけど何時までもむこうのペースで進ませたらダメだ。
まずは冷静に状況の優先度を考える為に自問自答しよう。
まず最も優先すべき事は?
この会場の観客の命だ。
その為には何をすべき?
ノイズの撃退。
その次にすべき事は?
翼さんの安全の確保。または戦闘に参加できる状況にすること。
それによる一番の障害は?
TV中継。
よし、まとまった。後は状況に応じて対応するだけだ。幸い今は私は一人じゃない。
「シンジ、そこから中継室までどれほどかかりますか?」
『そうかからない筈です』
「ではTV中継を止めてください。私はノイズ撃退後、観客とツバサの避難をさせます」
『大丈夫ですか?仮にもノイズが相手です。セイバーさんが相手ならともかく、それが観客の皆さんに回ったら…』
「問題ないと思います。人質を取ると言う事は何かしら叶えたい要求、もしくは成し遂げたい目的があるはず。それをみすみす殺しては今後の交渉の妨げになります。実際マリア・カデンツァヴナ・イヴは、誰一人見せしめとして殺してない。有利に交渉を進めるために出来るだけ穏便に話を進めようとする意思を感じます」
『なるほど…、了解しました。中継の方は僕が何とかします。セイバーさんもお気をつけて』
そう言い残し緒川さんは通信機を切る。
さて、それじゃ私も動きますか。
私は周りに人がいないことを再度確認し第二霊基となり[
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ステージ上では二人の歌姫がにらみ合いを続けていた。
「どこまでが本気なのか…?」
「私が王道を敷き、私達が住まう為の楽土。素晴らしいと思わないか?」
一触即発の空気がその場を支配していた。
だが、その状況は一変する。
ザシュン!
突如として会場を囲んでいたノイズ達が次々と倒されていく。
「っ!」
「っ!?何事!」
翼とマリアも突然の事態に驚きを隠せない。
「
観客の一人がそう呟いた。
「そうよ、
「
観客達が騒ぎ始める。
この約三ヶ月の間、都市伝説[
今回は偶々[
会場内のノイズを全て撃退した[
「ツバサ」
「やはりセイバーか」
もちろんその正体はセイバーである。セイバーは以前と同じく[
「今シンジが中継の停止に向かっています。もう少しの辛抱です。私が
「すまない、助かる!」
小声でのやり取りの後、セイバーはマリアに肉薄する。マリアは何かの接近を感じ、剣に見立てたマイクを前に突き出しガードの体勢になる。
ガキュン!!
「くっ!!」
前方から来た衝撃に顔を歪めるマリア。衝撃を受け止めきれずそのまま後ろに滑る。手にしていたマイクは中間から真っ二つに切れていた。
「今だ!
翼が観客に向け叫ぶ。
「人質がっ!?」
マリアも人質が避難をしていることに気付くが構っている暇がない。なにしろ見えない何かが自分に襲い掛かって来ているのだから。
「ぐっ!一体何処にいる!?」
マリアは五感の全てを総動員して四方八方からくる何かの攻撃を凌ぐしかなかった。だが完璧には凌げず徐々にギアの一部を破壊されていく。
やがて観客の避難が終わり、緒川によってTV中継が中断された。
「Imyuteus amenohabakiri tron」
それを確認した翼はその隙にシンフォギアを纏う。
「はぁぁ!!」
「ちぃ!」
刀を持った翼は大きく飛び上がりマリアに斬りかかる。マリアはバックステップでそれを避け翼と距離を取る。
「セイバーすまない!遅れた!」
「いえ、頃合いでした」
翼の隣に立つセイバーは[
「シンフォギア装者が二人!?」
「いえ、残念ながら私は装者ではありません。ですが貴女を倒す者ではあります」
驚愕するマリアにそう答えながら[
「…一つ訊きたいのだけど、貴女の手に持つその透明な得物…それは
「さぁどうかな?
「く、ぬかしなさい
セイバーは軽く微笑みながら軽口を叩き、マリアはそれに
次回セイバーが無双します。