作者(茶久良丸)としてはサクサク読めるぐらいにしたいのですが…。やっぱり文章力がないのかなぁ…。
まぁそんなことはさて置き続きをどうぞ!
コラボライブから一週間。世界に対し宣戦布告した武装組織[フィーネ]だが、全く音沙汰なしであった。
アレだけの大きく出たんだから何かしらアクションがあると思ったんだけどまるでそれ自体が陽動みたいでかなり騙された気分だ。まぁお陰で二課の方で色々と調べる時間が出来たからよかったんだけどね。
で、今私は何をしているのかと言うと…
「テメェ等ゴラァ!何処の組のモンだ!」
絶賛反社会組織…と言うか極道の人達に囲まれています。
…うん、分かるよ。どう言う状況だよって話だよね?でもしょうがないじゃん。マリアさん達が使ったと思われる乗り捨てられたトレーラーを調べたらここにたどり着いちゃったんだから。
「これは中々のご歓迎ですね」
隣で緒川さんが笑顔でそう言う。いや、なんでこの状況で笑顔なんですか?まぁ私も終始仏頂面のままだけどさ…。
「何のつもりか分からんがタダで帰れると思うなよ!馬鹿野郎!この野郎!」
「男は腹裂いて
うわ~…、マジギレだよ怖っ。でも実際どうしよう…。普通の人相手に手加減するの結構難しいんだよね…。下手したらむこうが内蔵えぐり出ちゃうレベルだし。
「ここは僕がやりましょう。セイバーはそうですね…、あの額縁辺りを調べて貰っていいですか?」
緒川さんが指を指した方向にやたらデカイ額縁が飾ってあった。
え、メチャクチャ怪しまれない?余りにも怪しい過ぎて逆に疑わないよ。あ、それが狙いか。
額縁を外してみると緒川さんの予想通りダイアル式の金庫が出てきた。私はそれを腕力でカギごと扉を破壊して開けた。
うわスゴ、中に純金入ってる!いやいやいや、今は仕事中だ私!それにこの純金は色々と“汚い”純金の筈だ。貰っても嬉しくない。
ちょっとした物欲に揺れたが私は怪しいそうなファイルや資料を片っ端から閲覧する。
「おうっ!?」
「コイツ忍法を使うぞ!?」
「貰ったぁ!なに、変わり身!?」
なんか後ろで聞こえた気がするけど無視無視。
おっと、これ出納帳かな?なんか二ヶ月前くらいから医療機器や医薬品関係の物が大量に発注されてる。それも物が相当専門的なヤツだね。あるとしても都内にある大型総合病院でもない限り使わなさそうなヤツ。しかもこれダミー会社相手に商売してたみたい。これは当たりかな?
「目ぼしいモノはありましたか?」
緒川さんが後ろから声をかけて来たので振り返る。そこには無傷の緒川さんが何時ものハンサムスマイルでいた。そしてその後ろにはさっきまで威勢良く吠えてたヤクザさん達が山みたいに積まれてた。
大体二~三分くらい調べてたと思うんだけど…。
「えぇ、中々良さそうなモノを見つけました」
「それは重畳ですね」
さてと、もうここには用は無いね。
その後、私と緒川さんはその場を後にした。
因みに純金は全部換金して災害地域の募金にさせてもらった。汚いお金もこう言う形なら役立つよね。
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で、調べてみた結果ビンゴだった。
送られていた場所は数年前に閉鎖された町外れの病院。ここに架空の企業を名乗って数ヶ月前から物質が搬入されていた事が分かった。ただ現段階で分かったのはそれだけでそれ以上情報を引き出せなかった。
「尻尾が出ないんならコッチから引きずり出してやるまでだ!」
やる気満々のクリスちゃん。響ちゃんと翼さんも口には出さないけどやる気が満ちているの伺える。
私も頑張らないとね。
意を決して私達四人は病院内に突入する。
「やっぱり元病院って言うのが雰囲気出してますよね…」
「なんだ、 ビビってるのか?」
「そうじゃないけど…、何だか空気が重いような気がして…」
「確かに。ここには何かしらの邪気の様なモノを感じますね…」
「
実際[直感]スキルが何かを捉えてるんだよね。何だろうこの赤い霧が原因なのかな?
「意外に早い出迎えだぞ」
などと考えていると翼さんかそう私達に告げた。目の前にはノイズが狭い通路に所狭しと押し寄せている。
「Balwisyall nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killter ichiival tron」
響ちゃん達がギアを纏う。私もそれに合わせて第二霊基となり[
「ちょっせぇ!!」
【BILLION MAIDEN】
変身完了と同時にクリスちゃんが両手にガトリングを呼び出し、ノイズを掃討する。だけどその後ろから次々とノイズが増えていく。
「やっぱりこのノイズは!」
「ああ、間違いなく制御されている…」
確か前に響ちゃんとクリスちゃんが任務終了の直前で[ソロモンの杖]が行方不明になったんだっけ?このノイズの大量発生から見てもここに
ともかく今は目の前のノイズを倒さなければ。
私は陽動としてノイズの群れの中心に向かって突っ込みむ。注意が私に集中したところをクリスちゃんがノイズの背中を撃ち抜き、取り巻きは響ちゃんと翼さんが各個撃破していく。
序盤は好調な滑り出しだった。だが…
「なんで…こんなに手こずるんだ…」
「ギアの出力が落ちている…?」
途中から響ちゃん達シンフォギア装者の攻撃がノイズに効かなくなっていた。
一体何が起きてるんだろう?私は特に問題なくノイズを倒せるのに…。
明らかに消耗してきている三人。仕方ない三人にはサポートに回って貰って私がノイズを…
と考えていた時、何かの接近を[直感]スキルが感じ取った。
私はそのまま[直感]スキルの示す方向に[
「フンッ!」
「■■■■■!!」
「セイバーさん!」
「三人も警戒を!これはノイズと何か違う!」
私が三人に警告を発した直前、その
「はぁぁ!」
翼さんが
「アームドギアで迎撃したんだぞ!?」
「なのに何故炭素と砕けない!?」
「まさか、ノイズじゃない…?」
響ちゃん達に憶測が飛ぶ。不味い、少し混乱してきてる。謎のギアの出力低下に続いて謎の生命体の襲撃となれば無理もないけど、冷静にならなければ
。
パチ、パチ、パチ
だけど状況は更に混迷になっていく。突然病院内で拍手が聞こえてきた。
誰かいる?
「ウェル博士!?」
クリスちゃんがそう呼んだ。ウェル博士ってたしか[ソロモンの杖]の護送で同行していた科学者で軍事施設の襲撃で行方不明になってたはず…。
「意外に聡いじゃないですか」
「そんな!? 博士は岩国基地が襲われた時に…」
「つまり、ノイズの襲撃は全部…」
「明かしてしまえば単純な仕掛けです。あの時既にアタッシュケースに[ソロモンの杖]は無く。コートの内側にて隠し持っていたんですよ」
「ソロモンの杖を奪う為、自分で制御し自分を襲わせる芝居を打ったのか?」
「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し制御することを可能にするなど、この杖を置いて他にありません。そしてこの杖の所有者は、今やこの自分こそがふさわしい…、そう思いませんか?」
「思うかよ!」
【MEGA DETH PARTY】
クリスちゃんが腰の付いているギアを展開して小型ミサイルをウェル博士に向け放つ。だが…
「っ!?うああああああ!!」
突然クリスちゃんが悲鳴を上げて苦しみ始める。放たれたミサイルはあちこちに散弾し、病院内の壁を破壊していく。やがて爆発によって発生した土煙が晴れていく。何かしらのダメージによってその場膝を付くクリスちゃんと無傷のウェル博士が見えた。
ウェル博士は恐らく[ソロモンの杖]から呼び出したノイズを盾代わりにしただろうね。
「あれは!?」
響ちゃんが何かに気付く。先ほどゲージの中に入って行った
アレはきっと今後脅威になるモノだ。ここで確保・あるいは撃退しておきたい。今動けるのダメージで動けなくなったクリスちゃんを除いた響ちゃんと翼さん、そして私の三人だ。
だけど翼さんはクリスちゃんを肩に担いでいるので除外。あとウェル博士の拘束の為に最低一人はこの場に残らなければならない。そして
もう答えは出きっていた。
「ヒビキ!ウェル博士の確保を!私はあのノイズを追います!」
私は響ちゃん達の返事も待たず全身に[魔力放出]を施し一気に加速する。
『セイバーさん!飛行型ノイズはそのまま海上に進行中です!』
耳に付けたイヤホン型の通信機から友里さんの声が響く。恐らく追跡から逃れるためにわざと海上を通るルートで飛行しているんだろうね。だけどそうはいかない!
私は勢いのままに海上に飛び、そのまま
セイバーにはステータスに反映されてないけど[湖の精霊の加護]を受けている。これのお陰で私は水面を立つ事も走る事も出来る。
私は足に[魔力放出]を施し上空のノイズまで一瞬で跳躍して、ほぼ目の前にまで接近したノイズを[
が、ここで[直感]スキルが危険を感知する。
「っ!?」
私は[魔力放出]で無理矢理体を捻らせ[直感]スキルが感じ取った危険を回避して、そのまま海面に着地する。
回避したそれは
「残念だったわね」
「マリア・カデンツァヴナ・イヴ…」
そこにはマリアさんが立っていた。彼女の左手には先ほどのゲージが握られている。
『セイバー、聞こえるか?』
「ゲンジュウロウ?」
『どうやらお前の予感は的中したらしい…。マリア・カデンツァヴナ・イヴは[リンカーネーション]によって甦った了子君…フィーネだ』
やっぱり私の早とちりじゃ無かったか。フィーネを名乗る以上、彼女が甦ったと考えるのは妥当だ。だけどコラボライブと同じだ、何か違和感がある。
…少し鎌をかけてみるか。
「悪いけど
「その様な異質なモノを使って何をしようと言うのですか!?」
「正義で守れないモノを守るために!」
…やっぱりおかしい。もし三ヶ月前のフィーネだとしたら望むモノは彼女の思い人に会うことのはず…。正義でどうこう動く人ではないはずだ。それにアレだけの事をしたんだ、私に恨み言の一つ二つくらい言うだろうに。
そんな考えをしていたら、マリアさんがゲージを空高く投げ放ち、突如空に消えた。何、コッチの知らない新技術か何か!?
私が驚いてる間にマリアさんが襲いかかってくる。
「はぁぁぁ!」
「ちぃ!」
ガキィン!
私は[
マリアさんはマントを全身にくるみ海面を移動する。
足場の無い海面でよく動く!
私は跳躍しマリアさんの頭上から[
だけどそれは[直感]スキルで読めていた。
マリアさんの突きを紙一重でかわす。
「ぐっ!」
振り下ろされた[
『セイバーさん!響ちゃん達が!』
そこに友里さんの声が耳に聞こえる。
私は自分が海に飛び出した工事中の道路を見る。そこにはライブ中に乱入して来た
しまった!マリアさんを相手にするのに気が向いて響ちゃん達に気が付かなかった!今は三人のギアの出力が落ちてるのに!
「私を甘く見たな!」
顔を背けた私にマリアさんの突きが迫る。
「甘く見た事など一度と無い!」
マリアさんの突きを[
ドボゥ!
「フグッ!」
アッパーカットで体が宙に浮くマリアさん。私は右足を軸にして左足に再び[魔力放出]のブーストを乗せて右の脇腹に回し蹴りを追い打ちする。
ボゴッ!
「ガッ!」
マリアさんはそのまま左方向に飛び、体を海面に叩き付けられる。
私はすぐにダッシュで響ちゃん達の元に向かう。だけど時既に遅し。私が到着した時には響ちゃん達三人はボロボロの状態。
「[ソロモンの杖]を返しやがれ!」
クリスちゃんが手にしていたギアをスナイパーライフルにして大型ヘリを撃ち落とそうとする。
【RED HOT BLAZE】
だけど大型ヘリは再び透明になって、見えなくなる。
「ゲンジュウロウ」
『駄目だ、こちらでも反応が消えた』
仮説本部のレーダーで見つけられないなら追撃は不可能か…。
気付いた時、既に朝日が昇っていた。だけど私の気持ちは太陽の様に明るくはなかった。
補足
マリアさんはセイバーがきりしらコンビの元に向かった後、しれっと回収されてました。