年内までにG編は終わらせたいのにな~…。
まぁそんなことより続きをどうぞ!
あれから数日。私は以前として響ちゃんの監視任務に就いていた。
今響ちゃんは未来ちゃんと一緒にスカイタワーを
あの日、響ちゃんが二課に運び込まれて緊急手術を施された日。一命を取り留めた響ちゃんに弦十郎さんから体の事についての説明がされた。
「あはは、つまり胸の[ガングニール]が活性化される度に融合してしまうから…、今後はなるべくギアを纏わない様にしろと。あはは…」
なんと言うか…。何時もの響ちゃんの明るい笑顔とは真逆の空っぽで無理をしている笑顔だ。
「いい加減にしろ!!」
そんな響ちゃんに翼さんが怒鳴り付けた。
「なるべくだと!?寝言を言うな!今後一切の戦闘行為を禁止すると言っているのだ!!」
「翼さん…」
「このままでは死ぬのだぞ!立花!」
翼さんは目元に涙を溜めながらそう響ちゃんに叫ぶ。
以前、弦十郎さんから聞いた事がある。二年ほど前、翼さんの他にもう一人シンフォギア装者がいた。[天羽 奏]、響ちゃんの胸にあるガングニールの元の持ち主だ。かつて彼女は翼さんと[ツヴァイウィング]と言うユニットを組み、歌手と装者の両立をしていたらしい。翼さんとはそれこそ無二の親友と言えるほど仲だった。だけどとある大型のライブにてノイズの大量出現が発生、その撃退の為に彼女は絶唱を歌い、撃退には成功するものの絶唱のフィードバックにより死亡したとの事だ。
翼さんがこんなにも取り乱しているのはかつての奏さんの事があるからだろう。
「そんくらいしときな。このバカだって分かってやってるんだ」
そんな翼さんをクリスちゃんが間に入って、仲裁する。翼さんはそのまま部屋を後にする。
「医療班だって無能ではない。目下、了子君が残したデータを元に対策を進めている最中だ。治療法なんてすぐに見つかる。ほんの僅かな時間ゆっくりしてもバチが当たるもんか。だから今は休め」
「師匠…」
弦十郎さんに励ましの言葉を受ける響ちゃん。
その後、数日間の検査を終え再び日常生活に戻った響ちゃんだけど、ガングニールの侵食は未だ深刻レベルで進んでいる状況だ。医療班の人達も必死で治療法を探しているけど正直上手くいっていないらしい。
弦十郎さんは響ちゃんの今ある日常、特に未来ちゃんと一緒にいる時間がガングニールの侵食を抑制出来ると考えている様だ。私も何となくだけどそうだと思う。
そして今にいたる。響ちゃんは二課の医務室に運ばれた時とは違う心からの笑顔で未来ちゃんと
もちろん今回も[変身の指輪]で変装している。してるんだけど…、ここでちょっと問題が発生した。
響ちゃん達がいるこのスカイタワーは観光地として有名で外国人観光客も多く訪れる。その為、私が[変装の指輪]でガウェインやランスロットの姿になると道を訪ねてくる外国人や同郷の人間だと思われ声をかけるイギリス人やフランス人が多く現れた。さらに言っちゃうとベディヴィエールの姿になったら逆ナンにもあった。これだから円卓の騎士は…。
なので今現在はあんまり使わない人で変装している。その人物は円卓の騎士の一人でありガウェインの弟でありガレスちゃんの兄であるアッくんことアグラヴェイン卿だ。で、なんであんまり使わないのかと言うと…
「ママ…、あの人怖い…」
「しっ!そんな事言うんじゃありません!」
私の横を通り過ぎた親子の小声でのやり取り。これがあんまり使わない理由だ。
この姿になるだけで道行く人がメッチャ怖がる。そりゃ当人の生前の人柄とか仕事の内容とか考えるとストレスであんな顔にもなっちゃうとは思うんだけどさすがに周りがこんな露骨に嫌な顔されると使わなくなるのも必然だ。
ほらさっき横を通り過ぎた女の子、ちょっと涙目になってるし…。
そんな私の愚痴を私自身で受け止めている中、響ちゃんと未来ちゃんは地下の水族館からスカイタワーの特別展望台で町を上から見ている。今のところは問題無し。でも最近分かってきたけど、こう何か順調な時に限って何かしらアクシデントが起こるんだのね。
で、見事に的中してしまった。
「あれ、ノイズじゃないか!?」
「おい、逃げるぞ!」
展望台の窓には飛行型のノイズが我が物顔で飛んでいた。途端パニックになりエレベーターや非常階段に急ぐ一般の人達。私はその際に発生した人の波に呑まれてしまい響ちゃん達を見失ってしまう。何とか抜け出した後、響ちゃん達を探そうとするも、エレベーターと非常階段に殺到する人達が壁になり通れなくなっていた。
どうする…!?今すぐにでも響ちゃん達を探しに行きたいけどこの人だかりじゃ探すのも困難だ…。それに職員が少ないのか避難誘導も上手く進んでいないみたいだし…。
クソ、仕方ない!
「落ち着いて!落ち着いてください!!」
「そこの職員」
私は避難誘導をしている職員に声をかける。
「何ですか!?貴方も私達の誘導に従って避難をしt」
「私は[認定特異災害機動部]の者だ」
スーツの胸ポケットから二課の通信機を警察で言う所の警察手帳の様に見せる。ここで余談だけど、[変身の指輪]で変身している間は変身している人の姿だけじゃなく喋り口調まで変えられるらしい。なのでアッくんになっている今の私は男口調で喋っている。
「っ!?政府機関の方ですか!?」
「今この場での避難誘導を指揮している者は誰か?」
「あ、えーとその…。私達も突然の事態で困惑してまして…、非常用マニュアルに乗っ取って行動をしているだけで…」
「ならば私が臨時で君達の指揮を取る。正確な職員の数と今現在の配置位置を教えてくれ。分かり次第再配置をする。配置完了後、来場者を男と女・子供・老人に分け、男は室内非常階段に女・子供・老人はエレベーターに誘導する。急げ、時間との勝負だ!」
「は、はい!」
無線を使って私が指示した内容を伝える職員の人。響ちゃん達の事も重要だけど今は一般人の人命が最優先だ。もしかしたら既に避難し終えているか、避難誘導の途中で会えるかもしれない。
そんな希望的観測を願っている中、室内で爆発が起きる。
ドゴォン!
大きな振動が起きたと同時に落ち着きを取り戻しつつあった来場者が再びパニックになる。
不味い、これ以上避難を遅らせる訳には…!
「大丈夫ですか!?」
すると私の前にさっき話をした職員が現れる。
「今スカイタワー内で避難誘導を行っている全職員と連絡がとれました!詳細な配置位置をお教えします!」
私は職員からスカイタワーの地図を渡され、避難誘導をしている職員がいる位置をボールペンを使ってマーキングしていく。
よし、数と位置は分かった!後はスムーズに避難誘導出来るように配置変えをするだけだ!
職員の人から通信機を借りスカイタワー内の職員に大まかな指示と移動場所を伝える。その時…
ドゴガァン!!
再び展望台で爆発が起きた。
ちぃっ!
悪態をつきながらも私は職員と協力し、避難誘導を続ける。
その後、翼さん達シンフォギア装者が到着したことでスカイタワー周辺のノイズは撃退され事態は収束した。
だけど問題はそこからだった。
被害状況の確認の際に分かった事だけど、[F.I.S]と[米国政府]がスカイタワー内で接触し何らかの交渉が行われていた事が分かった。何の交渉がされていたかは分からなかったけど、交渉が行われている場でノイズが出現したとなれば結果は両者の意見は決裂したと見るのが明らかだ。
交渉はともかくスカイタワーにいた一般人まで巻き込むなんて…、大方は証拠隠滅かノイズ被害に偽装した逃走だろうけどやる事が無節操過ぎる。人類救済なんて掲げてるのにその過程で発生した被害は考えないって言うのか…?
私の中でフツフツと怒りが沸き上がってくる。だけど今は抑えないと。私は
そして問題はもう一つ浮上していた。
未来ちゃんが行方不明になったのだ。弦十郎さんから話を聞くとスカイタワーの一部が崩れ落ちた際に響ちゃんが落下しそうなのを未来ちゃん手を掴み支えていたらしい。だけど未来ちゃんの力じゃ響ちゃんを持ち上げられないのは明白であり、響ちゃんはわざと落下しガングニールを纏う事で事なきを得た。だけどそれと同時にスカイタワー内で再び爆発が発生しそのまま未来ちゃんは行方不明となってしまった。
「すみません。私が付いていながらみすみすこのような事態に…」
話を聴き終えた私は弦十郎さんに謝罪する。もちろん謝って済む問題ではないのは分かっているが、私が出来ることは謝る事しか残されてない。
「いや、むしろお前は良くやってくれたぞセイバー。あの状況下で死者・負傷者が極めて少なく済んだのはスカイタワー内の職員の迅速な避難誘導とそれを指揮したお前のお陰だと言える」
そんな私に弦十郎さんは賞賛を送ってくれる。
「それに未来君の事もまだ死亡したと決まった訳ではない。今分かっている情報によるとスカイタワー内に未来君の遺体は発見されなかったらしい。まだ諦めるのは早い。セイバー、お前も緒川の指揮に入りスカイタワー周辺で未来君の捜索を始めてくれ」
「承知しました」
私は未来ちゃんの無事を祈りながら緒川さんの元に向け走り出した。
感想を返信する時間もなくて申し訳ありません…