そしてセイバー、モーションリニューアルおめでとう!
こうしてセイバーの作品を作ってるとこういった知らせもとても嬉しく思います。
今年も作者(茶久良丸)と作者の書いた作品をよろしくお願いします!
それでは続きをどうぞ!
藤尭さんのナビにしたがってフロンティアを走り続ける私。
にしても走りづらい。
『セイバーさん!前方に響ちゃん達が!』
とかなんとか考えていると藤尭さんの声がイヤホン型の通信機から響く。
前を見てみるとギアを纏っている調ちゃんと制服姿の響ちゃん、そしてその正面の遺跡の上にギアを纏った切歌ちゃんがいた。
私は
「ヒビキ!」
「セイバーさん!」
「あら、丁度お迎えも来たみたいね」
あれ?何だろう調ちゃんから感じるこのどこか懐かしくて、モヤモヤする感じ…。
「貴女も私も色々と言いたい事はあるでしょうけど今は先に進みなさい。この星の未来がかかってるんでしょ?」
…うん、何となくだけどこの人が誰なのか分かった気がする。確かに急がないとイケない状況だ。だけど
「ならせめて一つだけ問います、
私の問いに
「千年以上も悪役やってきて今さら胸なんて張れないけど、一度くらいは守ってみたいじゃない世界ってものを。それに…
なんでしょ?」
うん、そっか。それが訊けたのならきっと信じて大丈夫だ。
胸のモヤモヤが取れいくのを感じながら私は
「ヒビキ、乗ってください!」
「はい!」
響ちゃんが
「させるもんかデス!」
切歌ちゃんが私達の妨害をしようとする。けどそれを
私はそれを横目で感謝しつつ中枢へと向かう。
だけどここで問題が起きる。私にじゃない、
さっきから
仕方ない、出来るかどうか分からないけど
私は
すると
エンジンは蒼い炎を帯びて、車体はセイバーの鎧を彷彿させるような白銀のボディーへと生まれ変わった。
ここまで言えば分かると思う。そう、私は/zeroでセイバーが
正直上手くいくか分からなくて今までやらずにいたけど本番一発で成功して良かった。
名前無いと不便だしとりあえず[
「え、えぇぇぇ!?バイクが変わった!?何これ!!」
後ろの響ちゃんが急に
私はダメ押しとばかりに自分の前方に向かって魔力を送り込む。
「[
本来なら[
本当なら人間が呼吸出来るギリギリのレベルまで空気抵抗を減らしたかったんだけど今後ろに響ちゃんがいるからある程度は加減している状態だ。
で、その響ちゃんはと言うと…
「ふおぉぉぉぉぉぉ!?!?」
急激に加速が上がった状況に理解が追い付けず、困惑しまくってた。とにかく跳ばされないようにする為に私のお腹に回した両腕を目一杯力を入れて掴まる。そしてそれによって私のお腹が全力で締め上げられる。
ちょっと響ちゃん!?いくらサーヴァントの体でも割りと本気で苦しいからもうちょっと何とかならない!?
てな事考えてたら中枢へと続くと思われる一番大きな遺跡が迫ってきた。遺跡には長く続く階段があり、内部に侵入するには階段を上る必要がある。
ここでちょっとしたバイク知識。
実はバイクで階段を上るのは難しい事だったりする。階段を昇る時タイヤの当たる面積が極端に少なくなって摩擦が取れず、一段上がるごとにガタガタと揺れてしまってバランスが取りづらいからだ。その上、私の乗っている
本当なら遺跡の前で
なのでもうちょっと
遺跡の階段が我前に迫って来たと同時に、右グリップに備え付けられた[NITRO]と書かれたボタンを勢いよく押す。
プシュー、バボンッ!
空気の抜ける様な音と共にマフラーから爆発音が轟く。それと同時に瞬間的に速度が上がっていく。さらに私は後輪部分から[魔力放出]を後ろから押し出す感じに放出して加速に拍車を掛ける。
狙い道り、
ちなみに響ちゃんは…
「んんんんん!!」
私に離れるもんかと言わんばかりにしがみついてる。もう完全に私の背中に顔を埋めている状態だ。そして私のお腹の締め上げもとんでもない事になっている。
ふんごぉぉぉ!?響ちゃんマジで勘弁して!それ以上のプレスは色々と出ちゃうからぁ!具体的に言うと出撃前に食べた
悶える私の気も知らず響ちゃんの締め上げは増すばかり。私は日頃の訓練で鍛えられた腹筋を張り何とか堪え忍ぶ。
やがて階段を上りきった
この向こうにウェル博士が…。
一抹の不安が私を過る。果たして私はウェル博士と再び対峙して平静を保っていられるのか…。またあの時の様に激昂してしまわないか…。
そんな不安を胸に私はアクセルを捻るのであった。
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「そんなに遺跡を動かしたいのなら!アンタが月に行ってくればいいだろ!!」
ウェル博士がフロンティアのコンソールを操作し、ナスターシャ教授のいる管理ブロックごと射出、月へ向け打ち上げられる。
「マムっ!」
「有史以来、数多の英雄が人類支配をなし得なかったのは、人の数がその手に余るからだ!だったら支配可能なまでに減らせばいい!ボクだからこそ気付いた必勝法!英雄に憧れる僕が英雄を超えて見せる!!」
月に向かって飛び続ける管制室を眺めながらウェル博士はそう言い放ち高らかに笑う。
「よくもマムを!!」
起き上がったマリアはガングニールのアームドギアである槍を呼び出しウェル博士に向け構える。
「手に掛けるのか!?この僕を殺す事は、全人類を殺す事だぞ!」
切っ先を向けられたにも関わらず高慢な態度を崩さないウェル博士。だがその余裕はすぐに消え去る。
「殺す!!」
「っ!?うぇぇぇぇぇぇ!」
マリアはそのまま槍を中腰に構えウェル博士に向け突撃する。自信かそれとも自惚れか、怯むと思われたマリアの反応がまるで真逆な事に動揺し悲鳴を上げるウェル博士。
そのまま一直線に槍がウェル博士に突き刺さろうとした…その時。
ヴオオオオオオオ!
コンソールに続く階段から甲高いエンジン音と共に勢いよく飛び出してた白銀の
その
セイバーは[魔力放出]を利用し前輪を先に着地させジャックナイフの状態となり、着地と同時に後輪の真横から更に[魔力放出]を行う。前輪を支点に[
ガキュン!
「ぐっ!」
[
そのまま[
「ちぃ、そこをどけ!融合症例第一号と
「違う!」
響は[
「私は立花 響、十六歳!融合症例なんかじゃない!ただの立花 響が、マリアさんとお話ししたくてここにきてる!!」
「お前と話す必要はない!マムがこの男に殺されたのだ!ならば私も
マリアは再び槍を構えウェル博士に向け突貫を行う。
だがそれは途中で止められてしまう。響とセイバーの手が槍の先端部分を掴みその動きを止めた。
手のひらに刃が食い込みポタポタ血が滲み出る。
「お前達…!」
「意味なんて、後から探せばいいじゃないですか」
「生きる意味が無いと貴女は言った。それは間違いです。貴女にはあるはずだ。貴女を想い、貴女が想う大切な人達が!」
「「だから、生きるのを諦めないで(ください)!!」」
すると響の胸の内に歌詞が流れ込んでくる。響はそれを歌い上げる。
「Balwisyall Nescell gungnir …」
「聖詠!?何のつもりだ!」
「トロォォォォォォン!!」
その歌にマリアのガングニールの槍が消滅する。いや、槍だけではないマリアが纏っていたギアその物が解除され美しい金色の粒子へと変わる。粒子は室内全てを満たし、きらびやかな幻想を作り出す。
「何が起きているの…!
こんな事ってありえない…!
融合者は適合者ではないはず!?
これは貴女の歌、胸の歌がして見せた事!?
あなたの歌って何!?
なんなの!?」
マリアは響に問い続ける。
「いってくださいヒビキ!貴女の心、全てで!!」
セイバーは響に激励する。
そして響はその声に答える様にその名を叫んだ。
「撃槍!ガングニールだぁぁぁぁぁぁ!!!」
少女の歌に槍は答え。
騎士はそれを誇らしく見守る。
次回G編最終回